2012.02.21: 平成23年度環境厚生委員会 抜粋 本文(質疑8)
 次の質問です。県境産廃撤去についてです。
 先般新聞にも報じられていましたが、県境産廃撤去量は、天候、震災で下方修正との報道がありましたが、本年度の撤去状況と今後の見込みについて伺います。
◯北沢県境再生対策室長
 まず、今年度の県境産廃の撤去状況についてでございますが、春先にPCB使用廃コンデンサが出てきたことへの対応ですとか、東日本大震災によります一部処理施設の被災によりまして、年度当初の搬出開始がおくれたことがまず1つございます。また、今年度は例年を上回る雪代、それから降雨がございまして、これに加えて、台風15号による豪雨のために浸出水の貯留量が増加いたしまして、その減少を図るために現場内をシートで全面キャッピングしたことなどにより、撤去作業を一時縮小、休止したという状況がございました。
 こういうことから撤去作業が滞っておりまして、少し難儀をしておりましたが、10月下旬以降につきましては、水処理施設に砂ろ過施設を追加設置いたしまして、1日当たりの最大処理水量を、これまで200立方メートルであったものを250立方メートルに能力を向上させましたことで貯留量が順調に減少いたしました。そのため、その後は掘削面積を拡大して撤去作業量の回復を図ってまいったところでございます。
 次に、今後の見込みでございますが、現在は例年並みのペースで撤去作業を行っているものの、ただいま申し上げましたような事情から今年度の撤去量は15万トン程度ということで、今年度の撤去目標でございます22万3,000トンをかなり下回る見込みでございます。
 しかしながら、来年度、平成24年度の撤去目標量が15万6,000トンとなっておりまして、これまでの実績に基づく年間の処理可能量、大体23万トン程度の実績がございますが、これと比較いたしまして余裕がございますので、今年度目標を下回った廃棄物につきましては、平成24年度中に撤去が可能であろうかと考えてございます。したがって、予定どおり平成25年度には廃棄物等の撤去を完了する予定となっております。
◯安藤委員
 今年度分を来年度以降に持ち越しても余裕があるから大丈夫だということですが、天候だとか、また同じような事象が起きないことを願っていますけれども、今年度分の処理がスムーズに来年度以降にやられるようにしていただければと思います。
 それで、最初のほうの答弁で、能力の向上を図ったというお答えがありましたが、具体的にどういうことを指しているんでしょうか。
◯北沢県境再生対策室長
 能力の向上についてでございますが、これは、浸出水処理施設でございます。現場のごみを通した水につきまして、それをきれいにする施設でございますが、この能力を向上させたということでございまして、浸出水処理施設に追加設置、先ほども少し説明いたしましたが、追加設置いたしました砂ろ過施設につきましては、これは日本原料株式会社が製造した製品でございまして、浸出水処理施設のSS、SSというのは浮遊物質です。濁りになっているような物質の除去工程の補強のために、凝集膜ろ過施設という施設が既にございますが、これと同じ働きをしますので、これに並列して設置いたしまして、平成23年の10月11日から稼働させております。
 当該施設につきましては、ろ剤にアンスラサイトと言われる粒状に破砕した無煙炭と、それからろ過砂を使用しておりまして、汚染水の処理能力をこの設置によりまして1日当たり50立方メートルで稼働させることによりまして、現行の凝集膜のろ過施設の処理能力でございます200立方メートル日量と合わせてトータルで250立方メートルの汚染水処理を行えるようになったということでございます。
◯安藤委員
 その新しい砂ろ過装置というものも並行してずっと稼働しているという理解でよろしいですか。
◯北沢県境再生対策室長
 これはあくまで、今回、災害等いろいろな状況が重なった中で、あくまで臨時的に入れたものではございますが、入れるに当たって、使用する期間を考慮しますと、リースで対応するより買い取ったほうが安くつくことがわかったので、まずは買い取りで一応入れております。その関係で、あくまで臨時的なものではございますが、その運用するコストというのは、非常に安いコストで運用できますので、必要に応じて今後また使えるように備えつけておくことになるかと思います。