2012.5.21: 平成24年度農林水産委員会 抜粋 本文(質疑1)
○開 会  午前11時3分

◯小桧山委員長
 ただいまから農林水産常任委員会を開催いたします。
 慣例により、会議の記録署名委員を指名いたします。成田委員、安藤委員にお願いいたします。
 本日の審査案件は、特定付託案件であります。
 初めに、執行部より報告事項があります。──渋谷農林水産部長。
◯渋谷農林水産部長
 それでは、私のほうから報告事項4件について御説明いたします。
 最初に、県産農林水産物における放射性物質の調査状況についてであります。
 1、県産農林水産物の放射性物質モニタリング調査、(1)県が実施している県産農林水産物の放射性物質モニタリング調査は、表にありますとおり、5月17日現在で28品目、57件を調査した結果、すべてから放射性セシウムは検出されておりません。
 (2)国が県及び業界と連携して実施している調査は、5月14日現在で20品目、41件を調査した結果、4品目、8件から基準値を大幅に下回る微量の放射性セシウムが検出されております。
 2、県が実施している牛肉の全頭検査は、5月15日現在で2,654件を調査し、すべての検体から放射性物質は検出されておりません。
 3、上記調査以外の農林水産物関係の調査では、健康福祉部保健衛生課が産直施設等で販売されている野生の山菜及びキノコの11品目、17件を収去して調査した結果、すべての検体から放射性物質は検出されておりません。
 次に、農作物の生育と農作業の進ちょく状況等についてであります。
 1、これまでの気象経過と今後の見通し、(1)青森市の4月から5月前半の気象経過であります。平均気温は、平年と比べ、4月は1.1度下回り、5月前半は0.1度上回った。日照時間は、4月は100%と平年並、5月前半は70%と下回った。降水量は、平年と比べ、4月は110%、5月前半は101%上回った。主な農業用ダムとため池の貯水状況は、5月17日現在で平年を上回っている。(2)今後の見通しであります。仙台管区気象台が5月18日に発表した東北地方の1カ月予報によりますと、平均気温は平年より高く、降水量は平年並か少なく、日照時間は平年並か多いと予想されております。
 次に、2番、農作物の生育や農作業の進ちょく状況と今後の対策であります。
 水稲、農作業の状況は、県全体の5月15日現在の田植進ちょく状況は2%となっております。今後の対策は、田植は、温暖な日を選び、5月25日頃までに終える。田植後は、天候に応じた水管理を徹底し、苗の活着と生育の促進が図られるよう指導してまいります。
 畑作・野菜・花きでございます。生育と農作業の状況、1)小麦は、草丈が平年を下回り、幼穂形成期も平年より2〜3週間遅れた。雪腐病の発生が全般にみられ、特に消雪遅れのほ場で発生程度が高い。2)にんにくは、草丈、葉数、茎径──茎の直径でございます、ともに平年を下回り、りん片分化期も6日から10日遅れた。4)メロンの定植作業は、最盛期が平年より7日遅れの5月9日頃であった。2番、今後の対策であります。1)小麦は、うどんこ病、赤かび病の防除を、2)ニンニクは、春腐病、それからさび病の防除を徹底する。
 次、リンゴ等果樹でございます。生育の状況、1)果樹全般は、気温が高めに推移したため、遅れていた生育は回復に向かっている。2)リンゴ「ふじ」の満開日は、黒石では5月15日で平年より1日遅く、五戸では5月17日で平年より2日遅かった。3)桜桃「佐藤錦」の落花日は、黒石、五戸がともに5月14日で平年より1日早かった。(2)今後の対策であります。1)雪害を受けた園地では、樹体回復や結実確保に万全を期す。2)気象情報に十分注意し、危険と考えられる場合は霜害防止対策を必ず行う。3)高品質果実生産と翌年の花芽形成のため、摘花・摘果剤を活用するなど、早期に適正な着果量を確保する。
 飼料作物、作業の状況、1)牧草の草丈は、5月10日現在、平年比86%となっている。今後の対策です。消雪遅れの影響で1番草の減収が懸念されるが、遅刈りは栄養値や年間収量の低下につながるので、収穫は適期の出穂期から開花始めまでに終了する。
 続きまして、県産農産物の販売動向についてであります。
 1、野菜でございます。5月上旬、東京都中央卸売市場での価格でございます。表1にありますとおり、ナガイモは、市場全体の入荷量が少ないことから、過去5カ年平均に比べると140%と高値安定になっております。ニンニクは、豊作基調のため市場全体の入荷量がかなり多いことから、過去5カ年平均に比べると71%となっております。ゴボウは、本県産の春堀ものの入荷量が多くなったことから下降傾向にあり、過去5カ年平均に比べると100%となっております。
 リンゴについては、市場全体の入荷量が少なかったことから、価格高が続いており、過去5カ年平均に比べると141%となっております。
 3、子牛、黒毛和種の子牛価格は、購買者数が少なかったことから、過去5カ年平均に比べると95%となっております。
 最後に、最近の漁模様についてであります。
 1、4月の主要魚種の動向、(1)アブラツノザメは、日本海で好調、津軽海峡で平年並みに推移した。(2)ヤリイカは、日本海と津軽海峡で低調に推移した。(4)マダイは、日本海で好調に推移した。
 2、沿岸水温です。5月11日から15日までの半旬平均気温(後刻「半旬月水温」に訂正)は、日本海と津軽海峡及び太平洋で平年並み、陸奥湾ではやや低めとなっております。
 3、その他、(2)陸奥湾のホタテガイ養殖、全湾でホタテガイの産卵が終了し、ラーバの発生が進んでおり、採苗器の投入を開始するよう指導した。(3)八戸港の水揚げ、下段のほうでございます、1月から4月までの累計水量は1万2,728トンで、前年同期累計より16%減、累計金額では30億9,632万円で23%減となった。その主な要因としては、太平洋アカイカの水揚げが減少したことが挙げられております。
 先ほど2番の沿岸水温のところで半旬月水温を気温と言いましたけれども、半旬月水温でございますので、訂正させていただきます。
◯小桧山委員長
 ただいまの報告事項及び特定付託案件について質疑を行います。
 質疑は所管外にわたらないようにお願いします。
 なお、答弁者は、挙手の上、「委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。
 質疑はありませんか。──安藤委員。
◯安藤委員
 最初に、今春の融雪による農地及び農業用施設への被害について伺います。
 3月30日から31日にかけて降りました雨、そして融雪によって被害がかなりのところで出ていると聞いております。最初に、被害状況について伺います。
◯北林農村整備課長
 被害状況でございますけれども、今春の融雪により、3月末から5月上旬にかけて、青森市を初めとする津軽地方の5市におきまして、農地では、りんご園地や水田の崩壊11カ所、農業用施設では、農道の破損や水路の土砂堆積などで5カ所が被害を受けました。
◯安藤委員
 今、お話ありました被害状況の具体的な被害額などについては市町村別に見るとどうでしょうか。
◯北林農村整備課長
 被害額でございますが、青森市で300万円、弘前市で850万円、黒石市で910万円、平川市で1,630万円、五所川原市で150万円、計3,840万円となっております。
◯安藤委員
 今のお話によりますと、平川市の1,630万円が市町村別に見ると額が非常に大きいということですが、今のは全体の被害額ですが、農地に特定すると被害の大きかったところはどこでしょうか。
◯北林農村整備課長
 農地の被害金額が一番大きいものは平川市の1,630万円となっております。
◯安藤委員
 1,630万円ということですが、それは何件の被害でしょうか。それで、その中でも最も大きかった被害額はどこでしょうか。
◯北林農村整備課長
 平川市では3件ございまして、被害額が一番大きいものは1,000万円となっております。
◯安藤委員
 それでは、これらの被害への対応状況について伺います。
◯北林農村整備課長
 被害への対応状況でございますが、いずれの被害においても国が定めた災害復旧事業としての基準に達していないため、各市において単独事業で対応することと聞いており、一部では崩落した土砂の排土などに着手しているところもあります。
 県では、市の被害報告後、速やかに現地を確認し、早期の復旧に向けた技術面での助言や被害拡大を防ぐための指導をしているところでございます。また、去る5月11日には、今後、災害復旧事業の基準に達する融雪災害が発生した場合の災害査定や復旧事業の予算措置等について、迅速な対応を行うよう国に要望したところです。
◯安藤委員
 市の単独事業ということでの復旧ということですが、それぞれの市でどのような補助事業が行われるかというのは、県のほうに報告があるんでしょうか。
◯北林農村整備課長
 現在のところは市の単独ということで、各市で市の財政担当と調整、あるいは関係受益者の方と調整をしていると聞いているところでございます。
◯安藤委員
 先ほどの答弁にもあったように、一番被害の大きかったところは1,000万円の被害ということですが、それに対して、市がどの程度の補助がなされるのかというのは、その具体的な数値はわからないんですが、例えば今回、災害復旧事業の対象にならなかったのは、災害復旧事業になる基準の1日の雨量が80ミリに達していなかったことが理由ということですが、今回、農地で被害があったところは、近くでは80ミリ以上降った、ちょうど警戒線に比較的近い箇所なものですから、何とかもう少し降ればと言ってはいけないですけれども、災害復旧事業の対象になるすれすれのところで国の補助を受けられないという事例ですが、全国の状況で1日の雨量が80ミリ以上降らなくても災害復旧事業の対象になったというような、条件が緩和された事例があるのかどうか伺いたいと思います。
◯北林農村整備課長
 委員御指摘のとおり、融雪災の基準は24時間当たり80ミリメートル以上の降雨量に相当する融雪量と降雨量がある場合、融雪災害に該当するということでございます。基準が緩和した事例でございますが、平成16年、新潟県の中越地震の被災地域では翌年の融雪災害の基準が緩和された事例があり、震度5弱以上の地域で、かつ融雪量が過去5カ年平均と比べ、おおむね1.5倍であった場合、災害復旧事業が認められたと聞いております。
◯安藤委員
 今回、青森県で被害が起きたところも豪雪という条件があり、そして雨量も80ミリ近いところだったということも踏まえると、新潟県、地震ということもあったわけですけれども、そういう事例もあるのですから、国に対して、場合によっては規制緩和ということも、今回の青森県の場合でも適用できないものなのか、規制を緩めて基準を緩和してほしいということをぜひ国に声を上げていただきたいと思います。これは強く要望したいと思います。
 平川市の農地の場合、私も現場を見てきたんですけれども、平成10年に地形改良事業を国や県の補助を受け、自己負担420万円で実施したそうです。その数年後の平成14年に今回と同じように融雪災害が起きまして、200万円の自己負担で復旧したそうです。今回、約10年経過したわけですが、ほぼ同じところがまた融雪災害が起きたわけです。農家の方の落胆ぶりというか、非常に大きいものがありまして、そういう農家の方たちの思いに立ったときに、平川市としての補助事業はあるかと思いますが、国の災害復旧事業の対象に、ここばかりではありませんけれども、もっていけるように、ぜひ県としても声を強力に上げていただきたいということを重ねて要望したいと思います。