2016年6月14日平成28年商工労働観光エネルギー委員会

「観光振興費、国際交流拠点形成情報発信事業の目的と取り組み内容について」

◯安藤委員

2点伺います。
1点目は、議案第1号「平成28年度青森県一般会計補正予算(第1号)案」、歳出7款2項1目、観光振興費、国際交流拠点形成情報発信事業の取り組みについて。最初に、事業の目的と取り組み内容について伺います。

◯堀誘客交流課長

近年、海外、特に発展著しいアジア地域との経済・観光交流が進展する中で、これまでに培われた国際交流のネットワークや多彩なスキルを持つ地域の人材などを最大限に活用し、さらなる交流人口の拡大を実現し、本県の経済発展につなげていくことが重要であると認識しています。
このため、本事業では、現在、本県の外国人延べ宿泊者数の多くを占めている台湾及び韓国をターゲットに、青森県の文化・自然・生活・食といった観光コンテンツを効果的に情報発信することにより、本県の認知度やイメージの向上を図ることとしています。
このうち台湾においては、昨年から県と平川市が連携して、台湾中部で最も人口の多い台中市との観光交流の実現に向けて、台中市政府や関係機関と協議を重ねてきており、今後、台中市のランタン祭りや温泉施設での本県の観光プロモーションや教育旅行の相互受け入れなどを進めることとしています。
韓国においては、日韓交流最大のイベントである「日韓交流おまつりinソウル」に参加し、より幅広い市民レベルの交流を促進するほか、友好交流協定を締結している済州特別自治道との、サイクリングやマラソンなどのアクティビティをテーマとした交流や、本県と済州の新聞社同士による情報発信を拡大していくこととしています。


◯安藤委員

今、平川市との連携というお話でしたが、平川市では、観光ツール情報発信事業という事業をやられているようで、また、五所川原市は、津軽半島地域サイクルルート整備事業というのが進められていると聞いていますが、この辺の事業については、既に事業が展開されているという認識でよろしいでしょうか。

◯堀誘客交流課長

今回、この事業を契機として、これまでになかったような新しい取り組みを、アクションを起こそうという仕掛けですので、今、平川市、五所川原市については、済州とサイクリングを通じて交流を図ろうと、検討しているところでありまして、両方ともこれから、それぞれ市、あるいは、町の予算が計上された後で動くことになろうかと思っています。


◯安藤委員

そうしますと、その財源については、青森県から拠出するという認識でよろしいでしょうか。

◯堀誘客交流課長

平川市及び五所川原市については、両方とも各市の事業として国に申請していますので、これは県を通さない、それぞれ市の事業として施行することになろうかと思います。


◯安藤委員

そうしますと、青森県としての財源を使っての事業は、それぞれの自治体の事業と連携はされているでしょうけれども、県の財源を使っての活動というのは、どういう取り組みが想定されるのでしょうか。

◯堀誘客交流課長

それぞれ県と市町村と役割分担をしています。県の場合は、ある程度市町村のエリアを超えた、より広域的な取り組み、情報発信を心がけていますが、本事業に関しては、それぞれ台中市と平川市、五所川原市と済州の直接的な人のやり取り、情報発信については、それぞれの市町村にお任せした上で、県の役割としては、そういったこれまでのネットワークを活用した部分を情報発信の拠点とみなして、特定の市町村に限らない県全体の情報発信を韓国なり台湾で展開していく、そういう仕掛けになっています。


◯安藤委員

それでは、ちょっと具体的な質問になりますが、平川市のねぷたを台中市のランタン祭りに持っていくという話もお聞きしているのですが、こういう理解でよろしいでしょうか。

◯堀誘客交流課長

平川市が主体となって、ねぷたの参加は今、検討しているところでして、今年度については、ねぷた本体まではなかなかいかないだろうということで、まず、状況の視察みたいな形になろうかと思います。今後の展開については、ねぷた本体の参加も視野に置きながら、先方と協議を進めていると聞いています。


◯安藤委員

そうすると、近いうち、この3年くらいの間にということなんでしょうか。平川市は世界一の扇ねぷたがある市でありまして、持っていくとなると、この大きな扇ねぷたを持っていくということが想定されるという考えでよろしいですか。

◯堀誘客交流課長

取り組みの中身、本体を持っていくかどうかも含めて、今、協議しているということで御理解いただきたいと思います。


◯安藤委員


それでは、今後どのように事業を進めていくのか伺います。

◯堀誘客交流課長

平川市、五所川原市に限らないのですが、これまで本県及び県内の多くの市町村では、地域国際化に取り組むことで異文化理解の向上や人的なネットワーク、友好関係の構築を図ってきました。
今後、本事業を通して国際誘客の重点地域である台湾及び韓国との間で積極的な国際交流に取り組んできた県内市町村などと緊密な連携をとりながら、対象エリアを絞って青森県のえりすぐりの観光コンテンツを情報発信することにより、本県の知名度やイメージの向上を図り、海外との交流人口の拡大に発展させていくことを目指すこととしています。


◯安藤委員

外国の観光客の方が、より青森に来て堪能していけるような、そういう事業が今後大いに展開されるように頑張っていただきたいと思います。
2点目ですけれども、議案第1号「平成28年度青森県一般会計補正予算(第1号)案」、歳出7款2項1目、観光振興費、中国個人旅行等強化状況の取り組みについて、事業の目的と取り組み内容について伺います。

◯堀誘客交流課長

今般、中国最大手旅行サイトを運営する上海携程国際旅行社が、本県の観光資源を高く評価し、自社で造成した旅行商品のうち、世界の厳選された5商品の一つに青森を訪れる旅行商品を選定し、本年5月から販売を開始しました。
上海携程国際旅行社の旅行サイトの会員数は約2億5,000万人であり、また、昨年、同サイトを利用して30万人が日本を訪れるなど、同社は日本への抜群の送客力を有しています。
そのため、県としては、この機会に観光地としての青森の知名度の飛躍的な向上と誘客増を図ることとし、同社と連携して青森を訪れる旅行商品の販売促進を行うこととしたものです。
具体的には、青森旅行商品の販売促進のため、同社の旅行サイトとタイアップした本県観光のPRを行うほか、モニターツアーの実施などにより本県観光資源に対する評価、分析も行います。
また、同社職員の本県観光に対する認知度を向上させ、全社を挙げて青森旅行商品の販売促進を行うため、同社の本社において本県観光のPRイベントを実施するとともに、同社の販売員を対象とした観光説明会を開催することとしています。これらの取り組みを行うことにより、経済効果の高い高額旅行商品の販売や今後の増加が見込まれる個人旅行者の獲得を目指すこととしています。


◯安藤委員

かなり影響力のあると言われているCtripがブランド20に、その商品に日本から青森の旅行商品を選んだということなのですが、その青森を選んだ商品は、どういうルートを選んできたかについても伺います。

◯堀誘客交流課長

旅行商品の中身ですが、これは上海出発の6泊7日の商品ですが、このうち3泊4日が本県滞在です。東京と青森を組み合わせた中身となっており、初日に上海から羽田空港乗り継ぎで青森に到着して、本県滞在中は、八甲田、奥入瀬渓流、十和田湖、白神山地といった本県の自然、弘前城や座禅体験といった本県の歴史、また、ねぶた祭りなど本県の文化も満喫する行程となっています。


◯安藤委員

青森が日本の中でそのように20の商品の中に選ばれたということは大変意義が高いものだなと思います。それで、経済効果が高い高額商品、個人旅行者の獲得とされていますけれども、今、これまでのルートについては伺いましたが、今後どのような内容を想定しているのでしょうか。

◯堀誘客交流課長

中国のお客様に限らずですが、海外からお見えの方、これまではゴールデンルートといわれる、東京、富士山、大阪、京都といったところが中心でしたが、そういった方々も、より日本の原風景、手つかずの自然、地域の方といったものとの触れ合いを求めています。今回、我々としては、この取り組みをきっかけとして、旅行会社、あるいは、利用者のニーズも把握しながら、こういったニーズに応えられるような商品を組み立てていきたいと思います。


◯安藤委員

そういう青森県のよさをアピールした商品が開発されることで、逆に、日本国内の旅行者にもすばらしさを知っていただくという一つのきっかけにもなるかなと感じています。当事業での取り組みを含め、今後、中国からの誘客にどのように取り組んでいくのか伺います。

◯堀誘客交流課長

中国からの誘客については、県はこれまで上海、杭州、北京などを対象に、現地旅行会社の招聘や旅行会社の販売員を対象とするセールスコンテストの実施などにより、青森を訪れる旅行商品の造成、販売の促進に取り組んできました。その結果、本年1月から3月までの県内の中国人延べ宿泊者数は、対前年度比で2.1倍と高い伸びを示しており、これまでの取り組みに加え、今回の新たな取り組みにより中国からの誘客をさらに加速化していきたいと考えています。
このため、今回、上海携程国際旅行社が本県を訪れる旅行商品の販売に当たり、同社が高く評価している本県の自然、歴史、文化といった本県ならではの観光コンテンツや、本県でなければできない体験プログラムを積極的に中国の旅行会社にPRし、魅力的な旅行商品の販売促進をすることで、中国からの誘客に取り組んでいきたいと考えています。


◯安藤委員


中国からの観光客は、人口もすごく多い国ですから、まだまだ大いに広がる可能性のあるところだと思いますので、来た方が、また2度、3度と来ていただけるような環境をぜひつくっていただきたいということを申し上げて終わります。

「高校生の就職に関して」

◯安藤委員

1点伺います。
高校生の就職に関しての質問をしたいと思います。平成28年3月に高校を卒業した方たちがことしは非常に就職率がよくて、全体では98.7%という高率だったことは大変喜ばしいことだと思います。そこで注目したいのは、県内就職希望者が1,910人いたということです。それが県外希望者1,587人に比べて、より多いということです。県内就職希望者1,910人に対して、県内就職できた方が1,870人、就職率97.9%なのですが、県外のほうは希望した1,587人に対し、就職した方が1,581人と県内よりも割合の高い99.6%ということでした。県内希望未就職者、まだ就職できていない方が40人に対して、県外を希望した未就職者が6人ということですので、県内就職者をどう今後ふやしていくのかということが課題の一つであると思います。
先日、この委員会で東北職業能力開発大学校青森校を視察しました。その際に関係者の方から、より地元に就職させたいという思いがあっても、県外のほうからの就職案内が先に来るので、どうしてもそちらのほうを先に優先してしまうということで、もう少し県内にも早めに就職の案内が来るといいというようなお話も伺ってきました。その辺も今、課題の一つではないかと思っていますので、新規高等学校卒業者の県内就職の促進に向けた県の早期採用活動要請に関する取り組みの経緯と内容について伺います。

◯金子労政・能力開発課長

県では、新規高等学校卒業者の県内就職を促進するため、知事、教育長、青森労働局長の三者連名で、県内経済団体に対して求人提出と採用活動の早期取り組みについて要請しているところです。
また、この要請の実施後は、引き続き、教育庁、青森労働局と連携し、県内9カ所のハローワークの管轄地区別に経済団体を訪問しているほか、職員が企業を訪問する機会にも同様の要請を行っています。
これら要請活動については、知事、教育長、青森労働局長による三者要請及び県内9カ所のハローワーク管轄地区別の経済団体訪問、いずれも平成12年度から、また、職員による要請活動については平成13年度から継続して実施しているところです。
要請内容ですが、その時々の情勢に応じたものとしています。具体的には、就職状況が厳しい場合には、求人の提出そのものを中心として、就職状況が改善傾向にあるような場合については、早期の採用活動ということで中心に要請をしています。


◯安藤委員

そうすると、今の情勢としては、早期の就職案内をという要請になっているかと思うのですが、その辺の交渉をしてみての対応というのはどういうふうに受けとめているでしょうか。

◯金子労政・能力開発課長

先ほど申し上げました、いわゆる三者要請ですが、本年は5月25日に実施しています。そちらでは、要請に対する回答、発言として、そのような方向で取り組みたい、早期の提出をしたいという発言があったと承知しています。本三者要請については、青森県商工会議所連合会、それから、商工会連合会、中小企業団体中央会、青森県経営者協会など、県内の主要の経済団体に出席をいただきましたが、おおむね人口減少対策という意味でも早期の提出について傘下の企業に働きかけたいというような前向きな御回答をいただいています。


◯安藤委員


今、お話にもありましたように、人口減少対策ということの一つでもあると思います。若者たちが県内に就職し、青森県を基盤にして人生を築いていけるという方々をより多くつくっていただきたいと思いますので、ぜひ就職がしっかりと県内でもできるように、今後とも力を入れていただきたいと思います。よろしくお願いします。

「社会科学習参考教材について」

◯安藤委員

大きく2点について伺います。
1点目は、社会科学習参考教材についてです。私がこの問題について考えるきっかけになったのは、2011年の原発事故が起きたその年に、小学校4年生の子供さんを持つお母さんから、子供が「あおもり県の電気」という教科書、そして、カレンダーやクリアファイルを学校から持ち帰ってきた。その当時、副読本と言っていましたが、その副読本を見ると、原発は大切なものだということを強調したような内容で、とても許せない。こういうものを配布してほしくないという声が寄せられました。そのことがきっかけになって、こういうものが子供たちに配られているということを私は初めて知ったわけです。
電源三法交付金による広報調査等事業は、まさしく原発推進のために湯水のように使われてきた現実があります。平成21年から平成25年までの5年間だけでも7億9,330万4,000円に達しています。うち、社会科学習教材だけを見ると、この5年間で2,989万8,000円もの費用がかけられてきました。私が持っている資料がもとですので、この期間5年間だけですけれども、そういうお金がかけられてきました。
本年3月に配布された、ことしの4月から小学校4年生を対象に学校に送付された分についての質問をしたいと思います。平成27年度に社会科学習参考教材作成に要した経費について伺います。

◯笹山原子力立地対策課長

社会科学習参考教材については、「あおもり県の電気」、委員御承知のこととは思いますけれども、児童用、それから、「あおもり県の電気」の教師用、それから、今もお話に出ましたクリアファイル、この3点があり、これらを一括して委託により作成・配布しているものです。これらに要した経費は、約540万円となっています。


◯安藤委員

この540万円についてですが、この経費で児童用と教師用とクリアファイルをつくっているということですが、その部数についてそれぞれ伺うのと同時に、委託先についても伺います。

◯笹山原子力立地対策課長

まず、部数のほうですけれども、平成28年度版について、児童用は1万1,200部、教師用は2,200部、クリアファイルは9,500部となっています。委託先については、株式会社アール・エー・ビーサービスとなっています。


◯安藤委員

青森県内の学校数については292校と理解していますが、292校に対して児童用が1万1,200、教師用が2,200、クリアファイルが9,500というのは、児童数、あるいは、教師の数にすると、それだけ必要になるのですか。

◯笹山原子力立地対策課長

配布の部数ですけれども、小学校の数、それから、そこに在籍する生徒の数、その直近のデータをもとにして必要な作成部数を検討しています。そのほかに、私ども電気の出前教室というものも行っておりますので、そこで配布する部数もあります。そういったものをトータルしまして、ただいま申し上げたような部数を作成しています。


◯安藤委員

青森市ではこの教科書の送付を受け取り拒否というか、お断りしているようですが、青森市は45校あると承知していますが、こうしたところの分については、どういう対応をしているのでしょうか。

◯笹山原子力立地対策課長

先ほど、委員から県内292校ということでしたが、青森市の分を除きますと、おっしゃったとおりの差し引きでありまして、全部で257校あります。この4年生の全クラスに2部ずつ配布するということを基本にして作成しています。


◯安藤委員

先ほど委託先もお聞きしたので、それをまだ答えて……、(「答えました」と呼ぶ者あり)あ、答えましたか。済みません、ちょっと頭の中に入りませんでした。
それで、257校についての用意をしているということなのですが、これまでの全体の予算を見てみますと、これまでもいろいろとこの事業について調査してきたので、平成21年が663万9,000円、平成22年が673万2,000円、平成23年が512万2,000円、平成24年が600万4,000円、平成25年が540万1,000円ということですので、これまでの金額とほぼ同じ、あるいは、平成25年から比べると若干高くなっているという状況ですが、受け取らないところの分についてもつくっているのではないですか。

◯笹山原子力立地対策課長

先ほど青森市の分について受け取りの関係で御質問ありましたが、関連しますけれども、青森市の分については、作成をしていません。


◯安藤委員

それでも540万円かかるということなわけですね。
それで、あと、クリアファイルなのですが、社会科学習参考教材としてクリアファイルをずっとつくり続けていますが、これの必要性については、どのように理解しているのでしょうか。

◯笹山原子力立地対策課長

クリアファイルについては、先ほど申し上げましたとおり、9,500部作成、配布しています。これは児童が学校生活の中で日常的に、普段目にして使用できるということがありますので、視覚的にも繰り返し見ることによって、本県の電気事情等について理解につながるものという考え方で作成しています。


◯安藤委員

社会科学習参考教材のアンケート調査をされていますが、このアンケート調査では、どのような活用状況となっているのか伺います。

◯笹山原子力立地対策課長

社会科学習参考教材「あおもり県の電気」の児童用について、平成26年度の活用状況に関しては、平成27年7月に県がアンケート調査を実施しています。この調査の結果によりますと、回答があった168校のうち、約8割の学校において活用され、そのうち約6割が授業の中で使用し、約4割が家庭学習用として配布しているということになっています。


◯安藤委員

このアンケートに回答した学校の中での活用した割合、そして、授業の中で使用した割合ということになるかと思うのですが、青森県全体、青森市についても含めると、全学校数は292なのですけれども、青森市を除くと、45校引くと247校になるのですが、そのアンケートの回答数を見ると、265校となっています。青森市を除くと247校になるかと思うのですが、この265校からの回答というのは、何か矛盾するかなと思うのですが、どうしてこういう数が出てくるのでしょうか。

◯笹山原子力立地対策課長

その時点でのデータをもとに、学校数を把握してアンケートをお願いしているわけですが、近年、統廃合等が多くあります。そういった関係での減少もありますし、片や、公立だけではなくて国立ですとかそういった学校にも配布していますので、そういった関係でもおっしゃられた数との差は出てこようかと思います。


◯安藤委員

そうしますと、弘前大学教育学部附属小学校とかにもアンケートをされているということですか。先ほどの数から言うと、13校の差があるんですが、統廃合でそんなに差があるのでしょうか。弘前大学教育学部附属小学校を入れても12校の差があるのですが、それだけ変化があるということですか。

◯笹山原子力立地対策課長

学校数がどの時点でどうなのかということの関係については、私どもエネルギー総合対策局ということではないかと思っています。ただ、私どもは、その時点での入手した学校数をもとにして、アンケートをお送りしているということです。


◯安藤委員


ということは、委託先に全部任せているということでよろしいわけですね。

◯笹山原子力立地対策課長

送付先については、委託先に全部丸投げということではなくて、こちらのほうでどういう学校かというリストを委託先に提供して、それでお送りしています。


◯安藤委員

アンケート調査の回答率が63%なのですけれども、その中で活用したという学校が265校のうち133、79.2%ということになっていますけれども、このアンケートを配布しなかった青森市なども含めると、この割合は変わってくるかなと思います。活用したという学校については、県内全ての小学校を分母にすると、133校というのは45.5%の活用率です。活用しないという率については、青森市を含めると292校中80ということになるので、27%ということになるのではないかと思います。また、授業の中で使用したという学校は、活用したという中で80校あったということですけれども、全体の学校を分母にすれば、80校というのは27%という割合になるかと思います。そういうことから見ても、活用する、あるいは、授業の中で使用するという学校は、割合的にはかなり少ないと見ていいのではないかと思います。
それで、今回のアンケートというのは、青森市立の小学校を除いているわけですけれども、アンケートの下には自由に意見を書く欄があったりするので、全小学校を対象にアンケートをとる必要があるのではないかと思うのですが、この点についてはいかがでしょうか。

◯笹山原子力立地対策課長

社会科学習参考教材のアンケート調査ということですので、配布させていただいた小学校の活用の状況ということの把握がメインです。したがって、青森市については、配布を保留させていただきたいということでして、これは配布をしていませんので、そちらのほうにはアンケートはお送りしていません。


◯安藤委員

アンケート結果で、授業の中で使用したという学校が80とあるのですけれども、先ほど教育委員会から小学校4年生の「新しい社会」という教科書を見せていただきました。この中で、指導要領の中には、小学校4年生の社会科の授業で、飲料水、電気、ガス、廃棄物の処理から選ぶとなっています。この教科書を見てみますと、確かに、住みよい暮らしをつくるという中身の中で、最初に水について記述がありまして、かなりの量を占めた水の内容が入っています。その次に、ごみの処理と利用ということで記述がされていまして、これもかなり詳しく載っています。その後に、暮らしを支える電気というのも触れているのですが、わずか2ページという記述ではあります。しかし、この単元では、これらの中からそれぞれの学校がどれを選ぶかということになっているわけです。多くは水、飲料水について取り上げられていると聞いています。そうしますと、80校という回答されている学校が、電気についての項目を選んで社会科の授業で取り上げていると理解してよろしいでしょうか。この辺については、どのように受けとめているのでしょうか。

◯丸井委員長

安藤委員、それはここの場で聞かれてもそぐわないと思いますが。所管外になります。教育委員会にお聞きいただきたいと思いますが。安藤委員。


◯安藤委員

授業の中で使用というのが80回答あるので、その80の、授業の中で使用しているということについて、どのように理解しているかということでお聞きしたのですが。

◯丸井委員長

それもお答えに困ると思いますよ。答えるのですか。答えるならきちんと立って答えてください。答えられますか。──笹山原子力立地対策課長。

◯笹山原子力立地対策課長

まず、授業での活用の部分については、私ども社会科学習参考教材というのは、あくまでも教材を活用されるかどうか、どう活用されるかということについては、各学校において個別に御判断いただいているということです。その点だけ申し上げます。


◯安藤委員

ですから、個別で判断して、どう活用されているかという実態は十分つかむ必要があると思うわけです。それで、「あおもり県の電気」の教師用というのがありますけれども、これを見ますと、かなり細かく参考指導案というのが触れられているのですね。この指導案に基づいて教師が電気を単元の指導計画全10時間という、前段ではそのような指導案が載っていますが、10時間かけてこの教師用のこうした教材も使って授業に役立てているところがどれだけあるかということをしっかりと見据えていただきたいと思います。
それで、教師用の参考指導案について問題点があると指摘したいと思います。東京電力福島第一原発事故の件について、児童用のほうには、一番最後の「トピックス」というところに、「東北地方太平洋沖地震について」ということが、大変不十分ですけれども、まだ残っています。しかし、教師用の教材には一切触れられていないのです。ということは、指導するに当たって、この原発事故の件については、強調されていないと考えられるのではないかと思うわけです。
あと、生徒用からは削除された「核燃料サイクル概念図」が教師用の指導書には盛り込まれているなど、問題点もあるかと思います。そして、教師用の参考指導案までつけて学校現場に配布し、授業で利用を求めるのは行政機関による教育への直接介入ではないかという声もありますが、この点についてはどのように考えているでしょうか。(「それは一般質問で教育委員会に聞いてください。答えられないでしょう」と呼ぶ者あり)

◯丸井委員長

所管外でありますので、その点については教育委員会に伺ってください。


◯安藤委員

教育委員会に聞いているのではないのですよ。(「所管外ですよ」と呼ぶ者あり)所管外ではないですよ。やっている側に聞いているのだから。(「委員長、所管外ですよ」と呼ぶ者あり)

◯丸井委員長

安藤委員のお求めになっている答え、もう一度言ってくれませんか。何をお聞きになりたいのか。安藤委員。


◯安藤委員

教師用の参考指導案までつけて学校現場に送りつけているわけですね。このこと自体が行政から教育への介入ではないかという指摘がなされています。この指摘について、(「誰からあるの」と呼ぶ者あり)どういうふうに受けとめているでしょうか。

◯丸井委員長

安藤委員、それを使用する、使用しないというのは学校側の判断だとは私は思いますが。所管外だと思うのですよ。(「所管外です」と呼ぶ者あり)であれば、質問の仕方を変えていただけませんか。この委員会にそぐうように。安藤委員。


◯安藤委員


それでは、その前に言いました、教師用の参考指導案について、原発事故に全く触れていないということや、児童用から削除された核燃料サイクル概念図が盛りこまれているという件については、どのように考えているのでしょうか。

◯笹山原子力立地対策課長

この教材については、御指摘の点もさまざまあろうかと思います。私どもでは、県内の小学校教諭等で構成される「社会科学習参考教材企画編集検討委員会」というものを設置しています。そこでの検討、具体的な提言ですとか御指摘等を踏まえて、毎年度改訂を行っています。今おっしゃられた点も含めて、次の改訂のときにまた改めて検討させていただきたいと思います。


◯安藤委員

冒頭話をしましたように、この教材を家庭に持ってくるケースもあるわけで、そういう状況の中で、2011年7月、あるいは、2014年10月に市民団体から小学校4年生対象の配布物、「あおもり県の電気」等の廃棄処分を求める要求書だとか、それから、小学校参考教材「あおもり県の電気」に係る申し入れなどがなされています。直近の2014年の申し入れでは、「参考教材において、二酸化炭素の影響については繰り返し述べていながら、東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響については、最終ページに『トピックス』として、『福島県にある福島第一原子力発電所では、放射線を出す物質が発電所の外に出てしまいました。そのため、発電所の近くだけでなく、広い地域に影響を与えることになりました』と極めて簡略に記載しているだけで、この発電所の安全対策を怠った東京電力の社名さえも記載していないこと、県内では400名を超える福島県民が原発事故による避難生活を余儀なくされているが、避難家族の心情をおもんぱかることもなく、子供たちに公教育を利用して原子力推進政策を教えるなどあってはならない」と、「あおもり県の電気」の発行を取りやめ、配布分の回収を申し入れています。そこで、同教材「あおもり県の電気」の内容については、県民の声を十分踏まえて検討するべきと考えますが、県の見解を伺います。

◯笹山原子力立地対策課長

先ほど御答弁申し上げたことと重複するかもしれませんけれども、社会科学習参考教材「あおもり県の電気」については、毎年度、県内小学校の社会科担当教諭により構成される企画編集検討委員会を設置して、県教育委員会の担当者にも御同席いただいて、検討委員会を開催し、実際に教育を行う立場から御意見や御提言などをいただいた上で、県において作成しているところです。
県としましては、将来を担う子供たちが本県の電気・エネルギー等についての理解を深めていけるよう、今後とも、実際に教育に携わる方々から御協力をいただきながら、同教材の充実に努めていきたいと考えています。


◯安藤委員

そうしますと、このような県民の声に基づいた参考教材編集委員会、あるいは、エネルギー総合対策局原子力立地対策課において、十分な検討がなされている、あるいは、していくという理解でよろしいですか。

◯笹山原子力立地対策課長

社会科学習参考教材については、電気及びエネルギーについての児童の理解を深めるとともに、本県の電気事情等に関する児童の郷土理解に役立てるということを目的に作成しています。そういった考え方の中で、電気がどこでつくられたり、あるいは、どのような発電方式があったり、どのようにして電気が届くかとか、あるいは、電気のこれまでの歴史、暮らしの中でどのように使われているか等々について、児童にわかりやすく解説するための教材として作成しています。
先ほども申し上げましたとおり、社会科学習参考教材企画編集検討委員会、ここでの検討も踏まえて、次の内容をどのように改訂していくかということを検討していきたいと思います。


◯安藤委員

青森市が参考教材送付を受けていない理由として挙げられているのが、参考教材には原子力発電について相当細かく記載してある。東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、原子力発電についての教育は相当慎重に取り扱う必要がある。青森市には福島県の被災警戒区域から避難してきている児童が相当数いることから、こうした避難者に対し配慮が必要である。社会科教育では、水、電気、環境のいずれかを選択して取り上げればよいとされており、調査の結果、市内の小学校のほとんどで水を取り上げている。当該参考教材が送付されても使用する機会がないというようなことを理由に挙げています。弘前市教育委員会においても、各小学校長からなされた、2012年から2013年度の教材使用届け出について、本件参考教材は記載されていません。こうした現場からの声については、どのように受けとめているでしょうか。

◯八戸エネルギー総合対策局長

今、委員からさまざま御指摘がございました。県民の間にも、この社会科学習参考教材に対するさまざまな御意見、あろうかと思います。私ども国のエネルギー政策に協力していく中で、電気がどうやってつくられていくのか、この点について、20年以上もこの参考教材をつくって学校に配布してきたところです。それには県の教育委員会の協力、それから、各学校現場の社会科の担当教諭の方にも参画いただいて、内容をその時々の状況を十分踏まえて検討いただいてきている、当然、福島第一原子力発電所の事故も踏まえて検討してつくり上げてきたものです。
これは電気の学習に何とか参考にしていただきたいという教材をつくって各学校に配っているものでして、これを授業でどうやって活用していくかは、先ほど申し上げたとおり、学校の自主性で行われているという状況です。
アンケート調査では、半数ぐらいしか回答をいただいていませんので、委員御指摘のように、それ以外の学校については、どのような活用がなされているか十分把握していきたいと思います。その上で、さらに今後活用が進むように、県としては取り組んでいきたいと考えています。


◯安藤委員

先ほど紹介したように、受け取りをされていない青森市の見解が率直な意向だと思います。こうした声を真摯に受けとめながら、この分野においては、財源難ということの影響のない分野と思われても仕方のないようなお金の使い方がされています。しっかりと現実に合ったお金の使い方、そして、「あおもり県の電気」の中において、やはり原発事故が与えた影響等について、しっかりと内容を吟味していただきたいと思っています。このことについては、これからも注視していきたいと思います。

「ITER計画及び幅広いアプローチ活動について」

◯安藤委員

もう一点の質問に移ります。ITER計画及び幅広いアプローチ活動についてです。
国際核融合エネルギー研究センターにおける研究者、技術者の人数及びそのうち外国人の人数は何人か。また、来青している外国人研究者等の家族は何人なのか伺います。

◯谷口ITER支援室長

BA活動の実施機関であります量子科学技術研究開発機構によりますと、国際核融合エネルギー研究センターには、本年6月10日現在で138人の研究者、技術者が従事しています。このうち外国人が19人となっています。
また、来青している外国人研究者等の家族ですが、合計で26人となっています。


◯安藤委員

外国人19人ということですが、その国別に見るとどういうふうな状況なのでしょうか。

◯谷口ITER支援室長

主に欧州連合EU、そして、インド、コートジボワール、インドネシア、それから、韓国の方です。


◯安藤委員

かなり多くの国からいらしているということなのですけれども、こういう中で、その御家族の方も26人ということですが、県では、外国人研究者等及びその家族に対して、どのような支援を行っているのか伺います。

◯谷口ITER支援室長

県では、国際核融合エネルギー研究センターにおいて、研究活動が着実に行われ、成果を挙げていくためには、外国人研究者のしっかりとした受け入れ態勢、特に国際的な研究開発拠点にふさわしい教育環境整備が必要と考えています。来青している外国人研究者等の学齢期相当の子弟、満6歳から満15歳までの小学生、中学生相当の児童生徒を対象に、平成20年9月から国際学級を開設し、国際通用性を有する教育サービスを提供しています。また、外国人研究者の保護者からの希望により、平成25年9月から、3歳から5歳までの未就学児童を対象にした幼少部も開設するなど、教育環境の整備に取り組んでいるところです。
また、外国人研究者等が六ヶ所村において充実した生活が送れるよう、生活上必要な手続きの補助、そして、六ヶ所村からの生活情報とか災害時の緊急情報などの翻訳伝達、いわゆる言語サポート等の生活支援を行うとともに、地域住民との国際交流を推進しています。


◯安藤委員

6歳から15歳の小中学生に対して国際学級をということなのですけれども、教育が必要となるこの子供さんたちは何人になるのでしょうか。

◯谷口ITER支援室長

6月10日現在において、初等部で1名、幼少部に3名在籍しています。


◯安藤委員

幾つかの国と先ほどあったのですけれども、教育するのに1名と3名という子供さんたちに対応するに当たって、その子供たちが国別に違うかもしれないし、同じかもしれないのですが、適切な教育ができるような教師の配置については、どのような状況でしょうか。

◯谷口ITER支援室長

まず、国際学級について、御説明します。
国際学級については、平成20年9月から業務委託で行っていました。ちなみに、最初は六ヶ所村立第一中学校の校舎を一部間借りする形で実施し、学校法人京都インターナショナルスクールに業務委託しています。そして、その後、尾駮小学校の隣に県が整備費の2分の1を補助して、六ヶ所村で国際教育研修センターを建設し、平成22年3月からこのセンターに国際学級は移転しています。
そして、教育サービスの提供業務について、契約の効率を保つ観点から、平成25年から委託候補者選定のプロセスに企画競争、コンペ方式を採用して、広く翻訳・通訳、教育事業を手がける株式会社サン・フレアに委託しています。
そこで、教員の配置ですけれども、外国人の校長が1名、幼少部には今、教員が1名、そして、初等部に教員1名を配置しています。ちなみに、幼少部の教科内容ですが、体験型学習、いわゆる各種ゲーム、歌、お遊戯などを含む英語教育のサービスを提供しています。そして、初等部では、言語、日本語、英語、社会、算数、理科、体育、美術、音楽などを提供しています。
ちなみに、カリキュラムですけれども、国際通用性を有するインターナショナル・プライマリー・カリキュラムを採用しています。これはIPCと言われています。実は、このIPCのカリキュラムですが、平成12年にシェル石油会社の従業員の子弟が通う15校のインターナショナルスクールのために開発されています。現在では、イギリスを初めEU加盟国を中心に、世界90カ国、1,800以上の学校で使用されています。
以上のことから、この国際学級では、十分、児童に対しては教育がされると思います。


◯安藤委員

そこの空間というか、ITER研究にかかわっての国際学級とか独特な環境の中で推移しているかと思うのですが、青森県がその子弟に対する教育を初め、さまざまな支援をされているということなのですが、1つだけ、課題があるとしたら、今どういうことが言えるか伺います。

◯谷口ITER支援室長

答弁でお気づきのことと思いますけれども、児童数が少ないということがまず言えるかと思います。これについては、国、量子科学技術研究開発機構と逐次情報をとりながら、来青する外国人研究者の御家族の方々の把握に一生懸命努めておりますので、何とか国際学級が、六ヶ所が国際研究開発拠点としてふさわしいような教育環境整備を提供できるように続けていきたいと考えています。