2013.02.21: 平成24年度農林水産委員会 抜粋 本文(質疑2)
 次の質問に移ります。農業者戸別所得補償制度について伺います。
 政権がかわったということで、こうした分野もどう変わっていくのか、不安の声も一部から出されています。そこで最初に、現在実施している制度の内容と加入状況について伺います。
◯黒滝農産園芸課長
 農業者戸別所得補償制度は、販売価格が生産費を恒常的に下回る作物を対象に、その差額を交付し、農業経営の安定と国内生産力の確保を図り、食料自給率の向上と農業の多面的機能を維持することをねらいとして、国が平成23年度から本格実施したものです。
 主な内容としては、1つとして、米や畑作物を生産数量目標に即して生産する農家等を対象に交付する戸別所得補償交付金、2つとして、水田で飼料用米など主食用米以外の作物を生産する農家等に対して交付する水田活用の交付金、3つとして、県や市町村が対象とする転作作物やそれらへの交付単価を決めて生産農家へ交付する産地資金があり、全て国が直接農家等へ支払っています。
 また、本県における制度の加入状況は、平成24年度は、加入申請件数で2万8,040件、米の対象作付面積が3万7,314ヘクタールで、前年度と同程度となっています。
 また、水田を活用した転作面積は、飼料作物が最も多く、次いで大豆、飼料用米などとなっています。
◯安藤委員
 米をつくっている農家の方たちの申請件数について伺いたいんですが。
◯黒滝農産園芸課長
 ただいま御説明しましたように、2万8,040件(後刻「2万3,922件」と訂正)です。
◯安藤委員
 2万8,040件ということですけれども、東北の中では一番少ない件数になると思うのですが、これは、米をつくっている農家が少ないという単純な見方でいいのでしょうか。
◯黒滝農産園芸課長
 これは、単純に数値だけを見れば少ないような形なんですけれども、その中には個人もあり法人もあり集落営農組織もありますので、そういう比較はちょっと単純にはできないのかなと。集落営農の中にはいっぱい農家の方が参加していますので。
◯安藤委員
 いただいた資料を見てみますと、23年度に比べて平成24年度の申請件数が青森県は減っているんです。それで、国全体の件数を見てみるとふえているんです。青森県がこういうふうに24年度の件数が減っているというのは、何か理由があるとすれば、どういうことになるのでしょうか。
◯黒滝農産園芸課長
 件数が減っているというのは、まず一つ、集落営農の加入が減少したことを要因として、法人へ移行した組織があったことのほか、一部の組織で解散があったことが上げられます。また、個人加入が減った要因としては、集落営農の解散による個人加入があったものの、離農による加入の減少が大きかったものと見ています。
◯安藤委員
 減反に協力する農家の方たちが所得補償制度によって転作作物をつけて、そして何とか農業を継続できる条件がこの所得補償制度によって補償されているということについては、やっぱり農家の方たちは継続を求める声があるかと思うのですが、来年度以降の制度内容についてはどういう状況になるのか伺いたいと思います。
◯黒滝農産園芸課長
 国では、来年度については、既に農家等がこれまでの制度を前提として営農準備を進めていることから、現場の混乱を避けるため、名称を経営所得安定対策に変更しましたが、交付対象や交付単価等については平成24年度と同じにするとしています。
 なお、国では、平成26年度以降については、農業の多面的機能を評価した日本型直接支払及び新たな経営所得安定制度を中心とする担い手総合支援の制度を新たに創設することとし、その調査費として平成25年度当初予算に所要額を計上しているところです。
◯安藤委員
 野菜や果樹にも対象を広げてほしいという声が上がっていると聞いているのですけれども、県内で所得補償制度に対しての要望だとか意見だとか、関係団体などから上がっているものでしょうか。
◯黒滝農産園芸課長
 県内で上がっているのは、基本的に、制度を継続してほしいということが1つと、あとは、そういう予算をしっかり確保してほしい。制度を継続してほしいというのは、余り急に変わると農家の経営に支障を来すので、そういう要望があります。
◯安藤委員
 本当に農家の方にしてみればその思いが率直なところだと思います。政権がかわるごとにころころと方針が変わるのでは、農業の経営方針を立てるに当たっても非常に混乱があるということだと思います。25年度は内容的にはこれまでと変わらないということですが、それ以降についても、県としては農家の方たちの声も十分集約しながら国にぜひ声を上げていただきたいと思っています。
 この問題は以上で終わります。