2010.9.16: 平成22年度建設委員会 抜粋 本文(質疑2)
 次の質問に移ります。次は、大和沢ダムについてです。引き続きの質問になるんですが、地元の方たちの関心は非常に高いです。ダムをつくらないで治水をきちんとやれるかどうか、やってほしいということなども含めて、さまざまな関心がありますので、引き続き伺いたいと思います。
 1つ目の質問は、第3回青森県公共事業再評価等審議委員会で、現地調査をされているようですが、その状況について伺いたいと思います。
◯加藤河川砂防課長
 第3回青森県公共事業再評価等審議委員会は8月29日に開催され、大和沢ダム計画関係地であります現地調査と、大和沢ダム事業にかかる詳細審議をしていただいたものでございます。当日は、大和沢川については、大和沢ダムのダムサイト近傍、大和沢川上流域の河川状況、大和沢川下流域の河川状況の3カ所、環境用水を補給する計画としております腰巻川と土淵川については、それぞれ1カ所の河川状況の計5カ所について現地調査をいただいたものでございます。
◯安藤委員
 この現地調査は何度目の調査になるんでしょうか。
◯加藤河川砂防課長
 平成15年に、今回の再評価委員会とは別に1回やってございます。今年度の再評価委員会では、今回が初めてのものでございます。
◯安藤委員
 現地調査を行ったわけですが、そのときの委員の方たちの現地調査をした上での御意見などというのを聞く機会はあったんでしょうか。
◯加藤河川砂防課長
 詳細審議という形で審議はしてございます。その前段に、住民の意見を聞く機会を設けてございます。それにつきましては、大和沢ダム事業にかかわる地元町会長さんなど7名から御意見をお伺いしてございます。主な御意見は、1つ目として、大和沢川の治水対策を行ってほしい、2番目として、土淵川、及び腰巻川は夏場に水量が不足することから、水量を確保してほしい。3番目として、腰巻川の水質がまだ悪いため改良をお願いしたいということでございます。
◯安藤委員
 今答弁されたものは、地元住民の皆さんの意見ということで、第3回再評価審議委員会での御意見ということでよろしいですか。
◯加藤河川砂防課長
 地元の代表者という認識でございます。
◯安藤委員
 地元の代表者ということですが、どういうメンバーの方たちなのか伺いたいと思います。
◯加藤河川砂防課長
 メンバーについて御説明いたします。まず、斉藤知様、一野渡町会の会長さんでございます。それから、奈良典明、弘前大学の名誉教授です。それから、工藤和子、ひろさき環境パートナーシップ21会委員、市民の森の会副会長でございます。小松義正氏、元田園町の会長さんでございます。それから、佐々木健様、弘前第一中学校の校長先生です。小山信行氏、財団法人日本野鳥の会弘前支部長でございます。それから、吉崎義起、弘前市建設部長、以上7名でございます。
◯安藤委員
 この地元の方たちの中で、明確にこのダムの建設についての賛成・反対という、県が打ち出したダム事業を中止するということに対しての明確な御意見というのは、この地元代表の方たちの中から出されたのかどうか伺います。
◯加藤河川砂防課長
 認識としましては、大和沢ダムの中止に関しての強い御希望というものはありませんでした。
◯安藤委員
 中止すべきだという意見についてはどうですか。
◯加藤河川砂防課長
 中止に賛成という御意見はございました。賛成を表明された方はいました。逆に、中止に強い反対を唱える方はいなかったと、そういう状況でございます。
◯安藤委員
 大和沢ダム事業について、地元住民の方たちに十分理解をしていただくということが大事だと思います。以前にも、広報等をしっかりやっていただきたいということは私からも注文いたしましたが、今後の地元住民への説明についてどのように考えているのか伺います。
◯加藤河川砂防課長
 今後のと申されましたけれども、今までについてもかいつまんで御説明させていただきます。去る5月27日、28日に住民説明会を開催してございます。それは、大和沢川沿線の12町会の4,000世帯の報告でございます。そして、参加者は少なかった―17名でございますが、住民の方々からは、治水対策をしっかりしてほしいという意見が出てございました。
 また、8月1日付の弘前市の広報と一緒に、大和沢川沿線の約4,000世帯にチラシを配布し、大和沢川の治水対策についてお知らせしてございます。このお知らせに対しては4名の方から御意見がありましたが、ダムの中止に賛成するというものでございました。
 さらに、より一層理解を深めていただくため、今後でございますけれども、10月1日付の弘前市の広報と一緒に、旧弘前市の全世帯でございますけれども、5万7,100世帯の方々に、大和沢川の治水対策と土淵川、及び腰巻川の水質が改善されている状況などを載せましたチラシを配布し、御意見や御要望をいただきたいと考えております。
◯安藤委員
 今度はまた新たに、広範囲の方にチラシを配られるということで、そうした市民の方たちがいろいろな思いを持たれたときに、その声を反映する方法というのは何か考えているんでしょうか。
◯加藤河川砂防課長
 課題は治水対策、大和沢川沿いでの治水対策でございます。もう一つが、腰巻川や土淵川の環境的な、水の保全でございます。その対策についてでございますけれども、まず治水対策でありますが、大和沢川では、昭和50年8月20日や、昭和52年8月5日の大雨で洪水被害に遭っております。このことから、昭和57年度から平成8年度にかけて平川合流点から上流2.2キロ間で河川改修事業ができておりましたが、平成9年度以降は休止してございました。県では、ダム事業を中止した場合でも、大和沢川の治水対策は必要であると考えております。河川改修事業を復活させ、昭和50年や昭和52年のような洪水が起こってもあふれることがないよう河川改修を進め、県内の同規模河川並みの治水安全度を確保することとしてございます。
 次に、土淵川や腰巻川に対する環境のための水の補給でございます。これにつきましては、夏場の渇水のときは、土淵川や腰巻川に限らず、どこの河川でも水量が少なくなる、そのため、渇水したら補給することは困難と考えております。しかし、土淵川では、平成7年度から平成17年度にかけて、第1期工事として、人家連檐部の野田橋から徒橋までの1,060メートル区間につきまして、河岸や瀬、淵など、変化のある自然的な河道を創出し、かつてのように人々に親しんでいただけるような川にするための整備を完成しております。
 ということから、さらに平成21年度からは第2期の工事としまして、上流の土手町を含む中心市街地である徒橋から寺沢川合流地点までの1,120メートル区間に着手しており、低低水路を整備して、河川の水深を深くすることにより水量感を感じていただけるように、また、低低水路の脇には散策を楽しんでいただけるような遊歩道を整備するなど、環境改善を図っていくこととしてございます。
 さらに、腰巻川の方でございますけれども、こちらにつきましては、意見については、水質が悪いというような意見がございましたが、弘前市が調査しました平成21年度の、城東高田橋地点でのBODは1.3ミリグラム/リットル、また、県でも調査してございまして、21年度の高田高架橋下流地点でのBODは1.2ミリグラム/リットルでありまして、これらは周辺の環境基準の2.0をクリアしております。
 ということで、河川を利用する市民の声はお聞きしながら、問題点の把握を努めてまいりたいと考えてございます。
◯安藤委員
 御丁寧にありがとうございました。当初の説明会をやっても、17名の参加だったということで、直接県の方の説明を聞く機会を得た方は少なかったわけですが、広範囲にチラシを配ることで、これはちょっとわからないということだとか、私はこういう意見を持っているんだけどという方がもしあった場合に、そういう方たちが直接聞いたり、意見を述べたりとか、そういうチャンスというものはあるんでしょうか。
◯加藤河川砂防課長
 配布しますパンフレットの最後の部分に、御意見とか御質問がある場合には、どこどこに連絡してくださいと記載してございますので、まずはそういう方法をとることとしてございます。
◯安藤委員
 それから、先ほど御丁寧に御説明いただいた中に、土手町の下を流れる土淵川近辺の整備を行うということになっているわけですが、低低水路という事業をするんですけれども、川幅をさらに広げるということはないのか。これまで、その下流部の方の整備は、かなり川幅を広げ、土地の買収も進めるという、すごく大がかりな工事をしましたので、そういう工事になるのか。あるいは、川幅はそのままにした低低水路の工事なのか、そこをちょっと確認させていただきたいと思います。
◯加藤河川砂防課長
 今後整備するものにつきましては、基本的には現河道の中での処理でございます。部分的に細かい部分は出てくるかもしれませんが、基本的に現河道の中での対応としております。
◯安藤委員
 もう一点、再評価等審議委員会の今後のスケジュールについて伺います。
◯加藤河川砂防課長
 次回の再評価等審議委員会は10月3日に開催される予定となっておりますが、この委員会において、大和沢ダム事業に対する委員会での方針が決定されるのではないかと考えてございます。そして、例年であれば、11月に委員会の意見書が知事に提出され、それを受けて知事が最終判断するということになると思われます。
◯安藤委員
 わかりました。次の質問ですが、大和沢川の砂防事業について伺います。大和沢ダムの建設予定地を含めて、大和沢川の状況について私も調査させていただきました。それで、砂防ダムというのがこの地点にあるのかということを確認してきましたが、このような砂防ダムを見てまいりました。それで、この砂防ダムの上流側の、土砂がたまる部分なんですけれども、このたまる部分の土砂の量とか、それから、土砂の上に流木があちこち置かれている状況も見られました。それから、草もかなり伸びたままというふうなこともありまして、最近の雨の量が非常に多いときも多くなりましたので、やはりこういうものは、雨量が高まったときに下流部分に流れて、そして、洪水の引き金になるのではないかという心配をいたしました。そういうことで、この砂防ダムの管理というのが非常に重要じゃないかと思いましたので、県の砂防ダムの管理状況について最初に伺いたいと思います。
◯加藤河川砂防課長
 土石流などの土砂災害から、生命、財産を保護することを目的として、県内では平成21年度末までに730基の砂防ダムが建設されてございます。そのうち大和沢川には砂防ダムを1基設置してございます。設置された砂防ダムにつきましては、施設の破損状況、堆砂の状況について、2年に1度の施設点検を行い、砂防ダムの現状を把握しております。施設に亀裂等破損が確認された場合には、補修工事を行うなど、管理を行っております。
◯安藤委員
 私が見てきた大和沢川の砂防ダムでは、数年前に工事をしたあと、痕跡を見てきたんですが、そうしますと、この場合も、工事の必要な老朽化というか、そういう事態があったということでの工事だったのか確認します。
◯加藤河川砂防課長
 御指摘の大和沢川の砂防ダムは、昭和36年に着手し、39年度に完成しております。それで、昭和52年から54年度にかけて、老朽化に伴う1回目の補修といたしまして、根底のはらづけを行い、平成21年度に2回目の補修といたしまして、根底そで部のはらづけを行っております。
◯安藤委員
 先ほど、私が申しました、この砂防ダムにいろいろ流れていくとまずいなと思われるような流木だとかそういうものについての管理、取り除くというような作業については、県が管理の中の一部としてやることはできないのか、どうでしょうか。
◯加藤河川砂防課長
 砂防ダムの効果には、河床―低い部分にある土砂をとめる、監視量がございます。それから、土砂が満砂になって、その河川特有の勾配で安定した場合に、それ以上の降雨があった場合には、それよりも高く土砂がたまります。それを調節量と言っております。その調節量は、中小の洪水時には当然そういうたまった土砂等も一緒に持って流れていきまして、勾配が緩くなるというようなことで調節する。満砂であっても効果はあるという判断でございます。
◯安藤委員
 その土砂の量については、そういう仕組みなのだということをお聞きしたんですけれども、その上にたまっているような、川の下流の方に流れていってはまずいのではないかというような流木だとか、そういうものの管理は、県の方がやれないのかということなんですけれども。
◯加藤河川砂防課長
 御質問の内容は、砂防ダムよりも上流部にある流木とか崩壊した土石等の関係かと存じます。このダムの設置されております上流側は、国有林野内でございます。そこから土砂や流木が砂防ダムに流入するおそれがある場合ということでお答えしますと、国有林野内で発生した山腹崩壊等により土砂や流木が砂防ダムへ流入するおそれがある場合、国有林野を管理します森林管理者に情報提供を行い、現地の調査や対策について依頼することとしてございます。
 また、毎年11月には東北森林管理局―国有治山の事業を行ってございますが、それから、県の農林水産部であります林政課―民有治山を担当してございます。そして、当方であります河川砂防課の方の三者によりまして、青森地方砂防治山連絡調整会議を開催してございます。その中で、上流域の荒廃状況等の情報共有を図っております。
◯安藤委員
 この大和沢川の上流地点なんですけれども、この砂防ダムの上流側に行きますと、このように間伐がきちんとされていないもんですから、このように細い木が倒れているような場面が多くありました。〔写真を示す〕
 それからあと、毎回土砂崩れが起きているようなあとも見られました。こういうのを放っておきますと土石流の原因になるのではないかと心配されました。こういうのをぜひ、今のお話によりますと、林野庁の管理だということや、調整委員会で伝える場があるということでしたので、ぜひ、大きなダムをつくらなくても河川の管理をきちんとやっていく上でも、このような山の管理をきちんとやっていただけるよう、そして、このように何度も土砂崩れを起こしているような地点があるという実態ですので、これをぜひ伝えていただいて、対応をしてもらえるように要望したいと思います。
 それから、その大和沢川の上千年橋付近高水敷の散策路周辺で草刈りが行き届いていない箇所が見受けられるが、今後どのような対応をするのか伺いたいと思います。県が一生懸命多額のお金をかけて川の整備をして、そして、人が水辺で楽しめる空間をということで整備をあちこちでやっているわけですが、ここもかなり年月のたった整備区間なんですけれども、状況を見ますと、このように草ぼうぼうで、ちょっと何か事件があっても発見できないのではないかと思うような状況です。〔写真を示す〕
 ぜひ、こうした状況を改善して、管理をきちんとやって、住民の方たちが安心して水辺で散策をできるような環境をつくる必要があると思いましたので、伺いたいと思います。
◯加藤河川砂防課長
 散策路が整備された当初は、町内会などの協力を得て、草刈り等が行われ、良好な環境が維持されておりましたが、近年、高齢化が進み、草刈りなどの作業が厳しい状況となってございます。今後は、地域住民や企業へ、ふるさとの水辺サポーター制度のPRを推進し、地域住民と一体となった維持管理を進めてまいりたいと考えてございます。この水辺サポーター制度と申しますのは、河川の堤防とかの管理を地元の人たちと一緒になってやる制度でございます。そういうものについても周知しながら努力してまいりたいと思ってございます。
◯安藤委員
 水辺サポーター制度という制度に基づいて、水辺を管理する方たちは何組ぐらいいるでしょうか。
◯加藤河川砂防課長
 現在、青森県ふるさとの水辺サポーター制度に登録してございますのが24団体でございます。もちろん、県としては、PR看板の設置とか、保険の加入とか、物品、ごみ袋とか軍手を提供する。そして、市町村の方から、たまったごみを処分していただくというような形での制度でございます。それによりまして、河川の周辺の環境の美化に努めております。
◯安藤委員
 こういう制度に基づいて、共に水辺をきれいにしようという方たちの協力は非常にありがたいし、これからもそういう団体がどんどんふえていくように県も指導していただきたいんですが、それでもなおかつ管理が行き届かない実態があれば、ぜひとも、地元の仕事をふやすということにもなりますので、行き届いていない場所が確認できれば、ぜひとも、県の予算を使って草刈りなどを委託をしていただければいいなと思います。ぜひ、その辺について検討していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。