2011.6.28: 平成23年度環境厚生委員会 抜粋 本文(質疑7)
◯名古屋環境生活部長
 今定例会に提出をされた諸議案のうち、環境生活部関係について、その概要を御説明申し上げ、御審議の参考に供したいと存じます。
 議案第1号「平成23年度青森県一般会計補正予算(第2号)案」についてでありますが、環境生活部関係の補正予算額は399万2,000円の増額となっております。
 この財源内訳といたしましては、全額が一般財源となっております。
 これは原子力安全対策課関係につきまして、原子力環境対策費において、本県の原子力防災対策の強化・見直しを検討するための、専門家による委員会の設置・運営に要する経費として、399万2,000円を計上しているものでございます。
 以上、環境生活部関係の提出議案について、その概要を御説明申し上げましたが、何とぞよろしくお願い申し上げます。
◯安藤委員
 最初に、議案第1号「平成23年度青森県一般会計補正予算(第2号)案」について、歳出4款5項4目原子力環境対策費、原子力防災対策検討委員会運営費について伺います。
 1つとして、県地域防災計画(原子力編)の修正は、県防災会議の審議を経る必要があると思いますが、検討委員会の検討結果はどう扱われるのか伺います。
◯工藤原子力安全対策課長
 県防災会議での検討委員会の検討結果の扱いについてお答え申し上げます。
 地域防災計画原子力編は、国の防災基本計画に基づき作成しなければならないとされており、専門的・技術的事項については、原子力安全委員会が定める防災指針等を十分に尊重するものとされております。
 県計画の修正に当たっては、県防災会議に諮る必要がありますが、原子力編に係る計画については、県防災会議の下に原子力部会を設置することとなります。
 検討会で検討された防護区域の拡大、事態の長期化、広範囲への影響等といった原子力防災対策上の課題や今後の見直しの方向性については、県地域防災計画(原子力編)の修正に反映され、原子力部会で審議されるものと考えております。
◯安藤委員
 県防災会議の中の原子力部会で検討されるということですが、県防災会議の現行の委員の方と、それから今後、検討委員会の委員となられる方は重複する場合もあるのでしょうか。
◯工藤原子力安全対策課長
 お答えいたします。
 原子力部会につきましては、専門委員の方が数名ほどいらっしゃいます。今回設置いたします防災対策検討委員会の中にも重複される先生を幾らか考えております。
◯安藤委員
 重複される方もあるということですが、7月に第1回を開いて、今後、定期的にやられることが質疑の中でも明らかにされていましたが、7月に第1回ということですので、ほぼ委員となられる方たちはお決めになっているのではないかと思うのですが、検討委員の方々のメンバーについては、いつ公表されることになるのでしょうか。
◯工藤原子力安全対策課長
 原子力防災対策検討委員会につきましては、7月に第1回の検討委員会を開催し、その後、定期的に防災対策上の課題について検討を行って、年度末までに県地域防災計画(原子力編)に反映させるべき事項の取りまとめ、マニュアルの作成を行いたいと考えております。
 委員につきましては、ただいまリストアップしてございまして、しかるべき時期に公表させていただきたいと思います。
◯安藤委員
 これまでの委員の方と、それから今度の検討委員の方と一部、ダブる方もあるということですが、防災会議と検討委員会の中で議論される内容の大きな違いはどういうところだと考えているでしょうか。
◯工藤原子力安全対策課長
 原子力部会のほうでは、防災計画の修正という部分に当たりますが、今回設置いたします原子力防災対策委員会につきましては、今回の福島原子力発電所の事故にかんがみまして、その防災計画における課題とか見直しの方向性を検討していただくものでございます。
◯安藤委員
 次の質問ですが、検討委員会はいつまでに検討結果を取りまとめるのか、先ほど年度末ということでしたが、検討結果を取りまとめるのも年度末という理解でよろしいでしょうか。
◯工藤原子力安全対策課長
 結果の取りまとめにつきましては、先ほども申し上げましたとおり、年度末までに県の地域防災計画(原子力編)に反映させるべき事項の取りまとめ、それからマニュアルの作成などを行いたいと考えております。また、検討委員会では、原子力防災に関連し、国に対して提言すべき事項については、提言、要望していきたいと考えております。
◯安藤委員
 そのまとめが終わり、必要な提言も行うことなどが終われば、この検討委員会はその時点で解散ということでよろしいでしょうか。
◯工藤原子力安全対策課長
 今回の検討委員会の設置目的としては、県の防災計画に反映させるべき事項の検討ということですので、一応、年度末で検討が終了すれば、その時点で一応の終了と考えております。
◯安藤委員
 先ほどのお話にもありましたように、今回は福島原発事故を受けての検証が大きな課題になるかと思うのですけれども、この福島原発事故の教訓をどのようにつかんで、それをどう検証するのかということについても検討委員会が行っていくという理解でよろしいでしょうか。
◯工藤原子力安全対策課長
 福島の事故にかんがみまして、いろいろな課題が浮き上がってきております。例えば、去る6月7日には、国がIAEAに対する報告書を取りまとめておりますが、その中にも数多くの教訓が示されてございますので、それを参考にして、県でも検討していきたいと考えております。
◯安藤委員
 そうしますと、国がIAEAに提出した報告書などを参考にするということで、みずから検討委員の方たちが国とか、あるいは福島、東京電力とか、そういうところに出向いて検証を積極的に行うことを想定はされていないということでよろしいのですか。
◯工藤原子力安全対策課長
 先ほど申しましたIAEAに対する報告書、それから事務局として福島においてのいろいろな情報などを把握いたしまして、検討していただきたいと考えております。
◯安藤委員
 今あります防災計画も、国の指針に基づいてつくられているかと思うのですが、今、国は福島原発事故を受けて、新しい指針をつくっている最中であるかと思います。国の防災指針が出された場合、それを受けて検討委員会で出された内容と符合させて充実させた内容にしていかなければいけないと思うわけですが、国の防災指針が出た時点で、既に青森県の検討委員会が解散されている状況であれば、再度、その時点でまた委員会を再度持つという取り組み方になるんでしょうか。
◯工藤原子力安全対策課長
 先ほど御答弁申し上げたとおり、検討委員会での検討の過程の中で、原子力防災に関連して、国に対して提言すべき事項とか、要望すべき事項とか、そういうものが明らかになった場合は、速やかに提言、要望していきたいと考えておりますので、国の防災指針の検討の中にも反映させていただければと考えております。
◯安藤委員
 そうしますと、国の最終的な防災指針が出されたときには、青森県の検討委員会でまとめた結果も踏まえて、青森県の地域防災計画(原子力編)の最終的なものをつくるのは、県防災会議がその任務を持つというとらえ方でよろしいのでしょうか。
◯名古屋環境生活部長
 その辺の関係につきましては、検討されている国の安全委員会がいつまでにということもまだはっきりしていませんので、我がほうとしては、作業が後になるのか、先になるのかはよくわからないところがありますが、年度末までに出てくるのであれば、それを踏まえて、県の地域防災計画の修正作業に入ることになりますので、検討委員会の役割というのは、その時点である程度、終わると考えております。次なる役割を果たしていただくのが防災会議になっていきますので、それは法に基づく手続に入っていきますので、地域防災計画の修正等をしていきたいと。いずれにしろ、地域防災計画の修正は、国の指針が出た後で作業を行う。その前までに何もしなければというのは、今の事態を踏まえると、そういうわけにもいかないのではないかということで、とりあえず、急いで取りまとめる必要があるということで、検討委員会を立ち上げて、検討するとなっておりますので、それについては国の進捗を見ながら、適切に対応していきたいと考えております。
◯安藤委員
 それでは、検討委員会で検証対象とする施設は何か伺います。
◯工藤原子力安全対策課長
 検討委員会で対象とする施設についてですが、検討委員会では、今回の福島第一原子力発電所の事故への対応状況等を踏まえ、防護区域の拡大、事態の長期化、広範囲な影響等、原子力防災対策を講じる上でのさまざまな課題等を検討し、県地域防災計画(原子力編)の修正、マニュアルの作成等に反映させることとしておりますが、これらの検討は、現計画の対象施設である東北電力の東通原子力発電所及び原子燃料サイクル施設を想定しております。
 なお、今回検討する事項につきましては、現在検討中の各施設の防災対策にも反映されることになると考えております。
◯安藤委員
 そうしますと、現在、停止はしていますけれども、東通原発、それから六ヶ所の核燃サイクル工場、この2つを視野に入れた検討という理解でよろしいでしょうか、確認ですけれども。
◯工藤原子力安全対策課長
 現在の防災計画(原子力編)につきましては、ただいまおっしゃった東通原子力発電所と、それからサイクル施設が対象となっておりますので、まずはこの見直しということになりますが、検討の過程でのいろいろなことにつきましては、今、建設中の施設についても、十分反映される事項と考えています。
◯安藤委員
 建設中ということになりますと、大間原発や、それからむつの使用済核燃料の中間貯蔵施設が、そして東京電力の原発などが視野に入っていくことになるわけでしょうか。
◯工藤原子力安全対策課長
 おっしゃるとおり、建設中の原子力施設につきましては、その稼働の予定時期をにらみながら、適切な時期に防災計画に追加、修正されるものと考えております。
◯安藤委員
 そうしますと、建設中の施設についても、防災計画の中で、いつごろ計画の中に含まれるかということを踏まえた議論、検討がなされていくわけですね。
 それで、今回は福島原発事故を受けての検証ですから、例えば大間原発に置きかえて過酷事故を想定した場合、30キロ圏内ということを視野に入れなければいけないわけなのです。そうしますと、県外である北海道の函館市なども含まれるかと思うのですが、そのような県外の市町村に対しての検討、検証も行われるという理解でよろしいでしょうか。
◯名古屋環境生活部長
 現在の予算でお願いしている防災対策検討委員会につきましては、先ほど課長が申しましたように、現在稼働施設である東北電力の東通原子力発電所及び原子燃料サイクル施設、この2つであります。したがって、そこで検討されたものでほかにも適用できるものについては後ほど検討することになる、防災計画に入れることになるのにも適用できますが、今、検討委員会がやることは、現在稼働施設であるこの2つだけです。
◯安藤委員
 当初は、その2つの施設を中心に検証していって、そのほかの施設についても適用させていくということですが、先ほどテレビのニュースを見ていましたら、函館市、北斗市、七飯町の3つの自治体が共同で大間原発の建設に反対する意向を国に示すというニュースが出されていました。今、防災計画を見直すというこのときに、そうした他の自治体との十分な意思疎通、話し合いもきちんと視野に入れて、今後進めていく必要があると思います。
 私たちの立場としては、過酷事故を受けての防災計画は、しっかり行っていく必要があることは、これまでも言ってきましたが、福島原発事故の収束もなかなか見られない、そして、避難されている方たちの本当に苛酷な実態を見るにつけ、やはり一番の必要な防災ということから言えば、これら危険な施設は、建設を中止することが住民のための一番の決断だと思いますので、そういう立場に立って、今回の補正予算のこの部分については反対をしたいと思っております。