2012.10.04: 平成24年度農林水産委員会 抜粋 本文(質疑6)
 それでは、特定付託案件に対する質問をさせていただきます。
 最初の質問は、温暖化など気象変動に対応できるリンゴ生産について質問したいと思います。りんご協会からいつも来ます「りんごニュース」の最新のニュースの中で、「大問題として温暖化対策を」との主張がされていました。この中では、「ことしは豪雪による雪害に始まり、カラマツ、干ばつ、竜巻、一変して水害、そして、猛暑と極端な天候に振り回されている。これも地球温暖化が要因とされている」というふうに言っています。最後に、「県全体で温暖化を第一級の問題として今すぐ取り組むべきだ」と、リンゴの専門家の方たちがこのように言っておられますし、私もやはり、最近の気象状況を見るにつけて、温暖化の影響なんだろうと思いながら、いろいろな事象を心配して見てきました。そこで、温暖化に係るリンゴ生産について質問したいと思いました。
 1つ目の質問として、りんご研究所では、温暖化など気象変動への対応について、どのような研究を行ってきたのか伺いたいと思います。
◯西谷りんご果樹課長
 りんご試験場、現在のりんご研究所でございますけれども、平成18年度に、福島県や長野県などの暖地のリンゴ産地での温暖化など気象変動の影響や対応技術の開発状況の調査を実施しました。平成21年度及び22年度には、県の重点事業によりまして、温暖化など気象変動に対応したリンゴの生産技術の開発等に取り組んでいるところでございます。
 具体的な内容といたしましては、栽培関係では、近年問題化してまいりました果実の日焼け、春先の急激な温度変化による樹体凍害の防止技術の確立、病害虫関係では、暖地のリンゴ産地で、果実腐敗を引き起こして問題となっております輪紋病について、本県における発生生態の解明や防除技術の確立。それから、品種関係では、着色や日持ち性にすぐれた品種を開発するための交配用の品種の採取などを実施しているところでございます。
◯安藤委員
 今のお話では、福島や長野に行って調査をしてきたということですけれども、国内というのもそうですけれども、できれば海外にも行って、本県よりも温暖な地域でリンゴづくりをしているところなどの研究もされる必要があるかと思うのですけれども、この辺についてはいかがなものですか。
 ◯西谷りんご果樹課長
 温暖化の進行についてお話ししたいと思います。独立行政法人農研機構果樹研究所というところがございますけれども、平成14年に年平均気温7度から14度の地域をリンゴ栽培に適する地域として検討して、60年後のリンゴ産地の状況を公表したということがございます。その結果によりますと、60年後におきましても、県内にある主力産地のほとんどは、この年平均気温7度から14度の地域にございまして、リンゴ栽培に適する地域となっております。全体的には、年平均気温は暖地のリンゴ産地に近づくような可能性はございます。これを参考に、まずは国内の暖地の生産状況を参考にしたいということでございます。
 ◯安藤委員
 深く勉強しているわけではないので素人的な考えですけれども、もう少し気温が上がってもそれに対応できるようなリンゴの種類などについても研究の対象にすべきかなと思うのですけれども、この辺についてはどういうものなんでしょうか。
 ◯西谷りんご果樹課長
 先ほどの研究所の中で、品種関係につきまして申しますと、盛岡市にある独立行政法人農研機構果樹研究所リンゴ研究拠点というところがございますけれども、そこに保存されている品種など、高温条件下でも着色にすぐれる104の品種、系統を品種開発用に現在管理しているという状況にございます。