2012.5.21: 平成24年度農林水産委員会 抜粋 本文(質疑4)
 次の質問ですが、農家の方といろいろとお話をする中で、近年、アライグマの被害も非常に深刻だという話を伺いました。特にスイカなどは本当にうまいぐあいに中をくり抜いて食べるそうで、つくってもつくっても被害に遭い、もうスイカづくりはあきらめたという農家の方もあるそうです。そこで、アライグマの被害というのは県内どのような状況になっているのかということをお聞きしたいと思いました。アライグマによる県内の農作物被害の状況について伺います。
◯相馬食の安全・安心推進課長
 お尋ねのありましたアライグマの農作物被害の状況についてお答えいたします。
 県が市町村からの報告をもとに取りまとめている野生鳥獣による農作物の被害状況調査では、平成18年度からアライグマによる被害が報告されています。
 平成22年度は、弘前市及び鶴田町においてスイカ、スイートコーン、桜桃など20アールの被害があり、被害額は約44万円となっています。
◯安藤委員
 44万円の被害というのは、さほどではないという感じは受けるんですが、この被害の状況というのは、十分実態が反映された被害状況かという言い方もおかしいんですが、被害があったときに報告があるわけですね。その報告というのが行き渡っているものなのか、まだまだ被害状況というのは広がる、十分、状況を調査すれば被害状況がもっと広がるのではないかという感じもするんですが、その辺についてはいかがでしょうか。
◯相馬食の安全・安心推進課長
 今の件についてですが、まず、農業者がその被害の状況を見て、これがアライグマの状況なのかどうかということがわかっていない場合もあると想定されます。それで、県では昨年度、アライグマに関する被害対策等の研修会を行っておりまして、また、連絡会議においても、関連市町村に対して情報共有等、周知しているところですので、今後、そのような被害状況、被害対策等についても、農家等に周知されていくことと思っております。
◯安藤委員
 今も若干触れられましたが、アライグマの被害を防止するためにどのような対策を講じているのか伺いたいと思います。
◯安藤委員
 今も若干触れられましたが、アライグマの被害を防止するためにどのような対策を講じているのか伺いたいと思います。
◯相馬食の安全・安心推進課長
 アライグマのように、これまで地域に生息していなかった外来生物の被害を防ぐためには、捕獲などにより生息密度の低下を図るほか、農地や人家の周辺に果実や野菜などを放置しないこと、それから魚を飼っている池などは金網で覆うこと、家屋への入り口となる壁などの穴をふさぐこと、えづけをしないこと、被害情報を共有し、監視を強化するなどの対策を地域ぐるみで進めることが重要です。
 このため、県では、昨年9月にアライグマの生体研究者を招いて、市町村担当者や農協担当者を対象とした被害防止研修会を開催し、生態や被害の特徴、被害防止対策などについて情報共有を図ったほか、その内容を農業情報誌「あおもり農業」に掲載して、農業者等へも周知したところです。
 また、弘前市では昨年度、鳥獣被害防止特別措置法に基づく鳥獣被害防止計画にアライグマ対策を盛り込み、国の鳥獣被害防止総合対策交付金を活用して、捕獲おりの整備や農業者等へ注意喚起するための発生地点マップの作成など、被害防止に向けた取り組みを展開しています。
 県としては、関係部局や市町村が連携し、今後も生息域や被害状況の把握に努めて、農業者等への情報提供を行うとともに、被害が確認された市町村に対しては、鳥獣被害防止総合対策交付金を活用した被害防止の取り組みを働きかけていくこととしております。
◯安藤委員
 被害が大きく広がっていくのを食いとめる、今、お話されました対策が功を奏するようにぜひ頑張っていただきたいと思います。
 市町村との連携も重要かと思いますが、その辺についてはどうなっているんでしょうか。
◯相馬食の安全・安心推進課長
 アライグマに限らず有害鳥獣の関係については、市町村に権限を移譲しております。それで、やはり県と市町村がまず連携して取り組まなければいけないということ、さらにこういう被害というのが、有害鳥獣というのは一つの市町村にとどまらず、やはり広域的に広がっていきますので、その辺についても県と市町村の連携が必要であると考えております。
◯安藤委員
 アライグマ、多分、一般の人が見れば、かわいいと思うし、ついえさをあげたりしたいという気分にもなるかと思うんですが、やはり農業への被害という深刻な事態もあるので、ぜひ県民の方々にもこうした情報をお知らせして対策を県民で共有していただければと思います。
 以上で終わります。