2017年3月17日平成28年商工労働観光エネルギー委員会

「「青森県量子科学センター条例案」について」

◯安藤委員

議案第18号「青森県量子科学センター条例案」について伺います。
平成29年度予算では、量子科学分野の人材育成と研究開発を推進するための拠点となる施設の整備を進めるとともに、同施設の管理運営、利用促進を図るための経費として19億3,544万8,000円が計上され、設置に必要な事項を定めた条例案が提出されたわけですが、第1点として、量子科学センターの設置目的と活動の概要について伺います。

◯谷口ITER支援室長

今後とも原子力施設のさらなる安全性の向上を図るとともに、原子力、放射線を利用するさまざまな産業分野を維持発展させていくためには、その基盤となる人材・技術の維持強化が必要不可欠です。
県としては、原子力を含む幅広い量子科学分野の人材育成、研究開発においても積極的に貢献していくため、その活動の拠点としての量子科学センターを設置するものです。
量子科学センターにおいては、産学官が連携しながら、人材育成、研究開発活動を展開していくこととしており、まず、人材育成活動については、1つ、原子力関連施設の安全性向上、2つとして、原子力関連産業への雇用促進、3つとして、原子力・放射線への理解促進、4つとして、新たな産業づくり、これらの4つの活動目標に沿って取り組むこととしています。
また、研究開発活動については、4つの活動目標があり、1つとして、高レベル放射性廃棄物からの放射性同位元素の高度分離技術の開発、2つとして、放射性同位元素の医学・工学等への応用、3つとして、先進放射線計測技術の開発、4つとして、新たな材料科学技術の開発、これらの4つの活動目標に沿って取り組むこととしています。


◯安藤委員

先ほど川村委員からもお話がありましたが、放射線医学総合研究所と日本原子力研究開発機構の4研究所が統合して、新しく量子科学技術研究開発機構が昨年4月に発足しています。その中には六ヶ所核融合研究所も含まれているようですが、量子科学技術研究開発機構との関係について伺います。

◯谷口ITER支援室長

量子科学技術研究開発機構は、国立研究開発法人である放射線医学総合研究所に国立研究開発法人の日本原子力研究開発機構の量子ビーム部門と核融合研究部門が統合して名称変更することにより設立されました。委員からお話しのありました六ヶ所核融合研究所については、この核融合研究部門の中に入っています。
この量子科学技術研究開発機構の研究分野は、放射線医学と放射線高強度レーザー、放射光の量子ビームと核融合です。


◯安藤委員

新しくできた機構の研究分野は、放射線医学及び量子ビーム、そして核融合となっているわけですが、今回、青森県がつくろうとしている量子科学センターは、どちらかというと医学のほうに重点を置かれた拠点施設のように受けとめているのですけれども、量子科学センターの隣の六ヶ所核融合研究所とは別の分野の医学的研究を中心に行う施設にするというところに、どういう意味があるのか伺います。

◯八戸エネルギー総合対策局長

量子科学技術研究開発機構は、今、委員からお話しのありましたさまざまな分野を担当しているわけです。
本県の量子科学センターとの関連を申し上げますと、このセンターで行おうとしている研究開発活動、例えば、先ほど谷口ITER支援室長から申し上げました放射性同位元素の医学への応用、この部分は同じような研究分野になるかと思います。
先ほど申し上げましたとおり、放射線医学総合研究所のさまざまな研究成果と連携しながら、量子科学センターにおいても、さらにその技術シーズを育てていくという観点から研究をステップアップさせていきたいと考えているところです。
また、このセンターの隣の国際核融合エネルギー研究センターは、核融合のさまざまな技術開発を行っています。既に成果も上げています。そういう成果を、先ほど申し上げました4つ目の新たな材料科学技術の研究、こちらのほうに生かしていくと、そういう関係性があるわけです。


◯安藤委員

今つくろうとしている、その施設に対して、本当にユーザーの強い希望があって設置するのかどうか、その点についてはどうでしょうか。

◯八戸エネルギー総合対策局長

量子科学センターにおける研究開発活動については、長年にわたって、東北大学を初め、県内の弘前大学、八戸工業大学、北里大学、あるいは人材育成活動についても、それらの大学と八戸工業高等専門学校と、いろいろ活動内容について協議してきたところです。そういう基本的な内容のもとに今回の施設整備を決定しているところですし、活動計画についても、そういった機関の活動が中心になってきます。そういう中で、県が主体となって行う活動については、そういった機関に委託をして、センターで事業をやっていきたいと。
また、県以外のさまざまな研究機関については、このセンターを共同利用という形、あるいは主体となって自主利用、独自利用という形で利用促進を図っていくというようになるかと考えています。


◯安藤委員

それでは、量子科学センターの設置に向け、大学・研究機関とどのような協議を行ってきたのか。また、今後、これらの機関とどのように協議していくのか伺います。

◯谷口ITER支援室長

量子科学センターの整備に当たっては、東北大学、弘前大学、八戸工業大学、北里大学、岩手医科大学などの大学、量子科学技術研究開発機構、日本原子力研究開発機構などの研究機関、電気事業者等の原子力関連企業等と連携協力しながら、人材育成・研究開発活動や施設整備の内容等について協議検討を進めてきました。
量子科学センター開設後においても、これらの大学、研究機関を初め、県内外の関係機関との連携により、効果的な人材育成・研究開発活動が行われるよう、引き続き協議調整、利用促進を図っていきたいと考えています。


◯安藤委員

その協議の中には、地元弘前大学も名前が出ましたけれども、今回、質問するに当たって、弘前大学の理工学部の教授にお話を少し聞いてみたのですけれども、この量子科学センターについては全く知りませんでした。弘前大学のどういう分野の研究者と協議されているのでしょうか。

◯谷口ITER支援室長

主に医療分野の研究者と協議しています。


◯安藤委員

私が聞いた方は医学部の教授ではなく、理工学部の先生なので知らなかったということなのでしょうけれども、いただいたこのパンフレットも見ていただいて、こういう内容でつくられるようですという話をしましたら、このパンフレットを見る限りでは、中途半端な施設だという印象を持つというような感想を述べておられました。そして、わざわざ六ヶ所村まで、その装置を使いに行くだろうかと、こんな疑念の声も寄せられていました。この辺のこうした、医療分野ではないですが、原子力に関係する分野の先生ですけれども、こういった先生の思いというのは、どのように受けとめられるでしょうか。

◯八戸エネルギー総合対策局長

この量子科学センターに関しては、まだよく知られていない部分が多いかと思います。パンフレットを見た限りでは中途半端という意見もあるのかもしれませんが、県としては、限られた資金の中で、かなり高価な機器、必要な機器は整備したつもりです。
施設全体としては56億円ですから、そう大きな施設ではありません。県としては、まず小さく生んで、一つ一つ育てて、大きな成果を生みたいと、こう考えているところです。
弘前大学理工学部とは、これまで具体的な協議はしておりませんが、今後、活用できる研究があれば、ぜひ協議してまいりたいと思いますし、農学生命科学部とも協議して、今後、放射線利用という形で施設を活用していただけるように働きかけていきたいと思います。


◯安藤委員

条例案の中身を見てみたのですけれども、使用料等が大変高いなというような実感を持ったのですが、例えば、研究棟やRI棟は、平均的にどのくらいの時間を使うという想定を持っているでしょうか。

◯谷口ITER支援室長

条例案の使用料の単価ですけれども、これは上限額でして、民間企業等が研究をする場合、このくらいはいきたいなと。ただ、同じ公の研究機関なりが研究する場合は、この目的に合致して、この半額程度と考えています。
そして、先ほど、どのくらい実験室なり研究室を使うのかというお話がありましたけれども、まず、このセンターの場合は、サイクロトロン加速器、これが中心となる機械です。放射性物質の制限もありますので、全稼働時間380時間。この380時間の稼働時間の中でうまく割り振って、いろいろな研究開発をやっていくということです。


◯安藤委員

サイクロトロンシステムというのは、1時間につき19万830円という使用料なのですよね。PET-CT室は1日22万8,710円ということで、数時間ということにはならないでしょうから、ここを利用するだけで相当の額の使用料を払わなければ使えないということになるわけで、先ほどのお話では、民間では、この額でいきたいということなのですが、民間でも相当力のあるところでないと、これだけの額を払って、じっくりと結果が出るような研究を進めるというのは大変なのではないかと思うのですが、その辺も含めて設定された額なのか。
それから、もう一つ、第5条に「特別の理由があるときは、使用料の全部または一部を免除することができる」とされているのですが、それはどのような場合を指すのか伺います。

◯谷口ITER支援室長

まず、この使用料の単価の設定ですけれども、他県の類似施設の単価なり、大学の研究機関の単価、それらを参考として設定していますので、決して本県だけが高いというわけではありません。
そして、第5条の使用料の免除ですが、公の研究機関なり教育機関が、この施設を利用する場合に、先ほど半額と答えましたけれども、そのようにしています。


◯安藤委員

そうしますと、大学の研究機関などが利用する場合は、第5条に該当するという捉え方でよろしいのですか。

◯谷口ITER支援室長

はい、そうです。その大学の教育なり研究目的が、この施設の研究テーマと合致した場合です。


◯安藤委員

次の質問ですが、指定管理者制度へ移行後、県では量子科学センターの活動にどのようにかかわっていくのか伺います。

◯谷口ITER支援室長

量子科学センターにおける人材育成、研究開発活動については、県が主体となって行う活動と、県以外の機関が主体となり、施設を利用して行う活動を想定しており、その活動計画については、指定管理者制度への移行後も県が責任を持って策定することとしています。
また、産業界、教育・研究機関、国、自治体等と連携協力しながら、人材育成、研究開発活動を充実させていきたいと考えています。多くの関係機関に利用促進を働きかけることとしています。
県としては、施設のPR活動や産学官のネットワーク等を通じた情報発信、情報交流を積極的に行うとともに、交通アクセス、宿泊等の利便性向上のための環境整備にも努めていきたいと考えています。


◯安藤委員

19億円を超えてつくられる施設なわけですけれども、十分利用できる、活用できるような施設として持っていくのには非常に厳しい面もあるのではないかと感じます。
原子力人材という件については、先ほどもお話に出てきましたけれども、核廃棄物の処理及び原子炉の廃炉に関する技術者養成が非常に重要になってくるだろうとも言われています。今後、日本に必ず必要となる人材ですけれども、これが枯渇するだろうとも言われています。そういった面の人材育成というのも、しっかりと視点に置いていかなければいけないということもつけ加えて、質問を終わります。

「東京電力ホールディングス株式会社の問題について」

◯安藤委員

3月11日、福島第一原発事故が起きて6年目を迎えました。この原発事故によって、避難者は全国で12万3,168人、こうした中で、安倍政権は、原発事故に伴う避難指示の解除を進めており、4町村の避難指示解除の対象者は少なくとも3万2,000人と言われています。こうした中で、まだ帰れる状況にないと不安や反発の声も非常に高くなっています。3・11のさようなら原発集会というのが全国で繰り広げられまして、私たちが住む弘前でも、3・11さようなら原発・核燃弘前集会というものが開かれました。その中で私たちは、元福島県知事、佐藤栄佐久氏の知事抹殺の真実というドキュメンタリー映画を上映しました。ここで佐藤栄佐久氏は、この背景にどういうことがあったのかということを語っておられました。
その中で、福島原発の技術者だったという方が、佐藤栄佐久さんは、原子力エネルギー政策にも、国の国策に対して異議を唱えて、戦う知事と評されていた方で、この人が県知事を続けていたなら、原発事故は起きなかったのではないかというような発言をされていたのも大変印象的でした。東京電力が、この福島原発事故を起こしてしまったということを、今6年たった時点でも大変重いものがあるということを改めて強く感じる1日でした。
そこで今回は、東京電力ホールディングス株式会社の問題について伺いたいと思うのですが、3月1日付の新聞に報じられていました。再稼働へ向け、原子力規制委員会が審査をしている柏崎刈羽原発6、7号機の事故時の対応拠点として使用する予定だった免震重要棟の耐震不足を東京電力が2014年に把握しながら公表しなかったなど、審査対応の問題で、原子力規制委員会の田中俊一委員長は、「審査書を総点検して信頼できるものを」と述べ、審査書の再提出を求めたという記事が目にとまりました。福島原発事故の、本当に反省に立っているのかと思われるような、こうした状況を非常に腹立たしく思いました。
そこで1点目の質問ですが、東京電力東通原子力発電所の現状について伺います。

◯笹山原子力立地対策課長

東京電力ホールディングス株式会社によると、東通1号機については、平成23年3月以降、本格工事を見合わせているが、現場の安全確保や品質保持の観点から、風雨による土砂の流出防止工事や管理用の道路整備など、必要な周辺整備事業を実施しているとのことです。


◯安藤委員

あくまでも東通村にも原発をつくるという、その姿勢に変わりないわけですが、やはり福島原発事故を起こし、大変な多くの方々の幸福権を奪った、こうした張本人だという、その自覚を持つならば、新しい原発を東通村につくろうという考えを方向転換するべきだと思うし、県もそういう立場にぜひ立っていただきたいと思います。
2点目の質問です。先ほど新聞記事の紹介もした件についてですが、東京電力ホールディングス株式会社は、柏崎刈羽原子力発電所の適合性審査で事実と異なる説明をするなど、原子力事業を行う資格がないと考えますが、県の見解を伺います。

◯笹山原子力立地対策課長

東京電力ホールディングス株式会社においては、安全確保、信頼確保を最優先として、原子力規制委員会による新規制基準への適合性審査への対応に万全を期すとともに、安全性のさらなる向上に、みずからが一層の責任と使命感を持って取り組む必要があると考えています。


◯安藤委員

安全確保、信頼確保を求め、それをしっかりと構築するならば、今回のような指摘されるようなことを起こさないと思うのですね。こういう東京電力の姿勢について、どのように受けとめておられますでしょうか。

◯八戸エネルギー総合対策局長

まさに東京電力ホールディングス株式会社においては、やはりまず抜本的な経営改革が求められていますし、それによって、何といっても、福島の再生復興、廃炉、汚染水対策をしっかりと責任を持って遂行していくと、そういう体制が求められておりますし、まだ、その道半ばかなという気がしておりますが、引き続き、県としては、東京電力ホールディングス株式会社に対しては、まず安全確保、そして信頼回復があってこその、今後の電気事業者としての役割を果たせるんだと、このことを肝に銘じて、しっかりと引き続き、この体制の構築に努力していただくように強く求めていきたいと思います。


◯安藤委員

原発事故が起きてから、原発を建設するというのは、青森県の大間原発だけです。それに加えて、まだいつになるか全く見通しがついていないですけれども、東通村にも新しい原発をつくろうなどということは、絶対、国民、県民が許さないと思いますし、ぜひとも、県にも、そういう立場にしっかりと立っていただきたいということを述べて終わります。

「「青森県新産業都市建設事業団に委託すべき事業に関する計画の一部変更に係る協議の件」について」

◯安藤委員

議案第47号「青森県新産業都市建設事業団に委託すべき事業に関する計画の一部変更に係る協議の件」について、質問します。
1点目は、事業計画の変更の内容について伺います。

◯江刺家産業立地推進課長

青森県新産業都市建設事業団は、昭和39年に新産業都市の指定を受けた八戸地区において、産業基盤の整備を総合的に実施するため、県及び指定区域の市町村により設置され、その設置団体から委託を受けて、工業用地や住宅団地用地の取得、造成及び処分などを行っています。
事業団の委託事業の実施に要する経費については、事業団がみずから調達し、土地売却代金等により償還しますが、事業団の理事会開催費や入居する建物の管理費・光熱水費などの一般管理費は、毎年度、各設置団体が案分して負担しています。
今回の事業計画の一部変更は、この一般管理費について、平成29年度の各設置団体の負担額を定めるため、所要の手続を行うものです。


◯安藤委員

昭和39年から事業団に委託しているということで、この負担額の変更ということのようですけれども、これまでの県の負担額で、多いかなと思われるところで見ますと、平成7年、719万8,000円という費用を負担しています。それで、昨年は、平成28年度は343万3,000円、来年度が337万4,000円ということで、その額に長いスパンで見ると大きな開きがあるのですけれども、この負担の開きはどういうところから起こるのでしょうか。

◯江刺家産業立地推進課長

新産業都市建設事業団設置当初から平成23年度くらいまでは多額の事務費が発生していました。これは、これまでに13の事業を行ってきて、現在は4事業になっていますけれども、そういう経緯があったことに伴うものです。ここ5年ほどを見ますと、大体、事務費全体として700万円前後となっており、県の負担額はその2分の1になりますので、おおむね、ここ数年は大きな変化はないものです。


◯安藤委員

そうしますと、今後も今のレベルの負担額で推移していくと見てよろしいでしょうか。

◯江刺家産業立地推進課長

現在4事業を進めておりますけれども、今後、新たな事業を始めるということがなければ、毎年、経費の節減等を図りながら、徐々に減ってきていますので、大きな変化は生じないと考えています。


◯安藤委員

現在、新産業都市建設事業団が実施している事業の内容について伺います。

◯江刺家産業立地推進課長

事業団では、現在、4つの委託事業を実施しています。
まず、県が委託している金矢工業用地造成事業は、臨海部における工業開発の波及効果の受け皿となる内陸型工業団地として、昭和46年から昭和57年にかけて造成したものです。
次に、八戸市が委託している桔梗野工業用地造成事業は、昭和48年から昭和56年にかけて造成され、水産加工業を含む中小企業を中心とした団地化を推進することを目的としています。
また、同じく八戸市が委託している八戸北インター工業用地造成事業は、平成2年から造成を開始し、先端的技術産業及び加工組立型産業の立地を促進することを目的としています。
最後に、おいらせ町が委託している百石住宅用地造成事業は、昭和55年から昭和62年にかけて、旧百石町洋光台地区に住宅用地及び関連公共用地を造成したものです。


◯安藤委員

現在、新産業都市建設事業団が実施している事業の進捗状況について伺います。

◯江刺家産業立地推進課長

4つの事業の平成29年2月末時点の進捗状況になりますが、まず金矢工業用地造成事業は、用地面積約74ヘクタールに対し、分譲面積約29ヘクタール、分譲率は約39%となっています。
次に、八戸市が委託している桔梗野工業用地造成事業は、用地面積約65ヘクタールに対し、分譲面積約59ヘクタール、分譲率は約91%となっています。
八戸北インター工業用地造成事業は、用地面積約99ヘクタールに対し、分譲面積約84ヘクタール、分譲率は約85%となっています。
また、おいらせ町が委託しています百石住宅用地造成事業は、用地面積約17.2ヘクタールに対し、分譲面積約16.8ヘクタール、分譲率は約98%となっています。


◯安藤委員

桔梗野工業団地ですけれども、分譲率は90.9%となっているようですが、これまで軟弱地盤の問題が問題視されてきましたが、この軟弱地盤の活用状況について伺います。

◯江刺家産業立地推進課長

桔梗野工業団地の軟弱地盤地の有効活用に向け、平成24年に賃貸制度が導入され、平成25年3月から軟弱地盤地約5.8ヘクタールのうち6割程度に当たる約3.6ヘクタールを大規模太陽光発電施設いわゆるメガソーラーの用地として、大和エネルギー株式会社に賃貸していると、事業団から伺っています。


◯安藤委員

そうしますと、分譲率が90.9%になっているというのは、この太陽光発電等の活用がされている結果という理解でよろしいですか。

◯江刺家産業立地推進課長

分譲率は、あくまでも処分したものが90.9%、リースも含めますと96.5%になります。


◯安藤委員

軟弱地盤の活用方法として、太陽光発電という活用の仕方がされたということでは、分譲率をアップさせることができてよかったかなと思います。
次に、金矢工業団地についてですけれども、金矢工業団地は、先ほどの答弁にもありましたように、分譲率がまだ約39%と一番低い実態にあります。金矢工業団地の分譲促進に向けた、これまでの取り組み状況と、今後の取り組みについて伺います。

◯江刺家産業立地推進課長

金矢工業団地は、昭和51年から分譲を開始していますが、交通アクセスなどの課題を抱えるとともに、バブル崩壊やリーマン・ショックといった経済的な影響により分譲率の低迷が続いていたところです。
このため県では、金利による分譲価格の上昇を抑制するため、平成8年から平成23年まで、事業団に対する無利子貸し付けを行ってきたほか、同工業団地内の土地取得に対する補助率を引き上げるなどの分譲促進策を講じてきました。
さらに、平成25年3月の上北道路、六戸・三沢インターチェンジの開設や、日本航空の大阪-三沢便の再開によりまして交通アクセスが大幅に上昇する中、同工業団地の優位性を紹介してきたところ、平成26年2月には、同工業団地の最大区画に大型の木材加工施設の立地が決定し、平成27年4月から操業を開始したところです。
県としては、首都圏での企業訪問活動や全国の企業を対象とした立地意向調査による立地需要の掘り起こしなどにより、多方面から企業誘致活動を展開していくとともに、首都圏等で実施される産業展示会や広報媒体を活用し、本県の立地環境や人材確保の優位性をPRするなど、今後とも地元自治体と連携を図りながら、分譲促進に努めていきます。


◯安藤委員

かなりいろいろな方策を立てて、有利な条件を示してきたという、そういう中で、平成26年に大型木材加工工場が張りついたということですが、それにしても、分譲率が約39%ということですので、まだまだ放置されているというか、活用されない土地があるということでは、多額のお金をかけ、そして毎年、その負担金も発生している中では、問題が多い制度だということを指摘せざるを得ません。そのことを申し上げて、質問を終わります。

◯丸井委員長

ほかに質疑はありませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
ないようでありますから、これをもって質疑を終わります。
これより、議案の採決をいたします。
議案第47号の原案に賛成の方は御起立を願います。
[賛成者起立]
起立多数であります。
よって、原案は可決されました。
次に、所管事項について質疑を行います。
質疑は所管外にわたらないように願います。
質疑はありませんか。──安藤委員。

「「地域レベルのコンソーシアムによる職業訓練コースの開発及び検証実施事業」の概要と、県のかかわりについて」

◯安藤委員

新聞紙上に、「ふるさと発信のプロに」ということで、職業訓練「観光プランナー科」というものが開講されたという、そういう記事を見まして、こういうものがうまく作用して、青森県の観光の発展に寄与されればいいなということを感じました。そこで、「地域レベルのコンソーシアムによる職業訓練コースの開発及び検証実施事業」の概要と、県のかかわりについて伺います。

◯金子労政・能力開発課長

本事業は、地域の関係機関で構成する組織─コンソーシアムといいます、そのコンソーシアムを設置して、その協働により、地域ニーズ等を踏まえた、より効果的な職業訓練コースの開発、検証及び普及を図ることを目的とした事業であり、国が平成26年度から全国で順次展開しています。本県では今年度から事業が開始されています。
具体的には、より就職可能性を高めるための離職者向け訓練コースの開発、検証及び、地域の人材ニーズを踏まえた在職者向け訓練コースの開発を行うこととされており、事業期間は2年で、財源は全額国庫による負担となっています。
本県の状況ですけれども、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構青森支部青森職業能力開発促進センターが中心となって、青森県地域訓練コンソーシアムが昨年6月に設置されており、離職者向けの訓練コースの選定や、その内容等についての協議を経て、観光プランナー科、地域ブランド創造科の2科のカリキュラムが開発されました。現在は、そのカリキュラムに基づいて、同センターによる委託訓練が実施されており、観光プランナー科は本年1月に、地域ブランド創造科は本年の2月に、それぞれ6カ月間の訓練コースとして開講されたところです。
県は、この地域訓練コンソーシアムの構成員として参加しており、青森労働局、商工団体等とともに、本事業に参画しています。今後も本事業への協力を通して、地域の特性に応じた、より効果的な職業訓練の開発等に取り組んでいきたいと考えています。


◯安藤委員

2年という期間ということですが、この2年で2つの専門分野で、何人くらいの専門家を輩出するという計画でしょうか。

◯金子労政・能力開発課長

現在展開している観光プランナー科、地域ブランド創造科、それぞれ20名ずつの定員となっています。これは国の仕様で決まっています。


◯安藤委員

それぞれの資格を持った方たちが、今後どういう職場で、その得た知識を生かしていくということになるのでしょうか。

◯金子労政・能力開発課長

観光プランナー科、地域ブランド創造科、どちらも資格取得を目的としたものではありませんが、それぞれ独自に資格を取得し、就職先を探して、活用していくということが念頭に置かれています。
具体的に取得を目指す、目標とされているものは、例えば、観光プランナー科については、観光プランナーという資格、観光英語検定の3級などであり、地域ブランド創造科については、インターネット・マーケティング検定、PowerPointプレゼンテーション技能認定試験初級などが目標とされています。
そして、それらの資格を得た上で、期待されている就職先、想定しているのは、観光プランナー科については旅館やホテル、観光施設、物産販売会社ですとか広告会社などです。そして、地域ブランド創造科では、製造会社等の商品開発、販売企画部門、販売会社等での営業、広告会社等での企画・営業、そういった業務に就職されることを想定しています。


◯安藤委員

ぜひ、そうした人材が大いに地域で生かされるような、そのためには受け入れる側の認識というか、そういう人材が輩出されるということをしっかりと周知することも必要ではないかなと思います。
それで、これは国の事業であるようなのですが、2年でそれぞれ20人ずつということですが、この2年を経過すると、もうこの事業は終わりということになるのでしょうか。それとも継続されるのでしょうか。

◯金子労政・能力開発課長

まず、この国の2年という設定ですが、国の予算要求動向というもので、継続されることはあり得るところだと思っていますけれども、今のところ、継続については、特に申し渡しは国からありません。
ただ、この事業の目的としては、職業訓練プログラムの開発をして、それを実際に民間の教育訓練機関に普及させていくということも念頭に置いています。そういった意味では、今回、試験的に実施しているコースではありますけれども、それぞれ1社ずつの教育訓練機関において実施されていますし、その反省、フィードバックなども踏まえて、さらに民間教育訓練機関が県内でそういった訓練を実施していただけるように、県としても働きかけていきたいと思います。


◯安藤委員

海外からの観光客も非常にふえているという中ですので、ぜひとも、そういう人材が、その力を発揮できるように、県としても力を尽くしていただきたいと思います。

「LED信号灯器着雪・凍結対策に向けた製品化に対する県の支援について」

◯安藤委員

次の質問ですが、LED信号灯器着雪・凍結対策に向けた製品化に対する県の支援について伺います。
本会議でも何人かの方が質問されたり、今、注目されている事業だと思います。私もこの冬の道路の信号機が全く見えないという経験もしていますので、早く商品化できるように期待しているところです。
そこで、技術開発に取り組む県内企業に対する県の支援の内容について伺います。

◯羽原新産業創造課長

これまでの警察本部を中心とした取り組みを通じて、製品化に向けては、企業における開発経費の負担増が課題となっていたところです。このため、平成29年度は、新たに県内中小企業者の技術開発に要する経費に対して助成し、企業の開発意欲や開発力の向上につなげたいと考えています。
具体的には、青森県産業技術センター工業総合研究所と連携する県内中小企業者に対して、その技術開発に要する経費について、補助上限150万円を補助率2分の1で助成することとしています。
また、企業の技術開発には技術支援や試作段階での製品評価が必要です。このため、このような製品化に向けた技術面での支援を行うための費用について、県が青森県産業技術センターに交付し、工業総合研究所において、県内企業が開発したLED信号灯器に対する評価や助言のほか、企業間や学術研究機関との技術連携のためのコーディネートなどを行うこととしています。


◯安藤委員

現時点である程度、その技術の研究は進んで、それをいかに商品化するかということが課題になっているかと思うのですが、今回の県からの企業に対する補助というのは、幾つの企業を対象にする事業になるのでしょうか。

◯羽原新産業創造課長

今後、予算が成立した上で考えていくことになりますが、現状においては3件の県内企業に対して助成をすることを考えています。


◯安藤委員

そうしますと、3件が補助をいただいて、商品化の研究をするということだと思うのですが、最終的には、例えば、その3つの企業が提案した商品について、1つは選択されるということになるのでしょうか。

◯羽原新産業創造課長

信号灯器の対策の製品、どれが採用されるかというところについては、警察本部で決定する事項ですので、お答えすることはいたしかねますが、信号機の視認性が向上して、着雪・凍結による交通障害の防止効果が見込まれ、県民の安全・安心に寄与するものが選ばれるということです。1件という限定があるかどうかというところについては、そういった成果を見た上で判断されるということになると考えています。


◯安藤委員

製品化できれば、その企業は大変大きな仕事を得るということにもなると思います。そしてまた、それはとてもよい結果に出れば、県内のみならず、北国に波及できると思いますので、ぜひとも、これを大きな取っかかりにして、企業の事業拡大ということも視野に入れて援助していただければと思います。
最後に、いつごろまでの製品化を目指しているのか伺います。

◯羽原新産業創造課長

これまでの警察本部の重点事業では、大学への委託研究や青森県産業技術センターへの研究費の交付等により、関係機関の連携による着雪・凍結対策のための技術的な調査研究が進められてきました。また、これらの取り組みの1つとして、学術研究機関と連携して共同研究する民間企業を公募し、参加企業数社の試作品について、工業総合研究所が性能評価試験を行うことで技術データが蓄積され、今後の製品開発の方向性が見えてきたところです。
このような状況を踏まえ、商工労働部としては、平成29年度からの重点事業において、これまでの成果を生かした県内企業への開発支援を行うことで、今後のおおむね2年間をめどに製品化が図られるよう、警察本部を初めとした関係機関と連携しつつ、積極的に取り組んでいきたいと考えています。


◯安藤委員

ぜひとも、2年をめどにということですので、2年後には安心して車を運転できるようになることを期待したいと思います。

「台湾からの冬季の誘客について」

◯安藤委員

3つ目の質問ですが、台湾からの冬季の誘客についてです。
台湾からのスキーチャーター便の実績について伺います。台湾というと、自分の国では、多分、スキーは余り経験できないという地域だと思うのですが、そういう国のお客さんに青森県のスキー場に来ていただくのは、これからの台湾の冬のお客さんをどうやってふやしていくかということに直結するものですので、伺う次第です。

◯堀誘客交流課長

青森空港を利用した台湾からの国際チャーター便は、平成29年1月18日から2月19日までの間、中華航空により計17便運航されました。
台湾から今回のチャーター便を利用した乗客者数は1,145名で、そのうち約1,000名が本県スキー場を利用するスキーツアーや、本県を含む北東北を周遊する観光ツアーに参加しました。スキーツアーでは、鯵ヶ沢町にございます、青森スプリングスキーリゾートと、青森市の八甲田スキー場の2カ所でスキーやスノーボードを楽しんだほか、観光ツアーでは、十和田・奥入瀬、八甲田ロープウェー、津軽鉄道のストーブ列車、田沢湖、小岩井農場などに立ち寄り、北東北の冬の魅力を楽しんでいただいたところです。


◯安藤委員

今のお話の中には大鰐スキー場は出てこなかったのですが、私は大鰐スキー場の近くに住んでいるので、大鰐スキー場の昔のにぎやかさに比べると、今は大変、お客さんも少ないということで、大変苦労しているという状況のようですので、この中に、ぜひとも大鰐スキー場も仲間に入れてあげてほしいなと思うのですが、その辺の見通しについてはいかがでしょうか。

◯堀誘客交流課長

台湾は、雪が降らない地方ではあるのですけれども、全体で約2万人ほどのスキーヤーがおられるということです。技術的にすぐれた方ではなくて、ファミリーで楽しまれるような方が多いので、今回は残念ながら、どこのスキー場を組み込むかというのは旅行会社の判断なのですけれども、ほかにも、青森県内には大鰐を含む他のたくさんのスキー場がありますので、いろいろな情報、媒体を活用して情報発信、あるいはたくさんの旅行会社に対するセールス活動を粘り強く続けていきたいと考えています。


◯安藤委員

今後の、スキーを目的とした観光客の誘客に向けた県の取り組みについて、伺います。

◯堀誘客交流課長

台湾におけるスキー人口が年々増加している中、現地の旅行社では、スキーを楽しめる新たな旅行先の開拓を行っており、今回、本県のスキーを目的とするプログラムチャーター便が初めて就航したところです。台湾の旅行者からは、先ほど申し上げましたが、上級者向けだけではなくて、ファミリー層向けの中・初級レベルのスキー場のニーズもあるということが指摘されています。県としては、こういったスキー需要に的確に応え、スキーを目的とした誘客に取り組むため、繰り返しになりますが、今回、スキーツアーに組み込まれた鯵ヶ沢と八甲田のほか、大鰐、十和田湖温泉など、県内のさまざまなタイプのスキー場をPRするとともに、スキー場などにおける多言語表記など、事業者に対して受入環境の整備を働きかけていきます。


◯安藤委員

国内でも、また県内でも、スキーを楽しむ方は年々少なくなっているのかなという気がしています。そういう中で、外国のスキーを楽しむ方を誘致・誘客していくということは、とても大事なことですので、来てよかったと、来年もまた来ようと思えるように、ぜひ、サービス向上に向けて、県としても業界の方たちと手を組んで頑張っていただきたいと思います。