2010.6.21: 平成22年度建設委員会 抜粋 本文(質疑2)
 次の質問ですが、津軽ダムの建設事業について伺います。
 貯水位上昇に伴う旧尾太鉱山木戸ヶ沢処理施設への影響とその対策について伺います。
◯成田高規格道路・津軽ダム対策課長
 旧尾太鉱山木戸ヶ沢処理施設は、旧尾太鉱山で発生した、ずり及び鉱滓の堆積場でございまして、そこからの水質不良な浸透水を処理する設備を有しておりまして、現在、青森県が管理しております。
 津軽ダムが完成することによりまして、現在の目屋ダムに対し、貯水位が最大30メートル上昇することになります。そのことによって、木戸ヶ沢処理施設の一部が浸水することになります。
 このため、木戸ヶ沢処理施設の機能を保持するため、ダム湖と完全に分離する形式の縁切り施設を建設することとしておりまして、昨年度から排水路のつけかえなどの関連工事が進められております。
◯安藤委員
 既に、縁切り施設というものの工事は始まっているということでよろしいでしょうか。そして、終了予定はいつごろなのか伺います。
◯成田高規格道路・津軽ダム対策課長
 本体の施設はまだ着工していないと聞いていますけれども、これに伴って、排水路の施設などの関連工事を先に進めてから、その施設をつくるということにしております。
 完成の見込みは、当然、ダムが完成する前ということでございますけれども、完成年度については、まだわかりません。
◯安藤委員
 かつての尾太鉱山の排水を処理する施設なわけですけれども、私も何度かそこに足を運んだことがあるんですが、目で見ると、ヘドロのようなものがよどんでいる、そういう状況も、私から見ると、大変大きな沼のようなところにそのようなものが堆積しております。それは津軽ダムが建設されることによって一部浸水するということなわけですので、非常に下流に住んでいる者としては不安でいっぱいです。この縁切り施設をつくることによって、全く影響はないということでよいということだと思うんですが、しっかりとした工事を進めていただきたいと思います。
 それで、津軽ダムのつけかえ道路をこれからつくることになると思うんですが、木戸ヶ沢処理施設のかなり付近までつけかえ道路が行くのではないかと考えられるのですが、その辺について、もしおわかりになれば伺いたいと思います。
◯成田高規格道路・津軽ダム対策課長
 その処理施設の部分については、供用でつけかえ道路がかかることになりますので、直接的には、木戸ヶ沢処理施設にはかかわってこないということでございます。
◯安藤委員
 あと、旧尾太鉱山木戸ヶ沢処理施設についてなんですけれども、もしおわかりになったら伺いたいんですが、資料をいろいろ見てみますと、処理施設の後に「暫定」というのが括弧つきでつくんですけれども、なぜ暫定というものがつくのか、もしおわかりになったら、これは津軽ダムなどとの関連があるものなのか、もしわかれば伺いたいと思います。
◯成田高規格道路・津軽ダム対策課長
 これについては、工業振興課のほうで管理していますので、その「暫定」というところの意味までは、ちょっと私としては今コメントできないところです。
◯安藤委員
 先ほども申し上げましたが、この尾太鉱山の木戸ヶ沢処理施設の安全確保については、十分検討を重ねながら、安全対策を講じていただくことをお願いしたいと思います。
 次の質問ですが、津軽ダム本体工事、県道岩崎西目屋弘前線下流工事用道路及びつけかえ道路の用地取得の進捗状況について伺います。
[委員長退室、熊谷副委員長が会議を進行]
◯成田高規格道路・津軽ダム対策課長
 本年5月末時点での用地取得の進捗状況についてでございますが、まず、ダム建設による水没地域に係る移転補償につきましては、対象となる179世帯のうち178世帯が契約を完了しております。
 次に、岩崎西目屋弘前線におけるダム下流の工事用道路として利用する延長約5.1キロメートル区間については、取得予定面積2.4ヘクタールに対し、約92%の2.2ヘクタールの用地の取得が完了しております。
 また、ダム上流のつけかえとなる道路、延長約7.9キロメートル区間については、取得予定面積44.3ヘクタールに対し、約78%の34.7ヘクタールの取得が完了しております。
 今後の取得についても、地元の御理解と御協力を得ながら、鋭意進めていくことといたしております。
◯安藤委員
 水没地域の家屋については、あと1軒がまだ成立していないということのようですが、この交渉については県が直接かかわっていないと思いますので、国のほうが行っていると思うんですが、ダムの建設がどんどん進んでいくわけですけれども、この家屋についての水没する地域の交渉がもし成立しない場合はどのような対応になるのか、一般的な問題というふうなとらえ方で結構ですので、どのような対応が想定されるのか、最後まで決着がつかなかった場合、どうなるのか、1つ伺いたいと思います。
 それから、県のほうが今、工事を進めている下流工事用道路及びつけかえ道路についての取得で、なかなかうまく交渉が進んでいないというふうなことについては、どんな状況かおわかりになれば伺いたいと思います。
◯成田高規格道路・津軽ダム対策課長
 水没地域が決まらないということの想定で、ちょっとうちのほうとしてもわかりませんけれども、進め方としては、事業認定等の手続きもありますので、そのようなことで解決していくのではないのかなということを考えております。
 それから、下流工事用道路に関する地権者に対しての状況の話は、私はちょっと聞いておりません。
[委員長入室、委員長が会議を進行]
◯安藤委員
 済みません、事業認定というのはどういうことなのか。済みません、よくわからないので教えてください。
◯成田高規格道路・津軽ダム対策課長
 その事業の正当性を事業認定―収用委員等のほうに理解してもらって、正当性を説明して、それなりの処理をしていただくということになっております。
◯安藤委員
 そうならないように、交渉が成立されることを住民の方の立場に立つならば、成立することを望みたいと思います。
 次の質問ですが、津軽ダムの本体建設工事は、間・西松特定建設工事共同企業体が付託しているわけですが、地元中小企業等への仕事の発注がどの程度されているのかどうか気になるところです。津軽ダム建設事業による地域経済への波及効果についてお伺いいたします。
◯成田高規格道路・津軽ダム対策課長
 国土交通省東北地方整備局津軽ダム工事事務所では、平成21年度における津軽ダム建設工事による弘前市及び西目屋村への経済波及効果を検証して発表しております。
 その検証結果によりますと、平成21年度に地元企業などに対して支出された金額は、元請及び下請企業への支払い、生コンなどの資材購入費等を合計しますと約31億円となり、支払い総額約59億円の5割を超えるとともに、平成20年度の約28億円に対し1割の増加となっております。
 また、地元雇用についても、ダム工事事務所の臨時職員が9人、埋蔵文化財の調査委員が149人、ダム工事現場の作業員が1,150人の合わせて1,308人の雇用が創出され、平成20年度の1,177人に対し1割の増加となっております。
 津軽ダムの完成は平成28年度を予定しており、引き続き、高い経済波及効果が続くものと期待されるところでございます。
◯安藤委員
 津軽地域も求職者が非常に多いという厳しい状況ですので、ここでの雇用の確保というのが大いにつながればいいなと思いますが、なかなか1,308人の雇用ということですが、それがどれだけ津軽全体での相乗効果につながっているかというのは、ハローワークの人の多さを見る限り、その一部の影響にとどまっているのだろうなというふうには感じています。この問題については、一応、状況について伺うということにとどめておきたいと思います。