2010.6.21: 平成22年度建設委員会 抜粋 本文(質疑3)
 次の質問に移ります。
 むつ小川原港の取り扱い貨物量についてです。重要港湾における計画取り扱い貨物量と実績値の比較で、むつ小川原港が全国最低の達成率との報道がありましたが、これについて、県の見解を伺います。
◯木浪港湾空港課長
 むつ小川原港の計画取り扱い貨物量は、港湾計画の中で定めております。同港の港湾計画は、国家プロジェクトであるむつ小川原開発第2次基本計画に基づき、開発における物流の中核を担う港湾として、石油精製、石油化学、火力発電所といった石油シリーズに対応した施設を中心に、昭和52年11月に新規計画として策定され、その後、一部変更等を経て現在に至っております。
 同港はこれまで、大型タンカー受け入れ施設30万トン級一点係留ブイバースや、5,000トン級岸壁2バースなどの整備が行われており、国家石油備蓄基地や原子燃料サイクル施設の立地など、開発の進展に寄与してきたところであります。
 今般の報道にあります計画取り扱い貨物量と実績値の比較結果につきましては、二度のオイルショックを初めとして、経済社会情勢の変化に強く影響を受け、石油シリーズに対応した大規模開発が計画どおりに進まなかったため、これに関連する貨物需要が発生しなかったことに起因するものであります。
◯安藤委員
 さまざまな理由があって、むつ小川原開発計画が頓挫したということは大きな理由だったわけですが、当初の目標、4,540万トンだったわけですが、その内容はどんなものが想定されていたのか、もしおわかりになれば伺いたいと思います。
◯木浪港湾空港課長
 4,500万トンの中での主な取り扱い貨物は、原油の輸入が2,620万トン、石油製品の輸出が1,460万トン、その他として460万トンでございます。
◯安藤委員
 国家石油備蓄基地が昭和55年に着工し、60年9月30日に完成しているわけですが、貨物取扱量との関係では、この国家石油備蓄基地の相乗効果というのは、あるいは、関係というのは、どういうふうになっているんでしょうか。
◯木浪港湾空港課長
 石油備蓄基地に関しましては、備蓄ということなので、一たん受け入れたオイルは数年間そこに備蓄されているということで、貨物の取り扱いにはカウントされないということです。
◯安藤委員
 そうしますと、実績の47万3,000トンは、その中身はどういうものでしょうか。
◯木浪港湾空港課長
 実績の47万3,000トンの内訳は、砂、砂利が主なものでございまして、そのほか、廃棄物等がございます。
◯安藤委員
 その廃棄物というのは、具体的にはどういうものですか。
◯木浪港湾空港課長
 廃棄物は、日本原燃関係の貨物でございます。
◯安藤委員
 むつ小川原港が重要港湾として昭和52年9月13日に指定されているわけですが、当初、重要港湾として指定された、その目的というのは、現在も生きていると思われるでしょうか。
◯竹内県土整備部長
 むつ小川原港、先ほど港湾空港課長の説明がございましたが、スタートが、いわゆる国家プロジェクトということで言われて、むつ小川原開発第2次基本計画に基づいて、むつ小川原港の整備がスタートしたということでございまして、そのむつ小川原開発第2次基本計画に附という形のものをつけまして、今の原子燃料サイクル施設の立地とかといったものを、整備といいますか、土地利用を許容してきたということでございまして、そういうふうな状況の中で、この計画そのものは上位計画に基づいて計画され、変更され、整備をしてきたというふうなことになっているわけでございます。
◯安藤委員
 重要港湾としての位置づけは、海上輸送の拠点となる重要港湾という位置づけだと思うんですが、そういう意味からすれば、現在は、重要港湾としての役割は実質担われていないというふうに見てよいのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
◯竹内県土整備部長
 そういうとらえ方もありますけれども、いわゆる国の開発上重要な港湾ということでの重要港湾という位置づけもございまして、今のむつ小川原港はそういう形での港湾というふうな理解をしているところでございます。
◯安藤委員
 計画値と実績値との大きな乖離について、県は今後どのように対応していくのか伺います。
◯木浪港湾空港課長
 先ほど申し上げましたが、二度のオイルショックなど、経済社会情勢の変化を踏まえ、平成19年6月に閣議口頭了解された新むつ小川原開発基本計画は、これまでの石油シリーズにかわり、環境、エネルギー、科学技術の分野における研究開発機能の展開と成長産業等の立地展開を図る科学技術創造圏の形成を目指していくものとして大きく方向転換されております。
 県としましては、港湾計画の上位計画を見極めながら、今後、港湾計画の見直しが必要であると認識しており、国、県関係部局等と協議を進めることとしております。
◯安藤委員
 計画の見直しが行われなければ国の支援は難しいというふうなことも言われているようですが、今の答弁でも、計画の見直しを図っていきたいということなんですが、具体的に、計画の策定については、もう着手しているんでしょうか。
◯木浪港湾空港課長
 見直しについては、これから国と協議しながら進めるということで、まだでございます。
◯安藤委員
 最後の質問になりますが、このむつ小川原港の建設事業費は、総額どのくらいかかっていたものか、もしお答えいただければ伺いたいと思います。
◯木浪港湾空港課長
 むつ小川原港のこれまでの整備状況は、昭和53年度から平成14年度まででございまして、その全体事業費は1,150億円でございます。