2011.5.20: 平成23年度環境厚生委員会 抜粋 本文(質疑1)
○開 会  午前11時02分

◯越前委員長
 それでは、ただいまから環境厚生委員会を開きます。
 慣例により会議の記録署名委員を指名いたします。中村委員、熊谷委員にお願いいたします。
 本日の審査案件は、特定付託案件であります。
 なお、審査の順序は、健康福祉部・病院局関係、環境生活部関係の順に行いますので、御了承願います。
 組織会後、初めての委員会でありますから、委員、担当書記及び執行部の紹介を行います。
 それでは、最初に私から紹介いたします。このたび環境厚生委員会委員長を拝命いたしました越前陽悦でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、副委員長から順に委員の紹介をお願いいたします。
(略)
◯安藤委員
 弘前市選挙区から選出されました安藤晴美です。よろしくお願いします。
(略)
◯越前委員長
 はい、ありがとうございました。
 次に、初めての委員会でありますので、事業の概要について説明をお願いいたします。──一瀬健康福祉部長。
◯一瀬健康福祉部長
 それでは、健康福祉部の概要について、御説明を申し上げます。お手元に配付しております資料1をごらんください。
 まず1ページをごらんください。健康福祉部の機構は、7課及び34の出先機関で構成されております。また県では、市町村等との連絡、連携を一層密にしながら、ともに地域づくりを進めていくため、総合的な出先機関であります地域県民局を県内6つの地域に設置し、いずれの地域県民局にも地域健康福祉部が配置され、県民の健康と福祉を向上させていくこととしております。
 2ページをごらんください。健康福祉部の所掌事務は、保健、医療及び公衆衛生に関する事項、社会福祉に関する事項、社会保障に関する事項となっております。
 部内各課の分掌事務につきましては、3ページから6ページまでに記載しております。主な事務を申し上げますと、健康福祉政策課は、部内の人事及び予算、部の所掌事務に係る総合的な企画及び調整、地域社会福祉活動、生活保護、戦傷病者等の援護のほか、災害救助、災害弔慰金、災害援護資金、義援金等に関する事務を所掌しております。がん・生活習慣病対策課は、がん及び生活習慣病の医療や予防、健康増進に関する事務。医療薬務課は、医療計画、病院や診療所、医師や看護師、薬務指導に関する事務。保健衛生課は、感染症予防、食品衛生、生活衛生、動物愛護に関する事務。高齢福祉保険課は、高齢社会対策、老人福祉、介護保険及び国民健康保険に関する事務。こどもみらい課は、児童の福祉及び母子保健に関する事務。障害福祉課は、身体障害者、知的障害者、精神障害者に関する事務をそれぞれ所掌しております。
 次に、部内の職員の配置についてです。8ページをごらんください。8ページにありますように、健康福祉部の職員数は、4月1日現在、861名となっております。
 続きまして、お手元の資料2をごらんください。平成23年度健康福祉部の予算及び事業の概要について、御説明申し上げます。
 資料2の1ページです。健康福祉部の一般会計予算額は1,111億5,973万円余となっており、県全体の一般会計に占める構成比は16.0%となっております。
 主要施策の概要としましては、2ページ以降に各課の計上の主なるものを記載しております。その代表的なものとして、保健・医療・福祉の総合化、医師確保対策、がん対策、住民の健康づくり、老人福祉、介護保険の充実、子育て支援、障害者支援の推進のほか、動物愛護や食品衛生など、広範囲にわたる各種施策を実施することとしておりますので、後ほどごらんいただければと思います。
 以上、健康福祉部の事業概要について御説明申し上げましたが、職員一丸となりまして、今後、健康福祉行政の一層の充実のため、さらなる努力をしてまいりたいと考えておりますので、何とぞ御指導、御鞭撻、よろしくお願い申し上げます。
(略)
◯越前委員長
 ほかに質疑ありませんか。──安藤委員。
◯安藤委員
 最初に、今年度、新たにがん・生活習慣病対策課が新設されましたが、その目的について伺います。
 私の身の回りにも、大変若い女性が出産後に胃がんが発見されて、その数年後に亡くなるという事例や、あるいは小学生をお持ちのお母さんが大腸がんで、結局は短い間に治療むなしく亡くなられるということがあったり、ヘビースモーカーの働き盛りの男性ががんで亡くなるというようなこと、身近にたくさんあります。
 そういう中で、県が今回、新しいがん・生活習慣病対策課というのを新設されたことは、その意気込みを強く感じるわけですが、そういう中で、期待をするものでございます。その1点目の質問です。
◯齋藤がん・生活習慣病対策課長
 県では、がんの克服や生活習慣病の改善に向けた取り組みを一層強化するため、本年4月にがん・生活習慣病対策課を新設いたしました。
 これは、主に予防分野を担う保健衛生課と、医療分野を担う医療薬務課の業務を一本化し、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病などの生活習慣病について、予防から医療まで一貫した施策の企画、立案及び推進を図ることを目的としたものでございます。
 本県の平均寿命が全国最下位レベルとなっている要因であるがんや脳卒中などの生活習慣病への対策については、これまでも予防、医療、療養・介護の各般にわたり取り組みを進めてきたところでございます。
 今後、本県におけるがんを初めとした生活習慣病対策を効果的に進めていくためには、これまで以上に、予防から医療等の各ステージ間において、それぞれを有機的につなげ、一体性を持ったものとするとともに、病気にならない予防という考え方に加え、これ以上、悪化させない予防という視点を持った対応ができるよう、県民や医療従事者、行政等の各関係機関の意識の醸成を図っていく必要があると考えております。
 そのため、県としては、1つとして、健康に対する県全体の意識の涵養を図る取り組み。2つとして、科学的根拠(エビデンス)や疫学的検証に基づく正確な情報提供体制の整備。3つとして、がん診療連携拠点病院などの各種拠点病院の機能・連携強化等の施策を進めることにより、予防と医療の切れ目のない連携や、早期発見・早期治療等につなげ、ひいては県の平均寿命・健康寿命の延伸が図られていくように努めてまいりたいと思っております。
◯安藤委員
 詳しい説明をいただいたんですけれども、今までも、今お話しされたような取り組みは、それぞれの課でされてきたと思うのですが、それを連携して、つなげてということなわけですね。新しい課ができたことで、今お話しされたことはすべてやっていくのだと思うのですが、最も力を入れていこうという分野はどういうことになるんでしょうか。
◯齋藤がん・生活習慣病対策課長
 お答えします。
 最も大事だと考えておりますのは、健康に対する県全体の意識の涵養です。これまで予防に取り組む機関は、予防のところに非常に力を入れておりました。ただ、実際、患者さんになりますと、患者さんは病気の治療となり、それから医療機関も一生懸命、治療というところには目を向けて頑張っているわけなんですけれども、それまで予防という視点で、患者さん御自身がされてこられた生活習慣というのが、病気になられた時点で、それを続けていかなくてはいけないんですけれども、残念ながら、治療というところに目を向けられますと、予防を継続していくという考えが、どうしても落ちていきます。
 ですから、予防の関係者も治療の関係者も含めまして、そこをきちんと情報を共有化して、どういう情報を、まだかかっていない方にどのように情報を伝えていくのか。かかった方に対しても、こういう情報を継続して伝えてほしい。それから、医療としてはこういうことを伝えていますということをきちんとやっていくことが、一番大事だと思っています。
◯安藤委員
 今お話しされたようなことを実現させていくためには、全県的な取り組みが必要だと思います。そのために、県の出先機関でもある各保健所や、あるいは市町村、医療機関などとの連携が重要になってくると思うのです。そういう点では、今までももちろん、連携を図ってきたと思いますが、新しい課ができたということで、また違った連携の仕方を考えてあれば、伺いたいと思います。
◯齋藤がん・生活習慣病対策課長
 新しい連携の仕方というものは恐らくないだろうと思っています。今までも、言葉としては連携なのですけれども、完全に意識の共有化というところまでは至っていなかった。お話しいただいたように、保健所の取り組みに対しても、一緒にという形では入ってはいたんですけれども、これからは、保健所の事業と県の事業をどういう形にするときちんと連携できるか、視点を同じ方向にできるか、そういう形で4月にできまして、今、脳卒中の部門で、そういうことに取り組み始めております。少し時間はかかるかと思いますけれども。
◯安藤委員
 私の手元にある健康あおもり21を見てみますと、2010年までの目標値がそれぞれ設定されているんですが、この目標値が目標値どおり進んでいれば、多分、もっと改善が図られているのかと思うんですが、健康あおもり21に対して、現状をどのように評価されているか、お答えいただければと思います。
◯齋藤がん・生活習慣病対策課長
 今お話しいただきました平成12年度に策定いたしました健康あおもり21の計画なのですけれども、9領域122指標と行動目標を掲げて進めてまいりました。平成18年度に中間評価を行いまして、一部、指標と目標値の見直しを行っております。その段階では、なかなか目標に達するのは難しいと感じております。特に肥満と喫煙、そして自殺というこの3つが、青森県としては焦点的に取り組む課題として、この3つを優先的に対策を進めてまいりました。
 その後、医療制度改革ができまして、2年延長になりましたので、「24年度の最終評価」に向けまして、今年度からいろいろな調査を実施しているところでございます。
 ただ、国の中間評価も含めまして、残念ながら、日本全体として、なかなか目標に向かって目標値を達成できる状況にはないということでございます。ただ、確実に、先般発表されました平均寿命を見ましても、まだ延びているということでございますので、歩み自体、目標自体、クリアできるかどうかというのは、なかなか難しいものがございますが、それを目指して、これからも取り組んでいきたいと考えております。
◯安藤委員
 担当部局の方たちとの連携で、ぜひ頑張っていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 次の質問に移ります。