核燃の会総会・市民講座

23 7月

核燃黙っちゃおられん津軽の会で第15回総会・第35回市民講座が行われました。

 基調講演「大規模風力発電とメガソーラーの諸問題」の演題で佐原雄二氏(弘前大学農学生命科学部名誉教授)が講演されました。

当日の模様について安藤晴美が次のようにまとめました。

●2022年6月26日弘前大学農学生命科学部名誉教授佐原雄二氏による「大規模風力発電とメガソーラー諸問題」と題する基調講演が行われました。

3つの流れに沿ってお話されました。

一つ目は大規模風力発電についてです。

佐原氏は青森県環境影響評価審査会会長を務めておられます。評価委員になって12年になられるそうで、最初の頃は廃棄物処理場の問題がほとんどだったそうですが、今では風力発電所の案件が爆発的に増え審査が大変だと話されていました。環境影響評価は事業者が配慮書、準備書、評価書、報告書を作成し自然環境の破壊を未然に防ぐなどの配慮をすることになっており、審査会はそれらが適切かどうか20人の専門家が検証しその結果を知事に報告し、知事が事業者に意見する仕組みとなっていることや、住民が説明を聞いて意見を述べたりすることもできること、最終的には国が認可の可否を判断し県には何の権限も与えられていないことなど話されました。問題なのは国は、この風力発電の環境影響評価(アセス)をしなければならない規模を大幅に緩和しようとしているとの報告もありました。風力発電は、青森、秋田、北海道に多く、本県が10年連続1位で青森県内の風車密集地帯は下北半島基部と十三湖周辺で住民の抵抗のないところから始めているとのこと。風車の高さは150㍍から200㍍程度で洋上だと300㍍以上に。巨大風車の問題として騒音(超低周波も含む)と振動、電波障害、風車の影やバードストライクとバットストライク、景観、森林伐採などが紹介されました。渡り鳥は夜飛ぶので風車にぶつかったり、絶滅危惧種のオジロワシは、昼なのに獲物を探すため下を見て飛ぶので当たってしまうのだそうです。しかし、これら被害の実態は地面に落ちた死骸がすぐにタヌキやキツネなどによって持ち去られてしまうのでつかめないそうです。西海岸沿いの風力発電について防衛省と気象庁がつがる市の米軍のエックスバンドレーダーに支障がないか調査に入っていることにも触れられました。

全国で風発反対運動が起きていて、県内では十和田の「惣辺奥瀬風発」と北八甲田の「みちのく風発」の2か所が紹介されました。この2か所について私も議会で取り上げてきました。他自民党の議員も含め複数の方が自然景観破壊などの問題意識をもって取り上げています。

二つ目は、メガソーラー(太陽光発電)についてです。

こちらの第一の問題は、国の法律でも県の条例でも環境影響評価(アセス)の義務付けがないという問題です。しかし、県内でただ一件アセスが行われた青森市の新城山田のメガソーラーが紹介されました。ここについては50㌶を超える土地改変は県条例によってアセスが必要という縛りの上で行われました。私は、広大な森林伐採のこの現場を調査し議会で取り上げました。ため池がへどろ沼のようになっていました。事業者が地域の町会連合会(会長は保守派県議)に多額の寄付をしていたことが判明しています。札束で反対を封じ込めようとするのが見え見えです。このメガソーラーについては青森市議会でも追及されています。

三つ目は、私たちの生きている時代(大絶滅と人新世)について。これが本題だとおっしゃっていました。

※「人新世」について改めてネットで調べてみましたら「ノーベル化学賞受賞者のドイツ化学者パウル・クルッツェンによって考案された『人類の時代』という意味の新しい時代区分で、人類が地球の生態系や気候に大きな影響を及ぼすようになった時代であり、現在である完新世の次の地質時代を表している」とありました。

佐原氏は、私たちは人新生に生きている。人新生の特徴は、生物多様性の急激な減少。今は地球史上6番目の大絶滅の時代と強調されました。この半世紀に人口は倍増し、農地を確保するために森林が切り開かれた。陸地の75%が改変され、野生動物の個体数は3分の一に減った。100万種以上が絶滅の危機にあるとのこと。最後に私たちの取るべき道は何なのかという難題に対し、〇原発は廃止すべきだ。しかし、原発に代わるエネルギーを躍起になって開発するのが正道なのか。〇誰にでもできる発電がある。「使わない」ことである。〇将来の世代に、幾分でもましな地球を譲り渡すには、それしかないだろう。と締めくくられました。

 

私は、今回の佐原氏の講演を聞いて改めて電気を少しでも使わない暮らし省エネを実践するために努力しようと心に決めました。そして、原発をやめ再生可能エネルギーで電気需要に応えていくためには、何が必要なのか。電気を使う産業構造そのものも変革する必要があると思います。当会の今後の課題として皆で勉強していくことを提案したいと思います。諸外国の事例も大いに参考にして行きたいものです。先生がおっしゃられるように地球は100年で人が住めない場所になるというのを黙って見ていられませんので。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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