20117.21: 平成23年度環境厚生委員会 抜粋 本文(質疑4)
 3点目の質問ですけれども、通告していた3点目ですが、県内の自殺の実態と県の自殺防止の取り組み状況について伺いたいと思います。
 これらの問題は、一般質問でも時々取り上げられているかと思いますが、私の周辺でも、二十歳代の若い方たちがみずから命を絶つということを残念ながら、たびたび見るに至っています。そういうことを近くで経験しているものですから、ぜひとも青森県には自殺防止の対策を強化していただきたいという思いから、この質問をさせていただきます。
◯工藤障害福祉課長
 お答えします。
 本県の平成22年の自殺者数は、6月1日に厚生労働省が発表した人口動態統計では403人で、前年より73人減少しています。人口10万人当たりの自殺の死亡率は29.4で、前年より5.2ポイント減少しています。
 全国順位は、平成21年のワースト第2位から、平成22年はワースト第3位となっています。
 また、性別の内訳では、男性297人、女性106人で、男性が全体の73.7%を占めています。
 自殺の原因につきましては、さまざまな要因が複雑に関係していることから、原因を特定することはできませんが、県警察本部が公表している平成22年中の自殺統計によりますと、自殺の原因は、1位健康問題、2位経済生活問題、3位家庭問題となっています。
 県は、これまでボランティアや相談員の養成、市町村への支援など、多くの自殺防止対策を実施してきました。また、平成21年度からは自殺対策緊急強化基金による自殺防止市町村演劇キャラバンや、市町村の自殺対策担当課長のための自殺対策塾、相談窓口担当者の会議、生活と健康をつなぐ法律相談やネットワーク構築のための各種事業に取り組んでいるところです。
 自殺を防ぐためには、精神保健的な視点だけではなく、社会・経済的な視点を含む包括的な取り組みが重要で、さまざまな分野の人々や組織が密接に連携する必要があります。このため、県では、青森県自殺対策連絡協議会を設置し、民間団体等も含めたさまざまな分野の団体と連携し、総合的な自殺対策を進めてきました。
 諸外国の例を見ましても、自殺防止に即効性のある施策はないと言われており、中長期的視点に立って、市町村、関係機関等と連携しながら、継続的に実施していく必要があると考えております。
 以上です。
◯安藤委員
 自殺者の傾向として、若干、自殺者の数が減っていることは大変うれしく思います。
 今のお話の中で、男性が73.7%ということで、ずっと男性のほうが多いということですが、男性が多い理由といいますか、それは自殺の原因と見られているところの経済生活なども男性のほうにより影響が高いのかと感じましたが、こうした自殺の内訳といいますか、そういうところを県はどのように見ているのでしょうか。
◯工藤障害福祉課長
 お答えします。
 自殺は家庭、学校、職場、地域など、社会全体に深く関係しており、健康問題や経済生活問題など、さまざまな背景により複雑な心理的過程を経て発生することから、精神的な視点だけではなく、社会経済的な視点も含めた包括的な取り組みを考えているところでございますが、このようなさまざまな原因が総合的に絡んでいるということで、現在の社会状況を反映した青森県での状況ではないかと思いますが、詳しいことについては、今後さらに分析を進めて、対策に反映させていきたいと思います。
◯安藤委員
 先ほどの説明の中で、自殺予防対策として、お日様キャラバンとか、生活と健康をつなぐ法律相談などという取り組みを実施しているということですが、青森県の自殺者の数がこの数年は減る傾向にあるということですが、こういう取り組みが生かされていると理解してよろしいでしょうか。
◯工藤障害福祉課長
 お答えします。
 県では、平成13年度から自殺予防の総合的な対策を実施し、17年度からは心の健康づくりを図る一次予防、ハイリスク者に対する二次予防活動、残された遺族の心のケアを行う三次予防活動など、市町村の自殺予防活動に対する支援を実施してきました。平成22年4月に当部が市町村に照会したところ、県内全市町村において、自殺対策の取り組みが実施されています。各市町村の特性に応じた自殺対策が講じられてきたことにより、自殺者数が減少したのではないかということも考えてございます。また、多重債務者などの経済生活問題の相談体制が整備されてきていること、その相談機関の周知への取り組みが拡大していることも減少の一因ではないかと考えております。
 以上です。
◯安藤委員
 全国の自殺率の傾向を見てみますと、この10年間のうち、奈良県が21年度、22年度を含めて5回、最低となっているのです。ぜひこうした奈良県での自殺防止の対策などについても学んでいただいて、総合的な対策が必要な分野ですけれども、ぜひ自殺の方が少しでも減っていくように最大限、引き続き努力をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。