2013.5.21: 平成25年度総務企画委員会 抜粋 本文(質疑2)
 次の質問は、インターネット等を利用する方法による選挙運動の解禁について伺います。
 新聞紙上でも最近何度か報じられておりますが、インターネットを活用していない人にはよくわからない話でもあります。そこで伺います。インターネット選挙運動の解禁を目的とした公職選挙法改正の趣旨・概要についてお伺いします。
◯田中選挙管理委員会事務局長
 これまで、公職選挙法では、選挙の公正、候補者間の平等を確保するため、選挙運動期間中で行われる文書図画の頒布・掲示その他の選挙運動について、一定の規制を行っており、インターネット等による情報の伝達も、文書図画の頒布に当たるものとして規制されてきたところです。
 今回の公職選挙法の改正は、近年におけるインターネット等の普及に鑑みまして、選挙運動期間における候補者に関する情報の充実、有権者の政治参加の促進等を図るため、インターネット等を利用する方法による選挙運動を解禁することを目的として行われたものです。改正法の施行日は、本年5月26日ですけれども、以後初めて行われる国政選挙の公示日以後にその期日を公示又は告示される選挙から適用されることとなります。
 今回の改正によりまして、具体的には、まず一つとしまして、有権者でございますが、ホームページ、ブログ、ツイッターですとか、フェイスブック等のソーシャルネットワーキングサービス、いわゆるSNSと呼ばれるものですとか、動画共有サービス、動画中継サイト等のウェブサイト等を利用した選挙運動が可能となります。ただし、電子メールを利用しました選挙運動については、引き続き禁止されているところです。
 二つとしまして、候補者・政党等につきましては、政見や個人演説会の案内、演説や活動の様子を撮影した動画など、選挙に関し必要な情報について、ウェブサイト等及び電子メールを利用した選挙運動が可能ということになっております。
 なお、インターネット選挙運動の解禁後も、選挙運動は公示又は告示日から投票日の前日までしかすることができないこと、未成年者はインターネット選挙運動を含め、選挙運動をすることができないことにつきましては、これまでと同様となっております。
◯安藤委員
 有権者と候補者・政党のできる範囲が違うわけなのですが、例えば有権者の方がその辺の状況をよく分からずに、電子メールを利用した選挙運動に流れはしないかという心配がされるのですが、その辺をきちんとすみ分けできるような方策が何か取られるのでしょうか。
◯田中選挙管理委員会事務局長
 このインターネット選挙運動の解禁というのは、ご承知のとおり初めてのことですので、注意すべき、留意すべき事項ということが様々ございます。これにつきましては、どういうルールかということを知っていただくことがまず重要であると考えております。具体的には、どう周知していくかということになりますが、まずウェブサイト等を利用した選挙運動につきましては、一般有権者の解禁の対象となっておりますが、先ほどありましたとおり、事前運動ですとか、未成年者の選挙運動は現行法上も引き続き規制、禁止されているということでございまして、有権者の方々の適切な判断に資するように、啓発の充実に努めることが重要と考えております。
 このため、県の選挙管理委員会としましては、これまで、市町村の選挙管理委員会に対しまして、改正法の趣旨等について通知するとともに、インターネット選挙運動解禁に係るガイドラインというものがございますので、それらについても情報提供しまして、周知徹底を図っているという状況がございます。
 また、一般の方々も様々なマスメディアで目にする機会はあるとは思いますが、具体的に利用しやすいように、県選挙管理委員会のホームページで、インターネット選挙運動解禁の特集に関する総務省のホームページがございますので、そちらの方にリンクをはりまして、閲覧いただけるようにしているところです。
 さらに、今後としまして、啓発用チラシというものがございますので、それを市町村選挙管理委員会へ配付しまして、一般有権者等への周知に活用していただくこととしているほか、参議院議員通常選挙に係る市町村選挙管理委員会委員長事務担当者打合会議等を通じまして、一般有権者等への積極的な周知を働きかけていくこととしております。
◯安藤委員
 選挙法に基づいた改正ですので、この選挙法に違反した場合には罰則を受けるということになるのでしょうか。
◯田中選挙管理委員会事務局長
 様々改正の内容ございますが、例えば、選挙運動用電子メールを送付することにつきまして、その規定に違反した場合には、罰則等が公選法の中で規定されているところです。
◯安藤委員
 具体的にはどのような罰則を受けるのでしょうか。
◯田中選挙管理委員会事務局長
 選挙運動用電子メールの関係ですと、2年以下の禁固又は50万円以下の罰金に処するとされております。併せまして選挙権及び被選挙権も停止されるということも規定されております。
◯安藤委員
 結構厳しい罰則ですので、うっかりというのが起きてしまわないかとても心配です。先ほど周知の方法をお話いただきましたが、その辺を徹底されるようにお願いしたいと思います。
 今回は初めてのインターネットを活用しての選挙運動の解禁ということになるわけですが、今後、その幅をさらに広げていくという方向性もあるというような話も聞いていますが、その辺について何か情報などがありましたら伺いたいと思います。
◯田中選挙管理委員会事務局長
 電子メールを利用した選挙運動について、有権者は現在禁止されておりますが、これにつきましては、次の夏の参議院選挙の実際の候補者・政党等での実施状況の検討を踏まえまして、さらにその次の国政選挙における解禁について、適切な措置が講ぜられるということが、今回の公職選挙法の改正法の附則の中に書かれているところでございます。
安藤委員
 そうしますと国政選挙だけが対象になるのですか。例えば次期県議選などについても同じようなことになるのでしょうか。
◯田中選挙管理委員会事務局長
 まず頭の整理としまして、今回の現在の改正法の関係のインターネット選挙運動の解禁につきましては、国政も地方選挙も両方ということでございます。先ほど私の答弁で、今後の検討について申し上げたのは、改正法の附則に書かれている書き方をそのとおり読み上げたものでして、さらにまず国政選挙という形でそこでの解禁について適切な処置が講ぜられるようにということで、具体的に先々のことは分かりませんが、実施状況ですとか検討の内容を踏まえて、段階を踏んで解禁されていくのではないかと考えております。
◯安藤委員
 今回のインターネットの活用によって、その利用に長けている若者たちは、この利用が投票率アップにつながって欲しいと思います。県としても、全体の投票率アップと、特に若者の投票率アップを視野に入れた周知などが必要かと思いますが、その辺について、何か政策的な考え方、思いなどがありましたら伺いたいと思います。
◯田中選挙管理委員会事務局長
 委員ご指摘のとおり、通常の選挙の投票率が低いということは常々言われているところでございまして、どの年齢の層が低いかと言いますと、やはり若年層という形になっております。今回のインターネット選挙運動の解禁というのはインターネットの使用率、普及率を考えましても、お年寄りよりも若年層の方が高いということがございますので、やはり若者に知っていただき、関心を持っていただいて、投票場へ行っていただくといういいサイクルが生み出せればと考えております。
 具体的な施策につきましては、なかなか現時点で申し上げることは難しいのですが、繰り返しになりますが、初めてのインターネット選挙の解禁でございますので、選挙の管理執行する側、県の選管もそうですが、市町村の選管も、その内容についてよく知ることが必要と考えております。併せて、いろんな場面、あらゆる媒体を使いまして周知していくということが、まず一歩踏み出すべきことかと考えております。
◯安藤委員
 最初の出だしのところでスムーズに行き、これが大いに活用されて、投票率がアップされたという良い結果になるよう、県としても努力していただきたいと思います。以上で終わります。