2011.02.21: 平成22年度建設委員会 抜粋 本文(質疑2)
 次の質問です。青森県ダム事業検討委員会における奥戸ダムの検討状況について伺います。
 1つ目は、県が検討委員会に示した方針案について伺います。
◯加藤河川砂防課長
 お答えします。
 県では、去る1月22日の第2回青森県ダム事業検討委員会において、ダム案を含む治水対策案6案の中から、経済性、安全性、実現性など7項目の評価軸により検討した結果、最も有利な河道掘削・引堤案を提示いたしました。
 また、大間町水道水の利水面においては、将来的に人口減少が予測され、利水対策案5案の検討した結果、ダムにかわる地下水取水案を提示し、御審議いただいております。
◯安藤委員
 一部住民の方たちから、ダムの建設に対して、海への影響など大変心配されていた方々も多かったというふうに聞いてきました。特に、そういう方たちは署名活動などもされまして、そういう声をぜひ県に伝えたいというお話も聞いてきましたので、今回の県の決断、方向性というのは支持したいというふうに思っています。
 ただ1つ、気になるというか、今回の決断について支持するものですけれども、「人口減少が予測され」というふうな今、答弁の中にありましたけれども、この人口の予測というのは、これまでも十分予測されたことであり、そういうことも踏まえてもなおかつ、奥戸ダムの計画を進めてきたということに疑問を感じるわけですが、その辺について、これまでの経過を含めて、そういう判断をこれまでしてきたということについて、一言説明いただければと思います。
◯加藤河川砂防課長
 お答えします。
 ダムを計画した平成2年度の時点では、大間町の水道計画によれば、将来的に大間町の人口が増加し、水需要も増加することが予測されたため、ダムに水道参加することとしたものでございます。しかし、今回の検討では、大間町の見直し及び県の検討により、将来的に大間町の人口は減少し、水需要も大幅に減少することが予測されたため、ダムにかわる地下水取水案を提示し、御審議いただいております。
◯安藤委員
 次の質問ですが、検討委員会の今後の予定について伺います。
◯加藤河川砂防課長
 奥戸ダムの県の対応方針案につきましては、2月7日に住民説明会を開催するとともに、広く一般の皆様方からの御意見を伺うために、2月5日から2月28日までパブリックコメントを実施しております。
 住民説明会やパブリックコメントに寄せられた御意見につきましては、3月中に開催を予定しております3回目の委員会で報告して、さらに検討を進め、委員会としての意見を取りまとめていただき、平成23年度の青森県公共事業再評価等審議委員会に諮りたいと考えております。
◯安藤委員
 23年度の再評価委員会にかけるということなわけですが、その再評価委員会の結論が出た上で、最終的な方針というものが下されると思うんですが、その最終的な決断の予定というのは、いつごろになるんでしょうか。
◯加藤河川砂防課長
 これからの話でございますけれども、再評価委員会が4月とか5月に行われるかと思います。その答申を判断して県の方針案を固めるということでございます。
◯安藤委員
 2月7日に住民説明会があったというふうに聞いておりますが、その際の地元の皆さんの意向について伺いたいと思います。
◯加藤河川砂防課長
 2月7日午後6時から、奥戸農業研修センターにおいて、奥戸ダムの住民説明会を開催し、16名の方の出席がありました。
 その説明会では、県の対応方針案について説明し、県の治水案の河道掘削、引堤案についての反対意見は出ませんでしたが、利水面の地下水取水案に対して、渇水時の枯渇を不安視する意見をいただきました。
 これらの意見につきましては、次回のダム事業検討委員会に報告する旨、回答したところでございます。
◯安藤委員
 井戸を掘るということで、今後、水道水にしていくということですので、渇水の心配という住民の不安に対しては、県としてはどのように考えているんでしょうか。
◯加藤河川砂防課長
 井戸を掘るというか、現在も井戸を使ってございます。それの程度低下について、取水ができなくなる、井戸ですから少しずつ低下していきますので、そういう心配でございます。それにつきましても、対応に関しては、第3回の委員会で御説明する予定にしてございます。
◯安藤委員
 次の委員会、そうしますと、県としての対応策というか、検討委員会にどのように県がその問題について報告をする予定なんですか。
◯加藤河川砂防課長
 これにつきましては、現在検討してございまして、やはり第3回の委員会の中で御提示したいと考えてございます。
◯安藤委員
 河道掘削・引堤案という方向となったわけですが、この新しい方針を実行するためには、住宅などの移転という問題も出てくるのではないかと思うんですが、何軒くらいの移転が想定されるんでしょうか。
◯加藤河川砂防課長
 河川改修案に関しましては、現在まだ検討がなされていない状況でございますので、家屋が何軒かかるとか、それについても、まだ現時点では提示する段階ではないと思っています。
◯安藤委員
 ただ、地元の皆さんの中には、既に移転対象となると思われる地域の皆さんから、十分そうした地域の方々の声もぜひ聞いてほしい、あるいは、県からの説明を十分してほしいという声も上がっているというふうに聞いていますが、このことに対しては、どのような対応を計画しているんでしょうか。
◯加藤河川砂防課長
 河川改修を進めるために、検討を23年度1年間行いまして、その後、用地の関係等が発生しますならば、その時点で、多分、24年とか25年の段階になると思いますけれども、その時期になりましたら交渉させていただく。それから、事業計画についても、順次考慮していくというふうに考えてございます。
◯安藤委員
 具体的な交渉については、まだ先になるかと思うんですが、ただ、ダム案ではない形での治水、利水という形になったという、その辺の説明をこれまでの検討委員会に、住民の代表として出席した方々以外のところで、対象の区域となる方たちの声も十分聞いてほしい、あるいは、住民説明会もきちんと行ってほしいという声が上がっているということですので、そうした声にきちんとこたえていただきたいというふうに思いますが、その点について。
◯加藤河川砂防課長
 地元住民の方の意向についてでございますけれども、1月22日の第2回ダム事業検討委員会で、地元町内会長さんや奥戸漁業協同組合長さんなど、4名の関係住民からの御意見をいただきました。また、2月7日には住民説明会を開催し、地元住民の方の御意見をいただいております。さらに、1月22日と2月7日に出席できなかった方々からの御要望におこたえして、明日でございますけれども、2月22日に、沿線住民の方々に県の対応方針をご説明し、ご意見をお聞きしたいと考えております。
◯安藤委員
 十分住民の方たちの納得と理解が得られる形で、今後事業を進めていただきたいと思います。
 それから、県が示した河道掘削・引堤案の環境面への配慮について伺います。
◯加藤河川砂防課長
 県では、河川改修に当たって、河川が本来有している生物の生息・生育環境及び多様な河川環境を保全・創出する多自然工法を基本としております。
 奥戸川においても、ダムにかわる河道掘削・引堤案については、極力自然環境に配慮した多自然川づくりを進めてまいります。
◯安藤委員
 ダムがつくられるとした場合の海などへの影響、そしてまた、河道掘削・引堤案を選択した際にも、十分な環境への配慮がなされないと、海などへの影響は大きいというふうに聞いていますので、今、答弁された工法が採用されれば、海などへの影響というのは極力抑えられるというふうに理解してよろしいでしょうか。
◯加藤河川砂防課長
 河川改修工事といたしましては、現在、具体的に申し上げれば、瀬や淵、河畔林などの良好な環境資源は残すとか、それから、護岸は最小限とし、土と石を多く用いる。それから、川幅をできるだけ広く確保するようにする。それから、上下流一律の画一的な形状での整備は避ける。床固工などの横断工作物の採用は極力避けるとか、可能な限り自然に近い状況をつくるような工事にしております。そういうことで、具体的に漁業にどう影響するかについては、難しい問題がいろいろ、ほかの要望等々もいろいろあると思いますが、河川工事につきましては、このような配慮をしながら進めてまいりたいと考えてございます。
◯安藤委員
 そういう配慮を十分行って進めていただきたいというふうに思います。