2010.10.04: 平成22年度建設委員会 抜粋 本文(質疑6)
 次の議案第21号「県有財産の処分の件」について、JX日鉱日石エネルギー株式会社が、本件土地を購入するに至った経緯について、お伺いします。
◯木浪港湾空港課長
 県では、平成19年から、八戸港港湾計画改訂について検討を進めておりましたところ、平成20年12月に、JX日鉱日石エネルギー株式会社の前進である新日本石油株式会社から、LNG輸入基地の八戸港への立地について検討したい旨の意向が示されたことから、LNG輸入基地の概要等のヒアリング等を行いながら港湾計画改訂作業を進め、平成21年12月18日、LNG輸入基地の立地等を位置づけした港湾計画を改訂いたしました。
 平成22年1月7日には、新日本石油株式会社において、八戸港へのLNG輸入基地の立地を表明し、同月20日には、同社と県、八戸市の3者において、立地協定を締結したところです。
 3月24日には、同社から、本件土地についての払い下げ申請書の提出がなされ、売却面積等についての各種協議、事務手続等を経て、8月11日、JX日鉱日石エネルギー株式会社との土地売買仮契約に至ったものでございます。
◯安藤委員
 ポートアイランドII期の土地なわけですが、この土地については、そもそも土地を売却するために用意されたポートアイランドII期という性格のものであったのかどうか、確認をさせていただきます。
◯木浪港湾空港課長
 今回の青森県ポートアイランドII期については、しゅんせつ土砂を処分するために造成された土地でございます。
◯安藤委員
 その土地をポートアイランドI期のように分譲地として整備するという予定が、当初からあったのかどうか、伺いたいと思います。
◯木浪港湾空港課長
 当初から、その予定はございませんでした。
◯安藤委員
 なかったということなわけですが、ポートアイライドI期の分譲地についても、まだ売れ残っていると思うんですが、そのI期のほうの分譲率はどのくらいの状況か、それを伺いたいと思います。
◯木浪港湾空港課長
 約37%でございます。
◯安藤委員
 客観的に見れば、ポートアイランドI期が37%の分譲率ということですので、分譲地ですので、買ってもらいたい土地なわけですので、こちらうのほうに、JX日鉱日石エネルギー株式会社が土地を要しているというのであれば、こちらのほうを買っていただくというのが、筋ではないかと思うんですが、その辺について、そういうふうな交渉はしなかったのかどうか、伺います。
◯木浪港湾空港課長
 JX日鉱日石エネルギーが立地する際に、マイナス14メートルの桟橋と11ヘクタールの土地が必要だということでございまして、ポートアイランドI期にはその土地を確保できないということ。それから、そういう桟橋を確保できないということで、II期になったということでございます。
◯安藤委員
 会社のほうの要望に十分沿った形で進められたというふうな感じを受けます。もし、土地購入できる物件として、ポートアイランドII期を考えるのであれば、私はこのポートアイランドII期を、売れるということを公表して、他社の土地購入希望があるかどうかということをしっかりと調査した上で、複数あれば、入札ということになるわけですから、そういうことをやるのが筋
ではなかったかというふうに思うんですが、この件についてはいかがでしょうか。
◯木浪港湾空港課長
 今回の土地に関してですけれども、まずJX日鉱日石エネルギー株式会社からの要請を受けて、八戸港港湾計画の改訂において、売却予定地を危険物取扱施設用地として位置づけたこと。それから、県及び八戸市と、事業所開設にかかわる基本協定を締結したということから、売却予定としてJX日鉱日石エネルギー株式会社が妥当だというふうに判断したものでございます。
◯安藤委員
 危険物取扱用地としてということですが、それは、必要としている会社の土地を活用する内容がそういうものなので、結果的にそうしたということであり、あくまでもJX日鉱日石エネルギー株式会社の要請にこたえるという形で動いていったということは、否めないというふうに思います。
 そこで、予定価格の算定から処分価格決定までの手続について、お伺いします。
◯木浪港湾空港課長
 本件土地の処分価格の決定については、平成22年8月4日にJX日鉱日石エネルギー株式会社からの見積書の提出を受け、その結果、同社の見積価格が県の売却予定価格を上回っていたことから、同社の見積価格を処分価格として決定し、8月11日付で土地売買仮契約を締結したところです。
 また、県の売却予定価格については、不動産鑑定評価の評価額をもとに算定しております。
◯安藤委員
 県の予定価格については不動産鑑定士の調査によって決められたということですが、ポートアイライドI期と比較して、II期の算定の価格というのはI期と比較してどうなのか、伺いたいと思います。
◯木浪港湾空港課長
 ポートアイランドI期についても、不動産評価により価格を設定しておりますが、そのときの評価額は約1万8,000円、現在のII期については1万2,000円でございます。
◯安藤委員
 やはりI期の場合は分譲用につくられているということで、それなりの価値というか、設定価格も、ある程度、高い。それに比べてII期というのが、分譲用でないということもあって、予定価格そのものが低いというふうに見ていいのではないかというふうに思います。
 こういうふうな、県が示した予定価格から、それを上回っていたということで、手続に動いていったということですので、この辺についても、方法については問題はなかったかと思いますが、予定価格そのものについても低く見積もられているということも含め、疑義を感じざるを得ません。
 それで、ポートアイランドII期における臨港道路及び上水道の整備主体はどこなのか、お伺いします。
◯木浪港湾空港課長
 まず初めに、評価額についてでございますけれども、ポートアイランドI期は1万8,000円ですが、その後、リーマンショックとかで評価が、要するに土地の評価が下がったということで、安く設定したわけではありません。あくまでも不動産鑑定士に公正に評価してもらうということでございます。
 それから、ポートアイランドII期における臨港道路及び上水道の整備主体でございますが、臨港道路は、平成21年11月に改訂された八戸港港湾計画に、港湾における交通の円滑化を図るとともに、港湾と背後地とを結ぶための臨港交通施設として位置づけられた港湾施設であり、港湾管理者である県が施行するものであります。
 なお、整備に当たっては、計画4車線のうちの当面の交通量に対応できる暫定2車線で整備することとしております。
 次に、上水道の整備主体についてでございますが、八戸圏域水道企業団と協議したところ、企業団が定めた「八戸圏域水道企業団配水管布設基準要綱」第2条により、企業団が整備する区域は「企業団の給水区域であること」とされたところです。
 当該地区は、その給水区域外であることから、当該地区の開発者として、港湾管理者である県が、みずから施行することとしたものでございます。
◯安藤委員
 地元の八戸市の水道企業団の給水外の場所であるということは、何を意味するのか。もともと給水については、行われる計画には全くなってなかったということなわけですね。
◯木浪港湾空港課長
 ポートアイランドI期も同様ですが、新たに埋め立てした土地ということで、八戸圏域水道企業団では、当初から区域内には設定してなかったということでございます。
◯安藤委員
 そうしますと、ポートアイランドI期も同じ条件だったということなんでしょうか。
◯木浪港湾空港課長
 ポートアイランドI期についても、県が上水道を施行してございます。
◯安藤委員
 上下水道の整備と、それから臨港道路の整備にかかる費用については、どのくらいを要するのでしょうか。
◯木浪港湾空港課長
 安藤委員、上下水道といいましたが、上水道だけでございます。
 まず、上水道に関しては延長375メートルで、約900万円でございます。それから臨港道路に関しては、今、暫定で、路盤だけの整備でございまして、延長が667メートルで、工事費が約550万円でございます。
◯安藤委員
 臨港道路、ちょっとよく聞こえなかったんですが、550万円というふうに聞こえたんですが、よろしいですか。
◯森内委員長
 もう一度。
◯木浪港湾空港課長
 今年度分で、路盤工だけの整備という、まだ舗装までは整備しません。工事用のトラックが通るので、舗装までやらない路盤工までの整備として550万円でございます。
◯安藤委員
 もし、完了までの整備予定価格、整備にかかる費用が、もしわかれば、伺いたいと思うんですが。
◯木浪港湾空港課長
 申しわけありませんが、現時点で、まだそこまでの設計、積算をしておりません。
◯安藤委員
 このポートアイランドI期、II期につきましては、非常に多額な経費がかかるということで、今回もII期について、必要だということで、買い上げという方向になっているわけですが、その問題について、今の質疑の中でも、本当に十分な過程によって、購入に至ったかどうかということについて、予定価格も含めて疑問を感じました。
 そして、土砂を掘ってつくられるポートアイランドということにつきましても、その事業がこれからもずっと続いていくということになるということであれば、県のかかる費用というのは、これからも延々と続くわけで、このポートアイランド事業というものそのものに対して、しっかりと検証する必要があるのではないかということを申し上げまして、終わります。