2012.10.04: 平成24年度農林水産委員会 抜粋 本文(質疑2)
 次の質問ですけれども、歳出6款1項1目、農林水産総務費、食品産業地域力強化対策事業費補助について。まず、本事業の概要について伺います。
◯小野あおもり食品産業振興チームリーダー
 食品産業地域力強化対策事業は、本県の農林水産物の70%近くが生鮮のまま県外に出荷される一方で、食品加工業者は、加工原料の75%を県外から仕入れている現状を踏まえまして、県内の食品加工業者の機能強化を図ることによって、農林漁業者と食品加工業者等との連携を促進し、地域内における農林水産業の6次産業化の実現を目指すとともに、県内での中間加工分野を振興し、農林水産物の付加価値を高め、外貨の獲得と雇用の創出・拡大につなげていくことをねらいとしております。
 具体的な内容ですが、県産原料の利用拡大や中間加工の拡大などに取り組む県内の食品加工業者等が、農林水産物の中間加工に必要な機械設備を整備する場合に、その経費の一部を補助するものでありまして、新たな雇用を伴う雇用タイプは、補助率が4分の1、補助金の上限は1,000万円、新たな雇用を伴わないタイプは、補助率が5分の1で上限800万円となっております。
◯安藤委員
 今回の事業で、期待される効果というんですか、少し具体例などを挙げていただければと思いますが、県はどのように見ているんでしょうか。
◯小野あおもり食品産業振興チームリーダー
 本事業の成果ですけれども、具体的には、1つとしまして、農林水産物の利用拡大が進み、農林漁業者の生産拡大と経営安定化につながること。2つとしまして、地域内における農林水産業の6次産業化が実現し、県産農林水産物の付加価値を向上させることができること。3つとしまして、農林漁業者の加工委託先が県外から県内に切りかわりまして、県内食品加工業の活性化が図られること。4つといたしまして、事業者相互の加工受委託体制や連携が強化され、能力不足や技術不足を互いにカバーし合えること。5つとしまして、産地内加工により輸送費などの製造コストが低減されまして、農林水産物の価格の引き上げ等につながっていくこと。6つ目としまして、食品加工業者の生産力が向上することに伴いまして、雇用の創出拡大が図られるというようなことが成果として期待されております。
◯安藤委員
 この計画は、平成24年から25年の2カ年の計画というふうに承知していますが、今回の予算の3,400万円は、平成24年度における金額なのか、あるいは、2カ年にわたっての予算なのか、その点はどうでしょうか。
◯小野あおもり食品産業振興チームリーダー
 3,400万円は今年度のみの補助金額となっておりまして、2カ年というのは我々のほうでは想定しておりますが、来年度の予算については、今後の検討となります。
◯安藤委員
 3,400万円は今年度の予算ということですが、補助金交付先として何件程度見込んでいるのか伺います。
◯小野あおもり食品産業振興チームリーダー
 今年度の補助金の交付先としましては、先ほど申し上げましたけれども、タイプが2つございますが、年度途中であるということも考慮しまして、雇用タイプは1件、一般タイプは3件、合計4件の採択を見込んでおります。
◯安藤委員
 もう10月に入りましたので、今年度、この事業をしっかりと実を結ぶものにしていくためには、十分準備も必要だったかと思うんですが、手を挙げている企業などがあるのかどうか、その辺はいかがでしょうか。
◯小野あおもり食品産業振興チームリーダー
 今回の予算の編成に当たりまして、今年の5月に我がほうで管理しております食産業データベースというのがございます。そちらに登録してある県内の約470社に対して意向調査をしております。そのうち211社から回答がございまして、さらにそのうち62社が近い将来の設備投資の意向があると。さらにそのうち28社が、我々が望むところの中間加工分野に取り組んでいきたいという意向がありましたので、今後、議決いただければ、直ちにダイレクトメールとかホームページとかでPRしながら、積極的な取り組みを推進していきたいと思います。
◯安藤委員
 中間加工をすることで、青森県の農産物が今まで以上に利用できるということや、また、青森県の安心・安全な農産物をより多くの形で利用してもらえるということでは大切な事業であると思います。ぜひ企業の活性化ということにも関連づけて、この予算を活用して実のある事業にしていただければと思います。今のお話だと、28社が最終的には対応したいというお話でしたので、そういう意味では、今回の予算はほんの一部というふうになってしまいそうですので、ぜひ来年度に向けて、今年の状況を見ながら、さらに広げていく必要があるのかなと、そういう印象を持っています。以上でこの質問を終わりまして、次の質問に移ります。