2013.03.19: 平成24年度農林水産委員会 抜粋 本文(質疑3)
◯安藤委員
 最初の質問は、農業水利施設を活用した小水力発電のこれまでの取り組み状況と今後の展望について伺います。
◯北林農村整備課長
 農業水利施設を活用した小水力発電のこれまでの取り組み状況と今後の展望でございますが、県では平成22年度から23年度にかけまして、県内の農業水利施設289カ所における小水力発電に関する調査を実施した結果、賦存量については、一般家庭2,700戸が1年間に消費する電力量に相当する1万3,000メガワットアワー程度と推計されたところでございます。
 このうち、ある程度の発電量が見込まれる54カ所について、小水力発電導入の可能性調査を実施し、概算工事費等の結果を関係する市町村や土地改良区などに情報提供したところ、十和田市の三本木地区から整備要望があり、県としては内容を検討の上、平成25年度に小水力発電施設を設置することといたしました。
 県としては、農業水利施設の維持管理費の軽減や再生可能エネルギーの地産地消を図るため、今後、小水力発電施設の設置を希望する土地改良区等に対して、農業用水の水量や落差などの技術的な条件や関係機関と協議を要する事項等について指導・助言していくこととしております。
◯安藤委員
 54カ所を可能性調査もされたということですけれども、そこに一応情報提供はしたということですが、今回は三本木地区が手を挙げたということのようですが、そのほかの地域についての意向といいますか、その辺についてはいかがなものでしょうか。
◯北林農村整備課長
 現在、一部の土地改良区や市町村が小水力発電に興味を示していると聞いておりますが、まだ具体的な検討には至っておりません。今後、施設の設置を希望する土地改良区や市町村に対しては、技術的な条件や協議事項等について指導・助言してまいりたいと考えております。
◯安藤委員
 そうしますと、ぜひやりたいという地区がもしあった場合には、県としては積極的に受け入れようという、そういう姿勢であるということでしょうか。
◯北林農村整備課長
 もし、土地改良区や市町村から設置を希望するというようなお話があった場合につきましては、やはり採算性が非常に重要になってくると思いますので、それぞれの建設場所における水量でありますとか、流量、落差などの条件に基づく採算性等について相談に乗るとともに、その技術的可能性について指導・助言していくというようなことになろうかと思います。
◯安藤委員
 今回の予算に、この小水力活用農村活性化発電施設整備事業費として3億1,290万円計上されたわけですが、3億円を超えるという大変多額な事業となるわけですけれども、この費用負担割合についてはどのようになるんでしょうか。
◯北林農村整備課長
 今回の本事業につきましては、国の補助事業を活用しております。国の補助割合が50%、県が25%、残りが地元分で25%となっております。
◯安藤委員
 地元も25%あるということで、額が非常に大きいので負担もかなり大きいということになるかと思うんですが、この小水力発電によって大体この三本木地区についてはどのくらいの電気料金というか、そういう形での収入になると思われますけれども、大体年間どのくらいを算定されているんでしょうか。
◯北林農村整備課長
 三本木地区における売電収入でございますが、現在の売電価格で試算いたしますと、発電施設自体の維持管理費用を除いて、年間約1,500万円と推計されております。
◯安藤委員
 1,500万円収入があるということですが、その一方で、維持管理費もかかると思われますが、それはどのくらいを算定されているんでしょうか。
◯北林農村整備課長
 年間約1,500万円という数字につきましては、発電施設自体の維持管理費用は除いておりますので、ということでございます。
◯安藤委員
 そうすると、1,500万円の収入がある一方で、維持管理費がかかるわけですよね。それはどのくらいを見込んでいるんですか。
◯北林農村整備課長
 約500万円を見込んでおります。
◯安藤委員
 維持管理費が500万円ということは、差し引きすれば大体1,000万円くらいの収入ではないですか。
 
◯北林農村整備課長
 維持管理費が500万円程度で、それを除いた後の収入が年間約1,500万円ということでございますから、売電収入全体でいうと約2,000万円ということになろうかと思います。
 
◯安藤委員
 わかりました。
 今回、青森県が小水力発電の調査を進めて、そして第1号となる事業だと思います。それで、この三本木地区の小水力発電にかかわる事業は、今後スムーズに進んでいくように願っています。
 それで、これが一つの契機になって他の地域にも波及して、今回のはかなり大きな発電だと思いますが、もう少し規模の小さいのも含めて、青森県のあちこちで農業水利施設を活用した小水力発電が利用というか、こういう事業が進むように、ぜひ青森県としても力を今後入れていただきたいと思います。