2013.03.19: 平成24年度農林水産委員会 抜粋 本文(質疑4)
 次の質問に移ります。
 津波災害に負けない漁港の減災プロジェクト事業の概要についてお伺いします。
◯外城漁港漁場整備課長
 本事業は、東日本大震災による津波来襲時に、漁業者の勘に頼った危険な沖合避難などがあったことを教訓とし、漁業者の命と漁船を守り、あわせて、沈没漁船の低減による漁港の減災を図るため、漁業者による自主的な漁船避難ルールづくりを支援し、普及するものであります。
 具体的には、漁業者が科学的根拠に基づき漁船を避難させるよう、安全な避難海域を示したマップを作成するほか、防災意識の向上のための講習会などを開催し、県内2カ所のモデル地区において漁業者の総意による自主的な漁船避難ルールづくりを支援します。
 また、これらの取り組みをもとに、平成27年度までに漁業者がみずから漁船避難ルールづくりに取り組めるよう、汎用性の高いマニュアルを作成し、県内の漁業地域に普及することとしております。
◯安藤委員
 今、お話しされました最後のほうで漁船避難のルールというお話があったかと思うんですが、これは具体的にはどのようなルールが考えられるんでしょうか。
◯外城漁港漁場整備課長
 まず、具体的なルールでございますが、事前にマップの作成を行います。一般に津波が沿岸に押し寄せるときには、潮の流れが速くなるため漁船が航行できなくなり、ついには潮に流されて転覆することもございます。
 それで、漁船安全避難海域マップをつくりまして、これは津波の規模や水深、海底や海岸の地形などを考慮し、コンピューター・シミュレーションにより津波来襲時の潮の流れの速さを海図に色分けして示した海域図のことでありまして、このマップを参考にしまして、漁業者みずからが安全な避難ルートを検討するということでございます。
◯安藤委員
 そのマップですけれども、今回の予算にも盛り込まれておりますが、津波災害に負けない漁港の減災プロジェクト事業の中で、マップづくりというのは、青森県の漁港全体を指しているんでしょうか。それとも限られたところに限定されるんでしょうか。
◯外城漁港漁場整備課長
 マップにつきましては、平成25年度に青森県全域を対象に作成することとしております。
◯安藤委員
 今回の予算に盛り込まれた額が2,870万円と、結構な額だなと思うんですが、このマップの作成に当たっての委託先とか、委託費用というのはどのようになっているのでしょうか。
◯外城漁港漁場整備課長
 このマップの作成につきましては、海洋工学を専門とする民間のコンサルタント会社に委託し、25年度中の作成ということで考えておりまして、金額としては約1,500万円でございます。
◯安藤委員
 そのマップが作成された後、津波がいつどこで起きるかということは不明なわけで、どこに大きな津波が来たときにも漁船を守り、そして漁業者の命を守るという意味では、今回のマップづくりや、それから漁船避難のルールというものが、しっかりと周知されることが必要かと思うんですけれども、マップを含めて漁民の皆さんへのこの事業の周知、そして、この事業で得られた情報をどのように漁業者の方たちに周知を図っていくことになるんでしょうか。
◯外城漁港漁場整備課長
 モデル地区におきまして、25、26と2年間にわたってルールをつくるわけですが、その作成のやり方を県内全域に、27年度、早ければ26年度から各漁協で順次講習会等を開きながら進めていきたいと考えております。
◯安藤委員
 今回の東日本大震災を教訓にしながら、被害を最小限に食いとめるために、この事業をぜひ生かしていただきたいと思います。