2012.6.27: 平成24年度農林水産委員会 抜粋 本文(質疑3)
 それでは、通告しておきました質問に移りたいと思います。
 1点目は、社団法人青い森農林振興公社経営状況説明書についてです。その1つ目は、分収造林事業における県と日本政策金融公庫の長期借入金の内訳について伺います。
◯野呂林政課長
 お答えします。
 社団法人青い森農林振興公社の長期借入金につきましては、平成23年度末で約359億5,000万円で、その内訳は、青森県からの借入金が約229億2,000万円、日本政策金融公庫からの借入金が約130億3,000万円となっております。
◯安藤委員
 平成23年度の借入金に係る利息の支払い額は幾らなのか伺います。
◯野呂林政課長
 23年度の借入金に係る利息の支払い額でございますけれども、日本政策金融公庫からの借入金に対して青い森農林振興公社が平成23年度に支払った利息は、約2億3,000万円となっております。
 また、県からの借入金につきましては、平成14年度以降、無利子化としておるため、利息は生じておりません。支払いは受けていません。
◯安藤委員
 利息だけで2億3,000万円の支出があるという状況で、ますます借金が膨れ上がるという状況であることがこういう数字からも明らかなわけですが、県に移管することが決まっているわけですが、県に移管する際にこれらの借入金をどのようにして処理するのか伺います。
◯野呂林政課長
 公社が借り入れした日本政策金融公庫債務の処理に当たっては、県民負担の最少化を図る観点から、平成25年度までの措置となっている第三セクター等改革推進債を活用して、一括で県が公庫に対する損失補償を行うこととしています。
 また、県債務の処理に当たっては、公社が所有する森林資産を県に代物弁済し、その弁済額が債務額に満たない場合は、県は債権を放棄するということとしております。
◯安藤委員
 今お話にあったような処理をしていくということなんですが、どっちにしても県に移管された時点でかなりの負債を抱えての出発ということになるわけですが、分収造林事業そのもので今後収入を図っていかなくてはいけないわけですが、収入の見通し、何年後ぐらいから収入が見込まれていくのか。現時点で考えられる状況について伺えればと思います。
 ◯野呂林政課長
 具体的な伐期、伐採して収益を上げるというのは、個々の契約地によって違いますけれども、おおむね10年後ぐらいから伐採が可能かと思います。
 ◯安藤委員
 昨日の質疑の中でのやりとりでもありましたけれども、今現在権利を持っている方たちが今後収入を得られたときの割合について、協議している最中だということですが、なかなかその話し合いが進んでいない方たちもあるということですので、その辺は、県民の負債を少なくしていくということと絡んで非常に難しい問題でもあると思うんですが、ぜひそれぞれの方たちに納得していただけるよう協議を継続していくことが必要だと思うんですが、もし移管する時点で納得いただけない方たちがあった場合にはどのような対応となるんでしょうか。
 ◯野呂林政課長
 今、分収割合の見直しについては、鋭意土地所有者、契約者と協議しておりまして、さまざまな点で不満ということも言われております。ただ、私どもとしては、分収割合、常に県民負担の最少ということを念頭に、土地所有者に常に懇切丁寧に最後まで説明して、同意を得られるよう努めているところでございます。
 ◯安藤委員
 努力されているのはよくわかるんですが、移管をする時点で100%にならなかった場合はどのような取り扱いになるんでしょうか。
 ◯野呂林政課長
 今同意をお願いしているのは2件ございまして、県に移管するという、承継に対する移管につきましては91%の同意をいただいております。それから、分収割合の6対4から7対3あるいは8対2という──市町村によっては8対2ということでございますけれども──これについては約60%の同意をいただいております。
 いずれにしましても、木を切って分収するということでございますので、私どもとしては最後まで努力しますけれども、納得いただけない場合はやはり木を伐採できないのかなということで私どもは理解しております。ただ、いずれにしましても、最後まで、100%になるまで説明して同意を得るように努めてまいりたいと考えております。
 ◯樋口農商工連携推進監
 ちょっと補足させていただきます。
 ただいま林政課長が答えましたのは、今回の同意を得る作業というのは、公社の分収造林を県に移管するというのが一点です。もう一点は、分収割合を現行の6対4から7対3、これは個人とかの場合、それから市町村とかの場合は8対2ということでお願いするという、この2つの同意を得るということで今説明させていただいているところでございます。
 分収造林を県に移管するということにつきましては、手続上公社がその地上権を設定しておりますので、その地上権を県が設定するというか県に移すということで、分収造林事業そのものは県への移管が可能になるということでございます。
 ただ、分収割合の見直し、同意につきましては、分収割合が決まりませんと──例えば間伐してお金が入ったと。それは契約上分けることになっていますけれども、割合が決まらないと分けられないということも出てくると。それから、あと10年ぐらいでいわゆる主伐といいますか、契約の満了期間が来まして、実際に契約している木を切ることになった場合、これは収益があるわけですから分収しないといけないというところがちょっとできなくなるのではないかと。また、いわゆる作業の中で除伐とか収入のない作業、これについては分収割合の同意が得られなくても続けることができますので、県としてはそこはしっかりとやっていくということでございます。
 いずれにいたしましても、この2つの同意につきましては、できれば年度内に同意が得られるように。もし同意が得られなかった場合は、県移管後も引き続き丁寧に説明しながら、同意が得られるように努めていきたいと考えております。
 ◯安藤委員
 今のお話の中で1つわからなかったことがあるんですけれども、除伐というのはどういうことでしょうか。
 ◯樋口農商工連携推進監
 除伐といいますのは、森林を育てていく中での一つの作業のことでございます。間伐というのは、木がある程度の太さになって伐採するんですが、その間伐作業の前でございます。まだ細い段階、木が若い段階で、将来を見通しまして──例えば曲がっているとか折れているとか、そういったものを除いていく、除く、伐、切るというふうに書いて除伐というんですが、そういう作業でございます。
 ◯安藤委員
 県の移管ということが決まっているわけなので、分収割合について納得いただくような話し合いが不可欠だと思うんですが、やはりこの分収造林事業というのは、長い見通しを考えれば、今回のようなことが、収益が出るまではどんどん出費だけが上がっていくという、そういう状況というのは最初からわかっていたことで、やはり見通しの甘さというか、そういうものが所有者の方たちにもこういうふうな結果になったということでは、この事業そのもののあり方というのがやっぱり問われるかなと思います。いずれにしても、分収造林をするための事業だったわけで、それができないという事態に陥ることのないように、十分話し合いを続行していただければと思っております。