2016年8月19日平成28年商工労働観光エネルギー委員会

「六ケ所工業用水道事業について」

◯安藤委員

六ケ所工業用水道事業について、六ケ所工業水道事業の移管に向けた今後のスケジュールについて伺います。

◯江刺家産業立地推進課長

平成29年4月を目途に六ヶ所村へ移管する場合、今後のスケジュールとして、主なものを具体的に申し上げますと、移管後に事業主体となる六ヶ所村において、工業用水道事業法に基づく事業の届け出や供給規程の届け出に係る国との協議、工業用水道事業条例の制定及び公営企業の設置等に関する条例の一部改正、会計システムの改修に係る予算の計上及び改修の実施などがありますが、システム改良に係る補正予算案は9月の定例議会に、関係条例案は3月の定例議会にそれぞれ上程する予定であると聞いています。
また、県においては、移管後の立ち上がり期間における設備の維持・更新費用等に相当する支援額の精査と予算計上、それから青森県工業用水道事業条例及び青森県公営企業の設置等に関する条例の一部改正などがありますが、県土整備部と協議しながら、関連する予算案及び条例案を2月定例会に上程し、御審議いただきたいと考えています。
県及び村の議会において関連議案可決後に、県と村において、六ケ所工業用水道に係る土地や建物等の譲渡契約を締結し、移管することとしています。


◯安藤委員

客観的に見て一番心配されるのは、この間、県の事業として累積欠損金が2億円生み出されてしまった実態があるわけですが、移管後の六ケ所工業用水道事業の経営の見通しについて伺います。

◯江刺家産業立地推進課長

六ケ所工業用水道事業を六ヶ所村へ移管した場合、新たな運営主体になることで累積欠損金のない状態から事業が開始されること、設備等の無償譲渡を受けることにより、減価償却費が損益に影響しないことなどにより収支の改善が図られます。
さらに、移管後一定期間分の設備の維持・更新費用等に相当する額を支援することにより、収支が黒字で推移する自立的な経営が可能となり、将来的に安定した事業運営が見込まれるところです。


◯安藤委員

移管後一定期間分の設備の維持・更新費用等に相当する額を県と新むつ小川原株式会社が支援する方向で調整するということなのですが、その具体的な額等については2月定例会に上程するということなのですけれども、移管後一定期間分というのはおおむねどのくらいの期間を指すのか。1年ぐらいの分なのか、数年分と見ればよいものなのか、あるいは十数年分なのか。大まかな線でいいので、どのくらいの期間を指すのか教えてください。

◯江刺家産業立地推進課長

その辺の期間、これは金額も含めてですけれども、これから具体のことを六ヶ所村等と協議し、精査していきたいと考えています。おおむね何年というのは、現段階ではまだ。


◯安藤委員

しかし、累積欠損金がない状態から出発するということではあるのですけれども、これから安定的な経営をする上で、その支援額がどのくらいなければ安定的な経営ができないということは、大まかな線では出さなければ、六ヶ所村としても、経営についての安定化を図れるかどうかというのは協議できないと思うのですが、その額はこれから検討ということですが、おおよそどのくらいを見込んでいるのか、その辺について示していただければと思うのですが。

◯江刺家産業立地推進課長

具体の支援額、支援期間、支援の際の移管後の一定期間の算定等ですけれども、県議会に対しては、2月の定例会に上程し、それまでに精査した上で報告したい、現段階でその協議の過程の数字を申し上げるのは控えたいと思っています。2月定例会の予算計上期までにしっかり詰めていきたいと考えています。


◯安藤委員

そうしますと、六ヶ所村に示す額というのは、県議会に示してからということになるのですか。

◯江刺家産業立地推進課長

六ヶ所村及び新むつ小川原株式会社と事務的に協議した上で、それぞれの議会に諮りたいと考えています。


◯安藤委員

繰り返しになるのですが、協議した上で県議会にも示されるということですが、県議会に示された後に六ヶ所村へ提示するということになるのですか。

◯江刺家産業立地推進課長

議会のスケジュールからいえば、県議会は2月、村の議会は3月と聞いています。若干ずれはあるかと思いますが、両者で事務的に詰めたものをそれぞれの議会に上げていくという形になると。


◯安藤委員

どちらにしても、これまで累積欠損金が2億円も出てしまったこの事業について六ヶ所村が引き受けるということは、相当の覚悟も必要なものだと思います。今、具体的なその期間、支援の期間とか額については提示されませんでしたが、今後また県議会で十分議論する必要があると思っています。

「弘前高等技術専門校の給食設備について」


◯安藤委員

弘前高等技術専門校の給食設備について伺います。この委員会で5月に調査を行った東北職業能力開発大学校青森校の環境のよさには大変目を引きました。寮が完備されているということもあり、そちらで昼食をとれるという説明を受けました。それに比べて弘前高等技術専門校に通う学生は、食事の面で大変不便をしているのではないかという思いをしました。
そこで質問します。改築前の弘前高等技術専門校に設置されていた給食設備を改築の際に設置しなかった理由と、今後の設置の見込みについて伺います。

◯金子労政・能力開発課長

現在の弘前高等技術専門校校舎は、障害者職業訓練校との合築工事を行い、平成24年4月から供用開始しました。改築前は、寮を利用している訓練生を対象に給食サービスを提供していましたが、寮を利用していない訓練生については、現在と同様、各自で食事を用意することとしていたものです。
改築に当たり、1つとして、周辺にスーパー等があり、食料を調達できる環境が整っていること、2つとして、一般の訓練生については、これまでと状況と変わらず影響がないことなどを踏まえまして、給食サービスを廃止することとしたものです。
なお、障害者職業訓練校の寮に入寮している訓練生に対しては、食事について、自炊または宅配サービス、これを選択できる仕組みとしています。
また、今後も現状どおりの運営を継続していくこととしており、新たに給食設備を設置する予定はありません。


◯安藤委員

今、寮という話も出たんですが、障害者の方の寮ということでよろしいですか。

◯金子労政・能力開発課長

障害者職業訓練校については、現在、弘前に当県としては1校設置しています。そちらについては寮があり、そちらを利用している訓練生は、食事について、自炊または宅配サービスを選択できる形となっています。したがって、合築前、後、同じような形で、障害者訓練校の入寮生は食事のサービスを宅配サービスを選択することにより受けることができるという形になっています。


◯安藤委員

弘前高等技術専門校の障害者でない方の訓練生については寮はないのですよね。それで、改築の際に給食設備を廃止したということなのですが、それでは、他の青森高等技術専門校や八戸工科学院については、給食設備はどのようになっているのでしょうか。

◯金子労政・能力開発課長

青森高等技術専門校においては、現在寮が設置されており、そちらでは寮生向けの食事の提供というものがなされています。また、八戸工科学院についても訓練生向けの寮が設置されており、同じく食事の提供がなされています。


◯安藤委員

ほかの2校については寮があるので、給食の設備もあり、提供されるということなのですが、弘前高等技術専門校において、その寮も設置されていないのはどういう理由なのですか。

◯金子労政・能力開発課長

弘前高等技術専門校の改築を計画していた当時、弘前校の学生寮は、定員60名のところ16名の利用という状況であり、さらに、入寮している訓練生についても、大半が通学圏内に自宅があるという実態でした。これを踏まえ、当時、寮を廃止しても特に問題はないと考え、改築時に、弘前高等技術専門校の寮は設置しないという判断をしたものです。


◯安藤委員

当時、定員60名の寮に対して16名が利用していたということなのですが、寮の質問をするための質問でもなかったのですけれども、それでもやっぱり、寮を利用していた方があったのに寮をなくしてしまったというのは、少し問題があるかなと思います。
現在の弘前高等技術専門校の通学生は、市内から通っていることが多いということなのでしょうけれども、中にはかなり離れたところから来ている学生もいるのではないのでしょうか。

◯金子労政・能力開発課長

あいにく今手元には弘前高等技術専門校の現在の訓練生の住居状況についての情報というものは持ち合わせていませんので、答弁できません。申しわけございません。


◯安藤委員

弘前高等技術専門校は造園科だとか配管科というのがあって、年配の方も通学されているわけですが、こうした年配の方たちにも、そして若い方たちにも健康面に留意した安価な給食を提供する環境は必要ではないかと私は思っています。それで、学生や職員からのこの件に対しての要望などはないのでしょうか。

◯金子労政・能力開発課長

現在のところ給食に関して、弘前高等技術専門校の訓練生及び職員等から特に要望はないと承知しています。


◯安藤委員

できましたら職員や通学生の意見を聞くためのアンケートなどをとって、皆さんの声を集約していただきたいと思います。これは要望しておきます。

「離職者等再就職訓練事業について」

◯安藤委員

それでは、次の質問に移ります。離職者等再就職訓練事業について伺います。この事業の概要と今年度の応募状況について伺います。

◯金子労政・能力開発課長

離職者等再就職訓練事業による職業訓練は、離職者等の早期再就職の促進を図ることを目的に、民間の教育訓練機関等を活用して委託により実施する公共訓練であり、一般の求職者を対象としています。
訓練内容としては、3カ月から6カ月の座学を中心とした知識等習得コース、介護福祉士または保育士の養成施設に委託し、資格取得を目指す2年間の資格取得コース、3カ月の座学と1カ月の職場実習等を組み合わせた委託訓練活用型デュアルシステム、建設分野の即戦力となる人材を育成するため建設機械等の運転技能習得訓練を行う建設人材育成コースの4コースを計画しています。
今年度開講するコースですが、73コース、1,420名を定員として計画しています。コースにより随時開講することとなっており、現在、開講前のコースもあることから、応募状況、応募者数については、7月末時点で664名となっています。


◯安藤委員

4コースあるということなのですが、職業訓練の際の自己負担はどうなっているのか、そしてまた、応募の条件はあるのか伺います。

◯金子労政・能力開発課長

離職者等再就職訓練事業の4コースいずれについても離職者が対象ということでして、受講料については雇用保険から賄われることとなっており、受講生の自己負担というものはありません。


◯安藤委員

応募の条件。

◯金子労政・能力開発課長

はい。失礼いたしました。応募の条件については、まず、雇用保険の受給資格がある、すなわち求職者であるということが必要ですので、離職等をした後にハローワークに求職の申し込みをし、諸手続を経ることが必要です。そして、そのほかには特に応募条件というものは設定していません。


◯安藤委員

求職者なら誰もが対象者になるということで、自己負担もないということですから、大いに活用していただきたいと思います。
そこで2つ目の質問なのですが、資格取得コースの昨年度の修了実績と28年度開始のコースの応募状況について伺います。

◯金子労政・能力開発課長

資格取得コースですが、平成26年4月に開講し、2年間の訓練期間を経て平成28年3月に閉講した資格取得コースの修了実績については、8コースありまして、合計59名が修了し、介護福祉士の資格を28名が、保育士の資格を31名がそれぞれ取得しています。
このうち、6月末時点で53名が就職をしており、就職率は約90%となっています。
また、平成28年度開始の資格取得コースの応募状況ですが、8コース計画し、実施しており、これに68名が応募しています。これから2年間の訓練を経まして、平成30年3月に閉講する予定となっています。


◯安藤委員

定員194人に対して入講者が70人、うち修了者が59人ということなのですが、これはまだ途中段階の数という認識でよろしいのでしょうか。

◯金子労政・能力開発課長

委員が今紹介された数字については、平成26年から28年まで実施したものの実績ということです。


◯安藤委員

実績ということは、194人の定員に対し、応募し、入講したのが70人だったということなんですよね。うち修了者が59人ということは、定員がかなり満たされていないということだと思うのですが、この辺の状況についてどのように認識しているのか伺います。

◯金子労政・能力開発課長

委員御紹介のとおり、定員に対し入講生の数が少ない状況となっています。そちらの状況について委託先に伺った話ですと、やはりすぐに就職したい、2年間学んでというよりはすぐに働きたいという離職者、仕事を探している離職者が多かったという話を承っています。


◯安藤委員

さきにいただいた資料を見ますと、弘前厚生学院の保育のところで60%が就職をして、介護福祉の関係で75%ということなんです。ほかのところを見ますと、青森においては、介護福祉も、それから保育士も100%就職されています。そういうのに比べて、今紹介しました弘前厚生学院の60%と75%というのは就職率がちょっと低いなと思うのですけれども、もしこの辺の理由などがわかれば伺いたいと思うのですが。

◯金子労政・能力開発課長

今、委員から御紹介がありました弘前での資格取得コースの実績、それから就職状況については、あいにく今手元にデータ等は持っておらず、お答えできません。申しわけございません。


◯安藤委員

できましたらその辺もぜひ把握していただいて、せっかくの資格取得のコースを、このチャンスを生かして就職につなげられるように、ぜひ援助していただきたいなと思います。
それで、ハローワークを通してこういう職業離職者の再就職訓練事業というのは示されているのだと思うのですが、十分周知されているのかどうか、その辺についてはどうでしょうか。

◯金子労政・能力開発課長

離職者等再就職訓練についての周知広報の状況ですが、当県ウェブサイトの当課のページに全体のスケジュールなどについて早期から示しているほか、各ハローワーク、関係機関においても、ポスターの掲示、パンフレットの配布などを実施しており、そういった形で利用拡大に努めているところです。


◯安藤委員

先ほども申しましたけれども、せっかくのチャンス、だけれども、すぐに収入にはならないということでは、ある一定期間、この資格のために時間を要するわけですけれども、自己負担もないということですので、大いに活用者が広がるように県としても力を出していただきたいと思います。

「本県の観光振興について」

◯安藤委員

3点目の質問ですが、本県の観光振興について伺います。ことしも夏の大きなイベントであるねぶた、ねぷた、三社大祭などが終わったわけですけれども、この件について伺います。平成28年度の主要な夏祭りにおける観光客の入り込み数について伺います。

◯戸沼観光企画課長

本県の主要な夏祭りである青森ねぶた祭、弘前ねぷたまつり、八戸三社大祭、五所川原の立佞武多について、平成28年度の観光客の入り込み数について各市から聞き取りしたところ、まず青森ねぶた祭ですが、276万人、弘前ねぷたまつり、168万人、八戸三社大祭、117万7,800人、五所川原立佞武多が111万人となっており、いずれの祭りにおいても前年よりも増加している状況にありました。


◯安藤委員

ことしは天候にも恵まれたということもあって昨年より増加したということで、どこも100万人を超える観光客が来ているということで、ぜひ夏祭りを観光につなげるための要素として大事に育てていってほしいと思います。
それで、県内外の日帰りの方ももちろんあるでしょうけれども、遠方からの宿泊される方もこの夏祭りに関してあるかと思うのですけれども、宿泊施設の状況などについては県としては把握されているのかどうか伺います。

◯戸沼観光企画課長

夏祭り期間中の市内の、各市の宿泊施設の稼働状況ということかと思いますが、稼働状況については、観光庁宿泊旅行統計調査で調査しているところですが、実際は月単位です。また、都道府県単位の調査となっていますので、特定の、例えば夏祭りの期間だけどうだったとか、また、特定の地域はどうだったというような稼働状況というのは把握できていない状況にあります。


◯安藤委員

そういうふうなデータのとり方だということなのですけれども、ぜひ今後、せっかく青森にこの時期来たいという方たちが、宿泊の面でその希望がかなえられないということも予想されますので、ぜひともその辺についても、関係団体等とも連携しながら、青森県内の宿泊状況、そしてその問題点などについてもぜひ掘り起こしていただきたいと思います。
次の質問ですが、夏祭りを初めとする本県の魅力を海外にどのようにPRしているのか伺います。

◯堀誘客交流課長

県では、海外からの誘客を促進するため、春は桜、夏はねぶた・ねぷた祭り、秋は紅葉、冬は樹氷といったトップコンテンツを中心に、英語、韓国語、中国語による観光情報サイトへの記事掲載、SNS(フェイスブックとかツイッターのような人同士のつながりを電子化するサービス)こういったものを活用した情報発信を行っています。
また、韓国、台湾、中国、オーストラリアなどから情報発信力の高いテレビや雑誌、ブロガーを招聘し、本県の夏祭りや伝統文化、自然を体験していただき、マスメディアやインターネットを通じた情報発信につなげています。
さらに、海外において開催される観光旅行博覧会などに本県が出展する場合には、夏祭りの衣装を着用して記念撮影に応じたり、ステージ発表でハネトの踊りを披露したりするなど、本県を代表する観光コンテンツとして夏祭りを積極的にPRしています。


◯安藤委員

積極的にPRしているということです。それで、そういうPRも功を奏して、青森県の夏祭りを堪能している海外の方もいるかと思うのですが、しかし、まだまだ外国の方にこの青森の夏祭りのそれぞれのよさ、ねぶたやねぷたや三社大祭など、このようなすばらしさを知っていただくために、今後とも、海外へのPRの仕方なども工夫しながら、ぜひとも観光客につながるような取り組みを進めていただきたいと思います。
それで、海外から誘客する上での課題とその対応策について伺います。

◯堀誘客交流課長

日本を訪問する外国人旅行者は、円安も追い風となり大幅にふえており、昨年の本県の外国人延べ宿泊者数は過去最高の約11万人泊と、東北6県の中でも宮城に次いで多い結果となりました。
これは、東京と大阪の間のいわゆるゴールデンルート以外にも、日本らしさや地方ならではの文化・体験を求めて外国人旅行者が各地域を周遊している傾向にあることに加え、これまで本県の情報発信などの取り組みの成果が出てきていることが好調の要因として考えられます。
しかしながら、東京や北海道など海外で人気の高い観光地と比べれば本県の認知度はまだ低い状況にあり、県としては、今後の一層の誘客拡大に向けて、団体旅行対策の強化に加えて、今後の増加が見込める個人旅行対策が重要であると考えています。
そこで県では、北海道新幹線開業を契機に、人気の高い北海道と本県を周遊する旅行コースの旅行商品や食に注目した北東北を周遊する旅行コースの提案など、新たな旅行商品の造成・販売を促進するほか、個人旅行対策としては、中国最大のオンライン旅行社との共同キャンペーンなどを行い、海外からの誘客に取り組んでいきます。


◯安藤委員

弘前ねぷたの際も外国のお客さんの姿も随分見ましたし、また、テレビなどで大変喜んでいる姿も拝見して、これからますます海外の方たちの誘客に力を尽くすべきだなということを何度も感じました。ぜひ今出された課題などが実を結ぶようにぜひとも頑張っていただきたいと思います。

「大間原子力発電所及びMOX燃料工場について」

◯安藤委員

最初の質問です。大間原子力発電所及びMOX燃料工場について伺います。
1点目は、大間原子力発電所の適合性審査の状況について伺います。

◯笹山原子力立地対策課長

電源開発株式会社によると、大間原子力発電所については、平成26年12月の原子炉設置変更許可申請以降、これまでに審査会合が9回開催され、主に地質関係に係る審査が行われており、今後とも審査対応に万全を期していくとのことです。


◯安藤委員

そうしますと、適合性審査は今、最中、やられているということで、これが終わらなければ建設は再開されないという認識でよろしいのでしょうか。

◯笹山原子力立地対策課長

基本的に建設工事については、この規制委員会による適合性審査を満たすことをもって再開されるものと認識しています。


◯安藤委員

この適合性審査の終了の見込みといいますか、おおむねどのくらいを想定しているのでしょうか。

◯笹山原子力立地対策課長

電源開発株式会社のこれまでの発言の中では、本年の11月に審査終了を目指したいと表明されているところです。


◯安藤委員

済みません、ちょっと聞き漏らしたのですが、その11月終了を目指しているというのは、事業者側なのでしょうか。

◯笹山原子力立地対策課長

11月に審査を終えて工事再開を目指すというのは、あくまでも事業者である電源開発株式会社の発言です。


◯安藤委員

11月というとあと数カ月ですけれども、県は、この終了が11月ということについて、どのように現実性があると見ているでしょうか。

◯笹山原子力立地対策課長

スケジュール等々について、県から申し上げるという立場にはないと思いますけれども、電源開発株式会社では、これまでの大間原子力発電所の審査状況を踏まえると、本年11月に安全強化対策工事の審査を終えて工事に入るという目標については大変厳しくなっているということをもう既に表明されていますが、今後とも審査対応に万全を尽くしていくということもあわせて話されています。


◯安藤委員

大間原子力発電所における適合性審査の重要課題は何であると認識しているでしょうか。

◯笹山原子力立地対策課長

審査にかかわることですので、これはあくまでも国の原子力規制委員会の所掌になるわけでして、安全規制の責任というのはそちらにあります。
その上で申し上げますと、これまでも述べてきたところですけれども、大間原子力発電所については何よりも安全の確保が第一と考えておりまして、事業者が新規制基準への適合に万全を期して、原子力規制委員会による安全性の確認を受けることが前提であると考えています。
そうした中で、適合性審査の中では、御承知のとおり、大間原発の場合はフルMOXということを目指していますので、フルMOX炉心を考慮した安全性の評価ということが今後審査会の中で明らかになってくると考えています。


◯安藤委員

フルMOXということでの考慮すべき点というのは、一般の原発とどのように異なるのでしょうか。

◯笹山原子力立地対策課長

今申し上げましたとおり、今後審査が進展していく中において、フルMOX炉心についての安全性の評価というものが進められていくと考えていますので、その状況を注視していきたいと考えています。


◯安藤委員

活断層にかかわる審査の進展状況はどのようになっているのでしょうか。

◯笹山原子力立地対策課長

審査について大まかに分けますと、施設に関係するもの、それから地震・津波に関係するものということになろうかと思います。このうち、先ほど申し上げた9回審査会合が開かれているうち6回は、敷地及びその周辺の地質・地質構造についてであり、その説明を行っている最中というところです。


◯安藤委員

説明をしているということで、現地調査などについては規制委員会で実施されているのですか。

◯笹山原子力立地対策課長

先ほど申し上げたとおり、地震等の関係については説明をしている最中ということでして、まだ現地調査には至っていないところです。


◯安藤委員

現地での調査はこれからということですので、この点についても十分注視していく必要があると思います。
次に、使用済MOX燃料の再処理の見通しについて伺います。

◯笹山原子力立地対策課長

エネルギー資源に乏しい我が国においては、使用済燃料を再処理し、回収されるプルトニウム等を有効利用する核燃料サイクルの推進を基本方針としています。
使用済MOX燃料の再処理については、プルサーマルの実施状況や使用済MOX燃料の発生状況など、今後の動向を踏まえて検討されていくものと認識しています。


◯安藤委員

プルサーマルについては、MOX燃料が使用されるわけですけれども、大間原子力発電所におけるMOX燃料の使用という方向性については、実際にまだ青森県につくろうとされているMOX燃料工場は稼働していないわけですけれども、大間原発が稼働するとなりますと、そのMOX燃料はどのように手配することになるのでしょうか。

◯笹山原子力立地対策課長

電源開発株式会社によると、原則として、日本原燃株式会社のMOX燃料工場から調達する予定であるけれども、同工場が操業を開始するまでの間は海外から調達する予定である。
現在のところ、MOX燃料の具体的な調達計画や装荷計画については、MOX燃料工場や大間原子力発電所の適合性審査の状況を踏まえ、必要な時期までに具体化していくということです。


◯安藤委員

大間原発から出される使用済MOX燃料の再処理の見通しは先ほど伺ったのですけれども、この再処理についても、プルトニウムとウランを取り出して、そこからまたMOX燃料をつくるということについては同じような工程になるのでしょうか。

◯笹山原子力立地対策課長

先ほどお答えしましたとおり、今後の動向を踏まえて検討されていくということですので、具体的にどのような形なのかは、国のほうでも、これからのことであると認識しております。
なお、この使用済MOX燃料に係る研究開発は進められている状況です。


◯安藤委員

仮に使用済MOX燃料の再処理施設ができていない状況でも大間原発は稼働されていくということになるのでしょうか。

◯笹山原子力立地対策課長

これまでも述べてきているところですけれども、県としては、エネルギー資源に乏しい我が国では、使用済燃料を再処理し、回収されるプルトニウム等を有効利用する核燃料サイクルの推進を基本方針としており、使用済MOX燃料の再処理については、今後の動向を踏まえて検討されていくものと認識をしており、国、事業者の今後の取り組み状況を厳しく注視していきたいと考えています。


◯安藤委員

繰り返しになりますが、使用済MOX燃料の再処理施設の見通しが立たない状況でも大間原発が稼働できる状況になれば、稼働していくという捉え方になるのでしょうか。

◯笹山原子力立地対策課長

個別具体の事柄については、国策で進められているところです。先ほど申し上げたとおり、核燃料サイクルの推進というのが我が国の基本方針であるということでの理解をしています。


◯安藤委員

ということは、MOX燃料の再処理施設ができなくても大間原発は稼働するという方向だと捉えているということだと聞きました。
その際、使用済核燃料は再処理されないとどんどんたまっていくわけですが、そのフルMOXで出された使用済核燃料はどこに保管されていくことになるのでしょうか。

◯笹山原子力立地対策課長

国によると、今後、その再処理について検討していくという状況ですが、それまでの間は適切に保管をしていくと認識しております。


◯安藤委員

適切に保管というのは、敷地内で保管するということになるのですか。

◯笹山原子力立地対策課長

国の答弁等によると、当面は使用済MOX燃料を各サイトの使用済燃料プールで保管するということです。


◯安藤委員

いずれにしても、大間原発が、そこで生み出される使用済核燃料の再処理施設も十分方向性が定まらない中でもどんどん進んでいくということは許されないなと。住民、周辺住民の皆さんの不安はそういうところにも大きなものがあるのではないかと思います。
MOX燃料工場の適合性審査の状況について伺います。

◯笹山原子力立地対策課長

日本原燃株式会社によると、MOX燃料工場については、平成26年1月の核燃料物質加工事業変更許可申請以降、これまでに施設に係る審査会合が18回、地震・津波に係る審査会合が27回開催されており、平成31年度上期の竣工に向け、審査対応に全力で取り組んでいるとのことです。


◯安藤委員

こちらもまだ適合性審査の途中だということですので、大間原発と同じように、この適合性審査が終了しなければ建設の再開はないという理解でよろしいでしょうか。

◯笹山原子力立地対策課長

基本的にそのように認識しています。


◯安藤委員

MOX燃料工場が稼働されてからの話になりますが、この工場でつくられるMOX燃料の行き先は、既に計画が決まっているのでしょうか。

◯笹山原子力立地対策課長

電気事業連合会によると、日本原燃株式会社のMOX燃料工場は、現在規制委員会による適合性審査を受けている状況であるため、電力事業者との加工契約の締結前であるが、同工場で製造されたMOX燃料は国内のプルサーマル発電のために利用していくとのことです。


◯安藤委員

国内のプルサーマルにかかわる発電所は、再稼働をされているところももちろん少ないですし、計画に上っていても、その方向性の定まらないところも多いというふうに思いますが、そのMOX燃料の使用見込みといいますか、非常に先行き不透明だと理解しますが、どのような認識でしょうか。

◯笹山原子力立地対策課長

MOX燃料の使用ということにつきましては、プルサーマルの導入、プルサーマルの計画を進めていくということであろうかと思います。電気事業連合会によると、このプルサーマルについては、利用目的のないプルトニウムを持たないという原則のもと、全国で16基から18基の原子炉で導入を目指すという基本的な考え方に変わりはなく、引き続き全社協力して、関係自治体の理解と協力を得ながら、一層の使命感を持って取り組んでいくとのことです。


◯安藤委員

MOX燃料の原料になるプルトニウムとウランについては、基本的には六ヶ所の再処理工場で再処理されたものを使用するということでよろしいのでしょうか。

◯笹山原子力立地対策課長

先ほど、電気事業連合会によるとということで、今後のことであると申し上げました。御承知のとおり、海外で再処理してつくられているMOX燃料もあります。先ほど大間原発の御質問でも申し上げたとおり、それを利用することも視野にあります。その後、MOX燃料工場ができればMOX燃料が生産されていくということで、それを国内で利用していくと理解しています。


◯安藤委員

国内の原発で使うMOX燃料はそういうことになるのだと思うんですが、今建設されようとしているMOX燃料の加工工場については、六ヶ所の再処理工場から取り出されたプルトニウムとウランを加工するという、そういう考え方でよろしいのですか。

◯笹山原子力立地対策課長

はい、そのように理解しています。


◯安藤委員

ということは、もしMOX燃料の加工工場ができ上がったとしても、六ヶ所の再処理工場の本格操業が始まらなければ稼働はされないということでよろしいのですね。

◯笹山原子力立地対策課長

具体的なその製造等の流れについては、事業者のほうで検討されると認識しています。

「電源三法交付金について」

◯安藤委員

次の質問に移ります。電源三法交付金について伺います。電源三法交付金について、平成27年度及びこれまでの交付実績額を伺います。

◯笹山原子力立地対策課長

電源三法交付金の県内への交付実績は、平成27年度では、県に約37億円、立地及び周辺市町村に約117億円、総額で約154億円となっており、これまでの累計では、県に約606億円、立地及び周辺市町村に約2,419億円総額約3,025億円となっています。


◯安藤委員

平成27年度についてで結構ですので、そのうち原子力関連分は幾らで、その割合はどの程度になるか伺います。

◯笹山原子力立地対策課長

内訳については、電源三法交付金ということで申し上げましたけれども、電源立地地域対策交付金、核燃料サイクル交付金、それから原子力発電施設等立地地域特別交付金、これらの集計について先ほどお答えしました。このうち電源立地地域対策交付金については、水力とか火力の部分も含んでいるものですから、ここで数字をお答えすることは難しいところです。


◯安藤委員

ここでは答えられないということですので、後で結構ですので、その数値が示されれば提出していただきたいと思います。

◯笹山原子力立地対策課長

可能な範囲で対応させていただきたいと思います。


◯安藤委員

電源三法交付金は、太陽光発電や風力発電施設も交付対象となっているのでしょうか。

◯笹山原子力立地対策課長

再生可能エネルギーについては、捉え方によります。水力発電、これもある意味再生可能エネルギーと捉える考え方もあろうかと思いますが、一定規模のものは入っています。太陽光発電とか風力発電とかは入っていません。


◯安藤委員

先ほどお答えいただいた市町村の電源三法交付金について、事前にいただいた資料を見てみますと、横浜町が8億8,000万円から12億円に、佐井村が2億4,000万円から4億7,000万円にふえています。六ヶ所村が31億円から27億円、大間町が6億円から2億円、東通村が17億円から7億円へと減っています。このように大幅にふえているところと減っているところがあるのですが、この主な理由というのがわかれば教えていただきたいと思います。

◯笹山原子力立地対策課長

今の各市町村での年度間の増減ですけれども、これは個別の市町村の事業計画によるものです。結果としてこのような増減が出ているということです。


◯安藤委員

事業計画に沿うものだということですが、その事業計画を設定する際の大枠の許容範囲といいますか、計画できるその額というのは示されるのではないのですか。

◯笹山原子力立地対策課長

総額としてどれだけの交付金を使えるのかというのは出ています。ただ、それは基本的に何年間かにわたって、ある一定期間条件の中で使えるというような、ある意味権利というような形ですので、それを各年度でどのように使っていくのかというのがまず一つの視点としてあろうと思います。そして、各市町村においてどのような具体的事業をやるのかと、そのためにどれだけの事業費が必要なのかということで決まってくるものですから、確かにおっしゃるとおり、使える交付金というのはありますけれども、それを各年度の実績に落としたときには、各個別の事業の実績ということになります。


◯安藤委員

そうしますと、確認になりますが、大幅にふえたり大幅に減ったりというのは、それぞれの市町村の計画に基づいてということなわけですね。

◯笹山原子力立地対策課長

市町村の交付金については県が把握している部分、それから、立地市町村等については直接国から交付される部分もあります。それについては聞き取りをして、数字でお答えしているところです。それぞれの市町村において、やはりある程度の期間を見通した中で具体の事業を組んでいくということになろうと思います。


◯安藤委員

電源三法交付金の額の決め方は2年前の発電量で決められると認識していますが、御承知のとおり、東通原発はこの間停止状態ですので、発電されていません。それでも交付される仕組みになっているわけですので、それに関連して伺います。電源立地地域対策交付金の交付実績額と、みなし交付金制度の内容について伺います。

◯笹山原子力立地対策課長

この御質問の冒頭に電源三法交付金の総額についてお答えしました。その要素の一つとして電源立地地域対策交付金というものがあります。これについて、平成27年度までの交付実績は、県に約488億円、立地及び周辺市町村に約2,406億円、総額約2,894億円交付されています。
次に、電源立地地域対策交付金は、対象となる電源、それから交付先、交付期間別に幾つかの算定方法に分かれており、このうち、県内の移出電力量、これは発電電力量と消費電力量との差ですが、この移出電力量の実績に基づいて交付される電力移出県等交付金相当部分というのがあります。これは、この電源立地地域対策交付金の算定方法の一つとしての考え方です。これについて、これまで、平常時と同等に運転したとみなして、交付金が交付される規定が設けられているところであり、この取り扱いのことをいわゆる「みなし交付金制度」と呼んでいるところです。


◯安藤委員

そうしますと、みなし交付金制度はあるわけですけれども、実際に稼働されている、発電されているときと比較するとやはり額というのは減るという考え方でよろしいのでしょうか。

◯笹山原子力立地対策課長

実際に稼働したときと、このみなしでの比較というのは行ってはいませんけれども、先ほども申し上げたとおり、平常時と同様に運転したとみなして交付するという取り扱いをしているところです。これについては、昨年度までなのですけれども、原子力発電所の出力に一律81%という係数を利用して交付限度額が算定されてきたところです。


◯安藤委員

済みません、ちょっと聞き取れなかったんですが、発電されているというときの80%相当という答えだったんですか。済みません、ちょっと聞き取れませんでした。

◯笹山原子力立地対策課長

一律に81%です。

「核燃料サイクル交付金の目的と交付実績額について」

◯安藤委員

次に、核燃料サイクル交付金の目的と交付実績額について伺います。

◯笹山原子力立地対策課長

核燃料サイクル交付金は、核燃料サイクル施設の立地受け入れ等をした道県が行う公共用施設の整備や産業活性化事業などの経費に充てるために交付され、原子力発電施設等の設置及び運転の円滑化を図ることを目的としています。
本県においては、むつ市の使用済み燃料中間貯蔵施設、六ヶ所のMOX燃料加工施設及び大間原子力発電所が対象施設となっています。県が作成し、国の承認を受けた地域振興計画に基づいて、平成27年度までに、県に約16億円、立地及び周辺市町村に約9億円、総額で約25億円が交付されています。


◯安藤委員

運転開始まで1つの施設に対して10億円と聞いていますので、30億円、3つの施設で30億円ということですが、そのうち25億円を既に利用したということなわけですね。そうしますと、あとの5億円というのは既に計画に上っているものなのか伺います。

◯笹山原子力立地対策課長

申し上げましたとおり、地域振興計画に基づいて事業を実施していく、その事業に対して核燃料サイクル交付金を充当していくということですので、残りの部分についても計画上計上されているということです。


◯安藤委員

計上されているということは、例えば平成28年度でもそれを利用した事業が行われているという理解でいいでしょうか。

◯笹山原子力立地対策課長

計画上は載せています。しかしながら、そのそれぞれの事業の進捗状況ですとか、それぞれの財源の見通し等々も考慮した上で行われていると認識しています。


◯安藤委員

核燃料サイクル交付金を充当した事業の主なものについて伺います。

◯笹山原子力立地対策課長

核燃料サイクル交付金については、大間港荷揚場整備事業、がん診療連携拠点病院機能強化事業、県立学校施設整備事業などの県事業のほかに、防災消防体制強化事業、教育文化サービス提供事業、小中学校施設改修整備事業などの市町村事業にも充当し、活用をしてきているところです。


◯安藤委員

県の事業と市町村の事業についての配分についての考え方はどのようになっているのでしょうか。

◯笹山原子力立地対策課長

先ほど地域振興計画のことにも触れましたけれども、そのことも含めてお答えさせていただきます。
核燃料サイクル交付金は、県が作成し、国の承認を受けた地域振興計画に基づいて県に対して交付されるものですが、県から市町村へ間接交付を行うことも可能とされており、県としては、対象施設の所在及び周辺市町村の地域振興に寄与するため、市町村枠を設定しています。
市町村枠の設定に当たっては、既存の電源三法交付金における市町村への配分方法を踏まえ、対象施設の所在及び周辺市町村の人口や面積の県全体に占める割合も加味した上で、総額の3分の1を所在及び周辺市町村へ交付することとしています。


◯安藤委員

それで、県の事業や市町村の事業について、先ほど質問した電源三法交付金の事業と重なっても、それは了とされるものなのでしょうか。

◯笹山原子力立地対策課長

あくまでも核燃料サイクル交付金は電源三法交付金の一部です。