2010.12.03: 平成22年度建設委員会 抜粋 本文(質疑6)
 次の質問に移ります。七里長浜港の整備及び利用状況について伺います。弘前の人間にとって一番身近な海と言えば鯵ヶ沢なんですけれども、この七里長浜港の整備状況について伺いたいと思います。七里長浜港の整備目的及び整備状況について伺います。
◯木浪港湾空港課長
 七里長浜港は、昭和56年7月に策定された津軽地域開発基本構想において、地域の産業開発の拠点、対日本海沿岸諸国との交流拠点などとして位置づけられ、昭和58年度から整備を進め、平成9年7月に供用開始したところであります。
 これまで5,000トン級水深7.5メートル岸壁1バース、2,000トン級水深5.5メートル岸壁1バース、北防波堤、泊地及び臨港道路が完成しております。南防波堤については、計画延長1,180メートルのうち、1,104メートルが整備済みであります。
 また、海岸環境整備事業として、平成12年度から快適な海岸空間の創出を目指し、水上バイク等マリンスポーツの安全な水域確保のための潜堤及び階段護岸、駐車場、広場等を整備し、今年度で完成し、来年度から供用を開始することとしております。
◯安藤委員
 七里長浜港の整備に要した費用についてはいかがでしょうか。
◯木浪港湾空港課長
 七里長浜港の整備に要した費用については、平成21年度までの実績で、港湾整備事業として5,000トン級岸壁の係留施設に約7億6,600万円、南防波堤等の外郭施設として約116億6,400万円、水深7.5メートル泊地等の水域施設として約18億3,500万円、道路等の臨港交通施設約6億6,100万円で、合計約149億2,600万円となっております。また、海岸環境整備事業としては、約12億5,700万円となっております。
◯安藤委員
 149億円を超える整備事業で進められてきたということですが、この七里長浜港の整備については、今後さらに整備計画というのはあるんでしょうか。
◯木浪港湾空港課長
 七里長浜港の残事業として南防波堤が残ってございます。延長約76メートルが未整備でありまして、その事業費は約10億8,000万円と見込んでおります。また、完成時期としては今後おおむね10年前後を目途としてございます。
◯木浪港湾空港課長
 現在の七里長浜港は南防波堤が整備途中ということもございまして、港内静穏度が基準となっております97.5%を確保できない状態にあります。このため南防波堤の延伸工事を実施しておりまして、この工事が完成しますと港内静穏度がおおむね97.7%となります。このことにより、船舶の利用可能日数が増え、広域による取扱貨物の増加や観光における集客にも寄与するものと考えております。
◯安藤委員
 今の答弁なんですが、97.5%では確保できないという……。ちょっと不勉強でよくわからないので、もう少しわかりやすくお話ししていただけますでしょうか。
◯木浪港湾空港課長
 現在の静穏度が96.8%ということで、目標としております97.5%に満たないということで、それを満足するためにあと76メートルを延伸することにより97.7%ということで、0.2%ですけれども超える。そこまで整備をするということでございます。
◯安藤委員
 今の答弁で十分理解できたというふうには、済みません、まだいかないので、課題として残させていただきたいと思います。
 過去3年間の利用状況はどうなんでしょうか。
◯木浪港湾空港課長
 七里長浜港の利用実績でございますけれども、平成19年は砕石、石灰石など約8万9,000トン、平成22年は石灰石、石材など約6万6,000トン、平成21年は石灰石、砕石など約7万2,000トンとなってございます。
 なお、平成21年からは同港から初めて木材が宮城県石巻港へ約5,500トンが出荷されたほか、ことし同港において初めての輸出があり、木材約5,000トンを中華人民共和国上海市に向けて出荷したところでございます。
◯安藤委員
 今のは貨物ですけれども、旅客船については利用があるんでしょうか。
◯木浪港湾空港課長
 平成9年度にロシア船籍のオリガザドフスカヤ号が入港して、平成10年、平成11年実績があります。平成18年度にも日本丸が入港していますが、残念ながら平成19年度からは現在のところ入港実績はございません。
◯安藤委員
 当初の七里長浜港を整備する時点での利用目標というのは、どのような目標を掲げていたんでしょうか。
◯木浪港湾空港課長
 当初、取扱貨物としては、昭和57年に設定してございますけれども、肥料、砂、リンゴ、木材、コンクリート製品等を想定してございます。
◯安藤委員
 特に、その貨物取扱量というのは目標値はないんですか。
◯竹内県土整備部長
 実は私、昭和57年港湾課におりまして、直接作業をしていたわけでございます。当時の七里長浜港の目標の貨物量でございますけれども、私の記憶では約20万トンということで目標を立てておったと記憶してございます。
◯安藤委員
 ちょうど部長さんがそういう事業をされていたということで、適切な答弁をありがとうございました。要するに、その目標値にはほど遠い現実だということであります。そうした状況で、さらにまた延長を10年かかって整備計画があるということには疑問を感じるところです。きょうはそういうことで、現状を十分理解させていただいたということでとどめておきたいと思います。