2013.4.19: 平成24年度農林水産委員会 抜粋 本文(質疑4)
◯三橋委員長
 それでは企画政策部関係の審査を行います。
 組織会後、初めての委員会でありますので委員、担当書記及び執行部の皆様の紹介を行います。
 まず、初めに私から。今年度の委員長を務めさせていただきます、つがる市選出の三橋一三と申します。
 公平公正で円滑な委員会運営に務めていきますので、何とぞご協力のほどよろしくお願いいたします。
 それでは副委員長から順に自己紹介をお願いいたします。
◯安藤委員
 弘前市選出の安藤晴美です。よろしくお願いいたします。
◯三橋委員長
 ほかに質疑はありませんか。──安藤委員。
◯安藤委員
 私からは最初にTPPについて質問します。
 日本の環太平洋戦略的経済連携協定、TPP交渉参加を巡り、日米両政府は事前協議で合意してしまいました。しかし、その内容はたいへん屈辱的なものになっています。米政府が日本の交渉参加を議会に通告し、議会が承認するかどうかへと移っていくわけであります。こうした緊迫した状況の中で、青森県としては、庁内連絡会議というところが中心になって、このTPPについてどのような対応をしていくかということを検討されていると思います。これまで平成24年2月23日、11月20日、平成25年2月25日、3月18日という具合に、庁内連絡会議を開かれているわけですが、第5回庁内連絡会議の内容はどのようなものであったのかお伺いいたします。
◯秋田企画調整課長
 県では、TPP協定交渉が農林水産分野をはじめ、広範囲にわたり県民生活に影響を及ぼすことから、TPP協定交渉に関する全庁的な連絡体制を整え、各部が把握した国の動向や本県への影響、関係団体等の状況等を全庁で共有するため、TPP庁内連絡会議を設置しているところでございます。直近の会議が第5回会議となりますが、安倍総理大臣のTPP協定交渉参加の表明を受けて、3月18日に開催いたしまして、TPP協定交渉に係るこれまでの本県の取組状況や全国知事会等を通じた対応について、庁内の情報共有を図ったところでございます。今後も必要に応じて開催し、TPP協定交渉に関する庁内の情報共有等を図っていくこととしております。
◯安藤委員
 第5回が3月18日に開かれ、さらなる情報収集、情報共有に努めるという答弁でしたが、その後、この庁内連絡会議ではどんな情報収集や情報共有を行なってきたのか伺いたいと思います。
 
◯秋田企画調整課長
 第5回庁内連絡会議のあと、国で説明会等がありまして、県の出先機関であります東京事務所の職員とも連携をしまして、昨日も情報収集に努めているところでございます。
 
◯安藤委員
 そうした中で得られた情報というのはどういうものなのか示していただけますか。
 
◯秋田企画調整課長
 今のところ、委員が先ほど、ご質問の中であったような具体的な内容については、詳細は示されておりませんので、今後、全国知事会を通じて、そういった地方に関わる情報について、機動的な情報収集を行なっていきたいと考えております。
 
◯安藤委員
 すでに日米の事前協議の合意がなされたとされているわけですが、この合意内容についての情報収集というのはされてないのですか。
 
◯秋田企画調整課長
 今のところ、そういった情報を収集できておりません。
 
 ◯安藤委員
 いかに屈辱的なものかということについて、私が得た情報を述べさせていただきたいのですが、まず、BSE対策としての米国産牛肉の輸入規制はすでに緩和されてしまっています。自動車については、米国の業界を納得させるために、米韓FTA自由貿易協定より米国の自動車業界に有利なものにすることで合意しました。しかし、米国の自動車連盟自動車関連議員は、こんなものでは日本の参加を承認できないと反発しているようです。政府はこれまで、TPPに参加しないと韓国との競争に不利だ、負けると宣伝してきました。韓国との競争条件を同じにすることを拒否され、日本にとってのメリットはなくなったと言えるのではないでしょうか。保険についても、アフラックなど米国系保険会社が日本市場で圧倒的なシェアを占めておりますが、がん保険についての新規商品を日本郵政のかんぽ生命が提供することを凍結させられます。これらは第一段階に過ぎず、米政府がさらに90日間以上議論し、議会承認を巡って、日本はさらに譲歩を迫られることになります。TPP交渉と並行して、日米間で非関税措置に取り組むことも決められました。これはこの間、米国が日本に迫って来た食品添加物、農薬、検疫などの食の安全に関わる問題、医療問題、政府調達など非関税障壁の撤廃を、一気に日本に迫ることになるわけです。日本が重要品目としている農産物などが聖域扱いされ、国益が守られる補償などどこにもないということが、この事前交渉でさらに明らかになってきたわけです。そういう中で、政府がTPP交渉参加表明を行ったことに対し、知事自らが行動を起こして行くべきだと考えますが、県の見解を伺います。
◯秋田企画調整課長
 県では、3月1日付で全国知事会に対しまして、TPP協定が地方の経済活動や国民生活全般に与える影響等について十分な情報開示と明確な説明を行うことや、国民合意がないままTPP協定の参加を行わないことなどについて、文書で要請したところです。しかしながら、十分な情報提供や国民的な議論がなされないままに、政府がTPP交渉への参加を表明したことは、誠に遺憾なことと受け止めています。TPP協定は関税の削減撤廃のほか、今いろいろご指摘ありましたように、金融・労働・知的財産など、多岐にわたる経済連携が含まれていることから、県民生活に取りましても全般的に大きな影響を及ぼしかねないものと考えております。このため県としましては、今後とも、より機動的な情報収集に努めるとともに、全国知事会と連携して、TPP協定交渉にあたっては、国が十分な情報開示と説明を行うとともに国民的な議論を十分に尽くし、慎重な対応をするよう強く求めていくこととしています。
 
◯安藤委員
 国民的議論をし尽くすということは重要なことだと思うのですが、県知事はまず、この青森県民の中で十分な議論をし尽くしていただきたいと思うのです。いただいた資料の中で、全国知事会によるTPP協定交渉に関する対応について、三村知事が全国知事会会長に向けて要望書を出しています。この中で、国民に対する十分な情報開示及び明確な説明を行ない、地方の農林水産業者、商工業者、金融関係者、医療関係者、建設業者、労働者、消費者などの意見をしっかりと聞いた上で、国民的議論を尽くすことと述べられているのですが、知事に対して、青森県内の今言われたような農林水産業者、商工業者など多分野の方達から意見を聞いて、そして、TPPに関する知事の行動を起こすということを検討していただきたいと思うのです。全国知事会を通しての要望のみならず、知事自らが違う形での声を発信していただきたいと思うのですが、見解を伺いたいと思います。
 
◯秋田企画調整課長
 まずはなによりも情報を正確に的確に把握しながら、その中で、県民にとってどういった影響があるのかといったことを考えながら、適切な対応をしてまいりたいと思っております。
 
 ◯安藤委員
 今のままでいくと、情報を正確に国民に情報開示するという段になれば、もう手遅れだということもあり得ると思うのです。そういう意味で、これまでTPP交渉反対という立場を鮮明にしてきた知事ですので、交渉内容が決まっていく前に声をあげ、ぜひ行動を起こすということでもう一歩踏み出していただきたいと思うのですが、もう一度、答弁をお願いします。
◯秋田企画調整課長
 さきほど申しましたように、状況が日々進展しておりますので、その中で、まずは的確な情報の把握に努めながら、効果的な対応、行動を含めて対処してまいりたいと思います。
 
◯安藤委員
 ぜひ、今後の対応策について、この庁内連絡会議に知事の意向を十分生かしながら、知事に直接、行動を起こしていただきたいということを強く求めたいと思いますのでよろしくお願いします。