2010.8.20: 平成22年度建設委員会 抜粋 本文(質疑5)
 次の質問ですが、駒込ダム・奥部ダムについて、国の要請により検証がなされるというふうに聞いていますが、その検証の内容についてお伺いしたいと思います。
◯加藤河川砂防課長
 お答えします。
 国は、できるだけダムに頼らない治水のあり方を検討するため、昨年、今後の治水対策のあり方に関する有識者会議を立ち上げ、7月の会議において、今後の治水対策のあり方についての中間取りまとめ案が示されたところでございます。
 この中間取りまとめ案によれば、26の治水対策案の中から、ダムを含めた2ないし5案を抽出し、比較検討することとなっております。
 今後、中間取りまとめ案の考え方に沿って、具体的な検証に対する作成要領等が示されるものと考えており、県としては、示された基準に沿って検証していくこととしております。
◯安藤委員
 その作成要領というものに基づいて検証を進めるということになるわけですけれども、今、中間取りまとめが出たというところなわけですが、実際に作成要領に基づいての検証作業というのはいつごろになる予定でしょうか。
◯加藤河川砂防課長
 国では、中間取りまとめ案に対して、現在、22年7月16日から8月15日まで広くパブリックコメントを求め、その期間が現在終了したことから、中間取りまとめが正式決定され、近々に公表されるものと思われます。
◯安藤委員
 青森県では、これまでも県独自に検証を行ってきたというふうに思いますが、これまでの県が行ってきた検証内容と今後ダブる部分も出てくるかと思いますが、その点についてはどのように考えているのでしょうか。
◯加藤河川砂防課長
 今、御質問の内容では、多分、再評価という行為がございます。それを想定されていると思いますけれども、県が平成20年度の再評価時に検討した内容と今回の事業検証で行う内容は、代替案などについて、やはり一部、重複するものがございます。しかし、重複している部分につきましては、再評価時に検討した従来の資料を活用いたしまして、経費が無駄にならないようにしてまいりたいと思っております。
◯安藤委員
 新聞報道によりますと、検証費用は大体、県の見積もりで4,000万円くらいではないかということで、その半分を県が持つということになるような報道がなされていましたが、この件については、県としてどのようなとらえ方をしているのか伺いたいと思います。
◯加藤河川砂防課長
 検証費用は1ダム2,000万円ということで、2ダムで4,000万円ということでございます。ダム事業の検証にかかわる費用は、中間取りまとめ案で示された基準に沿って県が積算したものでございまして、従来の資料を活用し、新たに項目を追加するということでございます。そして、それに関します県の負担でございますけれども、これにつきましてですが、補助ダム事業における調査検討に要する費用は国が半分補助することになっておりまして、今回の検証に要する費用につきましても同様となっております。
◯安藤委員
 ということで、それは妥当というか、やむを得ないだろうというお考えだということなわけですか。
◯加藤河川砂防課長
 通常、半分ずつ持つというような形でやってございますので、今回についても必要な検証でございますので、やむを得ない出費だと考えてございます。
◯加藤河川砂防課長
 工事の見通しについてでございます。国では、平成22年度予算において、検証の対象となるダム事業について、事業の新たな段階に入らず、現段階を継続する必要最小限の予算とすると公表してございます。地元の生活再建に必要な工事には予算は配分すると聞いてございます。
 駒込ダムについてでございますが、工事用道路を建設中ですが、地元の生活再建は必要な道路に該当しないことから、平成22年度は降雨や融雪等による工事用道路の土砂流出を防止するための必要最小限度の工事を実施しております。
 それから、奥戸ダムでも工事用道路の建設中ですが、この工事用道路は町道及び林道と併用になっていることから、地元の生活再建等に必要な工事として、平成22年度も継続して工事を進めております。
 両方でございますけれども、検証が終了までの間は、両ダムの工事については、平成22年度と同様の内容で推移していくものと思われます。
◯安藤委員
 確認ですけれども、そうしますと、工事用の道路が今、つくられていて、その工事用の道路の最小限の土砂の流出等を防ぐための工事は継続していくということだということでよろしいわけですか。
◯加藤河川砂防課長
 ただいまのことは、駒込ダムのことでございますけれども、工事用道路は一部施工してございますが、それが生活再建に当たらないという、工事専用道路という認識でございますので、それが壊れないようにするための土砂流出を抑える、保全的な工事、その道路を保全するための工事については認めるということになっておりますので、そういう方向で進むと思います。
◯安藤委員
 そうしますと、奥戸ダムについては、一時中断ということなわけですか。
◯加藤河川砂防課長
 奥戸ダムにつきましては、道路を施工してございます。要するに、道路のやるところまではいいということになっております。その道路が生活再建で、それが町道にもなりますし、林道にもなります、併用になってございますので、それについては、工事用道路を順次進めてもよろしいと、そういうことでございます。
◯安藤委員
 わかりました。
 ダムの建設については、全国的に検証をするということで、違う方法での治水の考え方が経済的にもそのほうがよいということになれば、ダム建設を中止するという動きは重要だというふうにも思いますので、ぜひ検証作業を十分行った上で、県のかかわる、この駒込ダム、奥戸ダムについても、慎重な検証を行っていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。