2016年4月21日平成28年商工労働観光エネルギー委員会

「ブラックバイトについて」

◯安藤委員

それでは、2点質問させていただきます。
1点目はブラックバイトについてです。大学生や高校生アルバイトに違法、無法な働き方を強いるブラックバイトが社会問題になる中、厚生労働省がアルバイト経験のある学生1,000人を対象に初の実態調査を行いました。回答者の6割が「何らかの労働条件上のトラブルを経験した」と答え、事態の深刻さと広がりが裏づけられました。そこで伺います。県の労働相談におけるブラックバイトの相談状況についてお伺いします。

◯金子労政・能力開発課長

県では、県内の労働者等の抱える労働問題について迅速かつ適切な解決を図るために、労政・能力開発課内に労働相談窓口を設置しています。
当該労働相談においては、記録上、学生かどうかは不明でしたけれども、アルバイトについての労働条件等でのトラブルの相談は、平成23年度から平成27年度までの過去5年間で2件ありました。1件は、解雇及び賃金の不払いであり、もう一件は、賃金の過小な支払いによるものでした。いずれも労働基準法等に抵触する可能性があったため、管轄の労働基準監督署ないし労働基準監督署内にある総合労働相談コーナーに相談するよう勧めたところです。


◯安藤委員

5年間に2件ということなので、割合的には少ないですが、県内においても、アルバイトをしている方からのそういう相談があったということで、相談に至った件数というのは、本当にごく限られて、相談した方は限られていると思いますが、相談に至らないまでも、同じようなケースが横たわっているのではないかと危惧されます。
仙台市の男子大学生が昨年11月にダイニングバーの経営者に対し、アルバイト代を未払いの上、店の赤字を穴埋めさせたとして、約210万円の支払いを求める労働審判を仙台地裁に申し立て、1月に経営者が200万円の解決金を支払うことなどで、1月に和解が成立したと報じられていました。泣き寝入りせずに声を上げることの大切さをこの案件は示しています。先ほど県からの報告にあった事例でも、労働基準監督署に行くようにというアドバイスをされたということですので、そちらの案件も労働基準監督署が中に入って、よい解決がされるということを願っています。
アルバイトに就く学生には、不当労働を排除する法律に守られているという認識を周知する必要があると思います。気軽に相談できる場所が必要だと思います。そこで、学生がアルバイトについて労働相談できるような対策が必要と考えますが、県の見解を伺います。

◯金子労政・能力開発課長

委員から御紹介もありました、厚生労働省が平成27年8月に実施した「大学生等に対するアルバイトに関する意識調査」において、困ったときの相談先として「行政機関等の専門相談窓口に相談した」という割合は1.6%と大変低い結果となっていました。これは、学生にとって行政の相談窓口が身近なものと認識されていないことが原因と考えられます。
これを踏まえ、県としては、広報媒体やセミナー等を活用して労働相談窓口の周知を図ってまいります。また、国においても、今後「アルバイトの労働条件を確かめよう!」キャンペーンを全国規模に拡充し、大学等への出張相談等をすることとしていますので、県としても協力してまいります。
今後とも、青森労働局などの関係機関と緊密に連携を図りまして、青森県の将来を担う若者が生き生きと働き続けられるよう努めてまいります。


◯安藤委員

大学などにも出張して連携をというお話がありましたが、大変大切なことだと思います。できましたら、今、高校生もアルバイトで生活費やさまざまな授業料の一部ということでのアルバイトをしている方もいますので、ぜひ高校に対しても連携を図っていただきたいなと思いますが、この辺はどうでしょうか。

◯金子労政・能力開発課長

委員から今、高校生に対してもきちんとそういった労働条件等について周知を図るようにと御指摘をいただきました。県庁として、教育庁などとも連携をしまして、そういった情報がなるべく一人でも多くの高校生に行き渡るように連携、協力して十分努力してまいります。


◯安藤委員

ぜひ大学生や高校生が自覚を持って、そして、これは違法だという思いをしっかりと持てるような、そういう援助も必要ですし、そういう教育も必要だと思いますので、その辺も踏まえて連携していただきたいと思います。
労働基準法第15条には、「使用者は労働契約を結ぶ際、労働者に賃金、労働時間、その他の労働条件を書面により明示しなければならない」と定められています。しかし、先ほど言いました、今回、国が行った調査では、6割のケースで書面の交付がされていなかったといいます。ぜひこうしたことがないように、国に対して、雇い主は労働基準法遵守を徹底するよう、県からも声を上げていただきたいと思いますが、この辺についてはいかがでしょうか。

◯金子労政・能力開発課長

労働基準法の上で、労働条件について書面で明示することという規定があります。こちらについては、遵守していないと労働基準法違反ということで、労働基準監督署の指導の対象ということになります。そういった要望について、まず、身近にいます青森労働局との間できちんと話し合いをしまして、そこから国に上げる等の対応をきちんと要求していきたいと思います。


◯安藤委員

大学生や高校生が本来の学業すらしっかりとできないような事態に追い込まれるという、アルバイトでそういう事態になるというケースもままあるようですので、ぜひとも学生が健康な体で学業に専念できるような、最低限それは守ってあげられるようなアルバイトになるように、ぜひ青森県としてもしっかりと対応していただきたいと思います。よろしくお願いします。

「観光客の動向について」

◯安藤委員

2点目の質問です。北海道新幹線の開通、そして、いよいよ桜の開花という観光シーズンに入ったわけですが、きょう、青森に来る途中もあちこちで満開状態で、待ってくれよと、そんな思いでこちらに来ましたが、本県を訪れる観光客でにぎわう季節を迎えたわけですが、この観光客の動向について質問したいと思います。
本県の宿泊状況についてです。平成27年の青森県の延べ宿泊者数について伺います。

◯戸沼観光企画課長

平成27年度の本県延べ宿泊者数についてお答えします。
国の「宿泊旅行統計調査」によりますと、平成27年1月から12月までの本県の延べ宿泊者数は、502万2,800人泊となっており、前年と比較し11.3%の増ということになっています。
このうち外国人延べ宿泊者数でございますが、10万8,180人泊となっており、前年と比較して55.3%の増となっています。いずれも、国による平成19年の調査開始以降、最多の数値となっていまして、本県として初めて500万人泊を超える結果となっています。


◯安藤委員

一番最初の報告の中、外国人観光客をいかに取り込むかというのが一つの課題だというお話がありましたが、今の答弁でも、外国人宿泊数も過去最高となったというお話でした。それで、国別に見たときに、上位5位までどのような国からの観光客が見えているか伺います。

◯堀誘客交流課長

国別で申し上げます。1番が台湾の2万6,780人、これを筆頭に、韓国、アメリカがともに2万人を突破したほか、中国が1万1,380人、タイが5,360人となっています。


◯安藤委員

私たちの身近でも、弘前にもたくさん外国の方が見えているように思われます。ねぷた村などに行きますと、日本人がどこにいるのかと思うくらい外国の方、特に、見た感じでは、私が行ったときは、韓国、中国の方が多いように見受けられました。今のお話だと、3位がアメリカということですが、私は意外だったのですけれども、この順位については、どんなふうに見ているか伺います。

◯堀誘客交流課長

これまで県は海外における本県観光資源の認知度向上を図るとともに、主に東アジアを中心としたプロモーション活動を積極的に展開しているところです。一方で、アメリカについては、やはり本県の場合、三沢に米軍基地がある関係で、観光客以外の方の交流も他県に比べても多いということで認識しています。


◯安藤委員

延べ宿泊者数が増加した要因をどのように考えているのか伺います。

◯堀誘客交流課長

これは国内外トータルですが、平成27年は、先月の北海道新幹線開業、本年夏のデスティネーションキャンペーンを控えたかなめの年であったことから、昨年夏の全国宣伝販売促進会議において、約1,000名の旅行エージェントなどに対し、本県と道南地域の魅力を強力にPRしたことを初め、JR東日本と連携したキャンペーンの展開、世界最大規模の国際観光イベントでの青森ねぶたの運行など、あらゆる場面を活用し、本県の魅力を強力に発信し、誘客活動を展開しました。
これらの決定的な情報発信や誘客活動に加え、ふるさと旅行券による宿泊需要の喚起など、国の施策と呼応した取り組み、また、その土台となる本県の魅力づくりに関係者とともに着実に取り組んできたことが今回のよい結果に結びついたものと考えています。
このほか、外国人観光客については、円安も追い風となり、日本全体の延べ宿泊者数が大幅にふえている中、いわゆるゴールデンルート以外にも、日本らしさや地方ならではの文化・体験を求めて、各地域を周遊する傾向にあることが好調の要因として考えています。


◯安藤委員

北海道新幹線の開通にもかかわって、誘客に向けたさまざまな取り組みがやはりいい結果に結びついたと思います。それで、先ほど質問の中では聞いていませんが、東北各地の中でも、やはり青森県が観光客、宿泊者数の増加が顕著だというふうに認識しているのですが、やはり原発事故以降、東日本大震災以降、落ち込んだ中からはい上がってきた数だと思うのですけれども、やはり東北の中で青森県が誘客数、宿泊数を伸ばしているということは、福島から一番遠いということも影響しているのかなというふうに感じるのですが、その辺はどんなふうに見られているでしょうか。

◯堀誘客交流課長

インバウンドに限って、海外のお客様に限って申しますと、震災前の時点と比べた伸び率でいえば、青森は1位でございます。この要因はさまざまあるかと思いますが、例えば、東北の中では青森県は仙台と並んでソウルからの定期便を有しているとか、また、今、力を入れているところの青函周遊という意味では、函館に毎年たくさん、東北全体に宿泊する外国人客と同じくらいのお客様が函館にお見えになっている。函館と連携した取り組みもまたここ数年、非常に進んでいる。そういった要因も含めて、これらの結果につながったものと認識しています。


◯安藤委員

外国人観光客の受け入れ体制の整備に向けた取り組みについて伺います。

◯堀誘客交流課長

本県を訪れる外国人観光客をさらにふやしていくためには、外国人観光客が安心して旅行できる受け入れ体制の整備を進め、本県滞在中の満足度を高めていくことが重要と考えています。このため、外国人観光客受け入れの留意点などをテーマにセミナーを開催するなどにより、県内観光事業者などによる取り組みを促してきたところです。
また、県では、多言語パンフレットの作成、Wi-Fi利用環境の整備など、観光事業者などが行う受け入れ環境の改善を支援していくこととしています。
北海道新幹線の開業を契機に、より多くの外国人観光客が本県を訪れることが期待されるため、県としては各種セミナーを開催し、県内観光事業者などの受け入れ環境の改善に向けた意識啓発を図るとともに、具体的な取り組みを支援し、引き続き外国人観光客の受け入れ体制の整備に取り組んでまいります。


◯安藤委員

現時点でいろいろな取り組みをされて、各地域頑張っておられると思うのですが、現時点での外国人観光客受け入れにかかわる問題点など認識していることがありましたら伺いたいのですが。

◯堀誘客交流課長

やはり海外のお客様が、全く言葉が通じないところに観光に来て、安全で安心して観光を楽しんでいただくためには、いろんな看板の表示ですとか、細かいところでは、食堂、レストランに入ってメニューが現地の言葉で訳されているとか、そういったきめ細かな対応、また、公共交通機関を活用するにしても、一体、何時にどこからどういった交通手段が活用できるのか、そういった交通表示も含めて、総合的に受け入れ体制の整備にかかわってまいりたいと思います。これはシステムとか施設だけではなく、おもてなしのマインドも含めた県内の方々がこぞって海外の方を受け入れていただけるような環境づくりについても、あわせて整えていかなくてはならないないものと認識しております。


◯安藤委員

外国人の方も含め、県内外からの観光客に対し、やはり県民一丸となっておもてなしの気持ちというか、皆さん、青森に来てよかったと思えるような対応が、県全体でそういうおもてなしをしようという、これまでもしてきているとは思いますが、環境をぜひ強めていただきたいということを言いまして、終わります。


◯安藤委員

弘前市選出の安藤晴美です。よろしくお願いします。

「本県における風力発電事業の状況と県の取り組みについて」

◯安藤委員

それでは、2点質問させていただきます。
1点目は、本県における風力発電事業の状況と県の取り組みについて伺います。
電力自由化が始まり、自分の意思で電力を選択できる体制ができました。ただ、現在は、再生可能エネルギーで電気を供給する事業者が青森県には進出していないということもあって、これからを期待しているところです。全国には14社、再生可能エネルギーの電気供給事業者があるということですので、期待するものです。
世界的に再生可能エネルギーの導入拡大という流れの中で、青森県の風力発電事業について、どのようになっているのか、この思いで質問いたします。本県における風力発電の導入状況と、今後の見込みについて伺います。

◯櫻庭エネルギー開発振興課長

本県における風力発電の設備認定量は、平成27年12月末時点で、約93万5,000キロワットで、うち稼働済みは36万6,000キロワットとなっています。
今後の導入見込みについては、固定価格買取制度における認定設備がそのまま稼働するとすれば、約56万9,000キロワット導入される見込みとなっています。


◯安藤委員

設備認定がされればということですが、設備認定を事業者が受けるわけですが、その設備認定をする機関はどういうところで、認定の条件はどういうものか伺います。

◯櫻庭エネルギー開発振興課長

この固定価格買取制度は国の制度ですので、認定する機関は国になります。経済産業省になります。
要件ですが、風力発電の場合は、大抵の場合、アセスが必要になります。アセスの過程があるわけですが、最終に近い準備書の段階で、勧告書を入手した事業者が認定を申請する権利を得ることができますので、ある程度アセスが進捗した状況の段階で、かつ、国が認める基準に合致した発電所の計画、設置場所等を持っている事業計画が満たせば申請できるというようになっています。


◯安藤委員

そうしますと、認定を受けた未稼働設備は55基だと認識していますが、アセスも全て受けた段階で稼働の条件が満たされているという認識でよろしいでしょうか。

◯櫻庭エネルギー開発振興課長

まだ未稼働の案件が、先ほどの56万9,000キロワットが、件数でいけば55基ということになるわけですが、その個別の事業者がどの状況にあるかというのは、私どもはつかんでございませんので一概にお答えできないのですが、準備書は、全体の環境アセスの中のやや後半で、ある程度終了に近い段階なのですが、その時点で、何らかの事情でとまって再調査しなければならないという事態も決してないわけではございませんし、あるいは、アセスは終わっているのだけれども、採算性が合うのかどうかとか、資金計画が合うのかとか、風車がきちんと予定どおり入ってくるのかとか、さまざまなクリアする条件があります。工事費も当然かかります。その辺を総合的に勘案して着工という形になりますので、それまでの山を越えていないがために、現在、55基が未稼働になっていると推定されます。


◯安藤委員

その条件の中に送電網のことも含まれると思うのですが、送電網の容量不足ということで、55基設置の可能性がどの程度あるのか、青森県としてはどのように認識されているか伺います。

◯櫻庭エネルギー開発振興課長

申しわけございません。先ほどの条件の中に、当然、送電網に接続ができるかどうかというものも非常に大きな要件でございます。送電網は、現在は東北電力の送電網になりますので、各事業者は、東北電力に接続を申請する。それによって、許可を得たということになれば発電ができるということになるわけですが、現在、東北電力管内で風力に関する全体の容量的にはまだ余裕があります。ギリギリではございますが。ただ、各線ごとにそれぞれ容量がありますので、個別の線ごとに入っていくかどうかということは、また別の問題になってきますので、特に下北半島管内は案件が多いので、なかなか入っていかないという状況になってきています。その際は、風力発電事業者が接続するための追加負担を要求されることになりますので、電力会社サイドから、例えば、系統を太くするための工事をやってくださいとか、さまざまな条件つきで認められることになりますので、その点もまた稼働が進まない理由になっていることも考えられます。


◯安藤委員

新聞の報道によれば、東北電力の送電網で足りなければ、独自に送電網を建設するというような方向にもあるというような記事があったかと思うのですが、その辺も含めて実現の可能性というのは期待できるものなのでしょうか。

◯櫻庭エネルギー開発振興課長

実際にそういった事例で北海道、東北で3地域ほど、新たな送電網を整備するための、これは国の補助制度を使ってやろうという事業が今、進展しています。青森県も上北送電株式会社がその作業を進めていますが、実際に新たな送電網をつくるということになりますと、許認可の関係とか、用地取得とかさまざまなハードルがありますし、巨額の経費がかかるということもあります。国から助成をいただきながら進めていくことになりますので、すぐにということにはなりませんけれども、そちらの計画は進んでいる状況にあります。ただ、この何年かということではなくて、長い期間をかけて、可能性があるのかどうか、採算性がとれるのかどうかということも含めて検討していかなければならないので、すぐに解決策というわけにはいかないですが、将来的な解決策という方向で現在向かっているところです。


◯安藤委員

青森の風を活用しての風力発電というのが、多くは県外の大手の会社による発電ということになっているのですが、県内の、例えばNPOとか自治体とか、そういうところで風力発電事業を進めるという流れというか、動きというのは、何かありましたら伺えればと思います。

◯櫻庭エネルギー開発振興課長

現在、県内事業者が風力発電を実施しているのは、2万キロワットの5%にすぎないということで、それ以外は県外事業者が事業主体となっているというのが現状です。やはり風力発電は1基5億円ぐらいの経費がかかります。当然、事業を進めるには1基ではなくて複数基を持って事業を進めていくというのがパターンのようです。そう考えますと、なかなかNPO法人だとかそのぐらいの規模ですと、資金の問題とかということが出てきますから、県内の場合、中小企業が多い地域ですので、なかなかみずからの力で風力発電に参入するというのが難しいという状況にはあります。ただ、私どもは風力発電を地域振興につなげていきたいという願いがありますので、融資制度を用意しながら地元の参入につなげていきたいという願いはありますが、なかなか現実的には、先ほど言ったような状況で進んでいないという状況にあります。


◯安藤委員


風力発電事業に係る今年度の県の取り組みについて伺います。

◯櫻庭エネルギー開発振興課長

県の風力発電に係る今年度の取り組み状況ですが、県の風力発電に係る今年度の重点施策として、県内企業のメンテナンス業務への参入を一層促進するため、メンテナンス業務に係る人材育成を支援することとしています。
具体的には、定期安全管理検査に必要なメンテナンス技術取得のための基礎研修、風力発電設備の故障等に対応するための専門技術研修、県内の工業高校生等を対象とした実践体験研修を行うこととしています。
こうした研修を重ねていくことにより、県内企業のメンテナンススキルアップや将来のメンテナンスを担う人材の確保が図られ、県内企業の受注機会の拡大や雇用の創出につながることを期待しています。


◯安藤委員

今年度の県の取り組みについて、メンテナンスを中心とした新たな人材の掘り起こしというか、そういうものにつなげたいということなんですが、実際に現在、メンテナンスの業務が行われている地元の企業というのはどのくらいあるのでしょうか。

◯櫻庭エネルギー開発振興課長

県が調査したところによりますと、県内のメンテナンス事業に参入している企業は26社になっています。受注する金額ですが、県内に設置している風力発電に係るメンテナンス業務全体の総額が約15.3億円になっていますが、そのうち、県内の事業者が受注している金額が4.3億円で28%という実績になっています。


◯安藤委員

わかりました。いずれにしても、これからますます風力発電、あるいは、太陽光発電など再生可能エネルギーにおける期待は高まると思いますので、風力発電の可能性をぜひ追求していただきたいと思います。

「大間原子力発電所及びリサイクル燃料備蓄センターについて」

◯安藤委員

2つ目の質問に移ります。大間原子力発電所及びリサイクル燃料備蓄センターについて伺います。
今、熊本県、大分県を中心とする地震が発生し、直下地震の恐ろしさを示しています。この地震の中で亡くなられた方がおり、そして、避難をしている最中に亡くなられるという方も発生しております。亡くなられた方々への哀悼の意を表するとともに、被災された全ての皆様にお見舞いを申し上げたいと思います。
日本全国では2,000以上の活断層が見つかっており、原発近傍にも多くの活断層が存在しており、改めて原発を運転する条件はないというふうに実感しているところです。その上で質問いたします。
大間原子力発電所及びリサイクル燃料備蓄センターの原子力規制委員会における適合性審査の状況について伺います。

◯笹山原子力立地対策課長

電源開発株式会社によりますと、大間原子力発電所については、平成26年12月の原子炉設置変更許可申請以降、これまで審査会合が8回、審査ヒアリングが28回開催され、敷地周辺の地質構造などに関する審査が行われており、現在、追加の地質調査を行うなど審査データの充実に努めているというところです。
リサイクル燃料貯蔵株式会社によりますと、リサイクル燃料備蓄センターについては、平成26年1月の使用済燃料貯蔵事業変更許可申請以降、これまでに審査が108回開催され、施設関連や地震・津波等の審査が行われており、今後は、竜巻、基準地震動などの審査が行われる予定と聞いています。


◯安藤委員

大間原発は2022年ごろ、中間貯蔵施設はことし2016年10月の運転開始を計画していると聞き及んでおります。そうした中で、活断層の評価というのが非常に重要な課題だと考えておりますが、特にこの青森県、活断層の指摘があちこちであるところですので、この耐震審査、地震動の評価について、十分念入りに行った上で運転開始という計画における審査が行われるべきだと考えています。その活断層の評価について、厳重な審査をする必要があるという認識に立って、県はこの辺のことについて声を上げ、要求をしていただきたいと思いますが、この点についていかがでしょうか。

◯笹山原子力立地対策課長

原子力施設の安全性の確保については、青森県は全国の原子力関係団体とともに国及び事業者に対しまして、その安全性の向上につきまして要請を行っているところです。今後も引き続き、要請をしてまいりたいと考えています。


◯安藤委員

日本原燃が基準地震動を600ガルから700ガルに引き上げました。これまでも日本原燃、そして、東通原発など、基準地震動が統一されてきたと考えてもいいかと思うのですが、県内の原子力施設の基準地震動について、今回、質問します大間原発や中間貯蔵施設について、この先どうなっていくのだろうかと考えています。本年2月に日本原燃株式会社が基準地震動の見直しを行っているが、大間原子力発電所及びリサイクル燃料備蓄センターの適合性審査に影響はないのか伺います。

◯笹山原子力立地対策課長

基準地震動については、新規制基準に基づいて事業者が個別に評価して策定するものです。これは各地点の地質、あるいは、地質構造などによって異なるものと受けとめています。大間原子力発電所及びリサイクル燃料備蓄センターにおける基準地震動については、今後、原子力規制委員会の適合性審査の中で、各事業者の考え方を説明していく予定ということですので、県としましては、引き続き、事業者の対応や審査の状況等を注視してまいりたいと考えています。


◯安藤委員

今回の熊本で4月14日9時26分に発生したマグニチュード6.5の地震で、地表は最大1,580ガルの強い揺れに見舞われたということが報道されました。科学者でも予測を超える事態が続いていると言えると思います。現在、新規制基準の適合が認められているのは高浜、伊方、川内原発なわけですが、これだけ大きな地震が発生し、そして、国民の多くが原発の稼働、これでいいのか、とめなくていいのかという思いに駆られていると思います。近傍の川内原発についても、現在、政府は稼働中止ということを表明しない状況にあり、そしてまた、今回の地震、活断層の延長線上にあるだろうと思われる伊方原発についても、今のところ、その影響を示唆する見解が出されていません。そういう中で、多くの国民が原発の再稼働はすべきでないし、川内原発はとめるべきだという思いに駆られているわけですが、この辺の国民の思いと政府の姿勢に隔たりがあると思うのですけれども、この辺について、八戸エネルギー総合対策局長に今の事態に絡んでの認識を伺います。

◯八戸エネルギー総合対策局長

福島の事故以降、地震、津波に対しては国民の不安というのが非常に高まってきているということは承知しているところです。今般の熊本地震についても、その周辺、100キロメートルぐらい離れているでしょうか、川内原発につきましては、原子力規制委員会がしっかりと評価して、安全性が確認されているということでそのまま再稼働が認められていると理解しています。
現在、新規制基準に基づく審査が進められているわけですが、新規制基準というのは、福島事故の反省を踏まえて、地震、津波の最大級の、そのサイトで起こり得る最大級のものを想定して、極めて厳しい基準で審査しているわけです。そして、地震、あるいは、津波によって電源が喪失する、ここら辺が一番の福島事故の要因だったわけですので、この反省を踏まえて、まずは電源の確保、これは外部電源が喪失した場合は、さらに敷地内の非常電源を初めさまざまな手段で電源を確保していく、そういう対策がとられています。そして、何よりも炉心溶融を起こさないため、あるいは、格納容器の破損を防止するため、これはさらに厳しく何重もの防護装置が要求されている。その上で世界最高の水準であると言われているわけです。そういう中で審査が進められているわけですので、県としては、県内原子力施設に関しては、その審査の過程一つ一つ、規制委員会の評価を見極めていきながら、要請すべき点は要請していくという姿勢で臨んでいきたいと考えています。


◯安藤委員

福井県の高浜原発について、規制基準に適合したといっても、その規制基準そのものに疑義があるということで仮処分が言い渡されました。この青森県についても、日本原燃が示した基準地震動は600ガルから700ガルということですけれども、その700ガルに適合した耐震をしたとしても、その基準地震動を超える地震が来るという可能性は非常に大きいということを今回の九州熊本地震は示していると思います。新規制基準に適合したからそれで大丈夫だという今の政府の姿勢は、私たちは到底認められないし、多くの国民が心配している活断層の活動期に入っている、この日本で原発を動かすことは認められないという思いを新たにしているということを表明して質問を終わります。