2012.10.04: 平成24年度農林水産委員会 抜粋 本文(質疑4)
次に、議案第6号及び議案第11号、以上2件の原案に賛成の方は御起立を願います。
 [賛成者起立]
 起立総員であります。
 よって、原案は可決されました。
 次に、部長から報告事項がございます。──渋谷農林水産部長。
◯渋谷農林水産部長
 報告事項6件について御説明いたします。
 最初に、平成24年9月25日に発生しました降ひょう被害の状況とその対応についてであります。
 1、発生した地域は、青森市新城天田内地区、西田沢地区ほか、七戸町の上原子地区、柳平地区ほか、東北町の南平地区でございます。
 2、作物別の被害状況。リンゴでございます。青森市におきまして、合計で5.4ヘクタールが被害を受けまして、その被害程度別は表に示しているとおりでございます。
 (2)、水稲。青森市、七戸町、東北町の3市町で発生いたしまして、合計で285.8ヘクタール、すべてが30%未満の被害程度でございます。
 (3)、野菜は、青森市で0.5ヘクタールで、白菜、大根等に30%未満の被害が出ております。
 3、被害への対応。
 (1)、リンゴ。被災農家に対し、熟期に達していない「ふじ」などは、熟期に達するまで樹にならせておくこと。樹上で腐敗したものは、見つけ次第摘み取ること。傷害果は即売用とし、収穫後速やかに冷蔵庫に入れること等を指導しております。
 被害果の販売支援として、青森市でイベント等での販売が予定されているほか、県では生育状況を見ながら、加工仕向け用リンゴの被災農家と県内加工業者間の調整を行うこととしております。
 (2)、水稲。県農業共済組合連合会に対しまして、迅速かつ適切な損害評価と、支払い対象となる場合の共済金の早期支払いを要請しております。
 飼料用米につきましては、農業者、戸別所得補償制度の交付金が確実に支払われるよう、各市町村に設置されている地域農業再生協議会に対し、被害認定手続等の実施を指導しております。
 (3)、野菜。被災農家に対し、生育中のものは、欠損した茎葉の除去と適切な薬剤散布を行うよう指導しているところでございます。
 続きまして、平成23年産リンゴの販売額についてであります。
 平成23年産リンゴの販売額は、下の表にありますとおり、約830億円で、前年対比100%、過去5カ年の平均対比で99%となっております。
 仕向け先別では、平成22年産に比べ、県外販売額が約14億5,000万円減の約770億円、県内販売額が約9,000万円増の約31億円、加工仕向け販売額が約10億5,000万円増の約29億円となっております。
 販売数量は、花芽不足などにより生産量が減少したことから、前年を大幅に下回る結果となっております。一方、価格は品薄状態の販売環境が続いたことや、リンゴの品質がよかったことなどから前年を大幅に上回る結果となっております。
 以下、定例報告事項につきましては、主なる点のみ御説明いたします。
 まず、県産農林水産物における放射性物質の調査状況について。
 1の(1)、県が主体の調査につきましては、10月3日現在で92品目、609件を実施し、その結果、今回新たに平内町で岩手県産原木を使用したシイタケ1件の合計5品目25件から放射性セシウムが検出されておりますが、マダラ以外は基準値を大幅に下回っております。
 また、放射性物質の測定結果が判明するまで出荷を自粛していた本年産の米及び飼料、堆肥に使用する稲わらについて、9月28日までに全市町村の玄米と県内6地域の稲わらを精密検査した結果、すべてから放射性セシウムが検出されなかったことから、県内全域の米と稲わらの出荷自粛を解除したところでございます。
 (2)、国が主体の調査につきましては、10月3日現在で、40品目272件を実施し、その結果、14品目、84件から放射性セシウムが検出されております。84件のうちマダラが45件を占め、最大値が70ベクレルとやや高めではありましたが、それ以外の品目では基準値を大幅に下回っております。
 (3)、マダラの出荷制限解除に向けた調査につきましては、県が出荷自粛を要請した8月9日を起点として第6週目の調査に入り、これまで35件を測定し、28件から放射性セシウムが検出されましたが、そのすべてが基準値を下回っている状況にあります。
 (4)、サバ類の入札前放射性物質検査につきましては、10月3日現在で17件を実施し、その結果、すべてから放射性物質は検出されておりません。
 2、牛肉の放射性物質調査につきましては、9月28日までに屠畜された1万1,257件を実施し、その結果、1件から基準値を大幅に下回る27ベクレルの放射性セシウムが検出されたところでございます。
 3、上記調査以外の農林水産物関連調査につきましては、下段のほう、健康福祉部保健衛生課が、6月下旬から9月上旬までに県内に流通する食品を収去検査した66件のうち、県内業者が製造した農林水産加工食品21件について、すべてから放射性セシウムは検出されておりません。
 次に、農作物の生育と農作業の進捗状況についてであります。
 1、これまでの気象経過と今後の見通し。9月中旬から下旬の青森市における気象経過でございます。1)、平均気温は、平年と比べ、9月中旬は6度、下旬は2.6度上回った。3)、降水量は、平年と比べ、9月中旬は41%下回り、下旬は108%と上回った。
 (2)、今後の見通し。仙台管区気象台が9月28日に発表いたしました東北地方の向こう1カ月間の予報によりますと、向こう1カ月の平均気温は平年より高く、日照時間は平年並み、降水量は平年並みから多いと予想されております。
 2、農作物の生育や農作業の進捗状況と今後の対策であります。
 水稲。(1)、生育と農作業の状況。1)、農林水産省が発表した9月15日現在の作況指数は、県全体で106となっており、地帯別には青森が107、津軽が106、南部・下北が106となっております。2)、9月30日現在の稲刈り進捗状況は、県全体で53%となっており、刈り取り最盛期は平年より5日早い9月30日となっている。
 (2)、今後の対策。1)、刈りおくれによる品質低下を防止するため、速やかに刈り取りするよう指導しております。
 次に、畑作・野菜・花卉。(1)、生育の状況。2)、ナガイモは、イモ長が平年並みで、イモ径・イモ重が平年を上回っている。3)、秋ニンジンは、根長が平年を上回り、根重は平年を下回っている。
 (2)、今後の対策。2)、露地の野菜、花卉類は、排水対策と病害虫防除を徹底するよう指導しております。
 リンゴ。(1)、生育と農作業の状況。2)、「ジョナゴールド」の熟度は平年並みで、収穫は有袋では10月10日ころから、無袋では10月15日ころからと見込まれております。
 (2)、今後の対策。1)、着色管理や収穫を適期に行うよう指導しております。
 飼料作物の生育状況です。サイレージ用トウモロコシの収穫時期は、平年より早くなっている。また、乾物収量は平年を上回っている。
 (2)、今後の対策といたしましては、サイレージ用トウモロコシは、適期に収穫に努めていただくよう指導してまいります。
 次に、県産農産物の販売動向について。
 1、野菜についてでございます。(1)、ナガイモの価格は、本県産及び市場全体の入荷量が少ないことから、前年比で122%、過去5カ年平均に比べると115%と高値安定となっている。
 (2)、ニンニクの価格は、本県産及び市場全体の入荷量が多いことから、前年比で82%、過去5カ年平均比で84%となっている。
 (3)、ゴボウの価格は、市場全体の入荷量は前年並みとなっているが、需要が減退していることから、前年比で80%、過去5カ年平均比で93%となっている。
 2、リンゴにつきましては、平成24年産リンゴの価格は、高温の影響による着色おくれなどにより市場への入荷量が少ないことから前年比で128%、過去5カ年平均に比べると130%となっております。
 最後に、最近の漁模様等についてであります。
 1、9月の主要魚種の動向。(1)、サバ類は、太平洋でやや好調に推移した。(2)、スルメイカは、日本海で好調、津軽海峡と太平洋で低調に推移した。(3)、クロマグロは、日本海と津軽海峡で低調に推移した。
 2、沿岸水温。9月26日から30日までの半旬平均水温は22から25度台で、全地点での平年差は、平均プラス3.3度で、甚だ高めとなっております。
 3、その他。(1)、最近の主要漁獲物の状況。9月下旬の主要漁獲物は、日本海と津軽海峡ではスルメイカ、クロマグロ、太平洋ではサバ類、スルメイカとなっている。
 (2)、陸奥湾のホタテガイ養殖。9月27日付で「ホタテガイ養殖管理情報」第7号を発行し、稚貝の分散作業については、水温が23度以下になり、貝が成長していることを確認してから開始するよう指導しております。11月5日から8日にかけて、秋季陸奥湾養殖ホタテガイ実態調査を実施し、稚貝と平成23年産貝の生育状況、へい死率、保有数量等を調査することとしております。
◯小桧山委員長
 ただいまの報告事項及び所管事項について質疑を行います。
 質疑は所管外にわたらないように願います。
 質疑はございませんか。──安藤委員。
◯安藤委員
 今の報告から2つばかりお聞きしたいと思います。
 最初の質問は、マダラの件ですけれども、最初の1ページに示されているように、国が主体で県と業界が連携・協力して実施している調査で、84件のうちマダラが45件を占めていて、最大値が70ベクレルという値が出たという報告がありました。次のページのところで、県の調査によれば、35件を測定して28件から放射性セシウムが検出された。しかし、基準値を下回っているということなんですが、出荷自粛について、こういうふうなマダラの状況下で、今後どのような対応をされていくのか。先月も聞いていますけれども、その方針は変わらないものなのか、その点について最初に伺いたいと思います。
◯山内水産振興課長
 報告事項の70ベクレルということでございますが、これは4月からの調査の中で一番高いのが70ベクレルということでございます。マダラに係る表で、出荷制限後の表につきましては、ここに記載のとおり、検出はされていないか、もしくは、非常に低いレベルで検出されているということで、現在で35検体の検査を実施して、前回の常任委員会でも御報告申し上げましたとおり、50検体を目標として、このままの状況が続いて、すべてが規制値以下であれば国に解除申請を行う。この場合は、放射能対策協議会等の漁業者等の意見をお聞きしながら解除に向けた手続を進めていくということで、前回の方針とは変わっておりません。
◯安藤委員
 わかりました。マダラについては、この後も同じような調査をし、11月をめどということになっていましたけれども、今月と来月の状況を見据えて、同じような状況であれば国に申請するということでよろしいわけですね。