2011.10.06: 平成23年度環境厚生委員会 抜粋 本文(質疑8)
 次の質問ですが、高齢者虐待についてです。私のところにも時々、高齢者の方に対する、これは虐待と言えるのではないかというような相談が時々舞い込みます。あってはならないことですが、現実的には認知症の高齢者に対して、周りの方が虐待と思われるような対応をしているという実態もあると聞いています。
 そこで伺いたいと思います。高齢者の虐待について、県はどのように実態を把握しているのかお伺いします。
◯伊藤高齢福祉保険課長
 お答えします。
 県内における高齢者虐待の状況等については、毎年度、厚生労働省からの通知に基づき実施しております高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律、いわゆる高齢者虐待防止法に基づく対応状況等に関する調査における各市町村からの報告により把握しているところです。なお、養介護施設従事者等による虐待については、高齢者虐待防止法の規定により、市町村が通報や届け出を受けた場合、その虐待の状況を県に報告することとなっております。
 以上です。
◯安藤委員
 ちょっと聞き漏らしたかもしれませんが、養介護施設従事者による虐待の場合と、在宅において家族や、あるいは違う方からの虐待というケースがあるかと思いますが、両方の場合、すべて市町村に通告という体制になっているんでしょうか。
◯伊藤高齢福祉保険課長
 高齢者虐待につきましては、委員おっしゃるとおり、1つとしては在宅での養護者、もう一つとしては養介護施設等従事者、この2つに大別されることです。答弁の繰り返しになりますが、1つとして養護者の虐待防止につきましては、各市町村からの、厚労省からの通知に基づく報告により把握しており、養介護施設従事者等の虐待につきましては、市町村が通報や届け出を受けた場合、その虐待の状況を県に報告すると、いわゆる通知に基づく報告は年1回でございますが、養介護施設従事者につきましては、その都度、報告していただくということになります。
◯安藤委員
 県が把握しているその実態についても教えていただきたいんですが。
◯伊藤高齢福祉保険課長
 平成21年度でございますが、この年の県内の高齢者虐待の状況は、養介護施設等従事者等による虐待について、これについては3件の相談通報があり、うち、虐待を受けたと判断した事例は1件でございました。一方、養護者による虐待につきましては、相談、通報件数が283件でございました。そのうち、事実確認、調査等により虐待を受けたと判断した事例は、21年度208件でございました。
 加えます。失礼いたしました。それから、21年度の208件の内訳を見ますと、虐待の種別、類型では、身体的虐待が約61%と最も多く、次いで心理的虐待が56%、経済的虐待46%、介護等放棄が21%となっております。また、被虐待者の性別でいいますと、女性が164人で約80%となっており、虐待する側の者としては息子である場合が44%、夫が19%となっているところです。
 以上です。
◯安藤委員
 今のお話によれば、施設の従事者からの虐待も3件通報があって、そのうち1件が実際に行われていただろうということのようですが、こういう事例があること自体、本当に悲しいことなわけですが、実際には、多分、もっとあるのではないかなという気もしています。それから、また、在宅の養護者によっての虐待も283件の通報があって、実際にあったのが150件。
◯安藤委員
 済みません、もう一度、確認させていただきます。
 283件のうち、実際に虐待と認められた件数をもう一度、済みません、お願いします。
◯伊藤高齢福祉保険課長
 先ほどの説明がわかりにくい説明で申しわけございませんでした。
 283件の相談通報件数に対して、事実確認、調査等により虐待を受けたと判断した事例は208件でございます。
◯安藤委員
 208件、在宅では確認されたということで、こうした事態を放置させるわけにはいかないわけですが、虐待と認知されたような事例が生じたときには、どのような対応をするのか伺います。
◯伊藤高齢福祉保険課長
 高齢者虐待の対応等については、第一義的に市町村が行うことになっており、県では、それに対する側面的支援を行っているところでございます。
◯安藤委員
 側面的な支援ということなわけですが、もう少し具体的に、具体的には市町村が対応するんだと思いますが、連携もすると思いますので、例えば施設で発生した場合はどう対応し、在宅でそういう事態があったときにはどのような対応をして解決を図っていくのか、済みません、もう少し踏み込んだ答弁をお願いします。
◯伊藤高齢福祉保険課長
 県では、平成20年度に高齢者虐待防止・支援マニュアルと高齢者虐待対応事例集のそれぞれの改訂版を作成いたしまして、各市町村に配布し、県のホームページにも掲載したほか、毎年度、市町村や地域包括支援センターの職員等を対象に、高齢者虐待防止に関する研修会を開催し、市町村における高齢者虐待対応への支援を行ってまいりました。また、高齢者虐待防止読本やパンフレットの作成・配布、高齢者虐待防止シンポジウムの開催やラジオ放送を通じての高齢者虐待防止に関する啓発などを行って、一般県民を含めて広く高齢者虐待防止に関する理解の促進に努めてきたところでございます。今後も研修会の実施や県の広報活動等を通じて、市町村の高齢者虐待対応への支援、高齢者虐待防止に向けての啓発を進めていくこととしております。
 一方で、施設における虐待等につきましては、通報相談等がございましたときには、実態調査をするために、老人福祉法、それから介護保険法による施設の立入調査、あるいは開設者を呼んでの指導といいますか、そういうこともあわせて行っていくことになります。
 以上でございます。
◯安藤委員
 そうした側面からの県としての支援を十分行って、虐待が確認されたときには速やかに高齢者の方が安心して生活できるような対応を講じていただきたいと思います。そして、今、虐待防止のための対策についてもいろいろお話いただきましたので、その対策についても、きちんと功を奏するように頑張っていただきたいと思います。そして、また、これは市町村との連携も重要な課題ですので、十分連携をとって、虐待防止に向けて力を入れていただきたいと思います。
 以上で終わります。