2010.7.21: 平成22年度建設委員会 抜粋 本文(質疑1)
◯森内委員長
 ほかに質疑はございませんか。──安藤委員。
◯安藤委員
 おはようございます。
 最初に、県営住宅の家賃についてお聞きします。県営住宅の家賃滞納額の推移について、過去3カ年の状況をお伺いします。
◯楠田建築住宅課長
 家賃の滞納についての御質問でございます。
 県営住宅の家賃滞納額の過去3カ年の推移につきましては、平成19年度末の累積滞納額は1億6,534万円、平成20年度末には1億7,569万円、平成21年度末には1億9,280万円となっております。
◯安藤委員
 年々滞納額がふえているという深刻な事態ですけれども、この滞納額がふえているということを含めて、その理由をどのように分析しておられるでしょうか。
◯楠田建築住宅課長
 滞納額が年々増加している理由ということで、いろいろな理由は考えられると思いますけれども、主な原因としましては、長引く景気の低迷によって雇用情勢が悪化し、どうしても家賃の支払いが困難になるという方がふえてきておるのではないかというふうに見ております。
◯安藤委員
 先日、新聞にもこの滞納の問題が出ておりましたが、この新聞の記事の中で、債権回収を専門とする民間会社を8月に決めるという、記事の中にそういうことが載っていましたので、債権回収を専門とする民間会社というのはどういうところを想定されているのか、そして具体的にどのような効果をねらっているのか伺いたいと思います。
◯楠田建築住宅課長
 債権回収会社についての御質問でございますけれども、具体的な会社名につきましては、こちらは、既に退去された方の滞納をされている家賃の回収を目的とするものでございまして、具体的な滞納の回収方法等につきましては、具体的な方法を提案いただいて、具体的にそれで業者を決めるというふうな手続になりますので、具体的な会社というのは想定はしておるということではございません。
 ただし、こういった債権の回収につきましては、法務大臣の登録を受けるようということで、その登録業者の中から選定するということになるというふうに考えております。
◯安藤委員
 そうしますと、既に退去している、今住んでいる方を対象ではなくて、もう既にそこには住んでいない方で滞納をしている方の分を回収するということ、そういう理解でよろしいんですか。
◯楠田建築住宅課長
 先日の記事に出ておりましたいわゆる債権回収会社、サービサーというんですけれども、そちらで委託を考えているのは退去者に対しての債権回収を想定しております。ただし、現在お住まいの方につきましては、引き続き各県民局のほうの担当を通じて納付指導等を行いまして債権の回収に努めていきたいなというふうに考えております。
◯安藤委員
 ちょっと繰り返しになりますが、既に退去されている方に対しての滞納についても、これまでも支払いをするようにという取り組みはされてきたわけですか。
◯楠田建築住宅課長
 当然そういった努力はしておるところではございますけれども、どうしても退去された後に転居を繰り返されたりして、どうしても行き先がわからないという方も出てきておりますので、そういった方を、それぞれ会社ごとのノウハウはあると思いますけれども、フォローといいますか追跡を行って、所在を調べた上でそういう債権の回収、具体的な回収そのものではなくて、債権を支払ってくださいというような督促の文書を出すとか、そういった業務を発注する予定でございます。
◯安藤委員
 その督促状を、払い込む先を探すとかというふうなことにもなるのかと思います。くれぐれも過剰なやりとりが企業によってなされるというふうなことがないように留意もしていただきたいなというふうに思います。
 次の質問ですが、滞納家賃に係る請求について、入居者の場合と保証人の場合の手続をお伺いしたいと思います。
◯楠田建築住宅課長
 滞納家賃の請求についての手続ということの御質問でございますけれども、これら請求事務につきましては、青森県県営住宅等家賃滞納整理事務処理要領に基づいて行っております。
 まず、入居者に対する請求の具体的な手続につきましては、滞納してから1カ月目に、家賃が未納であることをお知らせする県営住宅家賃未納通知書を送付します。さらに滞納3カ月目には、期限までに納付がない場合に連帯保証人への請求や住宅の明け渡しを求めることがあるという内容の県営住宅滞納家賃納付催告書を送付することとしております。
 文書以外にも、電話、訪問等により納付指導を行うこととしております。納付指導におきましては、家賃減免制度や分割納付が可能であることなどを説明しており、滞納額が大きくなる前に滞納が解消されるよう努めておるところでございます。
 それでも滞納が6カ月を超えた場合につきましては、支払い能力があるにもかかわらず納付に応じない滞納者の方につきましては、住宅の明け渡し請求を行うこととしております。明け渡し請求によっても住宅を明け渡さない方につきましては、明け渡し請求訴訟を提起することとなりますが、それでも和解等に応じていただけない場合には、裁判所に明け渡しの強制執行を求めるということになります。
 次に、連帯保証人の場合についてでございますけれども、滞納3カ月目に、連帯保証人から入居者へ納付指導をすることを依頼する文書を送付することとしております。さらに、滞納の6カ月目には、連帯保証人として滞納家賃を支払うように要請する連帯保証債務履行要請書を送付することとしております。その後は、3カ月置きに連帯保証債務履行要請書を送付することとしており、債務の解消に努めているところでございます。
◯安藤委員
 その連帯保証人の方にも、滞納が3カ月超えると納付指導というものを送付するということですが、その後は要請書を送っているということなんですが、実はこの質問をする機会になったのが、ある相談でした。
 5年ほど前に連帯保証人になっているがゆえに、多分今説明されたような要請書が来たということだと思うんですが、滞納額50万ほどを支払ったそうです。そして、その後も、入居者本人が払える状況がないために、その方がずっと家賃を払ってきたということで、自分の生活もかなり困難を来しているという中でそういうふうなことが繰り返され、これからもずっと払えるような状況になっていないものですから、これからもずっと自分が払っていかなくちゃいけないかということに思い悩んで、うつ的な症状もあらわれているというふうな深刻な相談でした。それで、その連帯保証人が滞納があるとそこまで支払う義務があるのかということで、疑問に思ったということがきっかけでした。
 今の答弁によりますと、要請書の通知を出すということでしたので、その部分が、保証人の家賃納入の法的義務はどのような理解でよろしいのか、伺いたいと思います。
◯楠田建築住宅課長
 先ほどの50万円という事例につきましては、具体的な事例は少し調べましたが、具体的な事例はちょっと把握はできなかったのでございますけれども、そういった御心配かけているということについては大変申しわけないというふうに考えております。
 保証人に具体的にどのような義務が発生するのかという御質問でございますけれども、県としましては、家賃の滞納が発生した場合におきましては、まずは確実な債権回収を図るという目的がございますので、そのため、入居時に2名の連帯保証人を求めております。これら連帯保証人に対しましては、一般的な民法上の債務の履行が必要になるというふうに考えるところです。
◯安藤委員
 民法上の債務の履行というその理解としては、民法上ということですので、支払う道義的な必要性はあるけれども、それをしないと連帯保証人が法的に何か訴えられるとか、そういうふうなところまで踏み込まれるということはないということでよろしいでしょうか。
◯楠田建築住宅課長
 具体的な法的措置をどうするかということでございますが、まずは、やっぱり入居者が滞納されているということがまずそもそもの根本原因でございますので、確かに民法上は、連帯保証ということでございますので、滞納者、主たる債務者と同等という位置にはなるんですけれども、まずは入居者の方に払っていただくというのがまず第一だと思いますので、できるだけそういった連帯保証人の方からいただくというような場面が発生しないように、事前にそういうことが起こらないように努めておりますので、今後もそういうふうに進めていきたいなというふうに考えております。
◯安藤委員
 私に相談した方は決してうそをついているわけではなく、実際にそういうふうな事例があったというふうなことでしたが、このように連帯保証人の方から県に相談をされるというふうな事例はどんな状況でしょうか。
◯楠田建築住宅課長
 具体的な相談事例というほどではないかもしれませんけれども、何といいますか、当然3カ月、6カ月あたりのそういった文書を受けて、これは何でしょうかという相談とか、そういったものは当然寄せられておりますので、具体的な納付の相談ではないかもしれませんけれども、そういった事例はあるということは認識しております。
◯安藤委員
 その際に、連帯保証人の役割と、どういうところまで滞納に対する連帯保証人のありようといいますか、そういうのをやはりきちんとお話ししていただきたいなというふうに思っております。
 それで、まずその滞納された方が、みずからが解決するということが一番重要なわけですけれども、その際に、減免制度があるということもしっかりと知る必要があると思うわけです。私が受けた事例についても、減免制度を活用すれば、きっとその対象になったケースではないかなというふうに思っていますが、そういう制度を多分知らないで今日まで来たというふうに思われます。
 そこで伺いたいんですが、県営住宅の家賃の減免について、制度の概要と過去3カ年の実績をお伺いします。
◯楠田建築住宅課長
 家賃減免の制度の概要と実績についての御質問でございますけれども、まず、県営住宅の家賃そのものについてでございますが、県営住宅は低額所得者のために整備された住宅でございますので、家賃は入居者の収入に応じて設定しており、基本的に民間の住宅に比べてそもそもがまず安くなっているというものでございます。さらに、離職、病気、災害等によって家賃の支払いが困難な方々への救済措置としまして、家賃の減免制度を設けているところでございます。
 家賃減免の具体的な手続についてでございますが、青森県県営住宅家賃等の減免及び徴収猶予に関する要領を定めておりまして、この要領に基づきまして、世帯の収入が減免対象となる基準額を下回った場合や年度の途中において世帯の収入が入居者の失業、病気、災害等により減少した場合など、入居者の収入状況に応じまして、決めております家賃に対して20%から100%を減免することができることとしております。
 実績につきましては、過去3年分の家賃減免についてでございますけれども、減免を受けた世帯数であらわしますと、まず、平成19年度が369世帯、平成20年度が377世帯、平成21年度が440世帯となっております。
◯安藤委員
 減免の対象者も年々ふえているという状況のようですが、この減免制度について、入居者あるいは滞納者に対して周知はどのようにされておられるでしょうか。
◯楠田建築住宅課長
 この減免制度につきましては、まず、新規入居者に対しまして入居時に「県営住宅入居のしおり」というものを配付しておりまして、その中で、まずそういう減免制度があると、具体的な制度の概要について説明をしております。さらに、滞納者に対して納付指導等で面談等を行いますけれども、そういった面談や電話等の指導の際にそういった減免制度があるということを説明して、周知を行っているところでございます。
◯安藤委員
 そういう過程を経た状況下でもよくわからないという方もあるのが実態だと思いますので、やはりこの減免制度についても親切に制度の周知を図っていただきたいというふうに思います。そして、滞納者が減るような社会状況になるということも必要なわけですけれども、十分滞納者との面談といいますか、状況をよく把握しながら滞納の解決に図っていただきたいというふうに思っております。