2012.01.20: 平成23年度環境厚生委員会 抜粋 本文(質疑7)
 次は、ガラス固化の試験についてです。
 日本原燃株式会社は、ガラス溶融炉B系列の事前確認試験に向け、1月10日に熱上げを開始しましたが、事前確認試験の開始時期はいつごろになるのか、スケジュールを伺いたいと思います。
◯工藤原子力安全対策課長
 事前確認試験の開始時期のスケジュールでございますが、日本原燃株式会社からは、熱上げ完了には約2週間程度要する見通しである、熱上げ完了後は、最初に模擬ビーズを用いたガラス固化設備の作動確認を実施し、その後、模擬廃液を供給して事前確認試験に着手する計画であるということで、事前確認試験の開始は、1月下旬から2月上旬となる見通しであるとの説明を受けております。
◯安藤委員
 今話されました計画でいきますと、当初、日本原燃が立てていたスケジュール、大震災が起きる前に立てていた基本的な考え方というのを改めて見ましたら、2010年9月以降の作業として、セル内機器点検改造工事に約1年、A系溶融炉内残留物除去に約3カ月、ガラス固化試験に約1年の期間を確保することとしたとされています。
 日本原燃が、新たなスケジュールとして熱上げを開始したわけですが、当初の計画では、B系のガラス溶融炉事前確認試験、それからA系のガラス溶融炉事前確認試験というのは、2011年度内、要するにことしの3月までを目途にやり上げて、そして4月から、その後のガラス固化試験に移っていくという予定になっていましたので、今から熱上げをして開始するということで、当初の予定のことしの10月までというところの目標というのは、前の計画を見ても、不可能なのではないかと思いますが、県としてはこの問題について、どのように受けとめておられるのでしょうか。
◯工藤原子力安全対策課長
 スケジュールについてでございますが、日本原燃におきましても、スケジュール的には相当厳しくなっているということを認識しているようですが、現時点では、まだ本年の10月竣工という目標はかえずに、目標に向かっているとしております。
 県としては、スケジュールにとらわれず、安全第一に進めていただければと考えています。
◯安藤委員
 もちろん、安全が第一ということを繰り返してきた以上、そういう姿勢には変わりないと思いますが、会社の姿勢として、不可能に近い目標を、あくまでも目標だといって開始するのは、いかがなものだろうかと思うわけです。
 今回も今年の10月には竣工すると、これはもう最後の延期だと繰り返してきたわけで、2012年10月というのは、ほぼ不可能に近いという状況下で、それならそれなりに、会社の姿勢をきちんと示すべきだと思うのですが、こうした会社の姿勢について、どのように考えているんでしょうか。
◯工藤原子力安全対策課長
 まず、ことしの10月竣工予定という話を2年前に計画変更しております。そのときには、まだ震災というようなことは想定していなかったわけですので、多少スケジュールは厳しくなっているというのは、これは事実だと思いますけれども、これから事前確認試験等を始めていって、どれだけその工程が煮詰まっていくのか、実際どれだけになるのかというのは、これからわかってくるんだと思います。ある程度、見通しが立った時点で、もし工程を変更する必要があるのであれば、そのような対応をなさるだろうと思っております。
 まだ、10月が無理だというような話は承っておりません。
◯安藤委員
 もう一つの角度からなんですが、これは日本原燃も事故後、記者会見などで言っていたことだと思うんですが、熱上げをし、ガラス固化の試験をしていくということは、かなりの熱量を使うということで、今のこうした現状下で試験を進めることは、ふさわしくないということを述べていたときもあるかと思うんですが、そういう条件というのは変わりないわけで、この固化試験をするに当たって、電力をかなり使われると思われますが、こうした点についての日本原燃の考え方というか、県とこの点についてのやりとりということは、なされていないんでしょうか。
◯工藤原子力安全対策課長
 消費電力につきましては、詳しくは説明は受けてございませんが、夏場が、やはり冷却で電力を使うということで、冬場は夏場に比べて、電力は使わないというような説明は受けているところです。
◯安藤委員
 スケジュール等、今ここで聞いたわけですけれども、いずれにしても、熱上げを開始して、そして試験の再開を強行したということについては、福島原発の事故検証の最終結論も出ていない中で、そしてまた核燃料サイクル政策そのものも、国で検討に入っている時点で、試験再開に踏み切るということは、こうした国の姿勢を無視することであり、県民の間で不信感、大きな怒りの声も上がっています。こういうことを踏まえて、県は今後、対応をするべきだと考えておりますので、この点については強調させていただきたいと思います。