2010.9.16: 平成22年度建設委員会 抜粋 本文(質疑4)
 最後の質問になります、軍事基地における建築事業の届け出について伺います。軍事基地内に建築物、工作物を建設する場合、建築基準法上確認手続は必要なのか伺います。
◯楠田建築住宅課長
 建築確認の手続が必要かということでございますが、まず、アメリカ合衆国の軍隊の建築行為に対しましては、基本的に建築基準法は適用されません。しかしながら、防衛省が基地内で建築物を建築する場合につきましては建築基準法が適用され、このため、建築確認の手続が必要となります。
◯安藤委員
 今の答弁の確認ですけれども、そうしますと、米軍基地内において、例えば思いやり予算で建てられるようなものは防衛省がつくるということになるわけなので、防衛省がお金を出してつくる建物については日本の建築基準法が適用されて、そして、アメリカがみずからの予算でつくるものについては、この法律は適用されないというとらえ方でよろしいんですか。
◯楠田建築住宅課長
 お金をどこが出したかということではなく、あくまでも建築基準法上の建築主がだれかということでございますので、建主が防衛省であれば、当然、日本国内の建築ということになりますので、建築基準法が適用されるということになります。
◯安藤委員
 じゃあ、建築主がどちらかということになるわけですね。そうしますと、米軍基地内においての建築主が割合というか、そういうふうなものについて把握されているんですか。
◯楠田建築住宅課長
 今のお尋ねは、建物の数の割合ということだろうと考えますが、実際の建物の数ということにつきましては、まず、アメリカ合衆国の軍隊がつくった場合につきましては届け出等がありませんので、これはうちの方では把握はしかねます。防衛省の設置、もしくは建築したものにつきましては、具体的な数字は、すみません、手元に持ち合わせございませんので、また後ほど御説明させていただきたいと思います。
◯安藤委員
 建築確認が必要な建築物、工作物とはどのようなものでしょうか。
◯楠田建築住宅課長
 建築確認が必要な建築物、工作物というお尋ねでございますが、まず、建築基準法では、建築物のうち、劇場や病院等の特殊建築物と言われるものにつきまして、100平方メートルを超えるもの、そのほか、木造の建築物で階数が3以上のもの、または延べ面積が500平米を超えるもの、そのほか、高さが13メートル、もしくは軒の高さが9メートルを超える―高い建物ということになりますが、そちらのもの。それから、木造以外の建築物で階数が2以上のもの、または延べ面積が200平方メートルを超えるもの。そのほか、構造等にかかわらずですけれども、都市計画区域等の区域内に建築する場合につきまして、それら建築物について建築確認が必要となっております。
 また、工作物についてでございますが、土地に定着する工作物につきまして、高さが6メートルを超える煙突や、高さが15メートルを超える鉄筋コンクリート造の柱、鉄柱等、それから、高さが4メートルを超える広告塔などにつきまして、一般的な建築物に対する建築基準法の規定が準用されるというふうに規定されておりますので、これらにつきましても建築確認の手続が必要となっております。
◯安藤委員
 建築基準法の第2条の1に、建築物、土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱、もしくは壁を有するもの、また、これに類する構造のものを含むというふうにありますが、この考え方は、もちろん、基地の中でも適用されるということでよろしいですか。
◯楠田建築住宅課長
 建築主がどなたかということによって、法令の適用が変わってきますけれども、基本的には建築物に該当するものがあれば建築基準法は適用されます。
◯安藤委員
 つがる市のエックスバンドレーダーや三沢市のジェイタグス、むつ市のFPS−5―ガメラレーダーは、この建築基準法における建築確認が必要な工作物に該当するのかどうか伺います。
◯楠田建築住宅課長
 3点の物件につきましてのお尋ねでございますが、まず1点目、つがる市の車力分屯基地に配備されておりますエックスバンドレーダー、こちらは、AN/TPY−2というタイプのものだそうなんですけれども、こちらと、三沢基地に配備されていますジェイタグスにつきましては、2点ともアメリカ軍が配備したものということでございますので、先ほどの考え方のとおり、建築基準法の適用はないものと考えております。
 もう一点、むつ市のFPS−5、いわゆるガメラレーダーと言われているものでございますが、こちらにつきましては、これまで下北県民局におきまして建築基準法上の取り扱いについて相談を受けた際に、回転するアンテナ部分については、建築基準法上の確認が必要な工作物には当たらないということで回答しておるところでございます。
◯安藤委員
 その下北県民局がそのような対応をされたということなんですが、私、つい先日見てまいりました。こんなにすごい建物です。〔写真を示す〕
 釜臥山の頂上にどんと建っているわけです。ちょうど今、今年度中の仕上げに向かって工事の真っ最中ですが、こんな大きなクレーン車によって工事が着々と進められているんですが、どう見ても、これが建築物、工作物に当たらないという判断をなぜしたのか、とても疑問に思います。下北県民局がそのような、建築物にも工作物にも当たらないと判断された際に、十分、どういうものがつくられるのか、資料に基づいて判断されたのかどうか伺いたいと思います。
◯楠田建築住宅課長
 これまで県として防衛省と相談していた経緯があるということでございますので、それらの経緯、それから、事実関係等を調べた上で、必要があれば調査を行う必要があるというふうに考えておりますけれども、物ということで考えますと、まずは、上部構造部分につきましては、建築基準法というのは、もともと土地に定着したものを対象に規制をかけてございますので、当然、機械設備に当たるものについては法令上の対象外になります。
◯安藤委員
 その説明に納得いかないんですね。土地に定着する建築物じゃないととても思えないんです。多分、これだけの構造物ですので、しかもこれは35メートルの建物なんですが、これだけのものを建てる場合には、かなりの地下も掘った上で基礎固めをしたでしょうし、これだけのものを安全に構築させていくには、地面に定着させるための建築でなければ、とてもこれだけの大きなレーダーを安全に置いておくことはできないと思いますので、これをただの機械だという扱いで建築物、あるいは工作物の対象外にするというのは、とても納得がいきません。
 建築基準法の目的のところに、「この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする」というふうにされています。釜臥山というのは、私は弘前の人間ですので遠い存在ですけれども、むつ市の市民の方々にとっては、本当にふるさとの誇りであり、ふるさとの心となっている山なんですね。この山にこのようなものが何一つ法律に値しないと言って届け出が全くされずに、こういうものを山のてっぺんにつくられるということを放っておいていいのかという気持ちでいます。私でもここまで行けるんですから、県の皆さんはきっと中にも入っていけるでしょうし。防衛省ですから。許可を得てきちんと調査をして、これが本当に建築基準法の建築物、工作物に当たらないものなのか、今からでも、ぜひとも再調査をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
◯楠田建築住宅課長
 先ほども御説明いたしましたけれども、これまでも、県として防衛省と相談していた経緯もありますので、そちらの経緯や事実関係等調べた上で必要に応じて調査を行いたいと考えております。
◯安藤委員
 建築基準法の第94条に不服申し立てというのがあるんですが、県民の立場で94条に値する不服申し立てというのも、こういうケースについて住民側が不服申し立てをすることは可能なのでしょうか。
◯楠田建築住宅課長
 事実関係を詳細に調べないとわからない部分もありますので、そういった対応が可能なのかどうかも含めて、少し検討させていただきたいと思います。
◯安藤委員
 青森県の観光や、それから、そこに住む人々の命を守り、環境を守るという意味で皆さんの仕事があると思いますので、ぜひとも、むつ市、及び県民の、山という財産を守るという立場から、きちんとした調査を行っていただくよう要望して終わりとします。