2013.03.19: 平成24年度農林水産委員会 抜粋 本文(質疑5)
 次の質問です。葉たばこの廃作について伺います。
 私も、この廃作という意味をよく知りませんでしたが、先日この情報をちょっと得たものですから伺いたいと思います。平成23年の日本たばこ産業株式会社による廃作募集により、県内の葉たばこ生産はどうなったのか伺います。
◯黒滝農産園芸課長
 お答えします。
 日本たばこ産業株式会社が平成23年に実施した廃作募集に対し、本県では生産者の約22%に当たる259戸、面積では約14%に当たる184ヘクタールの申し込みがあり、翌年度から廃作されることになりました。
 その結果、平成24年の葉たばこ生産は、生産者数が922戸、作付面積が1,086ヘクタール、販売額が48億8,000万円となっています。
◯安藤委員
 この廃作募集に至った経緯と、それから背景などについても伺いたいと思います。
◯黒滝農産園芸課長
 その経緯は、まず、やはりたばこが健康によくないという健康志向の高まりから、たばこの消費量が減ってきたということと、また、平成22年10月のたばこ税の大幅な増税等により国内たばこ販売数量が減少して、原材料の葉たばこの在庫が過剰になったことから、需給バランスの健全化に向けて平成23年8月に24年度産の廃作募集を実施したところです。
◯安藤委員
 そうしますと、この廃作の募集は、23年8月というお話でしたが、何度もやっていくということではなく、この募集に限るということでしょうか。
◯黒滝農産園芸課長
 何度もというか、廃作は、農家の方がやめたいと言えば、それは自由ですけども、今回の廃作を募集したというのは、やはり日本たばこ産業株式会社で廃作協力金と、1アール2万8,000円出すんですけど、そういうのを出して、やめる方はやめていただきたいということで、そういうことだと思います。
◯安藤委員
 全体の耕作面積が減っている一方で、1戸当たりの面積、販売額がふえているようですけれども、耕作農家に集中しているということが言えるんではないかと思うんですが、その辺はどうでしょうか。
◯黒滝農産園芸課長
 全体の耕作面積が減っているというのは、要は経営規模の小さい生産者がやめているということですね。経営規模の大きい農家が生産を続けているということだと思います。
◯安藤委員
 県は、葉たばこの廃作を希望した農業者に対して、どのように対応してきたのか伺います。
◯黒滝農産園芸課長
 県では、廃作する葉たばこ農家の経営安定や農地の有効利用が図られるよう、廃作希望者全員に対して、廃作後の作付などの意向調査を実施し、その結果を踏まえて、経営相談や生産指導を継続的に実施してきました。
 具体的には、葉たばこからの作付転換の希望が多かった野菜について、市町村や農協と連携して、技術習得のための講習会の開催や現地圃場での個別指導を行ってきたほか、国が作付転換を円滑に進めるために創設した農業機械等のリースや共同利用施設整備の支援事業について、周知や活用の働きかけなどに努めてきました。
 その結果、地域の特産作物として高収益が期待できるピーマン、ニンニク、サヤインゲンなどへの作付転換が図られているところであり、県では引き続き、市町村や農協と連携しながら、作付転換した作物の生産の定着や農地が耕作放棄地とならないよう有効利用に努めているところです。
◯安藤委員
 葉たばこをつくられている農家の方も結構御高齢になっているということも伺いますが、今、答弁の中にも出てきました葉たばこをつくらなくなったということと同時に、耕作放棄地になってしまっているという、そういう現状も見られるんでしょうか。
◯黒滝農産園芸課長
 そういうことではなくて、やはりどうしても労働力がなくて高齢化すると、本当はどなたかに貸すとか、そういうことをすればいいんですけども、もしかしたら、条件が悪いところは耕作放棄地にすることも懸念されるので、そういうのも十分注意して対応していきたいということです。
 
 ◯安藤委員
 いずれにしても、農業者自身にも、また消費者にとっても、健康のためになる野菜を耕作していただいて、そしてまた、それが農業の採算がとれるような指導を十分行っていただいて、この廃作後の農業者への支援を引き続き強めていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。