2013.5.21: 平成25年度総務企画委員会 抜粋 本文(質疑3)
◯三橋委員長
 休憩前に引き続き会議を開きます。
 企画政策部関係の審査を行います。
 特定付託案件についての質疑を行います。
 質疑は所管外にわたらないよう簡明に願います。
 なお、答弁者は挙手のうえ、「委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。
◯三橋委員長
 他に質疑はありませんか。──安藤委員
◯安藤委員
 2点伺います。最初は原子力施設の安全性の検証体制についてです。青森県原子力安全対策検証委員会は、平成23年3月11日の東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、国、事業者の安全対策について検証する目的で、平成23年6月7日に県が設置したものです。この検証結果を受けて、それぞれの会派に意見が求められましたので、私ども日本共産党では、知事が各会派からの意見と自らの判断で安全対策は取られているとの安全宣言は絶対に出さないようにすること、再稼働、試験再開、工事再開へのお墨付きを与えることのないように厳重に申し入れるという意見を申し述べてきたわけです。そして、この原子力安全検証委員会について、このたび終了させるという報道がありました。そこで伺います。青森県原子力安全対策検証委員会を終了させる理由について伺います。
◯関原子力施設安全検証室長
 委員からも検証委員会の件についてお話いただいたのですが、改めまして、検証委員会でございますが、東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故の重大性ということに鑑みまして、平成23年6月、国、事業者が講じた県内の原子力施設の緊急安全対策等につきまして、独自に検証するために設置したものです。検証委員会におきましては、独自の視点での確認とともに、今後必要とされる安全対策について幅広くお示しいただき、その検証結果につきましては、その年の11月に知事に報告していただいところです。検証委員会が検証した緊急安全対策につきましては、現在、原子力規制委員会で審議が行われている新規制基準のベースになっておりますし、さらに、検証委員会から提言のあったいくつかの項目、例えば「訓練の充実・強化」であるとか、防潮堤等の中長期対策の着実な実施を図るべきといった対策等につきましては、新規制基準にも項目として、盛り込まれているところでもございます。検証委員会での検証につきましては、事故直後の県民の安全・安心に応える観点から、県として原子力施設の安全性に関する対策の妥当性を判断する上で、一定の成果を上げたものであり、また、事業者の今後の安全対策にも活かされているものでもございます。そう受け止めているところでございまして、この検証委員会の任期が来る6月6日に迎えるわけですが、それをもって一区切りついたものと考えております。
◯安藤委員
 事故直後の県民の不安に応えるために、安心・安全の検証を行うという姿勢で行われたというお話でしたが、平成23年11月10日付の検証委員会の報告書の中で、ストレステストについては、「国の指示により事業者が検討を進めている、現段階でストレステストの結果は出ていない、今後必要に応じて委員会としての取り扱いを判断していく」ということが書かれています。ストレステストというのは、前政権のときに示されたもので、今、ストレステストが宙ぶらりんになっているように見えますが、ストレステストについて検証委員会としても、今後取り扱いを判断していきたいという方向を示していました。またそれから、平成23年12月26日の知事の臨時会見で、もともと2年間の任期でお願いしてますから、自動的に来年はお願いするということになりますという言葉を、知事が話されています。そういうことからして、任期2年間で終わりにするというニュアンスの説明ではなかったのです。そういう状況の中で、今回一定の成果があったということで打ち切るということについて、今また新安全基準というものが示されるというこの段階で、それらが示された上で各事業者がその新安全基準に基づいて、事業が進められるのかどうかという安全性の検証を追求する必要があるのではないかと思うのですが、知事の最初の言葉なども踏まえて、どのように考えているのでしょうか。
◯関原子力施設安全検証室長
 検証委員会の検証期間につきましては、必ずしも期間を区切って始めたということではございません。委員がおっしゃるように、今まさに原子力規制委員会で新規制基準の策定ということで、いろいろ審議をしております。そういった審議の状況であるとか、あるいはそれに対応して県内の原子力事業者がどういうふうな対応をしていくかということは、私どもとしても十分注視していく必要があるかと思います。県民の安全・安心の観点からということでございまして、ある意味で今後の検証をどう進めていくかということについてのお答えを先走って申し上げることになるかもしれませんが、一旦その任期でもって一区切りついたということについて、先ほど触れさせていただいたのですが、検証委員会でまとめていただいたその報告書というのは、規制委員会のほうにも考え方として活かされているということで、ある意味、規制委員会の考え方と別の方向を向いているのではなく、ベクトルとしては同じ方向を向いているということが一つと、検証委員会から知事にご提言をいただいて、その提言については今後の安全対策に十分活かしていただきたいということで、原子力事業者にもお願いをし、また、事業者からは節目節目で県に報告をいただいているということで、検証委員会で出していただいた報告書というものは、これからも事業者の安全対策に十分活かされていくということを確認できたということもございます。そういう意味で一区切りついたということです。これをもって一旦検証委員会を一区切りつけさせていただいたということもあるのですが、今後いろんな場面で、今おっしゃったような原子力施設の再稼働等、あるいは操業といった場合において、県として検証報告というのが必要になるかと思います。その時点におきまして、どういった検証体制で臨むのが妥当であるのかということは、その状況状況においての判断・検討ということになるかと思いますので、そういう状況を見ながら、適切に対応していきたいと考えております。
◯安藤委員
 ちなみに、この検証委員会が動いているこの間、検証委員会の運営費というものは、どの程度使われたのでしょうか。
◯関原子力施設安全検証室長
 検証委員会が平成23年度の6月からということですので、概算ですが、平成23年度は委員会を集中して開催いたしまして、8回の議論で検証報告をまとめていただきました。執行額としましては、1,360万円でございます。平成24年度は検証委員会の開催がございませんでしたので、予算は、職員が委員との打ち合わせ等に要した旅費、約15万円の執行となっております。
◯安藤委員
 費用がどうこうということではありませんが、この先、またそういう検証が必要になった段階において、立ち上げた検証委員会のメンバーの方達を中心にした、同じような検証のスタイルをとるということも、視野に入っているのでしょうか。
◯関原子力施設安全検証室長
 これまでの検証報告の中で、手順としてとってきましたのは、まずは県民を代表する県議会のご意見がどういうものであるのか、また、地域の住民である市町村長の考えがどうなのかといったことをはじめといたしまして、県内の各界、各層のご意見、あるいは、必要に応じて専門家の方々のご意見といったものを伺ったうえで、総合的に検証室としてこうあるべきだという検証報告をまとめさせていただいております。今後のことにつきましても、必要な状況状況において判断させていただくということですが、このたびのような検証、委員会というような形で検証していくのがいいのか、あるいは、内容によっては別な視点での専門家の方のご意見を聞かせていただくということも必要かと思いますので、それは今後の状況状況に応じて検討・判断させていただきたいと考えております。
◯安藤委員
 その事柄によって、それにふさわしい専門家の御意見を受けるということも出てくると思うのですが、特に活断層の問題では、東通原発の敷地内に活断層があるという原子力規制委員会調査部会の判断もある中で、最終的に規制委員会としての最終判断がどう下されるかというのは、これからだと思うのです。今後、その活断層の問題においては、青森県として、事業者と意見が食い違いが見られて、活断層問題を棚上げにして再稼働ということが絶対にあってはならないと思うわけです。活断層の問題では、大間原発も、六ヶ所の核燃再処理工場においても、そういう指摘がある中で、青森県としても、専門家の方達を通して、活断層問題についての検証も、これまでのスタンスから言えば、行っていくべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
◯関原子力施設安全検証室長
 活断層の問題はいろいろ動いているというか、進捗している状況でございます。当然ながら、原子力発電所の再稼働に当たりましては、国が最終的な責任を持って、施設の安全性を確認することが前提であると考えてございます。活断層にかかわる再評価など、繰り返しになりますが、国の安全審査の核になる部分につきましては、そちらの方の専門家によって集中的に議論すべきものであると考えております。いずれにしても県として、検証室として、検証報告が必要な場面におきましては、その場面場面での対応を考えていきたいと思っています。
◯安藤委員
 検証委員会を立ち上げたその根本は、知事の、安全なくして原子力なしという確固たる考えがあって、検証委員会を立ち上げたと思いますので、国の原子力安全新基準などについても、本当にそれに適合すれば再稼働がしても構わないのかどうかということも含めて、県民の目線でしっかりとした対応を行っていただきたいと思っています。この新安全基準というものが7月を目途として出されようとしているわけですが、これについての、検証室としての考えを持っているのでしょうか。
 ◯関原子力施設安全検証室長
 新規制基準に対する構えとしては、原子力施設の安全確保を確認するうえでの基本となる基準でございますので、どういう形でその基準がまとまるのかということは、今後とも情報を収集しながら注目していきたいと存じます。それから先ほどの知事の姿勢、県の姿勢ということにも関連してのことですが、原子力施設に係わる重要案件ということにつきましては、県の姿勢として、これまで慎重のうえにも慎重に、総合的に対処するという姿勢で臨んできておりますので、そういった姿勢は堅持する必要があると考えておりますし、私どもの今後の検証報告においても、そういった姿勢は基本としていきたいと考えております。
 ◯安藤委員
 検証委員会とは別に、青森県には青森県原子力政策懇話会があるわけですが、検証委員会が立ち上がったことで、懇談会の方の活動は少し停止していたかと思われるのですが、これまでの経緯と今後どのようにされていくおつもりなのか、伺いたいと思います。
 ◯関原子力施設安全検証室長
 検証委員会は、先ほど委員からもお話があった経緯を踏まえて立ち上げたものでございます。それから、原子力政策懇話会でございますが、設置経緯は少し異なっておりまして、平成15年9月1日に、当時は検証チームと呼んでおりましたが、チームが発足しております。そのチームの検証機能をある意味で強化するといいますか、検証チームを政策的にサポートしていただくという組織として、ほぼ同時期の平成15年9月11日に、政策懇話会を立ち上げております。そのメンバーの中には以前、委員にもご提供さしあげたと思うのですが、県内の各団体の会長・代表の方であるとか、あるいは専門家・有識者の方、あるいは原子力政策についてのお考えを持っている一般県民の方から公募という形で構成させていただいておりまして、私どもチームが発足して以来、十数件の検証報告を行ってきております。その中で、政策懇話会の方々にも必ずご意見を伺うという機会は作っております。県議会の議員のご意見はもとより、重要な場面においては、この政策懇話会の意見も必ず聞くという機会は設けさせていただいております。
 今回の国の緊急安全対策等についても、政策懇話会のご意見もいただきまして、各界、各層のご意見、政策懇話会のご意見といったものを総合的に判断して、知事から了というようなことを申し上げているところです。回数的には、委員おっしゃるように、検証委員会の陰に隠れたような形ではありますが、緊急安全対策に対する考え方というのはしっかりお聞きしましたし、今後も、私どもの検証報告の中で必ずまた、ご意見を伺っていくということになろうかと思います。
◯安藤委員
 この間のすべて議事録をいただいて、目を通させていただいたのですが、それぞれの分野の方が真剣にこの原発・核燃問題について、意見されているのを見せていただきました。その中で、県民にわかりやすく、そして県民の声をしっかりと聞いてほしいというようなご意見がところどころにあったように思います。今、大変重要な位置にさしかかっていると思います。この原発再処理工場の問題、大間原発の問題は大変重要な岐路にさしかかっております。安心・安全ということを第一義的にとらえるのであれば、活断層の問題をはじめ、福島原発事故の事故原因をしっかりと解明することが、次の段階に進む大条件だということも踏まえて、検証委員会としてはしっかりと対応していただきたいと思っております。このことを要望させていただいてこの質問を終わります。