2010.8.20: 平成22年度建設委員会 抜粋 本文(質疑4)
 次の質問ですが、国道103号青ブナ山バイパスについて伺います。
 このたび環境検討委員会の総合評価報告が出されたようですので、この報告内容と今後の計画についてお伺いしたいと思います。
◯三上道路課長
 国道103号青ブナ山バイパス整備事業は、平成12年度に事業着手しているところです。青ブナ山バイパスは、十和田八幡平国立公園の特別保護地区内における事業であることから、技術面及び環境面について、外部委員による検討を行ってきました。
 昨年度、技術面を検討する委員会より、バイパスルートの最終案が提示されまして、これをもとに環境面における影響等について検討を行い、その結果について、8月10日に知事に総合評価報告を行ったところであります。
 総合評価におきましては、奥入瀬渓流左岸における滝への影響が最も少ない計画ルートについて、おおむね妥当であるとの報告を受けております。その他、今後、環境面へ配慮すべき事項等についても報告を受けておりまして、これらの検討事項に配慮しながら、事業を実施する予定としております。
 今後は、今回の環境検討委員会の報告を受けまして、自然公園法を初めとする関係法令に基づく諸手続について、環境省、林野庁、文化庁などの関係機関との事務手続を進めていくこととしております。手続が完了した後に工事着工が可能と考えております。
 以上です。
◯安藤委員
 これからもまだ次の段階を踏まなければ、工事に踏み出せないということですが、環境省や林野庁への手続を終えて、おおむね工事に入る段取りというのはいつぐらいになるんでしょうか。
◯三上道路課長
 これからの諸手続の進みぐあいにもよると思いますが、最も早くて24年度というふうに考えております。
◯安藤委員
 それから、先ほどの答弁の中で、奥入瀬の滝への影響がかなり少なくなったという評価なわけですけれども、滝の問題だけでなく、いろいろな問題点も考慮しなくちゃいけないと思うんですが、工事中の落水の処理とか、それからトンネルを掘ったときの残土の扱いとか、動植物への配慮などについて、どのような評価がされているのか伺えればと思います。
◯三上道路課長
 落水につきましては、工事施工中の落水、それから工事完了後にトンネルから出てくる濁水というか、地下水がありますが、それにつきましては、濁水につきましては、今、奥入瀬渓流沿いに下水道が入っているので、あそこに流すということで、それは妥当であると。それから、完了後のわき出てくる地下水につきましては、モニタリングしながら、十和田湖へ流すことがいいのか、また、別ルートで流すことがいいのか、その辺は施工中、あるいは完成後もモニタリングして検討してもらいたいという附帯意見がついております。それから、残土につきましては、残土を捨てる場所は、一応、特定しているんですが、それにつきましても、例えば残土が道路から見えるとか、それから残土を捨てる場所に接続している動植物への影響、それも今後、詳細に検討していきたいという附帯意見がついております。それから、動植物の関係ですが、今、お話ししましたように、残土捨て場に生息している動植物への影響は、今後も詳細設計の段階でもう少し詳細に検討してくださいという附帯意見が付されているところです。
 以上です。
◯安藤委員
 ぜひ、その附帯意見に十分な考慮をされて、問題のないような方法をぜひ検討していただきたいというふうに思います。
 青ブナ山バイパス完了後の奥入瀬渓流沿い国道の利用のあり方について、次に伺いたいと思います。
◯三上道路課長
 バイパス完成により、奥入瀬渓流沿いの国道は、渓流の豊かな自然環境を利活用することが可能となります。バイパス完成後の国道の利用につきましては、環境省、青森県、交通管理者、地域住民などで組織している奥入瀬渓流利用適正化協議会、この協議会において、例年秋に試行していますマイカー交通規制などにおける諸施策の具体化について検討することとしております。
◯安藤委員
 ここ数年、紅葉の時期に数日間、車をとめるというふうな対応をしているわけですけれども、新しいバイパスができた後は、渋滞の緩和はもちろんされていくとは思うんですけれども、観光客の方や、それから自然への配慮ということを考えると、ぜひ、あそこには車が通らないような環境になるということを望む声もあるわけですけれども、その辺についての検討というのは、この新しいバイパスをつくるという作業と同時にされていくということでよろしいわけですね。もう一度、確認ですが。
◯三上道路課長
 安藤委員御指摘のとおり、バイパス完成後はマイカー等規制していくという方向で、先ほどお話しした適正化協議会のほうでも検討を始めておりますので、今後、管理者をだれにするとか、どんな規制の仕方をするとか、検討を進めたところです。工事と並行して、完成に向けて、その辺を調整していくということを考えております。
◯安藤委員
 ぜひ奥入瀬を観光客がゆっくりと安全に楽しんでいただけるという環境をぜひつくっていただくことを要望したいというふうに思います。