2011.9.21: 平成23年度環境厚生委員会 抜粋 本文(質疑5)
◯安藤委員
 最初の質問は、県立自然公園にかかわる問題です。青森県は何と言っても、自然豊かな公園に恵まれており、全国からの観光客を快く、楽しい旅行にするためにも、こうした自然公園を豊かにしていくということが、求められている課題だと思っています。県内には、国立公園や国定公園が3カ所と、県立自然公園が8カ所あります。そこでお聞きいたします。県立自然公園に係る県の管理方法について伺います。
◯前澤自然保護課長
 安藤委員にお答えいたします。県では、県内にあるすぐれた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図るため、青森県立自然公園条例に基づき、県内8カ所の県立自然公園を指定しています。
 具体的な管理として、各県立自然公園の公園計画に基づき執行される道路事業などの認可や特別地域内での工作物の新築などの特定の行為に対する許可、普通地域内での特定の行為の届け出の受理などの許認可事務を行っています。
 また、県立自然公園の適切な管理のため、八戸市及び鰺ヶ沢町に駐在する職員と当課職員が自然公園内の巡回活動を行っています。
 県としては、今後とも、すぐれた自然の風景地の保護とその適正な利用が図られるよう、関係市町村や関係団体と連携し、県立自然公園の適切な管理に努めてまいります。
◯安藤委員
 今もお話にありました青森県立自然公園条例というものがありますが、この第7条に、公園事業は県が執行すると書かれてありますが、県が直接執行する事業というのは今、答弁にあったような内容のことを指すのでしょうか。
◯前澤自然保護課長
 お答えいたします。公園事業とは、公園計画に基づき執行する事業であって、自然公園の保護または利用のための施設を整備するものです。具体的には、道路、宿舎、スキー場などを整備することでございます。
 県立自然公園に関する許認可などの事務は、当課が所管しておりますが、公園計画に基づいて執行する公園施設整備は、所管しておりません。
◯安藤委員
 県が直接整備などにかかわるということでしたけれども、同じく条例の第8条に、県以外のものによる公園事業の執行に要する費用は、その公園事業を執行するものの負担とするとありますが、事業をする際の県や国からの補助制度はないのか、伺います。
 これは、例えば津軽地方でいえば、幾つか県立自然公園がありますが、例えば大鰐の茶臼山県立自然公園というのもありまして、「つつじまつり」などで、にぎわっているものですが、さまざまな費用をかけて、さらに充実したよい公園をつくってほしいという町民の方の声があるんですが、県立自然公園ということであるなら、県からの補助などについては、どうなっているのだろうかという声が寄せられています。そこで、県や国からの管理にかかわる、あるいは各自治体が行う事業に対しての補助制度はあるのかどうか、伺いたいと思います。
◯前澤自然保護課長
 安藤委員にお答えいたします。公園事業に関しまして、補助制度ということでございますが、当課所管の補助制度はございません。
 なお、具体的にお話がありました大鰐碇ヶ関温泉郷県立自然公園でございますが、これに関しては、茶臼山園地事業及び大鰐温泉スキー場事業の執行者は、大鰐町となっています。仮にこのような園地の、あるいはスキー場の施設整備については、大鰐町で執行されると考えております。
 参考までに、当課所管でございませんが、市町村振興課では、県単の補助制度として、青森県創意と工夫が光る元気なあおもりづくり支援事業を行っているとのことでございます。
◯安藤委員
 違う課の事業で、あるようですけれども、そのような制度についても、ぜひ周知をしながら、豊かな公園事業を進めていただきたいなと思います。
 私のうちの近くには岩木山があるわけですが、この岩木山のことで、先ほど巡回事業もされているということですので、その巡回にかかわることで、ちょっと伺いたいんですが、岩木山に本来生えていない植物であるコマクサが発見されることがあり、自然の生態系を侵すのではないか、影響するのではないかという危惧の声が寄せられています。県として、このコマクサに対する何か対応というのを行っているのかどうか、伺いたいと思います。
◯前澤自然保護課長
 コマクサが岩木山に生息しているという情報は、当方でも承知してございます。生態系保全のためには、本来そこに生息していない植物などが、広がらないようにすることが、大事だと思っております。
 当課としても先般、現地、岩木山に参りまして、コマクサの除去という作業を行っております。
◯安藤委員
 すべてを取り除くというのは多分、大変なことだろうなと思いますが、岩木山を愛する方たちが登山する都度、そういう心配をされているようですので、もし、また発見などされた場合、県の対応で除去が進んでいくように要望したいというふうに思います。
 次の質問ですけれども、最近、南八甲田登山道の整備がされずに、登山道以外の道を歩く人が出るなどして、こちらも自然の生態系が崩れるのではないかという問題が指摘されております。
 そこで、南八甲田登山道の現状と管理の状況について伺います。
◯前澤自然保護課長
 それではお答えいたします。南八甲田地域については、国が定める公園計画に基づき、適正な利用と保護を図ることとされ、その貴重な自然が損なわれないよう、十和田八幡平国立公園の特別保護地区に指定されております。
 一方で、国民共通の貴重な財産でもあることから、地域の特性に応じた適切な利用を図ることとされています。
 南八甲田地域の登山道については、その適正な利用と植生の保護を図る観点から、国立公園の施設整備を所管している環境省が事務局を務める南八甲田登山道連絡協議会において、南八甲田登山道維持・管理方針を定めています。
 この方針では、基本的に施設整備は当面行わないとする一方、植生の保護及び利用者の安全確保上、特に必要がある場合は、木道の整備や刈り払い、登山道上の倒木・危険木の除去などを実施するとしています。最近では、去る9月14日及び15日に南八甲田登山道でササの刈り払いを行っています。
 県としては、今後とも南八甲田登山道連絡協議会が策定した方針を踏まえ、関係機関等と連携、協力しながら、適切に対応してまいります。
◯安藤委員
 適切な対応をされるということですので、十分、巡回などもしながら、安全安心な山登り、散策が楽しめるような環境をぜひ維持していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。