2011.01.21: 平成22年度建設委員会 抜粋 本文(質疑4)
 次の質問に移ります。
 県営住宅の入居承継についてです。承継という言葉は、私は初めて知ったんですが、これまで同居していた母親が亡くなって、亡くなったことで一緒に住んでいた娘さんに退去をするよう指示があったという事例がありまして、この質問をさせていただきます。
 入居承継できる条件について伺いたいと思います。
◯楠田建築住宅課長
 入居承継の条件についてのお尋ねでございますが、まず、県営住宅制度では、入居者が死亡または退去した場合のその同居人について、事業主体の承認を受けて引き続き当該公営住宅に居住することができるというふうにされております。それまでは、入居承継を認めることができる同居者としては、承継が認められる範囲は、入居名義人の三親等以内の同居親族とされておりましたが、結果、長年にわたって同一親族が居住し続けて、どうしても入居者・非入居者間の公平性が著しく損なわれているという実態があったということを踏まえまして、国のほうから平成17年12月26日付で、入居承継の基準を厳格化するという旨の通知が出されております。
 県では、この通知に従いまして、入居機会の公平性確保の観点から、平成18年度より入居名義人が死亡または離婚により退去した場合につきまして、入居承継できる対象者の条件を、承継事由発生時に同居していた配偶者及び高齢者、障害者等で特に居住の安定を図る必要がある者ということとしておりますので、ぜひ御理解を賜りたいと考えております。
◯安藤委員
 国が示した入居承継に係る承認の厳格化について、今、お話にあったように、公平性が著しく損なわれているという実態をなくすということが根底にあると思います。しかし、私が相談を受けた方は、所得も非常に少なくて、母親が亡くなった後、少ない所得で大変生活も困窮状態だという中で、そういう中で、新しい住居を探しなさいと言われても、なかなか大変な状況です。それで、60歳より少し手前だということもあって退去命令ということなのですが、やはり実態をよく調査していただいて、四角四面で指導するのではなく、承継を受ける方の実態を十分加味した指導をすべきではないかというふうに思うんですが、この辺について、少し緩やかな対応も必要ではないかと思うんですが、この点についていかがでしょうか。
◯楠田建築住宅課長
 どうしても公営住宅全般については、低所得者で住居に困窮している方が利用されるという施設でございますので、どうしても昨今の経済状況もあって、入居したいという方がたくさんいらっしゃるという現状もございますので、やはり一定の線で、どうしても基準を設けざるを得ないと考えておりますが、ただ、今すぐに、あすにでも出ていってくださいということではありませんので、まずは一定期間、次の入居先を探すまでの期間もありますし、さらに、状況が思わしくないということであれば、御相談いただければ、そのあたりは若干融通する余地はあると考えておりますので、公営住宅の適正な運営ということからも、ぜひ先ほどの御説明申し上げたところで御理解をいただければと考えております。
◯安藤委員
 ぜひそれでは、実態に即した、融通も効かそうという姿勢もあるようですので、その辺は柔軟に対応していただきたいというふうに思います。
 そして、入居承継できる条件を入居者にどのように周知しているか伺いたいと思います。私に相談してきた方も、全くそういうことは認識していませんでした。それで、管理人と言われる方もきちんとした認識はなかったように聞いています。県が18年からそういう指導をしているということであれば、皆さんにやはり条件がこのように変わったのですよということをきちんと周知をするということも心づもりをしていただく上では必要だと思いますので、この点について伺います。
◯楠田建築住宅課長
 実際にそういう状況になられた方がなかなか御存じなかったということで御迷惑をおかけしたということについては、まずおわび申し上げます。
 その上で、入居者に対しての周知ということでございますけれども、まずは、入居時に「入居のしおり」というものを配布しておりまして、そこに記載してお知らせをしていると。さらに、毎年度、公営住宅につきましては、入居資格があるかどうかということで収入の申告をしていただいておりますので、こちらの収入申告提出依頼の中で、全入居者に対して配布しておりますけれども、その中にも記載しまして周知を図っているところでございます。
◯安藤委員
 記載しているということですが、それを読まなかった人が悪いとなればそれまでなんですけれども、やはりそれぞれの県営住宅を管理している方とか、あるいは、回覧とか、そういう中でも、入居承継できる条件が厳しくなったということを受け入れるわけではありませんが、もし条件が変わる場合は、やはり皆さんにわかりやすいように周知の仕方なども工夫する必要があるのではないかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。