2011.01.21: 平成22年度建設委員会 抜粋 本文(質疑3)
 次に移ります。
 青森県ダム事業検討委員会の検討状況と今後の予定について伺いたいと思います。
◯加藤河川砂防課長
 県では、昨年9月28日に国のダム事業の検証にかかわる検討の要請を受け、学識経験者や地方公共団体の長などで構成する「青森県ダム事業検討委員会」を昨年12月11日に設置し、同日、第1回委員会を開催したところでございます。
 第1回委員会では、駒込ダム建設事業について、国が示した複数の治水対策案及び評価軸に基づいた県の検討案を提示し、予断なく検討を進めています。
 今後の予定でありますが、明日、第2回委員会を開催し、引き続き駒込ダム建設事業について検討を行うとともに、奥戸ダム建設事業について、駒込ダムと同様の県の検討案を提示する予定としております。
 また、3月中に第3回目の委員会を開催し、委員会としての意見をとりまとめたいと考えております。
◯安藤委員
 12月に行われた検討委員会に、駒込ダムの県の考え方、方針案が出されたと思うんですけれども、奥戸ダムについての県の方針について、示されなかったというふうに聞いていますが、この理由についてはいかがでしょうか。
◯加藤河川砂防課長
 今回、国が示された検討の手法等につきまして、予断なくやるということで、いろいろなデータの集積に時間を要したということで提示できなかったということでございます。
◯安藤委員
 データの集積に時間がかかったということなんですが、これまでもある程度データはそろっていたかと思うんですが、今この時点で不足しているデータというのは、どういうデータがまだ、今のところまとめきれていなかったということなんでしょうか。
◯加藤河川砂防課長
 国のほうで、治水に関しまして26の検証をしろという指示がございます。それから、利水につきましても、現状の水利用等についても検証しろということがございますので、それらのデータの収集に時間を要したということでございます。
◯安藤委員
 あした2回目の検討委員会ということですが、あしたはそのデータはすべてそろった上で、県の案というものを示すことはできるんでしょうか。
◯加藤河川砂防課長
 明日示されますのは、今までに指示されたものとして収集したデータについて御提示できるものでございますが、それがすべてというと、これから委員の方々の意見を聞きながら、データの収集もさらに深める必要があれば、そういう対応をしてまいるところでございます。
◯安藤委員
 国から示されている「個別ダム検証の進め方について」という資料がありますが、この中に、中間とりまとめの中で、「検証の進め方の中間とりまとめ」という中に、「学識経験を有する者、関係住民、関係地方公共団体の長、関係利水者の意見を聞く」というふうにあります。県案という中にも同じような項目があるんですけれども、特に関係住民、関係利水者の意見を聞くというところについては、現在、ダム建設に賛成する方たちと、あるいは、反対の意を示している方たちもありますので、両者の方たちの意見をきちんと反映すべきというふうに思いますが、その辺はどういう体制になっているんでしょうか。
◯加藤河川砂防課長
 明日、利水者及び地元住民、それから、野鳥の会の方とかに意見をお伺いすることにしております。ですから、賛成の方も反対の方も、それから、住民説明会もその後予定しておりますので、それぞれの意見を聴取しながら検討を進めたいと思っております。
◯安藤委員
 この後の質問でも用意していましたが、奥戸ダムの住民説明会が12月20日に行われておりますが、その際にはかなり慎重、あるいは、反対という立場の方たちの意見も随分出たというふうに聞いていますので、そういう方たちの意見も十分反映して検討していただきたいというふうに思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
◯加藤河川砂防課長
 12月20日の住民説明会の状況でございますけれども、説明会は、平成19年度から21年度にかけて3回、住民説明会をしておりまして、12月20日の説明会が第4回のものでございます。その際、反対意見のありましたものに関しましては、明日の委員会に御提示するとともに、その後予定しております住民説明会の中で回答していきたいと考えてございます。
◯安藤委員
 先日の説明会でも、漁業者の方たちが漁業に大きな影響が及ぶのではないかという声があったというふうに聞いております。土砂が流れ、海はだめになっていると、現実でもそういうことが起きて、アワビを5トン放流しても水揚げがなかったという実態も報告されたというふうに聞いています。ぜひこうした漁民の方たちの思いにも十分立った検討をしていただくように要望したいと思います。
 それで、奥戸ダムについてですけれども、これまで出していただいた資料などによると、奥戸生活貯水池に水の使用が予定されている原発関連の水なんですけれども、5,000立米の給水タンク2基が設置される予定だということで、ダムの使用の目的がそこにもあるというふうなお話でしたけれども、この給水タンクについては、現状としてはどのような実態にあるのか伺いたいと思います。
◯加藤河川砂防課長
 原発で計画していた建設工事用水でございますが、ダム完成がおくれたことにより、原発サイドで5,000立方メートルのタンクを2基築造し、その水を循環利用していると聞いております。
◯安藤委員
 そうしますと、もう既につくられていて、水は確保して循環利用しているということなわけですよね。ということは、ダムをこれから建設しなくても、その貯水池で使う水については、既に目的から外れてもよくなったというふうに理解してよいと思うんですが、その点はそれでいいでしょうか。
◯加藤河川砂防課長
 今申し上げたようなことでございますが、当然、原発で使用する、町の水道水というものは、原発の事務所や原発職員の住居などの生活用水がございます。
◯安藤委員
 それは、給水タンク以外に利用されるだろうと言われる従業員及び家族の方たちの必要な水だというふうに理解していますけれども、町の人口の推移についてなんですが、新たに400人から500人の従業員及び家族の人口が増えるだろうというふうに予想されているんですが、町の方たちから聞きますと、町の人口そのものがかなり減っているので、400人、500人の原発関係の人たちの人口が増えても、奥戸生活貯水池を新たにつくるほど必要性はないのではないかという声もあるのですが、こうしたことについての調査はどのようになっているでしょうか。
◯加藤河川砂防課長
 大間町の水需要量及び水源内訳につきましては、現在検討を進めているところでございまして、明日のダム事業検討委員会に成果を提示する予定にしてございます。
◯安藤委員
 そういうふうなところも十分踏まえて、今、政府が進めている、なるだけダムに頼らない水の確保、利水・治水について、そういう方向性を打ち出すという大きな前提にあるので、十分そういうことも踏まえた調査なり検討を進めていただくよう要望したいと思います。
 先ほどお聞きした住民説明会ですが、今後、県の検討委員会の結果や、それを踏まえて県が打ち出す検討結果について、どのような形で報告するのか。それと、最終的には、県はいつごろまで最終結論を出そうとしているのか伺います。
◯加藤河川砂防課長
 まず、住民説明会でございますけれども、奥戸ダムについての御質問と思いますけれども、2月に説明会をしたいと思っております。
 それから、その次の今後の予定でございます。ダム事業検討委員会の予定でございますけれども、現段階では、3月中に3回目のダム事業検討委員会を開催しまして、委員会としての意見をとりまとめたいと考えてございます。その後、県が青森県公共事業再評価等審議委員会にその結果を報告し、再評価等審議委員会の意見を踏まえて、県の対応方針を決定することにしております。
 さらに、県の対応方針につきましては、第2回、第3回のダム事業検討委員会の検討状況にもよりますが、遅くとも平成24年度の概算要求前、つまり、ことしの23年の5月ごろまでに決定しまして、国土交通省へ報告したいと考えております。
◯安藤委員
 ぜひ住民の方たちの不安、そして、漁業者の方たちの漁業に対する影響なども十分加味した、適切な判断を下していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。