2017年11月21日平成29年農林水産委員会

「県内における鳥獣被害防止対策について」

◯安藤委員

私から、最初の質問は、県内における鳥獣被害防止対策についてです。
最近、熊の出没は町部にもあらわれて大きな話題になっていますが、農家の方たちの話を聞いたことがあるのですが、嶽きみの農家の方から、時々、熊が出没して両手に収穫間際の嶽きみを持ってスタスタと逃げていく、そういう光景も時々見られるという話も聞いたことがあります。また、リンゴ園地では最近、鳥よけの模擬の鳥が大きく動いているような場面も見ています。いろいろな鳥の被害も深刻だという話も聞いています。
そういう中で、平成28年度の鳥獣による農作物被害の発生状況について、最初に伺いたいと思います。


◯安藤委員

南部町でムクドリなどの被害が多いという話でしたが、いただいた資料を見ますと、前年比213%という状況のようですが、前年からそのようにふえているのには、何か要因があるのでしょうか。

◯秋本食の安全・安心推進課長

農作物の被害につきましては、最近、本県は、鳥類による被害が多いということで、特に県南は果樹が多いということで、三八地域においては、カラスなどによる、桃などに対する被害が多くなっているということです。一般的には、ツキノワグマやサルなどが表に出ますけれども、実際は、本県においては、もともと鳥類の被害が相当多いということですので、県でも、各市町村に交付金等を活用して鳥獣被害対策をしてくださいと現在指導しているところです。


◯安藤委員

平成29年度はまだ途中なのですけれども、特に、アライグマが9月までの時点で1,103万円という被害額が出ていて、昨年1年間で246万円の被害だったと聞いているので、アライグマの被害が断トツに伸びているような気がしているのですが、その辺のことも含めて、平成29年度の被害の傾向について伺えればと思います。

◯秋本食の安全・安心推進課長

現在、平成29年度はまだ経過報告ということで、9月末現在の数字でございますけれども、弘前市を中心にアライグマの生息数がふえているということで、県でも研修会等を活用して捕獲等の実施を各市町村に呼びかけているところですけれども、現状としまして1,100万円ぐらいということで、アライグマについては一番多くなっております。面積はまだ全部集計されておりませんので、これから市町村から上がってくる形になります。今のところ捉えている中では、ニホンザルが948万円、ツキノワグマが844万円で、途中の経過ということでございます。アライグマはいずれにしても、最近、生息数がふえているので農作物に与える被害が多くなっているということでございます。(後日訂正あり)


◯安藤委員

県では鳥獣被害の防止対策をどのように進めているのか伺います。

◯秋本食の安全・安心推進課長

野生鳥獣による農作物被害の防止対策としては、捕獲・追い払い活動や電気柵の整備などがあり、地域の実情に詳しい市町村による取り組みを促進させる必要があることから、県では、市町村が国の鳥獣被害防止総合対策交付金を活用するための要件となっております、被害防止計画の作成指導や、同交付金の積極的な活用を支援しています。
また、県としましては、これら市町村が防止対策を効果的・効率的に進めるためには、実施体制の強化や人材の育成、近隣市町村との広域連携の3つの観点から支援を行っています。具体的には、実施体制の強化としましては、新規侵入鳥獣であるニホンジカなどの効果的な被害防止対策を図るため、被害調査や鳥獣の生態、捕獲手法に関する研修会等を開催しています。
次に、人材育成対策としましては、鳥獣被害防止対策に係る専門的な知識・技術や、地域住民と行政等が一体となった地域ぐるみの被害対策を習得する研修会などを開催しています。
さらに、広域連携につきましては、野生鳥獣は、市町村域を越えて移動し、その被害も広域的なものになるということですから、市町村が参加した連携会議を開催しまして広域連携に向けた情報共有や意見交換などを行っているところです。


◯安藤委員

最近のりんご協会のりんごニュースを見ましたら、ショ糖水溶液散布が鳥害防止に有効という記事が載っていたのですが、そこで、研究者にショ糖水溶液散布効果の綿密な調査と推奨する全ての散布濃度、散布量、散布時期を明らかにしてほしいということが主張されていました。この辺について、何かお考えがもしありましたら、伺えればと思います。

◯舘田りんご果樹課長

具体的には、りんご協会とはそういう情報交換までに至っておりませんけれども、先般、りんごニュースの記事が出て、来年度に向けて、今後、りんご協会と協議していくということもありますし、りんご研究所と一緒に、防除対策も含めて、来年の春に向けて検討していきたいと考えております。

「青森ヒバ林復元プロジェクトについて」


◯安藤委員

いずれにしても、鳥獣被害の対策がしっかりと防止効果が上がるように、ぜひ自治体と連携して頑張っていただきたいと思っております。
次の質問です。青森ヒバ林復元プロジェクトについてです。前に農林水産委員会に所属した際、ヒバ林について質問をしたときに、衰退の一途をたどっているというお話を聞いた覚えがあります。そういう状況の中で、先ごろの新聞に、青森ヒバ復元の記事が載っていましたので、これは大変うれしい動きだなと思いました。それで、この問題について質問したいと思います。
プロジェクトの取り組み内容について、最初にお伺いいたします。

◯杉山林政課長

日本三大美林の一つに数えられる「青森ヒバ」は、かつて津軽半島や下北半島の国有林に豊富に存在し、腐りにくいことや、木目や木肌が美しいため、木造建築の代表的な材料として全国的に利用されてきたことから、現在では、その資源量が大きく減少しています。
青森ヒバ林復元プロジェクトは、国有林を管理する林野庁東北森林管理局が昨年度から取り組みを開始したもので、かつてヒバ林が生育していた地域において、ヒバを伐った後に植えられ利用期となったスギ等を伐採し、その下に自生している天然ヒバの稚樹を育成することなどによって、ヒバ林を復元するものです。
東北森林管理局では、将来的にさまざまな高さや太さの木がバランス良く配置され、広葉樹が混交する森林を目指し、長期的なモニタリング調査等を行いながらヒバ林復元手法を確立していくとともに、この取り組みを子供たちが森林の多様性の保全等を学ぶ場としても活用することとしています。


◯安藤委員

プロジェクトに対する県の関与について伺います。

◯杉山林政課長

東北森林管理局では、青森ヒバ林復元プロジェクトを推進するため、本年7月、学識経験者や林業関係団体、報道機関などからなるプロジェクト連携推進協議会を設置し、県も構成員として参加しているところであります。
協議会では、関係者の連携・協働の方策やプロジェクトの普及啓発に関する事項などについて協議しており、7月に開催されました第1回協議会では、今年度の調査方法の検討、先月27日に開催されました第2回協議会では、ヒバ林の復元作業が行われた現場を確認しながら、今後の取り組み方針等について意見交換を行ったところであり、県としましては、公益的機能の発揮や地域林業の振興の観点から、災害に強い多様な森林への誘導や民有林、国有林が連携した林道等の路網整備について、今後も積極的に意見を述べていくこととしています。


◯安藤委員

県がプロジェクトに積極的にかかわっていくという心強いお話ですが、今の答弁の中に、災害に強い森林をつくっていくとあったのですが、ヒバ林が災害に強いと考えてよろしいですか。

◯杉山林政課長

天然のヒバ林の中には、ヒバとそのほかに広葉樹が混じっていまして、ちょうどいいバランスで生育しています。それが一番そこの土地に合った姿だろうと思います。ところが、その中にすごくヒバが密集してしまうと、広葉樹が入りにくくて、下が真っ暗な状態になる林分もあります。そういうところは、少し広葉樹が入って、うまくもっていくことも必要かなと思います。


◯安藤委員

目指すべき将来の森林の姿について、県はどのように考えているのか伺います。

◯杉山林政課長

昨年2月に県が策定しました青森県森林・林業基本方針では、「目指すべき将来の森林の姿」として、森林の持つ多面的機能が高度に発揮されるように、スギやヒバ、カラマツなどの針葉樹や、ブナ、ナラ類などの広葉樹がバランスよく健全に生育していることを目標としています。
ヒバ資源が減少する傾向にある中で、民有林におきましても、適地適木の森づくりを基本としまして、ヒバの人工林造成に取り組んできたところであり、多様な樹種が生育する森林を目指し、今後とも、国有林の取り組みと連携しながら、緑豊かな森づくりを進めていくこととしています。


◯安藤委員

イメージとしては、スギなどの人工林は面積的に減っていくという捉え方でよろしいですか。

◯杉山林政課長

今あるスギの面積から考えれば、広葉樹も入れた森林に誘導すべきと思っていますので、そういう意味では、面積は少なくなると考えております。


◯安藤委員

ヒバがうまく育っていくことで、青森県の産業にもつながるものだと思います。特にヒバ油などの活用は、アトピーの子供さんだとか、いろいろな有効性も認められているので、ぜひヒバを生育して青森県の産業にも結びつけていただきたいと思っています。
以上でこの質問は終わります。
3つ目の質問ですが、後山地区のため池等整備事業について伺います。
5月にもこの後山地区のため池整備事業についてはお伺いしたのですが、私の質問の議事録を見た方からいろいろな提言や質問などもいただいたものですから、私も委員会の議事録をもう一度読み直して、幾つかまた取り上げたいなと思いました。
5月の委員会で質問した際に、課長の答弁で、「ため池整備の際に、壊れた側溝について、現地を確認して地域の方から話を伺って、もしできることがあれば、できるだけ誠意をもって対応したい」。また、転落防止柵のハード対策については、「地元に対してさらなる安全対策を講じることについて提案して、地元の理解が得られたら整備について検討したい」と話されました。
最初に、この点についてどうなったのか伺いたいと思います。後山ため池の安全対策と、壊れた側溝に関する県の対応状況についてお伺いします。

◯野中農村整備課長

ため池のソフト面での安全対策としては、管理者である弘前市に相談した上で、6月に地元小学校の教頭先生や教務主任と打ち合わせを行い、「ため池で遊ばない」とするポスターを各クラスや廊下へ掲示したほか、全校朝会時に先生より子供たちに向けて、ため池で遊ばないよう注意を呼びかけていただいております。
ハード面でのさらなる安全対策としては、6月に県民局と地元が現地を確認し対応を検討した結果、ため池へ通じる通路にチェーン等を設置し、進入防止措置を講じています。
側溝につきましては、現地状況を当時の建設業者や担当者から聞き取り、改めて現地で確認、調査したところ、一部破損しているコンクリート水路及び土水路が確認されました。県の工事で破損したかどうかは不明でありますけれども、残土処理時にこの部分を工事車両が通過していることは事実であります。側溝は、現在、用水路として使用しておりませんが、地元から排水路としての機能があることについて指摘を受けておりますので、今後、水路の所有者である弘前市と打ち合わせをして、対応について検討してまいります。

p>


◯安藤委員

5月に取り上げた後、早速、ソフト面での学校への対応をしていただけて本当によかったと思います。ハード面では、鎖、チェーンをつけたということですが、前からあったように思うのですけれども、新たにそういう対策を講じたということなのですか。

◯野中農村整備課長

チェーンについては前からありましたけれども、それ以外にトラロープで進入防止の措置も講じております。これは新たに措置として講じました。


◯安藤委員

側溝の件については、要するに、まだ検討中ということでよろしいですか。

◯野中農村整備課長

先ほど申し上げましたけれども、用水路としては使用していないのですけれども、地元の方から、排水路として機能しているのではないかと、そういう意味では直したほうがいいのではないかという御意見をいただきましたので、この件について、所有者である弘前市と協議している段階で、まだ、今すぐ直すということまでには至っていないのですけれども、協議の結果、直すということもあり得ると思います。

「工事の実施において民地を使用する場合の手続きについて」


◯安藤委員

次の質問ですが、前回の答弁で、「後山ため池整備事業の際に、工事をするに当たって民有地を資材の仮置き場等に使った。その際、民有地の地権者と口頭の了解で仮置き場にした」と答弁されました。しかし、地権者の相続人の方に確認しましたら、地権者である父親は既に亡くなられたのですけれども、お母様はまだ御健在で、その当時のことをよく記憶されています。そのお話によれば、あと、それから日記などもつけていたようで、当時のことがそういうことで確認されているようなのですが、「口頭の了解もしておらず、自分の土地が掘り乱されてることすら知らなかった」と証言されています。そういうことですので、口頭で了解されたという答弁をしたのですけれども、それは間違っていると。口頭でも了解などしていなかったということを主張されていますので、そのことはしっかりと受けとめていただきたいと思います。
そして、改めて質問ですが、工事の実施において民地を使用する場合の手続きについてお伺いします。

◯野中農村整備課長

工事の実施において、土砂の一時仮置きなどに必要な土地を使用するときは、工事着手前において、土地の使用目的や賃借期間、賃借料などを記載した土地賃貸借契約書を作成し、契約を締結した上で土地を使用することとしています。


◯安藤委員

それはすべき対応なわけですが、今回の事例は、それがなされなかったという大きな問題が横たわっております。それで、資材の仮置き場に使ったということですが、その地権者の相続人の方から送られてきた当時の衛星写真です。ため池工事を始めたころから、ずっと今までの衛星写真を提供されたのですけれども、当時のため池工事、こちらのほうがため池で、今言っている地権者の土地はこちらですけれども、この衛星写真によると、ここが弓状になっていまして、仮置き場ではなく、ため池堤体掘削によるヘドロ流出に備えて弧状の堰堤を造成した証拠写真だと言われています。もしそうであるならば、前回の課長の説明とは食い違いますので、ここに証拠写真が示されているので、このことについてはしっかりと、ヘドロ流出に備えての弧状の堰堤として利用したということで確認をしてもよろしいかどうか伺いたいと思います。

◯野中農村整備課長

5月の委員会で、「土の仮置きなど」と説明しましたけれども、土の仮置きのほかには、水分を含んだ土砂が下流に流出しないよう、表土を掘り下げた上で土盛りを行うなどしております。今おっしゃったようなものを設置したというものは、そのとおりだと確認しております。


◯安藤委員

結局、賃貸借契約もせずにそのような土地の利用をしたということですので、資材をポンポンと置いた程度のものではないということからも、やはりこれは大問題だと考えます。無断借用した際の、ここが今言っている地権者の方の土地ですが、この隣接したため池寄りの土地につきましては、あとでホタル池ができた場所なのですけれども、ここの土地についても賃貸借契約はされていなかったのかどうか、その確認もしたいと思うのですが、いかがでしょうか。

◯野中農村整備課長

御指摘があった、ため池に近いほうの土地についても、賃貸借契約を締結せずに、口頭の了解で土地の使用をしておりました。


◯安藤委員

同じような状態だったということですが、ホタル池にする際には、購入契約、売買契約は県との間でしているものですか。

◯野中農村整備課長

ホタル池の整備、別の事業になりますけれども、その事業の中では、今、御指摘のあった土地について、県が買収をしております。


◯安藤委員

勝手に掘り乱されたと言われている民地は、当初、ホタル池に活用する計画だった場所で、民地所有者はホタル池に転用のための了解はしていたそうです。そういうお話もありまして、ホタル池に使うということは了解していたということです。それで、環境公共推進協議会の会長は、土地の売買交渉まで既に行っていたという事実もあります。それがいつの間にか事業変更で、その場所は使われなくなったという経緯があります。そこで伺いたいのですが、借地契約を行わずに民地を使用したのは、民地を買収する計画があったからではないかと考えますが、この点はいかがでしょうか。

◯野中農村整備課長

ホタル池については、地元の要望を受けて平成25年度に整備内容を具体化し、平成26年度にホタル池の土地を県が買収しましたが、別の工事、ため池の工事を行っていた平成21年度時点では、具体的な買収計画はなかったと承知しています。


◯安藤委員

そういうことになりますと、結局、買収計画もなかった中で借地契約もせずに行ったということですね。結果的に、そういうことになってしまったのですが、公共事業の際の当たり前の経過をたどれなかったというのは、先ほど聞きましたように、買収する計画があったわけではないということなので、それではなぜ、そうした貸借契約をしなかったという事態が生まれたと考えていますでしょうか。

◯野中農村整備課長

借地契約を締結せずにこのような工事を行ったことについては、大変申しわけなく思っており、今後このようなことはないようにしたいと考えておりますけれども、当時の担当者に確認しましたら、やはり一般的な手続きを踏まなかったこと、そして、借地料を支払うということについて、そういう思いに至らなかった。そのことだけ我々聞き取れまして、なぜというところについては、そういう思いに至らなかったというのが、我々が今、承知している事実であります。


◯安藤委員

思いに至らなかったというのは、それだけの答弁だと納得できないというのが実感です。これ以上追求したからといって別の答えが出てきそうもないので、そのことは納得できないということで一応終わります。
次の質問ですが、後山地区の里地里山・田園保全再生事業について、いわゆるホタル池の事業についてです。
この質問に入る前にちょっと確認をしたいのですが、前回の課長答弁で、ホタル池の整備に当たっては国の補助事業を活用しており、その負担割合は国が50%、県が25%、市と地元で25%という説明をされました。この補助事業は何の補助事業で、負担割合はこのとおりで間違いないのか確認したいと思います。

◯野中農村整備課長

前回答弁申し上げたときに、事前に準備していなかったので、ほかの事業の負担率を申し上げてしまいました。改めて調べましたところ、この事業については、国75%、地元が25%という負担割合でありまして、前回私が申し上げた国50%、県25%というところは間違っておりました。おわび申し上げます。


◯安藤委員

何の補助事業ですか。

◯野中農村整備課長

事業名としましては、「里地里山・田園保全再生事業」という名前になります。


◯安藤委員

その補助事業の財源となるのは何ですか。

◯野中農村整備課長

本事業は、国の電源三法交付金等を活用して実施しております。


◯安藤委員

弘前市でも地元でも、核燃料サイクル交付金を使った事業だと皆さん認識されているのですが、そういう認識で間違いないですか。

◯野中農村整備課長

先ほど申し上げた、電源三法交付金の中に含まれますので、その認識で間違っておりません。


◯安藤委員

里地里山・田園保全再生事業の当初事業計画と実績について、また、そのうち、後山地区の当初事業計画と実績についてお伺いします。

◯野中農村整備課長

当初の全体事業計画は、27地区で総事業費5億6,964万4,000円でした。これに対する実績は、17地区で総事業費5億6,576万3,000円となっています。
また、そのうち後山地区は当初事業計画において、事業費1,600万円での実施を予定しておりましたが、平成26年度に事業費499万9,000円で完了しております。


◯安藤委員

計画が27地区だったのに対して、実績が17地区ということなのですけれども、そうしますと、10地区の計画は実施されなかったということでいいのですか。

◯野中農村整備課長

当初計画から地区数が減った部分については、地元の調整が整わずに、地元での実施を断念した部分もあります。また、ほかの事業での対応というものもありますので、全てが実施されなかったということではありません。


◯安藤委員

先ほどの答弁で、後山地区の当初事業計画と実績については、1,600万円の計画だったのが499万円になったというお話でしたが、これは前の委員会でもそうなった理由は、地元負担が払えないからだというお話だったわけですが、このホタル池事業のように、半分以下の事業に縮小した事例は、ほかの事業にもありますか。

◯野中農村整備課長

先ほど申し上げた17地区の中で、事業規模を縮小したのは後山地区以外にはありません。


◯安藤委員

電源立地地域対策交付金により造成した基金を財源にしたり、あるいは、核燃料サイクル交付金を財源にした里地里山・田園保全再生事業が、いただいた資料を見ますと、平成25年の実績はゼロになっております。平成23年に原発事故が起きたその後ということになるのですが、それは原発事故で核燃料サイクル交付金の先行きが不透明になった時期があったというお話も聞いています。そのあたりについては、担当課が違う部局でありますので、この辺については詳しくは一般質問で伺いたいと思います。
次の質問として、ホタル池の規模が縮小したのは、地元の意向を踏まえたものではなく、県が国の交付金にあわせ規模を縮小したためではないのか。核燃料サイクル交付金の先行きが不透明になった時期があるということも踏まえて、このような質問をさせていただきたいと思います。

◯野中農村整備課長

後山地区の当初計画は、地元の意向をもとに県が作成しましたが、その後、事業の実施に当たり、改めて計画内容と地元負担額を説明したところ、地元住民から当初計画の事業費では負担額が大き過ぎるので、負担が可能な規模へ縮小してほしいとの意見があったことから、規模を縮小したものであります。


◯安藤委員

県も入っている環境公共推進協議会で当初の1,600万円規模の計画も立てられたわけです。その際に、市や地元の負担が発生するということは前提の上で計画が議論されたと思うのですが、地元の負担が発生したときに、どのような形でその地元負担を確保すればよいのかということについて、県がアドバイスもしていたのではないかと思うのですが、その辺について、地元負担の財源をどのような形で捻出したのか伺いたいと思います。

◯野中農村整備課長

地元負担の財源について、県がアドバイスしたかどうかについては、私は承知しておりません。そして、実際に今回、負担をした原資についても、地元の方に聞いたところによると、多面的機能支払交付金などの取り組みで得られた財源を充てているとは聞いておりますけれども、それも実際はどういうところからお金を支払ったかということについては、県として細かく承知するような立場にはありません。


◯安藤委員

規模が縮小したのは地元負担に耐えられないからだということで、耐え得る金額の規模にということで、結果的にそうなったわけですが、今、お話しされた多面的機能支払交付金のほか、中山間地域等支払交付金などを活用したとも聞いています。このような交付金を活用した結果、地元負担の支払いをしたわけですから、その辺も踏まえた予定どおりの規模の事業が進められたのであれば、今回のような、結果的に予定されていた土地も使わなくなるという事態が発生しなかったと考えますと、その辺の県のアドバイスというか、その辺ももう少し親切にやられたらよかったなと考えています。
最後に、ホタル池の未整備部分が残っていると聞いているのですが、この点については、今後どのように対応していくのかお聞きしたいと思います。

◯野中農村整備課長

ホタル池の未整備部分というのは、もう少し具体的に御質問いただけますでしょうか。


◯安藤委員

隣接地との保護柵があるのですが、それは途中までで未設置の場所があるということ、それから、外周部の締め固めなどが必要だと話されています。このような部分についての今後の対応です。

◯野中農村整備課長

防護柵につきましては、転落の危険性が高い箇所について設置することになっております。今回、地元から要望のありました部分については、県の職員が現地を確認したところ、転落の危険性が低いと判断しておりまして、県としては設置することは現時点で考えておりません。
また、法面の締め固めにつきましても、現地で職員が確認したところ、現時点では不要であると判断しておりますので、こちらについても、対応は現時点で考えておりません。

◯安藤委員

保護柵を設置しているところは転落の危険があって、設置されていないところはその危険がないということですが、私は何度も見ていますが、そんなに変わっている条件ではないと考えます。ですから、その辺について、もう一度、未設置の状態でいいかどうか、再検討していただきたいと思います。
いずれにしましても、ホタル池がこれから住民の方たちの憩える場所として、そして、弘前市民、弘前だけじゃないですけれども、多くの方が気軽に訪れて楽しめ、そして、そういう環境に親しめるような活用の仕方ができるように、今現在は管理は弘前市だったり、あと、地元の方たちだったりするとは思いますが、もう後はそちらにお任せではなくて、やはり県としても環境公共推進協議会の一員でもありますので、しっかりと関係を持って対応をしていただきたいと思います。
以上で終わります。