2010.7.21: 平成22年度建設委員会 抜粋 本文(質疑3)
3点目の質問に移ります。
 洪水ハザードマップについてです。今、全国で、異常気象と言われる中で、川のはんらんなど大きな災害が発生しておりますが、青森県内においてのハザードマップの県内の作成状況について、どのようになっているのか伺いたいと思います。
◯加藤河川砂防課長
 洪水ハザードマップの県内の作成状況でございます。
 平成17年度の水防法改正により、国及び県は、洪水により相当な損害を生ずるおそれのあるものとして指定した河川について、浸水想定区域図を作成し、区域を指定することとなっております。また、市町村は、浸水想定区域の指定があったとき、伝達方法、避難場所などを定め、洪水ハザードマップ等により住民へ周知することとなってございます。
 洪水ハザードマップ作成の必要な市町村は、弘前市など県内30市町村あります。平成22年7月現在、29市町村が作成・公表済みとなってございます。残る青森市──1市でございますけれども──につきましては、浸水想定区域図の作成が平成21年度に完成したことから、今年度に公表する予定と聞いてございます。
◯安藤委員
 青森県の中で一番の大きな都市である青森市が21年度に完成したというのは、何か取り組みが少しおくれているのではないかなと思うんですが、30市町村が対象になっているうち、青森市だけがおくれていたというのは、それはどんなふうに見ておられるんでしょうか。
◯加藤河川砂防課長
 青森市はなぜ今になったのかということでございますけれども、洪水ハザードマップは、県が作成する浸水想定区域図をもとに市町村が作成することとなってございます。青森市が関係する沖館川など8河川の浸水想定区域図の作成・公表が完了したのが、今申し上げましたように平成21年度でございます。今年度には公表できると聞いてございます。
 その浸水想定区域の公表時期でございますけれども、平成19年度以前には、重要というんですか、市街地を流れます堤川、駒込川、新城川を浸水想定区域は設定してございます。21年度になりまして、浪岡川、それから天田内川、それから沖館川、それから西滝川、野内川の浸水想定区域を指定してございますので、そういうものがまとまった段階での青森市がハザードマップを作成するという流れでございます。
◯安藤委員
 住民側からすれば、ほかのところは同じような状況のもとでも既に終わっているのに、青森だけがおくれているというのはちょっと疑問に感じたわけですけれども、とにかくハザードマップをきちんと住民の方に周知徹底して、日ごろの心の準備というか、そういうものもきちんと図れるように各市町村に指導していただきたいというふうに思います。
 そして、避難場所設置がこのハザードマップには盛り込まれておりますが、この避難場所設置の基本的な考え方について伺いたいと思います。
◯加藤河川砂防課長
 国土交通省の「洪水ハザードマップ作成の手引き」というものが、こういうものでございますが、ございます。これによりますと、避難場所は、浸水範囲外に存在する建物のほかに、浸水深が50センチメートル以下であれば1階建て以上の堅牢な建物、浸水深が2メートル程度であっても、2階建て以上の堅牢な建物であれば避難場所として適用可能とされています。
 ただし、避難場所が孤立する場合も想定して、救難・救護について検討しておく必要があるとされてございます。
 また、避難のための十分な時間を確保できない場合は、計画された避難場所に避難することは必ずしも適切ではなく、自宅の2階や近隣の安全な建物への避難などについて記載することが重要であるとされてございます。
◯安藤委員
 私も弘前市のハザードマップを見せていただいたんですが、岩木川の岩賀地域というところが洪水指定地域になって、浸水想定地域になっていて、避難場所がない地域なんですね。それで、今答弁にあったように、ここの岩賀地域は、避難場所がかなり遠い時敏小学校というところになっていますので、お年寄りであれば、そこまで歩いて例えば行くとしたらかなりの時間がかかる。自動車でもちょっと時間がかかるという離れた場所にありますので、避難する時間も、避難できないようなそういう状況の場合はどうするのかということが非常に重要だと思うんですが、そういう地元の方たちがそういう認識をきちんと持っているか。早い避難誘導であればここに避難するのだけれども、最近のようなかなり強い大雨が降ったりしたようなときに、避難場所に行くよりも、違う方法で安全な場所に逃げるというふうなことも必要なんだというふうな、そういう住民に対する懇切丁寧な指導というのがなされているのか、そういうふうに思うんですが、その辺についていかがでしょうか。
◯加藤河川砂防課長
 まず、事例に出されました岩賀地区でございますけれども、弘前市洪水ハザードマップ、今御指摘のこれでございますけれども、これによりますと、弘前市岩賀地区は、岩木川の堤防が洪水により破堤した場合、2メートルから5メートルの浸水深、水のかぶる深さでございますけれども、浸水深になると想定されます。
 岩賀地区の避難場所は、今御指摘のように時敏小学校となっております。避難場所は約3キロメートルと離れているため、やはり委員御指摘のとおり、早目の避難が大事なことだと思ってございます。時間がない場合は2階や高台へ避難することが記載されてございます。
 そして、今の2階等につきましても、この弘前市のハザードマップの中に記載がございまして、こういうページがございます。これにございまして、避難のための十分な時間を確保できない場合や避難場所への移動が危険と感じられた場合には、近くの高台や建物の2階以上などの安全な場所に避難しましょうということで市としては住民の方々にお知らせしているところでございます。
◯安藤委員
 その辺の、これを配付すれば済むという問題ではないので、懇切丁寧な指導をひとつやっていただきたい、それを市に指導していただきたいということと、あわせて、住民の方からこういう御意見寄せられています。そういうふうな場所については、例えば3階建てぐらいの頑丈な、逃げられるような建物をあらかじめつくっておくというのも一つの方法ではないかというふうな御意見いただいているんですが、そういうことについてはどんなように受けとめられるでしょうか。
◯加藤河川砂防課長
 委員が今御指摘になりましたような高い建物というものについての政策、国の政策とか県の施策としては、まだない状況でございます。委員の意見も参考としながら、今後、防災危機管理については十分検討してまいりたいと思います。
◯安藤委員
 ぜひ検討していただきたいと思います。
 それからもう一つ、この岩賀地域にはキヤノンなどを含めた工業団地も一帯含まれているんですね。そこにはかなり多くの労働者がそこで働いているわけで、建物自体は頑丈なものだと思いますが、避難誘導といってもかなり大変なことだなと思いますが、こうした大きな企業に対しては、このハザードマップに関する日ごろの訓練とか指導とかいうのはどのようになっているか、伺いたいと思います。
◯加藤河川砂防課長
 岩賀地区は御指摘のように工業団地でございますが、工場では、まず第1に早期避難ということで、安全な自宅等に帰るということになります。時間がない場合は会社の2階への避難が考えられると。それにつきましては、先ほどお示ししましたこのハザードマップの内容のとおりでございまして、こういう方向で企業のほうでも検討していただければと思いますし、同様なこういうマップは行っていると思いますので、そういう御理解でよろしくお願いいたします。
◯安藤委員
 実際に瞬時に対応が迫られるような大変な事態が起きたときには、例えばこの工業団地などは多くの労働者が、駐車場までも結構ある、離れているんですよね。広い駐車場があちこちあるわけですが、自宅に帰るという、そういう行動にも、もしも洪水が発生するような事態になったときには十分さまざまな点を考慮しなくちゃいけないと思いますので、ぜひ、最近の異常気象ということも含めて安全対策を各自治体が講じることを県としても指導していただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。