2011.10.06: 平成23年度環境厚生委員会 抜粋 本文(質疑3)
 次の質問ですが、歳出3款1項4目、老人福祉費、地域支え合い体制づくり事業費補助について、国から地域支え合い体制づくり事業分として交付された4億円のうち、今回事業化したのは1億円であるとお聞きしていますが、市町村に対して事業への取り組みを十分働きかけてきたと言えるかどうか伺いたいと思います。
◯伊藤高齢福祉保険課長
 お答えいたします。
 本事業は、青森県介護基盤緊急整備等臨時特例基金のうち、昨年度の国の補正予算において、地域支え合い体制づくり事業として積み増しされた4億円を財源として、地域における日常的な支え合い活動の体制づくりの立ち上げに対する支援を行うものであり、これらの取り組みを行う市町村に対して助成するものです。
 この市町村に対しましては、国から事業内容が示された後、昨年度のうちから説明会の開催や通知により事業の周知を図ったほか、今年度、事業の募集を行ったところ、市町村の取り組み予定が少なかったということもございまして、再度の募集を行ったものでございます。
 以上でございます。
◯安藤委員
 再度、市町村に募集をかけたということですが、思うように市町村からの応募というか、それがなかったということの理由について伺いたいと思います。
◯伊藤高齢福祉保険課長
 この事業は、地域の支え合い体制の立ち上げに関する新たな取り組みに対する助成であること、また、平成23年度限りで終了する事業でございまして、平成24年度以降、次年度以降に取り組みを継続するためには、その経費は市町村の負担になるということなどを考慮して、各市町村において事業実施を検討したものと考えております。
 以上です。
◯安藤委員
 既に今回出された地域支え合い体制づくりということについては、これまでも市町村である程度、そういう体制をつくってきたということも言えるのでしょうか。
◯伊藤高齢福祉保険課長
 それぞれの市町村において類似したような事業もあると聞いておりますが、この補助金に対しましては、既存の現在行われている事業の財源として振り向けることができないということで、新規事業に対してのみということでございますので、このような形になったと考えております。
◯安藤委員
 各市町村が在宅の高齢者の方たちに対して、どういう目配せをしていくかということは大変重要なことだと思うわけですが、ただ、今回のような国からこうした事業費が出されてくるという背景には、やはり介護保険から要支援の高齢者の方たちのサービスを外していくという方向性があるのではないかなと私は思うわけですが、今現在でも要支援のサービスを受けて、何とか自立を維持しているお年寄りが結構いると聞いています。ヘルパーさんの訪問などによれば、中には本当に要支援というサービスなんだけれども、ごみの山の中に生きているというか、そんなようなお年寄りもあったり、それから食べ物についても、手を差し出してあげなければ適切な食事もできないというようなお年寄りもままいらっしゃると聞いています。そういう中で要支援のサービスがなくなるということは、こういうお年寄りたちがこの先どうなるのだろうかという大変不安な声が聞かれます。そういう中での今回のような事業を新たに立ち上げさせるという意図もあるのではないかと思いますが、今回の事業との関連で、こうした要支援のお年寄りたちの今後自立を維持するための状況ということに対する危惧を私は感じるのですが、その辺について、県としてはどのようにとらえているか伺いたいと思います。
◯伊藤高齢福祉保険課長
 この事業は、自治体、住民組織、NPO法人等との協働による地域による日常的な支え合い活動の体制づくりの立ち上げに対する支援ということになっています。今回、市町村から協議が上がっている多くは、本事業を活用して要援護者マップ、要援護者と申しますと、高齢者、障害者、乳幼児、妊婦、ときには外国人を含むとされておりますが、これらの状況を、災害時のマップ、台帳を作成しまして、地域における見守りのネットワークの構築等に取り組むというものが多くございます。という趣旨から、要支援の方々の介護保険サービス、介護予防サービスとか、こちらのほうを減らそうという趣旨とか、そのようなものは直接には結びつかないのではないかと考えております。
 以上でございます。
◯安藤委員
 結びつこうが結びつかないであろうが、やはり高齢者にとって安心して生きていけることのできる地域ということが重要なわけで、そういう意味から、県としては、市町村がどのような体制、高齢者にどう目配せできているのかということについては、ぜひ連携して体制を構築していただきたいと思います。ただ、介護保険の改悪については、ぜひそうした高齢者を守るという立場からも、介護保険の後退については声を上げていただきたいと思っております。