2011.9.21: 平成23年度環境厚生委員会 抜粋 本文(質疑3)
 次の質問ですが、医療療育センターについて伺います。先日、委員会で、秋田県立医療療育センターを見学してまいりました。まだできたばかりで、1年ちょっとということもありますが、立派な施設で、医療と教育の連携、相談体制充実の様子などを視察してきまして、驚きました。この秋田県立医療療育センターと比較するわけではありませんが、青森県としての障害を持つ子供たちに対してのあり方は万全かどうかということを改めて思いをはせてきたところです。
 そこで質問いたします。青森県立医療療育センター整備基本構想の内容について伺います。
◯工藤障害福祉課長
 お答えします。県では、県立中央病院のNICUの満床状態や、県立医療療育センターの医師不足とベッド不足、老朽化といった課題を踏まえ、重い障害を持った子供たちが、周産期医療から療育の場まで、安定的に医療・療育、福祉サービスを受けられる体制づくりを目的として、青森地域保健医療圏の地域医療再生計画を策定いたしました。
 また、同計画の趣旨にのっとり、県立あすなろ医療療育センター及び県立さわらび医療療育センターの両施設について、施設利用者の皆様等からの意見を集約し、将来の両施設の施設機能及びサービス内容を明確にするため、平成23年3月に青森県立医療療育センター整備基本構想を策定いたしました。
 この基本構想では、国立病院機構青森病院では、医療ニーズの高い重症心身障害児者に対する専門的な医療を中心に担い、県立医療療育センター2施設は、診療所を併設した福祉施設に転換し、肢体不自由児及び重症心身障害児者のための必要な医療・療育、福祉サービスを提供しつつ、地域の身近な各サービスの拠点として、在宅支援機能を強化することとしております。
 なお、平成23年度は、国立病院機構青森病院が新規入所やNICU等から重症心身障害児等を受け入れる病床を増床整備するのに要する経費に対して補助するとともに、県立医療療育センター2施設の機能転換のための改修計画及び将来の管理運営方法等について検討を進めているところです。
 県としましても、引き続き利用者団体等関係機関との連携を図りながら、同計画及び構想の推進に努めてまいります。
◯安藤委員
 新しい整備基本構想によって、あすなろ、そしてさわらびを利用している子供さんたちが、これまで同様、リハビリを受ける体制が確保された。有床、無床ということではありますが、診療所が併設ということで、リハビリの体制が確保できたということでは、歓迎の声が上がっています。ただ、親御さんの御意見などを聞きますと、それは、リハビリを何とか受ける体制が維持されたということで、やむを得ない了解というか、そうした思いだという御意見も聞いています。
 それで、質問をしたいのですが、重症のお子さんは国立病院機構青森病院に集約するということになっていくわけですね。重症心身障害児者病棟を増床整備して、医療ニーズの高い重症心身障害児者に対する専門的な医療を中心的に担うということで、NICU、医療機関を初め、さわらび、あすなろの急性期の受け入れを行うとされているわけですが、新たに受け入れする人数はどの程度を想定しているのかということを伺いたいと思います。希望している医療やリハビリなども含め、必要とされている子供さんたちを皆さん受け入れることができるのかという疑問も生まれていますので、受け入れ人数と、希望者全員を受け入れる態勢にあるのかということを伺いたいと思います。
◯工藤障害福祉課長
 お答えします。まず、国立病院機構青森病院にどのくらい移るのかということでございますが、青森病院へ転院となる医療ニーズの高い入所者の決定につきましては、今後、入院による治療が必要かどうかなど、医師による医学的な判断のほか、個別相談を通じまして、重症心身障害児である入所者の家族と十分話し合いながら決定したいと考えてございます。
 ということで、現時点では、まだその具体的な数については決まっていないところでございます。
 また、医療療育センター2施設に入所している方が、転換後も継続して入所できるのかということでございますが、地域医療再生計画では、医師不足に対応していくために、従来から重症心身障害児への専門的医療を担ってきた国立病院機構青森病院が増床整備して、県立医療療育センター2施設に現在入所している重症心身障害児のうち、医療ニーズの高い入所者については、先ほど申しましたとおり、青森病院に転院することにより、多数の医師や診療を有する青森病院において、安定的、継続的な医療を提供することとしてございます。
 その他の入所者の方々につきましては、引き続き福祉施設転換後の県立2施設に入所することができることとなってございます。
 以上です。
◯安藤委員
 国立病院機構青森病院に集約するということで、ベッド数を増床するわけですが、幾つ増床して、全体の受け入れ人数はどのくらいになるんでしょうか。
◯工藤障害福祉課長
 お答えします。国立病院機構青森病院の現在の重症心身障害児病棟の病床数が80床で、今回の計画で、さらに40床増床することになりまして、合計で今後、120床になる予定でございます。
 以上です。
◯安藤委員
 そうしますと、今から国立病院に転院できる容量というのは40床ということになるわけですが、そうすると40人を、どの方を転院させるかということになるわけで、これから御家族とか個別相談をして決めていくということですが、想定として、県としては40床の増床と決めたということだと思いますが、転院の希望を持つ方、あるいは転院していただく方の数というのは、40床で、ほぼ満たされるとお考えでしょうか。
◯工藤障害福祉課長
 ただいまお答えしましたように、医療ニーズの高い方が青森病院にいくということで、その方がどのくらいになるのかということは、今後の医師の判断と家族の判断ということで、そこについては具体的には定まらないんですが、計画策定時点では、医療の提供体制、その他を含めて、今、2施設にいらっしゃる入所者の方の状況も踏まえて、40床で対応できるということで、計画を策定したところでございます。
◯安藤委員
 やはり、うちの子は大丈夫だろうかという思いを皆さん持っております。ぜひ、それぞれの子供さんによって、どちらの福祉型に行っていただくか、国立病院のほうに移っていただくかというその判断というのは、難しい面もあるかと思います。十分、親御さんたちの思いに沿った形での結論が出るよう、配慮していただきたいと思います。もし40床で足りないという実態があれば、その辺については、ぜひ見直しということも含めて、検討していただきたいということを述べておきたいと思います。
 それから、さわらび医療療育センターは無床診療所併設の福祉施設になるわけですが、診療所として医師が1人という体制だと聞いていますが、そこで、24時間型ではなくなって、昼間しかお医者さんがいらっしゃらないという体制になるということで、夜間とか、それから、その医師が例えば出張でいなくなるということも出てくるかと思いますが、医師不在になるときの体制などということも、十分、考慮、検討されているものなのか、伺いたいと思います。
◯工藤障害福祉課長
 お答えします。委員からお話ありましたとおり、無床診療所ですので、夜間については医師は不在ということで、その場合の急病とか出た場合につきましては、現在もそうなんですが、国立青森病院とか公立病院、その他との連携によって、救急対応ということで、引き続き対応することになると思います。
◯安藤委員
 親御さんたちの心配というのは、そういうふうな具体的なことまで、いろいろと危惧しています。ぜひ利用者、そして親御さんたちの思いを十分酌み取って、万全な体制をとっていただきたいと思います。
 もう一つなんですが、下北、八戸地区の肢体不自由児者の重症心身障害児者などへの医療療育体制については、どのようになっているのか、伺いたいと思います。
◯工藤障害福祉課長
 お答えします。八戸市に県立はまなす医療療育センターがございまして、あすなろと同じように、重症心身障害児施設と肢体不自由児施設を兼ねた施設となってございます。運営については、日本赤十字社に委託しているところでございますが、これにつきましては、あすなろと同じように重症心身障害児者、肢体不自由児者に対する対応を行ってございます。
◯安藤委員
 下北の地域の子供さんたちへの対応はどのようになっているんでしょうか。
◯工藤障害福祉課長
 下北には医療療育センターはございませんので、あすなろ及び、はまなす医療療育センター、あと、国立病院機構八戸病院等がございますので、そこで対応するということになると思います。
◯安藤委員
 青森県は、秋田県のように一極集中型という選択ではなく、点在している形で、サービスを提供していくということなわけですので、そういう考え方に立つならば、下北にも医療療育センター、あるいは福祉型でも、そういう施設があるべきだと思います。長いスパンでの計画の中に、下北地域にそのような施設をつくるという考えはないんでしょうか。
◯工藤障害福祉課長
 お答えします。安藤委員から御意見がありましたが、今後の展望につきましてですが、今後の障害児の増加状況とか、医師の充足状況もございますので、そういう状況変化が生じた場合、それに対応するための新たな体制整備等は当然必要になってくると考えられますが、今後の中長期的な課題として検討させていただきたいと思います。
◯安藤委員
 ぜひ検討していただきたいと思います。あすなろも、それからさわらびも、親御さんたちが通学をさせながら、日々、リハビリを受けてもらったりという体制をとっているわけで、下北の子供さんたちだけ、そういう意味では、同じようなレベルの対応ができないわけですね。ですから、新しい構想を、これを定着させていくということであれば、ぜひ下北地域にも、ほかの地域と同じようなサービスを受けられるような体制を今後、検討していただきたいと思います。