2010.11.19: 平成22年度建設委員会 抜粋 本文(質疑5)
 それから、次の質問ですが、平成17年度に供用開始した青森空港の滑走路延長3,000メートル化の経緯について伺いたいと思います。
 いよいよ新幹線が12月4日開通ということで、あと2週間と迫ってきました。新幹線を大いに活用していただいて、県外の方たちがたくさん足を運んでいただくという期待もありつつ、また、空港の利用がこの後どうなっていくだろうかという不安もあわせて感じます。特に青森空港を私たちはよく利用しますが、名古屋便がとうとう廃止されてしまうという大きな問題も横たわっている中で、青森空港が、滑走路延長3,000メートル化を行ってきたということは、こういうことを大いに活用した空港の利用を高めていく必要があると考えているわけです。
 そこで、滑走路延長事業の目的と、供用開始後の効果についてお伺いします。
◯木浪港湾空港課長
 青森空港の滑走路3,000メートル化の延長事業につきましては、平成2年に滑走路2,500メートルで供用開始して以降、東京線を中心とした国内定期便の利用客数が順調に増加し、一層の旅客需要が見込まれていた中で、冬期間における就航の安全性・確実性の確保、大型機材の通年就航への対応等を目的に、平成12年度に事業着手しております。
 供用開始後の効果としましては、過去において2度ほど発生しました冬季のオーバーラン事故により約3日間の空港閉鎖がありましたが、滑走路の延長により、それ以降発生していない等、冬期間のさらなる安全性の強化が図られております。
 また、大型機材の通年就航が可能となってございます。
◯安藤委員
 冬期間の安全な運航については、この3,000メートル化で、その目的は果たせているんだろうなと思います。ただ、大型化については、大型化の定期便を運航させようということも一つの目標であったと思うんですが、この大型化の定期便についての現状はいかがなんでしょうか。
◯木浪港湾空港課長
 大型化、大型機材の就航につきましては、定期便ということも当然、当時は想定しておりましたけれども、平成17年度において6便の実績がございました。
◯安藤委員
 何というか、わずか6便なんですね。かなりの予算を計上して、この3,000メートル化を果たしてきたんですが、この3,000メートル化をするに当たっての整備費用はどのくらいかかっているんでしょうか。
◯木浪港湾空港課長
 整備に要した全体事業費は約88億円でございます。
◯安藤委員
 88億円かけて、安全性は確保されるということはもちろん重要ですが、大きな目標であった大型化を、この3,000メートル化を果たすことで実現させようということについては、残念ながら88億円かけても、そういう方向には至っていないというのが現実なわけです。それで、先般新聞にも、空港の収支の公開について、青森県はまだやられていないという報道がされていましたが、やはり空港についての収支がどのようになっているのか、大いに関心が持たれているところです。青森県においては、この収支公開をどのようにされる予定になっているのか伺います。
◯木浪港湾空港課長
 お尋ねの収支の公開についてでありますけれども、青森県では、決算に基づき、現金の出し入れだけを記載する、いわゆるキャッシュフローベースと言われているわけですが、その収支については、本年度の公開に向け、現在作業を進めているところでございます。
◯安藤委員
 そうしますと、現金の出し入れだけということなので、総体的に見て、青森空港において赤字決算なのかどうなのかということについての公開というのはなされないということでしょうか。
◯木浪港湾空港課長
 現金の出し入れと言いましたけれども、要するに収入として着陸料、停留料がございます。それから、歳出として除雪の関連経費等がございます。それで、その不足分については一般財源の持ち出しというふうな、そういう収支の決算になるかと思います。
◯安藤委員
 滑走路延長事業着手時の需要予測では、東北新幹線全線開業の影響を見込んでいたのかどうか伺います。
◯木浪港湾空港課長
 滑走路延長事業に係る需要予測についてでございますけれども、それについては、平成11年度に需要予測を行っております。これによりますと、平成20年度に新幹線が全線開業すると想定して、一応需要予測を算定しております。
◯安藤委員
 新幹線が通るということで、どのような予測をされているのか。
◯木浪港湾空港課長
 東北新幹線開業前の予測値が約230万人、開業後は約180万人、約50万人の影響があると、その時点では推定しております。
◯安藤委員
 現実的に今現在は、年間どのくらいの利用者があるんでしょうか。
◯木浪港湾空港課長
 平成21年度の利用者の実績は、約101万人でございます。
◯安藤委員
 当初予測していたのが180万人で、50万人減って180万人と予測していたのが、まだ新幹線が来ない段階で101万人ということなわけですから、ここからまた予測していたように50万人減るということになれば、それこそ大変な状況になるんだなと心配されます。88億円というお金をかけて空港整備を、3,000メートル化を図ってきたわけですので、ぜひ大いにその利用者がふえるように、新幹線を使っていただくのと同時に、空港の利用もあわせて強化されるように、ぜひ頑張っていただきたいと言わざるを得ません。
 ということで、質問を終わりにさせていただきます。