2011.8.19: 平成23年度環境厚生委員会 抜粋 本文(質疑2)
 次に、がん検診についてです。
 県内市町村のがん検診受診率の状況、受診率向上に向けた取り組み及び今後の課題について伺いたいと思います。県内のがん検診の状況は、かなり差があることもわかりますので、その辺のことも、実態も含めた全体の受診率を引き上げていくことが非常に重要という認識のもとで質問したいと思います。
◯齋藤がん・生活習慣病対策課長
 がんは、診断と治療の進歩によりまして早期発見・早期治療が可能であり、がん検診はがんの死亡率を減少させることができる確実な方法でございます。このため、県では、がん検診、精密検査の受診率を高める取り組みを行っております。
 本県のがん検診受診率については、平成21年度地域保健・健康増進事業報告によると、県平均で胃がんでは21.9%、大腸がんでは26.3%、肺がんでは22.4%、子宮頸がんでは25.8%、乳がんでは18.8%となっております。
 特に、乳がん・子宮頸がんの受診を推進するために、平成21年度から女性特有のがん検診推進事業を実施しているほか、今年度から年間の罹患者数、死亡者数ともに増加傾向にあります働く世代への大腸がん検診推進事業を実施しております。これらの事業は、特定の年齢に達した住民の方々に対しまして、無料クーポンにあわせて検診手帳及び受診案内を送付することにより、がん検診を受診しやすい環境づくりを目指しております。
 先ほど委員御指摘のとおり、本県のがん検診受診率は、地域保健・健康増進事業報告によりますと、市町村ごとにかなり受診率に差がございます。このような低い市町村の受診率をいかに上げていくかということが問題でございます。そのためには、精密検査も含めまして受診勧奨をなるべく個別で進める個別勧奨や受診しやすい環境整備のための休日、夜間の集団検診など、よい取り組みをしている市町村の事例を他の市町村に情報発信するなど、これからも進めていきたいと思っております。
◯安藤委員
 受診率の高いところでは、がんの早期発見がより可能になるかと思いますが、県としては、この受診率とがんの死亡者数との関係は、こういう受診率を高めるための意義づけといいますか、そういうことを調査されているのでしょうか。
◯齋藤がん・生活習慣病対策課長
 個別の調査は今、やっておりませんけれども、実は、この地域保健・健康増進事業の受診率は、市町村ごとに対象とする人数の数え方が必ずしも一致しておりません。これだけでこの受診率、即、死亡率というような調査に結びついておりませんので、今現在、国として同じような集団で、どのような形で比較していくかということを進めております。実際にやっておりますほかの受診率の把握といたしましては、国民生活基礎調査というもので、平成16年から始まっておりまして、それ以前はないのですけれども、県ごとの受診率が示されております。その中では、まだここに示されているほど全国的に受診率の高い項目はございませんで、最大で胃がんが34%余りというところが現状でございます。お話のとおり、受診率と死亡率の関係につきましては、きちんと検討していかなければ、がん対策は進められないと思っておりますので、これから精査を進めていきたいと思っております。
◯安藤委員
 県のがん検診受診率は、全国の平均よりは一応、すべて上回っているようでありますけれども、それでも、やはり県の平均をかなり下回っている市町村や、あるいは全国の平均よりも下回っているところも多数あるわけなので、ぜひ引き上げのために、先ほども答弁にありましたように、すぐれている市町村の事例を紹介するとか、あるいは改めて驚きましたけれども、鶴田町が胃がんや大腸がん、肺がんがすべてトップの受診率になるようであります。そういうところの取り組みなどもぜひ紹介していただきたいと思います。
 あと、子宮がん、乳がんの検診受診率は、全国の平均を下回る自治体がほかの受診率よりも多いです。この辺について、よく分析をして、ほかのがん検診もそうですけれども、子宮がん、乳がん検診の受診率の引き上げにぜひ力を入れていただきたいと思いますけれども、この辺について、お考えを伺いたいと思います。
◯齋藤がん・生活習慣病対策課長
 5つのがんの中では、明らかに子宮がん、乳がんの受診率が低くなっており、非常に問題だと思っております。なかなか皆様方が子宮がん、乳がんというものが早く見つかれば治るというところについて、十分知っていらっしゃらないことが大きな課題です。がん検診は、検診することが目的ではございませんで、がんという病気がどういうもので、その検診は発見して治すためにとても有効な手段である、そして繰り返し受けなければいけない。そこまでを含めて皆さんに知っていただくことがとても重要だと考えています。今年度からそういうメッセージをあらゆる場所でいつも同じように提供するような形で事業を進めていきたい、実際進めておりますので、成果が出るのはもう少し時間がかかると思います
◯安藤委員
 子宮がん、乳がんについては、結構、最近多くなったというか、私がそういう年齢になったからかもしれないんですが、非常に周りにがんに、乳がんなどにかかる方をとても多く耳にします。やはり早く発見した方は元気にまた活躍されている方もいますので、ぜひ、今、お話にあったような早期発見によってがんを克服できるというメッセージを多く出していただいて、受診率を高めていただいて、子宮がんや乳がんによって若い命を亡くすことのないよう、ぜひ取り組みを強化していただきたいと思います。よろしくお願いします。