2012.01.20: 平成23年度環境厚生委員会 抜粋 本文(質疑4)
次の質問ですが、盲導犬の普及について、質問させていただきます。
 実は去年、塩竈市で東日本大震災による被災を受けた方で、全盲の方がおりまして、この方が盲導犬を利用されている方でした。被災されてから困難な生活が続いたわけですが、この盲導犬によって救われたということも聞きました。その方からいただいたのが、「僕たち盲導犬は待っています」という盲導犬を育成するための呼びかけのリーフレットでした。これで初めて知ったんですが、盲導犬の育成費用は募金と寄附で賄われているということでして、本当に国民一人一人の思いで、盲導犬は育てられているということを知りました。私も協力させていただいています。
 この中に、私が知り合いました女性がこんなふうに書いています。私は、盲導犬のニコが来てから、人生が変わりました。買い物や通院、学校訪問、趣味の川柳の句会など、自由の翼を手に入れました。ニコのおかげで、毎日にこにこ笑顔です。仙台訓練センターの愛称スマイルワンそのものの幸せな生活を送れることに感謝する毎日です。これも、支援してくださる皆様のおかげです。ありがとうございますというメッセージが寄せられておりました。
 改めて、盲導犬について意識を高めているところですが、そこで、県内の状況について伺いたいと思います。県内における盲導犬の普及状況について伺います。
◯工藤障害福祉課長
 県内における盲導犬の普及状況について、お答えします。
 平成20年度末では3頭でありましたが、その後に1頭ずつふえまして、22年度末現在では4市町で5頭が活動しておりましたが、平成23年12月に1頭死亡しまして、現在は4市町で4頭が活躍しています。
 なお、現在、1頭、県内で活動するべく、盲導犬の訓練を受けているところでございます。
◯安藤委員
 盲導犬を活用できる方々の人数というのは、どのくらいあるのかということをお聞きしたいんですが、対象となるのは、視覚障害1級とお聞きしていますが、その方たちが全員、希望するとは限らないということでもあるわけですが、盲導犬を一応、受け入れることのできる条件である視覚障害1級という方ですが、県内でどのくらいいらっしゃるんでしょうか。
◯工藤障害福祉課長
 お答えします。
 平成23年3月31日現在ですが、対象になる方が1,574名いらっしゃいます。
◯安藤委員
 対象となる方が1,574人もいた中で、現在、4頭しか活用されていないということは、とても寂しい数だと思います。先ほどメッセージを読ませていただいたように、盲導犬によって、視力障害者の方の生活の範囲が広がって、人生が豊かになるということでもあるので、ぜひこの普及を広げていただきたいと思います。
 隣の秋田県では、もう少し多くて、17頭活用されているということです。報道によりますと、青森県の人口10万人当たりの盲導犬普及率は、全国最下位とのことです。盲導犬の普及がおくれている要因をどう認識し、今後、盲導犬の普及を拡充するために、どのような検討をしているのか、伺います。
◯工藤障害福祉課長
 お答えします。
 社会福祉法人日本盲人社会福祉施設協議会がまとめた平成22年度末現在の盲導犬の実働頭数報告によりますと、都道府県別盲導犬の活動頭数で、本県は下から3番目、人口当たりでは全国最下位となっております。
 本県において、活動頭数が少ない理由としましては、盲導犬の存在、利用制度の周知が不足していることも、一因と考えられます。
 県ではこれまで、身体障害者の就労等社会活動への参加を促進し、その福祉の増進を図るため、視覚障害、肢体不自由、聴覚障害により、日常生活に著しい障害のある身体障害者に対して、盲導犬を含めた身体障害者補助犬を貸与する身体障害者補助犬貸与事業を実施しており、これまで、貸与を希望する方には貸与を実施しており、今年度も1人を貸与候補者に決定しているところです。
 視覚障害者の方への普及啓発については、視覚障害者情報センターにおいて、利用者に随時、盲導犬に関する情報を提供しているほか、申請の窓口となる市町村においても、障害者手帳交付時に制度の周知を図るなどの活動を行っていると伺っております。また、視覚障害者当事者団体でも、会員に対し、随時、情報を提供していると伺っております。
 一般県民への啓発については、コンビニにチラシを配布して情報提供を行っているほか、視覚障害者情報センターでは、小中学生と盲導犬が触れ合う活動を実施しているなど、啓発に努めてきたところでございます。
 今後とも、県の広報媒体を活用するなど、盲導犬に関する普及啓発をさらに進めていきたいと考えております。
安藤委員
 利用できる条件があっても、そういう周知が不十分ということもあるようですが、金銭的なところでの負担は、どのような状況になるんでしょうか。
◯工藤障害福祉課長
 お答えします。
 利用者の負担についてですが、補助犬を訓練する経費については、県が全額負担します。ちなみに、本年度の予算額で200万円です。また、補助犬訓練施設において、その貸与候補者が訓練を受ける場合の交通費とか食費等の経費とか、あと貸与を受けました補助犬の飼育その他の管理費用、えさ代とか予防接種経費については、利用者の負担になります。
◯安藤委員
 予算が200万円ということですが、これは1頭分ですか、何頭分の予算を一応組んでいるのかということと、利用者が訓練施設に行って、訓練を受けるということや、補助犬、盲導犬に対する飼育のための費用とかということですが、飼育についてはさておいて、それを利用するまでの訓練にかかる、当事者がかかる費用は、おおむねどのくらいになるんでしょうか。

◯工藤障害福祉課長
 お答えします。
 訓練を受ける場合の交通費、食費とお答えしましたが、仙台で訓練を受ける場合、食費については、基本的に特にかかりません。交通費については、ここですと、一番近いのが仙台でございますので、仙台までの交通費。
 最初の質問の200万円ですが、1頭分でございます。
◯安藤委員
 1頭分ということですが、ぜひ周知も広げて、せめて毎年5頭ぐらい活用できるように、一度には少し多いでしょうか。ぜひ盲導犬がまちのあちらこちらで見られるような状況をつくっていただきたいと思います。県としても、さらにやれることは何なのか。周知も含めて、ぜひ検討を深めていただきたいと思います。