20117.21: 平成23年度環境厚生委員会 抜粋 本文(質疑1)
○開 会  午前11時00分

◯越前委員長
 ただいまから環境厚生委員会を開きます。
 慣例により会議の記録署名委員を指名いたします。相馬委員、熊谷委員にお願いいたします。
 本日の審査案件は、特定付託案件であります。
 なお、審査の順序は、健康福祉部・病院局関係、環境生活部関係の順に行いますので、御了承願います。
 それでは、健康福祉部・病院局関係の審査を行います。
 執行部より報告事項があります。──一瀬健康福祉部長。
◯一瀬健康福祉部長
 お手元の資料、報告事項と左肩に書いてある資料をごらんください。放射性物質が検出された稲わらを給与した可能性のある牛の肉の流通状況等について御報告申し上げます。
 今般、福島県等の畜産農家において放射性物質が検出された稲わらを給与した可能性のある牛が屠畜場に出荷され、屠畜された牛肉が全国に流通していたことが判明しました。当該牛肉の県内における流通状況を県が調査した結果、当該牛肉が県内に流通・販売されていたことが確認されました。また、店舗に保管されていた一部の牛肉から、食品衛生法の暫定規制値を超える放射性セシウムが検出されましたので、その概要について御報告申し上げます。
 まず、放射性物質が検出された稲わらを給与した可能性のある牛が648頭いることが判明しております。その内訳は、資料の参考の(1)のとおりであり、福島県内554頭、福島県外が94頭となっております。このうち、これまでに5頭の牛の肉について、本県への流通が確認されています。これら5頭に係る検査結果が参考の(2)でございます。
 まず、県所管分について御説明いたします。表の左端のナンバーの順に説明いたします。
 青森市を除いた本県には、3頭の牛の肉が流通していました。
 1頭目は横浜市の屠畜場で処理され、五所川原市の食品卸売業者に販売されたもので、消費者に販売されずに全量保管されていました。この肉の一部を採取して検査したところ、放射性物質は検出されず、食品衛生法上は問題がなかったことが判明しております。
 2頭目は仙台市の屠畜場で処理されたもので、弘前市と平川市の食肉販売業者に販売されており、その全量が販売済みでした。その後、愛媛県で同一の牛の肉があることが判明し、検査しましたところ、暫定規制値未満の2.7ベクレル・パー・キログラムの放射性セシウムが検出されております。
 3頭目は東京都の卸売市場から出荷されたもので、むつ市の食品小売業者に販売されており、大部分の肉が消費者に販売されていたものの、一部が販売されずに保管されていました。その肉について検査したところ、暫定規制値未満の2.2ベクレル・パー・キログラムの放射性セシウムが検出されております。
 次に、青森市所管分について説明申し上げます。
 青森市は中核市でありますことから、青森市の責任において食品衛生法に基づき食肉の検査を実施しております。
 1頭目は千葉県の屠畜場で処理されたもので、青森市の食肉販売業者等に販売されており、その大部分が販売されていたものの、一部が販売されずに保管されていました。その肉について検査しましたところ、1,050ベクレル・パー・キログラムの放射性セシウムが検出されております。この数値は、食品衛生法で規定する暫定規制値である500ベクレル・パー・キログラムを超えているものでございます。
 2頭目は横浜市の屠畜場で処理されたもので、青森市の食品小売業者等に販売されており、その全量が販売済みでした。
 なお、資料にはございませんが、7月20日に新たに3頭の牛の肉が本県に流通していることが判明しました。いずれも東京都の屠畜場で処理されたものでございます。1頭目は弘前市の食肉販売業者に対して10.3キログラム、2頭目は青森市や弘前市、黒石市の食品小売業者に対して56.0キログラム、3頭目は青森市の食肉販売業者に16.1キログラムが販売されており、その全量が販売済みでした。
 以上が放射性物質の検出されました稲わらを給与した牛肉の県内における流通状況及び放射性物質の検査結果です。
 食品衛生法の放射性セシウムに係る暫定規制値500ベクレル・パー・キログラムを超え、1,050ベクレル・パー・キログラム放射性セシウムが検出された例であっても、通常の食生活における摂取では健康への影響はないとされております。
 次に、県におけます今後の対応です。
 まず、国や関係自治体と連携しまして、放射性物質が検出された稲わらを給与した可能性のある牛の肉の流通状況を確認いたします。続いて、県内における流通が確認された場合には、必要に応じまして、当該牛肉に係る放射性物質検査を実施いたします。さらに検査の結果、暫定規制値を超えた場合には、食品衛生法に基づく必要な措置を講じることとしております。
 また、放射性物質に汚染された稲わらによる問題が拡大している状況にあります。放射性物質に汚染された稲わらを食べた牛が仮に県内屠畜場で処理され、出荷されている事実が判明した場合には、当該牛につきまして、流通状況の調査及び放射性物質の検査を実施することとしております。
 以上、放射性物質が検出された稲わらを給与した可能性のある牛の肉の流通状況等について御説明申し上げます。
(この間他議員の質疑省略)
◯安藤委員
 それでは、最初に先ほど部長のほうから御報告ありました放射性物質が検出された稲わらを給与した可能性のある牛の肉の流通状況に関して、最初に質問をさせていただきます。
 おいしい肉を供給するために日夜頑張ってこられた畜産農家の方の思い、そして、栄養のためにとおいしい肉を食べた消費者の方たちの思い、それを考えたときに、本当に怒りがわいてきます。東京電力に対する怒りと、そして、こうした可能性があったと思うのです。それで、きちんとした対応を国は行うべきであったし、流通される前にこういうことをきちんと把握するべきだったと、これに対して抗議の思いを最初に述べたいと思います。
 そこで質問ですが、先ほどのやりとりの中で、県としては、これまで3回検査を実施して、セシウムが検出されたということだったのですが、それは基準値以下であったということだけれども、やはり検査をした時点でセシウムが検出されたのであれば、その時点で流通される前に稲わらの放射性物質汚染を疑って、国にしっかりとした調査を依頼するべきではなかったかと思うのですが、この辺についてどのようにお考えでしょうか。
◯葛西保健衛生課長
 今の御質問は、屠畜場で検査された3回ということかと思いますけれども、その時点では稲わらの問題というのは全国的に把握されていない状況でありまして、検査に当たって、以前の飼育状況等を確認するという作業がございませんので、その生体での状況につきましては、農林サイドの所管となっておりますので、そちらのほうでは問題は確認されておりませんでした。ですので、国等への連絡ということについての情報は把握されておりませんので、その時点では連絡すべきであったとは考えておりません。
◯安藤委員
 こちらの所管では、そうした指摘には及ばなかったということですが、結果的にはどこの分野からも指摘がなく、流通されたということなわけで、やはりこうした大きな事件、放射性汚染が横たわっている中で、ぜひその辺、屠畜場での生体ではあっても、考慮していただきたかったと思います。
 それで、先ほどの部長の説明によると、販売量の中で既に食されていたものもあるということなわけですが、基準値を超えたのは青森市所管分ということですが、基準値を下回っていたにせよ、青森県からもこのような食肉が販売されていた事実は事実なので、県民としてはどこのお店で販売されたのかということをやはり知りたいと思うのですが、この辺について、販売店等を明らかにすることは考えていないのでしょうか。
◯葛西保健衛生課長
 今回、県内で流通が確認された事例のうち、放射性物質検査の結果、暫定規制値を下回っていることが確認されている事例については、食品衛生法上では何ら問題がないということで、事業者等を公表する必要はないと考えてございます。ただ、全量販売済みであったために、放射性物質検査が行われていない事例につきましては、それはそれ自体、食品衛生法違反とは断定できないということで、行政処分等による公表は適当ではないと考えております。
◯安藤委員
 県民の感情としては、もしかしたら、私は食べたのかもしれないと皆さん思っております。そういう規則上からは違反されなくても、感情的には知りたい、情報を公開してほしいという思いはあることをお伝えしておきたいと思います。
 それから、やはりこれは青森市所管分のほうですけれども、暫定基準値を超えていることもあり、やはり県民としては、幾ら健康には影響ないということであっても、子供たちには大人以上に影響があるのではないかという思いを持っているので、いろいろな健康相談も、これから発生するかと思うのですが、こうした県民の不安にこたえる意味での相談窓口などについては検討されていないのでしょうか。
◯葛西保健衛生課長
 連休の最中は保健衛生課のほうでそういう相談は受けております。それから、現在は、通常の保健所並びに保健衛生課のほうで昼の時間帯ではありますが、御相談はお受けしております。
◯安藤委員
 どのくらいの相談が来ているのでしょうか。
◯葛西保健衛生課長
 これまでは30件余という状況です。
◯安藤委員
 やはりこれからも相談は舞い込むと思いますし、適切な答えやアドバイスをぜひ親切にしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。