2011.12.06: 平成23年度環境厚生委員会 抜粋 本文(質疑2)
◯越前委員長
 次に、陳情受理番号第5号「ヒブ・小児用肺炎球菌・子宮頸がん、水痘・おたふくかぜ各ワクチンの公費負担を求める陳情書」を審査いたします。
 本陳情について、執行部の説明を求めます。──江浪健康福祉部長。
◯江浪健康福祉部長
 それでは、青森市新町2丁目8−21、青森県小児科医会工藤協志会長から提出されております受理番号第5号「ヒブ・小児用肺炎球菌・子宮頸がん、水痘・おたふくかぜ各ワクチンの公費負担を求める陳情書」に関しまして、御説明を申し上げます。
 まず、陳情事項でございますけれども、ヒブ・小児用肺炎球菌・子宮頸がんワクチンについては平成24年度以降も引き続き、水痘・おたふくかぜワクチンについては新規に、公費負担により接種を行うよう国に対して求めることとなっております。
 ヒブ、小児肺炎球菌、子宮頸がん、水痘、おたふくかぜの5つの疾病に係る予防ワクチンに関しましては、いずれも現行の予防接種法上、定期接種とはされておりません。厚生科学審議会感染症分科会の予防接種部会におきまして、定期接種移行への可否などにつきまして審議がされているという状況でございます。
 まず、ヒブ・小児用肺炎球菌・子宮頸がんワクチンの3つのワクチンにつきましては、同部会から「予防接種法上の定期接種に位置づける方向で急ぎ検討すべき」との提言があったことから、これを受けまして、国では平成22年11月から緊急総合経済対策の一環としまして、子宮頸がん等ワクチン緊急促進臨時特例交付金事業を実施しているところでございます。
 この事業は、国からの交付金を財源といたしまして県に基金を設置し、市町村が実施する接種事業に対しまして県が助成をするというものですが、実施期間が平成23年度末までとなっております。このため、県では去る11月に、環境厚生委員長とともに基金事業の実施期間の延長、早期の定期接種化及び十分な財政措置を講ずること、これを国に対して要望させていただいたところでございます。
 次に、水痘・おたふくかぜワクチンの2つのワクチンについては、さきの3つのワクチンのような緊急措置としての事業は行っておらず、また、定期接種に向けての審議はされているものの、具体的な方向性は示されていない状況であります。
 県では、これまで全国衛生部長会を通じまして、国に対しまして、今回陳情にある5つのワクチン、これを含みます現在予防接種部会で検討されているワクチン、これの定期接種化及び被接種者が安心して予防接種が受けられるような環境整備などにつきまして要望してきたというところでございまして、今後ともさまざまな機会をとらえ、国に強く要望してまいりたいと考えているところでございます。
◯安藤委員
 私も賛成の立場で意見を述べます。
 WHOでは、日本が定期接種にしている予防接種のほか、B型肝炎、ヒブ、小児用肺炎球菌、ロタウイルス、水疱瘡、おたふく、子宮頸がん予防ワクチンを含む6種を推奨しています。先進国は、これらのほとんどを公費で接種していますが、日本では個人が責任を持つ任意接種です。ヒブ、小児用肺炎球菌、子宮頸がんワクチンは補助がつきましたが、まだ定期接種にはなっていません。保険制度が整っていて、医者もいるのに、これほど定期接種が少ないのは日本くらいです。世界の情勢や学会の意見を受けとめ、予防接種の行政に反映する政治のシステムが必要だと考えます。
 2012年度3月までの補正予算がつき、日本でもようやく受けられるようになったヒブや小児用肺炎球菌ワクチンは、乳幼児にとって最も重い病気である髄膜炎のほとんどを防ぐことができます。年間数十人の子供たちがこれらの感染症で命を落とし、その数倍の子供たちが後遺症に苦しめられています。群馬県の高崎中央病院の調査では、公費補助がつく前、1回1万円を超えるワクチンを国保世帯はほとんど受けていませんでした。助成が始まった2011年2月からは、国保世代でも待っていたかのように接種が始まったことがわかりました。ヒブ、小児用肺炎球菌、子宮頸がん予防の3ワクチンを今さら後退させることは許されません。日本医師会や日本小児科学会も不活化ポリオワクチンの早期導入と任意ワクチン接種の公費助成を求めています。ワクチンで防げる感染症はワクチンで防ぐというのが世界の常識です。必要な予防接種はすべて定期接種に位置づけ、自己負担なしにすることが大切だと思います。
 今回、青森県小児科医会から出されたこの陳情は、ぜひ採択をして、国にこの声を上げていただきたいと思います。
◯越前委員長
 ほかに御意見等ありませんか。
 [「なし」と呼ぶ者あり]
 それでは、陳情受理番号第5号は、趣旨を了として採択とすることに御異議ございませんか。
 [「異議なし」と呼ぶ者あり]
 御異議なしと認め、そのように決定いたしました。