2012.6.27: 平成24年度農林水産委員会 抜粋 本文(質疑2)
◯渋谷農林水産部長
 それでは、私から報告事項4件について御説明いたします。
 最初に、県産農林水産物における放射性物質の調査状況についてでございます。
 1、放射性物質モニタリング調査、(1)が県が主体となって行った調査結果でございます。6月21日現在で51品目、178件を実施した結果、回遊魚のマダラ6件、岩手県境地域の牧草2件、十和田湖のヒメマス1件の計9件から放射性セシウムが検出されております。
 そのうち、6月19日に八戸港に水揚げされた2件のマダラが50ベクレルを超えたため、精密検査を行った結果、1件から基準値──100ベクレルでございますけれども──これを超過する116ベクレルの放射性セシウムが検出されました。このため、同日、本県太平洋海域の漁業協同組合等に出荷の自粛を要請したところでございます。
 (2)、国が主体の調査結果でございます。6月21日現在で27品目、89件を実施した結果、8品目、19件から基準値を下回る放射性セシウムが検出されております。
 2ページに行きまして、2番、牛肉についてでございます。牛肉の全頭検査については、6月21日現在で5,107件を実施した結果、すべての検体から放射性物質は検出されておりません。
 3、上記以外の農林水産関連の調査結果でございます。6月4日までに産直施設等で販売されている野生の山菜及びキノコ17品目、24件を収去して調査した結果、すべての検体から放射性物質は検出されておりません。また、放射性セシウムを含む可能性がある融雪用堆肥が散布された農地11点と、比較のため周辺の無散布農地6点の合わせて17点について放射性セシウムを測定した結果、散布農地6点、無散布農地3点の9地点から、下の表にありますとおり12から25ベクレルが検出されましたが、土壌からの移行係数──リンゴで言いますと0.001でございますけれども──この移行係数を勘案すれば作物に影響する濃度ではないと考えております。
 次に、農作物の生育と農作業の進捗状況についてでございます。
 1、これまでの気象経過と今後の見通し。気象経過。5月下旬から6月中旬の青森市の経過でございます。平均気温は平年と比べ、5月下旬は0.4度、6月上旬は1.0度上回り、中旬が0.5度下回った。日照時間は平年と比べ上回り、降水量は平年と比べ下回っております。
 (2)、今後の見通しでございます。仙台管区気象台が6月22日に発表した東北地方の1カ月予報によりますと、平均気温は平年より低く、日照時間は日本海側が平年より多く、太平洋側が平年並み、降水量は平年より少ないと予想されております。
 2の農作物の生育や農作業の進捗状況と今後の対策であります。
 水稲。6月20日現在の生育は、草丈は平年並み、茎数は平年を上回り、葉齢は平年並みからやや下回っております。消雪おくれの影響などから田植えのおくれた地点で生育のおくれが見られております。
 今後の対策といたしましては、低温時の深水、それから高温時の浅水などの水管理で分げつを促し、茎数の確保に努めるよう指導してまいります。
 次に、畑作・野菜・花卉でございます。小麦「ネバリゴシ」は、開花が平年より3日から7日遅く、収穫適期は7月中旬ころとなる見込みでございます。ニンニクは、地下部の生育が平年を下回っているため、収穫期が平年よりおくれる見込みであります。夏ニンジンはおおむね平年並みの生育であり、6月下旬ころからの収穫となる見込みでございます。
 今後の対策といたしましては、小麦は天候に留意しながら適期収穫に努める。ニンニク、夏ニンジンは、生育状況を確認し、適期収穫に努めるよう指導してまいります。
 リンゴ等果樹でございます。リンゴの結実は、開花期の低温等により一部でカラマツが見られたものの、全般的には標準着果量を確保できる見込みでございます。別紙に調査結果を記載しておりますので、後ほど簡単に触れます。また、果実肥大はほぼ平年並みとなっております。
 今後の対策といたしましては、リンゴは高品質化と肥大促進及び次年度の花芽確保のためにもできるだけ早く仕上げ摘果を終えるよう指導してまいります。
 飼料作物につきましては、牧草は収穫作業が平年よりおくれております。今後は、1番草の収穫が終了していない場合は収穫を急ぐとともに、1番草収穫後は速やかに追肥を行うよう指導してまいります。
 先ほどの24年産りんご開花結実状況調査の結果でございます。調査月日は、ここにありますとおり、開花調査が5月16日から18日、結実調査が6月13日から15日にかけて、県内58地点で実施いたしました。
 6の調査結果のところでございますけれども、花のつきぐあいが良好だった、標準着果率をほぼ確保できる状況となっております。また、カラマツの影響は見られるものの、今後の栽培管理により例年並みに良品生産を実現できる数値となっております。具体的な数値は、下の表に示してあるとおりでございます。
 次に、県産農産物の販売動向についてでございます。
 野菜。ナガイモの価格は、市場全体の入荷量が少ないことから高値安定となっております。ニンニクは、過去5カ年に比べると78%となっております。大根の価格は、過去5カ年平均に比べると95%、ゴボウは過去5カ年に比べると102%となっております。
 リンゴの価格は、市場への入荷量が少ないこと、それから品質が良好なことや固定客需要があることなどから、価格高が依然として続いております。
 子牛でございます。黒毛和種の子牛価格は、取引頭数が少なかったことから前年を上回り、過去5カ年平均に比べると95%となっております。
 最後に、最近の漁模様についてでございます。
 1、5月の主要魚種の動向。(2)、ブリとマダイは日本海で低調に推移した。(3)、ヤリイカは日本海で好調、津軽海峡と陸奥湾で低調、太平洋で平年並みに推移しております。(4)、ウスメバルは、日本海、津軽海峡及び太平洋で低調に推移しております。
 2番、沿岸水温。6月16日から20日までの半旬平均水温は、日本海で16から17度台、津軽海峡で13から14度台、陸奥湾で14から16度台、太平洋で11から12度台となっております。日本海と津軽海峡及び陸奥湾でやや低目、太平洋でかなり低目となっております。全地点での平年差は、平均マイナス0.9度で、やや低目となっております。
 3、その他。(2)、陸奥湾のホタテガイ養殖でございます。6月11日に実施した第1回全湾付着稚貝調査の結果、全湾平均の付着稚貝数は約6万4,000個で、過去10年平均値の約9割となっており、現時点では来年度の出荷に必要な稚貝を確保できる見通しとなっております。
 (3)、八戸港の水揚げ。5月の水揚げは4,619トンで、震災の影響があった前年同月と比較して38%増加、金額は10億2,796万円で、前年同月より50%増加しております。
◯小桧山委員長
 ただいまの報告事項及び所管事項について質疑を行います。
 質疑は、所管外にわたらないようにお願いします。
 質疑ありませんか。──安藤委員。
◯安藤委員
 最初に、今の報告にあった放射性物質の検出に絡んだ質問をさせていただきたいんですが、マダラから基準値以上のセシウムが検出されたわけなんですが、青森県の八戸沖で今回出たわけですが、他県でとられた魚、同じマダラから検出されるという事例が起きているのかどうかということを1つお聞きしたいのと、それから、今回基準値以上のセシウムが検出されたということに絡んだ漁業補償というのはどのなような状況になっていくのか伺いたいと思います。
◯山内水産振興課長
 ただいまの御質問にお答えいたします。
 マダラについてですが、他県では、福島、宮城とか、もう既に出荷規制がかかっております。
 あと、漁業補償につきましては、これから東京電力とさまざまな事務手続等、業界、それから漁業団体が一緒になって進めていくということで、今その手続について協議をしているところでございます。
◯安藤委員
 そうしますと、他県の漁業については規制がかかっているので、漁をしたものについて検出されるという事例は──今回青森県であったわけですが、他県で同じような状況というのは見られていないということでよろしいんでしょうか。
◯山内水産振興課長
 おっしゃるとおりで、他県では流通そのものがされていませんので、そういうふうな魚は出回っていないということでございます。
◯安藤委員
 規制がかかっているということは、それだけセシウムの影響が大きく考えられているわけなので、それが青森の沖合のほうにも回遊してきたということなわけですから引き続きしっかりとした調査をして、消費者に対する情報公開と、そして適切な対応を行っていただきたいと思います。
 それから、今漁業補償のことについては手続中だということですので、ぜひ厳正な対応が図られるように県としても力を尽くしていただきたいということを申し上げたいと思います。