2010.6.21: 平成22年度建設委員会 抜粋 本文(質疑1)
◯安藤委員
 奥戸ダムについて最初に伺います。奥戸ダムの概要及び進捗状況について、最初に伺いたいと思います。
◯加藤河川砂防課長
 質問の奥戸ダムの概要及び進捗状況でございますけれども、奥戸ダムは2級河川奥戸川の洪水調節と流水の正常な機能の維持及び大間町への上水道用水の供給を目的として、平成2年度から建設事業に着手している多目的ダムでございます。高さが33メートル、長さでございますけれども、159メートルの重力式コンクリートダムでございます。
 また、ダム本体に向けた工事用道路の整備を進めているところでありまして、平成21年度末までの事業費ベースの進捗率は、約22%となってございます。
 そして、本年、平成22年度は、引き続き工事用道路の整備を進めているところでございます。
◯安藤委員
 工事用道路及びつけかえ道路の用地取得の状況はどのようになっているでしょうか。
◯加藤河川砂防課長
 現在、施工している部分については終わっている契約でございますが、全体については、申しわけありませんけれども、把握してございません。
◯安藤委員
 この用地取得において、住民の方との間でうまく折衝が進んでいないということについては、いかがでしょうか。
◯加藤河川砂防課長
 用地取得についての地元の了解でございますけれども、それに関してのトラブルがあるとか、そういうものについては、承知してございません。
◯安藤委員
 入っている情報によれば、用地取得のところでうまく進まずに、違う場所での道路の設計をやり直すというふうな状況にもあると聞いておりましたので、その点について、今お答えいただけないようでしたら、もう一度詳しく状況を把握していただいて、お知らせいただければと思います。
 それから、最初の答弁で、上水道用水の供給ということが一つの要因になっているということでしたけれども、現在、大間町はどのくらいの水をどのような形で供給しているのか、お答えいただければと思います。
◯加藤河川砂防課長
 大間町の水道計画はどのようになっているのかということでございますけれども、大間町では、現在、奥戸川の支川である小川代川の表流水と地下水を水源として水道用水を確保してございます。
 それで、大間町の現況の給水人口でございますけれども、5,924名、普及率としては99.3%、給水戸数としましては2,097戸でございます。
 量的な話でございますけれども、1日最大給水量が3,260立方メートル、平均では2,426立方メートルでございます。
◯安藤委員
 今お答えいただいた状況を、ダムを建設するということなわけですので、今後の水の供給がさらに必要だということになるわけですけれども、その供給の想定量はどのくらいだというふうに考えておるでしょうか。

◯加藤河川砂防課長
 大間町の水道計画でございますけれども、計画1日最大給水量が5,030立方メートル、そして、うち2,200立方メートルをダムから供給するという計画と聞いてございます。
◯安藤委員
 そのように供給量が増える主な理由は、どのようなことなんでしょうか。
◯加藤河川砂防課長
 先ほど申し上げましたように、量的な話は、大間町さんからの御意向でございます。それで、現在使ってございます地下水等については、機能低下もございますので、安定的な取水をするためにそういう施設を利用されて、計画になっているという話でございます。
◯安藤委員
 大間町からの要望ということですけれども、その根拠となっているのが、大間原発が建設されるということの関連だというふうに聞いておりますが、大間原発関連では、水の供給というのは、どのような状況に想定されるのかお答え願えればと思います。
◯加藤河川砂防課長
 まず、ダムの目的で申し上げましたように、第一義的には、奥戸川の沿線住民の生命・財産を洪水から守ること。それで、町自体の水道用水の安定供給の確保、それから、大間原子力発電所の建設に伴う水道用水の需要等を見込んで、ダム建設事業に参画するということでございます。
 それで、原子力発電所そのものの使用ではなくて、そこに就労する方々及び家族の方々をカウントしているというふうに伺ってございます。
◯安藤委員
 公共事業再評価審議委員会でこれらの問題について、どのように、どんな意見が出ているのか、もしおわかりであったら伺えればと思いますが。
◯森内委員長
 もう一度言っていただけますか。
◯安藤委員
 公共事業再評価審議委員会。
◯加藤河川砂防課長
 申しわけございません。奥戸ダムにつきましては、再評価の事案に載ってございますが、今、御質問の内容については、承知しておりませんので、申しわけありません。
◯安藤委員
 なぜその話をするかといいますと、公共事業再評価審議委員会の議事録を以前いただきまして、その議事録を読みますと、委員の方からこういうふうな発言がされているんです。先ほど答弁いただいたように、奥戸ダムの水供給の必要性という中に大間原発の関連のことがあるにもかかわらず、やはり再評価委員会でも、最初は全くそのことに触れられていなかったということで、委員の方からこんな発言がなされています。「ちょっとびっくりしたのは、今日の資料で初めて原発というのが登場しているんですよね」。これは2回目なのか、最初の資料には全く触れられていなかったのが、このときに初めて原発というのが登場しているということのようです。「元々頂いたファイルの中に、原発の『げ』の字も書いていないんですよ。それで『水が足りない、水が足りない』という主張ばかりで、私、ゼミ生で大間出身の学生が居て聴いたんですよね。『断水なんかしたこともないし、別に水に困っているという話なんか聴いたこともないよ』という話だったので、ちょっとびっくりしているんですよね。今日の資料で、いきなり原発というのが出てきて、これが縦割り行政の結果なのか」云々といろいろありまして、「ああいう資料が出た段階で、奥戸のダムの必要性というものを私は十分認識しましたので、反対するつもりは毛頭ないんですけども、要するに資料というもののあり方について、やっぱりもう一遍真剣に考えていただきたい」というふうな発言があります。
 この委員の方の発言にあるように、やはり大間原発の関連で、給水量が必要になるということは率直に説明をしていくべきだと思います。きょうの最初の説明で、それがほとんどありませんでしたので、その姿勢というのはやはり問題だなと思います。
 それから、先ほどの説明によりますと、大間原発で、職員や職員の家族などが使う水の供給が想定されるということなんですけれども、同じくこの評価委員会の中で、当時―当時というのは平成20年9月23日に行われている審議委員会ですが、このときの河川砂防課の答弁によりますと、「原発の設備に使う水と原発の中で職員が使う水、それから、職員家族が大間町で使う水と、それらが入っております」というふうに答えておりますので、職員及び職員の家族が使う水のほかに、原発の設備に使う水ということも想定しているというふうに、このときの答弁では受け取られるわけですけれども、その辺について、もう一度お答えいただければと思います。原発の設備に使う水。
◯加藤河川砂防課長
 原発の施設という関係でございますけれども、当然、上水道でございますので、管理棟とか、そういうところの施設を施設と称するのか、それについて、ちょっと理解が違う面もあるかと思いますので、それについては、調べましてあとでお答えします。
 それから、今言いましたように、職員及び職員の家族の方というようなことでございます。
◯安藤委員
 その原発の中で使われるということについては、きちんと調べていただいて、お答えいただければと思います。
 それで、原発関係の職員が増えるというか、供給の前提に、御家族の方たちが大間にたくさん住むということになるわけですが、何人くらいの職員と家族が来るということを想定しているのか、その数について伺えればと思います。
◯加藤河川砂防課長
 具体的な職員の数及びその家族の想定については、情報を得てございませんので、申し上げる対象ではないということでございます。
◯安藤委員
 ダム建設の大きな理由の一つに大間原発の関連があるわけですので、こういうところできちんとお答えいただけないというのは、私は奥戸ダムについて質問するということを言っていたわけですから、その辺のことについて、やはり答えていただけないというのは、ちょっと心外です。職員の方の中で、そういうことをわかっている方はいらっしゃらないですか。今、お答えいただけることはできないですか、そういう簡単なことは。
◯加藤河川砂防課長
 原発の関係はございますけれども、我々はダムをつくって、先ほどから申し上げますように、沿線住民の生命、財産を守るという目的と、それから、流水の正常な機能の維持、それから、上水道用水の確保ということで、それにつきましては、町さんのほうで計画をいただいて、アロケーションをもってダム事業に参画いただいているということでございます。
 原発自体については、我々河川砂防課といたしましては、所管外といいますか、そういうことですので、そういうものが計画があるというのは当然認識してございますけれども、お答えできる立場ではないと思っております。
◯安藤委員
 しかし、ダムをつくる側ですから、供給の前提になる人口がどのくらい増えるのかということを承知するのは当然だと思います。それについて、あとできちんと調べて答えていただきたいんですが、私のほうに入っている情報によれば、大間原発による人口増の想定の見通しとして、原発関係者が200人、家族を含めると400人から500人という情報が入ってきています。この辺の情報が正しいものなのかどうかも含めて、ぜひきちんと調査してお答えいただければと思います。
 それから、国のダムの見直し方針が出されているわけですが、奥戸ダムについても検証対象になっていると聞いていますが、検証についてはどのように進めていくのか伺いたいと思います。
◯加藤河川砂防課長
 奥戸ダムの建設スケジュールでございますけれども、もちろん早期の完成を目指し鋭意努力しているところでございます。
 それから、今、委員からございましたように、国からは、ことし夏ごろに示される予定の新たな基準というものがございます。これに基づきまして、検証が必要となるダムでございます。それ以上のことは、現在では不明でございます。
◯安藤委員
 仮にダム建設が見直しになるとすると、仮になんですけれども、水の供給を他の方法で行うということになるかと思うのですが、他の方法を考えるとすると、どんな手法が考えられるか伺いたいと思います。
◯加藤河川砂防課長
 おそらくちょっと想定の話になってくるかと思いますけれども、現時点で、先ほど申し上げましたように、河川水の表流水を使ったり、井戸を使ったりしてございますので、それによって、ダムで2,200立方メートルを供給するという計画でございます。それ自体がなくなるということになれば、同様に、井戸という話もございましょうし、他の河川水を直接利用するとか、いろいろな方策があると思います。これはあくまでも想定の話になってしまいますので、御了解いただけばと思います。
◯安藤委員
 この奥戸ダムの件について、ダム建設に対する住民の意見について、どのような状況か伺いたいと思います。
◯加藤河川砂防課長
 ダム建設にかかわります住民の意見でございますけれども、奥戸ダムの建設に当たりましては、平成19年度から21年度にかけて3回住民説明会を開催しております。その際、一部の住民の方からは、海藻など漁業への影響を心配する御意見をいただいております。
 県では、平成19年度から20年度にかけてダム建設による水質への影響等に関する検討を行いまして、下流河川等への影響が小さいことを確認しております。そして、その際、ダム供用後もモニタリング調査を継続していくということを、3回目でございました平成21年度の住民説明会で御説明しているところでございます。
◯安藤委員
 そのような説明をした上で、漁業に対する影響に不安を持っておられる方たちが納得されているのか、そうではなく、さらに不安の声を上げているのか、その辺についてはどんな様子なんでしょうか。
◯加藤河川砂防課長
 昨年の8月24日に第3回目の説明をやってございます。そして、今、申し上げましたように、下流河川等への影響は小さいということを御説明してございます。そして、今後とも住民の方々に納得していただけるように説明いたします。それから、先ほども申し上げましたように、モニタリング調査も進めていくことにしてございます。そういう状況でございます。
◯安藤委員
 そうしますと、対話はこれからも続けていくということでよろしいでしょうか。それで、4回目の説明会というのは、もし計画がおありでしたら伺いたいと思います。
◯加藤河川砂防課長
 先ほど申し上げましたように、3回目までで次の第4回というものを特定した形で予定はしてございません。
◯安藤委員
 4回目はまだ未定ということですが、先ほどは対話を続けていくということでしたので、実際に漁業への影響、先ほどの話では、海藻への影響という不安の声があるということは事実でありますので、ぜひ4回目の説明会の日取りもきちんと決めて、そうした皆さんの声を十分聞きながら対話を強めていただきたいというふうに思いますので、その点について、住民の声を真摯に聞く態度をぜひ忘れないでいただきたいということを申し上げて、この質問は終わります。