2012.03.21: 平成23年度環境厚生委員会 抜粋 本文(質疑7)
 もう1点、質問が残っています。
 県立つくしが丘病院における児童青年期医療について伺います。
 平成21年9月に改修・改築工事を終え、230床体制になり、県内初の児童青年期病床も整ったと聞いています。
 私の周りにも不登校や引きこもりなどの事例をよく聞きます。親御さんの苦悩は大変大きいものがあります。子供の心の問題は極めて重要で、教育・保健・福祉・医療など、多方面にかかわる課題だと考えます。
 そうした中、当病院運営の特色の中に児童青年期医療を掲げるなど、医療の面からこれに対して取り組むことを特徴としておりますので、次の質問をさせていただきます。
 児童青年期医療に対するこれまでの取り組み内容について伺います。
◯角谷病院局経営企画室長
 児童青年期医療に対するこれまでの取り組み内容について、お答えいたします。
 児童青年期医療とは、おおむね18歳未満の精神障害に基づく不登校、摂食障害、引きこもり、家庭内暴力などを主たる対象とした専門的治療を言います。
 県立つくしが丘病院におきましては、平成20年4月から、非常勤の児童青年期専門医師により、週1回の予約制による児童青年期外来を開設し、平成21年4月からは常勤の専門医師を確保し、外来診療を実施しております。
 また、入院医療につきましては、平成21年3月に完成した精神科急性期治療病棟、これはB病棟ということですけれども、B病棟の50床内に児童青年期病棟10床をすべて個室として整備して、平成21年度から運営を行っているところです。
◯安藤委員
 児童青年期の外来患者数及び入院患者数の動向について伺います。
◯角谷病院局経営企画室長
 児童青年期の外来患者数、それから入院患者数の動向について、お答えいたします。
 外来の延べ患者数につきましては、平成20年度は新患が38名、再来が156名、計194名、平成21年度は新患が150名、再来が1,367名、計1,517名、平成22年度は新患が147名、再来が1,933名、計2,080名と、患者数が増大しているところでございます。
 一方、入院の延べ患者数につきましては、平成21年度は1,901名、平成22年度は2,760名、平成23年度は平成24年2月までのデータでございますが2,718名と、増加している状況にございます。
◯安藤委員
 非常に多くの患者さんが利用されているということは、今の数字を聞いて改めてびっくりしました。それだけ期待されていることと言ってもいいのではないかと思います。
 児童青年期患者のうち、発達障害に関する患者はどの程度おられるのでしょうか。
◯角谷病院局経営企画室長
 児童青年期患者のうち、発達障害の患者さんの数でございます。
 県立つくしが丘病院における発達障害に関する患者数を取りまとめた数字はありませんが、児童青年期医療の患者さんについて、直近であります平成24年2月の1カ月間の外来患者について確認したところ、学習障害、いわゆるLDになりますけれども、学習障害や注意欠陥・多動性障害などを含む広汎性発達障害としては、児童青年期外来実患者実数の全体の25%程度となっております。なお、現在、発達障害で入院している患者さんはおりません。
◯安藤委員
 発達障害の方たちも患者さんの中にはいらっしゃるということで、多分いろいろ複合しているということだというふうに理解いたします。
 児童青年期医療に対する今後の取り組み方針について伺いたいと思います。
◯角谷病院局経営企画室長
 今後の取り組み方針についてでございます。
 県立つくしが丘病院では、本県の児童青年期医療の中核施設として専門医の確保を行うなど対応を強化してきたことから、外来を中心に患者数が増加しています。
 今後は、児童青年期医療では特に必要となる心理検査の実施等で、医師をサポートするコメディカルの役割が重要であることから、現在1名配置されている常勤の臨床心理士のほか、非常勤臨床心理士1名で対応しているほか、平成25年度からは、常勤臨床心理士を複数配置することとしております。
◯安藤委員
 こういう体制をとり、多くの患者さんたちを受け入れているということに、大変意義が深いものだというふうに思います。
 県立つくしが丘病院においては、児童青年期医療に力を入れてきているわけですが、悩みを抱える県民の方が大変ふえているというのが現状ですので、児童青年期医療について県民への周知をぜひ図っていただき、そういう悩みのある方たちが、こういう場所もあるということを知っていただくことが重要だと思っています。周知についてどのようにされているのか伺います。
◯角谷病院局経営企画室長
 児童青年期医療の運営の周知について、お答えいたします。
 児童青年期医療については、診療案内等においても児童・青年期外来として、一般の精神科の診療とは別に、予約・診療の日時を掲示しているほか、ホームページやパンフレットなどの印刷物に掲載し、周知を図っているところです。
 また、県立つくしが丘病院は、外来のみではなく、児童青年期病床も有していることから、医療連携室を中心に、関係医療機関・施設等に対しての周知も図っています。この結果、患者さんの直接の来院のみではなく、他医療機関、学校、福祉施設からの紹介による患者さんも増加しているところです。
 しかしながら、県内すべての児童青年期医療に県立つくしが丘病院のみで対応することは難しいことから、今後とも関係医療・福祉機関との連携、業務分担を密にして対応してまいりたいと考えております。
◯安藤委員
 児童青年期の患者さんたちが早く治療に入って、早くよくなる方向が一番望ましいと思います。今お話しされたような他の医療機関との連携も図っているというお話ですので、ぜひ県内の児童青年期にこうした疾患にかかっている方たちに対して、治療機関としての充実をさらに図っていただきたいと思いますので、要望して終わります。