2011.8.19: 平成23年度環境厚生委員会 抜粋 本文(質疑8)
 次の質問ですが、県境不法投棄事案についてです。
 岩手県側から本県側への地下水の流入が懸念されているとのことでありますが、流入に係る問題点について伺います。
◯名古屋環境生活部長
 本県側現場から発生する浸出水につきましては、浸出水処理施設で処理した後に放流しております。ただ、岩手県側で発生する地下水をあわせて処理する設計、能力となっているわけではございません。
 現在、県境部の北側を除きまして南側には岩手県が鋼矢板を敷設しておりまして、一定の遮水効果があると思われますが、岩手県は平成24年度で原状回復事業が完了する計画でございます。この中で一定の対策をとるとなっておりますが、その対策が不十分なまま鋼矢板を撤去した場合は、岩手県側の地下水の流入や北側からの流入も考えられるということでございます。
 岩手県側から地下水が流入する場合、浸出水処理施設への負荷が増加することで、本県側で発生する浸出水の処理可能量が減少する。減少するとどうなるかというと、今、キャッピングをして、廃棄物が埋まっているところ全面ではなく、5,000平米に限って開けているということになっていまして、その範囲でしか掘削できませんので、掘削できる量が減ることになりますので、本県の撤去計画に影響が及ぶ可能性があることが考えられます。
 岩手県の実施計画によりますと、平成24年度までに特定産業廃棄物等の除去完了後、表流水及び地下水がともに東側、ということは岩手県側でございますけれども、岩手県側に流下するように県境を頂点として東側に次第に低くなるように地形を整形したり、地盤改良など必要な措置を講ずるような計画となってございます。本県側では、平成25年度の廃棄物撤去完了後、汚染した地下水の処理を継続する必要があると考えておりますので、こういった岩手県の実施計画に基づく対策が着実に実施されることを確認していく必要があるのではないかと考えております。
◯安藤委員
 今後、地下水の実態把握のための調査を行うということですが、その内容についても伺います。
◯北沢県境再生対策室長
 地下水の調査の進め方についてでございますが、先ほどの部長の答弁でも言っておりました岩手県の実施計画に記載されております県境を頂点として東側、岩手県側に次第に低くなるよう講ずる地形整形や地盤改良などの必要な措置につきまして、その着実な実施を確認するためには、両県で県境部の対策の進め方につきまして協議してまいる必要があると考えております。
 具体的には、まず、県境部の地下水等の実態調査を行いまして、その調査結果を踏まえまして、まずは県境部地下水等の解析を行って、両県共通の課題について共通認識を持つこと、それからもう一つとして、両県の原状回復対策事業の完了に向けた県境部の対策検討を両県で協議しながら進めること、この2点について、岩手県に提案することとしておりまして、7月23日に開催いたしました第38回原状回復対策推進協議会に報告したところでございます。
 今後、県境部におけるこれまで蓄積した両県の地下水位ですとか水質等のデータをもとにいたしまして、専門家を交えて両県で協議を重ねて、調査内容を検討した上で、年度内を目途に調査結果を取りまとめてまいりたいと考えております。
◯安藤委員
 浸出水処理施設貯留量の状況と今後の撤去作業の見通しについて伺います。
◯北沢県境再生対策室長
 浸出水処理施設の貯留量の状況と今後の撤去作業の見通しについてでございますが、県境産廃の掘削・搬出につきましては、浸出水処理施設における貯留量の減少を図るために、一時期、シートによる全面キャッピングを施した後、6月22日に掘削をするための開口面積を5,000平方メートルと最小限に制限して再開したところでございます。
 これによりまして、ピーク時に約1万4,000立米ございました浸出水処理施設の貯留量は、8月19日、きのうの0時現在でございますが、少し雨の降った影響で若干ふえましたが、1万1,500立米まで、それでもかなり減少しております。今後の撤去作業につきましては、過去の降水量をもとに、今後の浸出水処理施設の貯留量を推計いたしました上で、その状況に応じて掘削をするための開口面積の拡張を検討することとしております。
◯安藤委員
 私たちも委員会で視察をこの間してきましたが、広大なあの土地をブルーシートで囲っている状況で、しかし、それと同時に水があふれ出るのではないかという不安も感じてきました。大分おさまっているということですけれども、慎重に検討しながら、廃棄物の撤去についても、予定どおり進んでいくようにぜひ頑張っていただきたいと思います。